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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:12/21


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 12月21日(金曜日) 
通巻第2034号 
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 中国投資公司がモルガン・スタンレーへ50億ドルもの緊急出資
  天下のウォール街の名門=老舗の10%株主はチャイナ
****************************************

 ウォール街の衝撃は正確に日本に伝わっていない。
 ――金融黄禍論とでも言えばいいのか。
 昨日まで貧乏に喘ぎ「カネを貸してくれっ」と先進工業国に居丈高にせがんでいた国が、天下の名門ウォール街の、老舗中に老舗モルガン家の銀行に、ぽんと50億ドルを出資しちゃうんですから。

 中国語メディアは意気揚々と叫ぶ。
 「中投公司、50億美元参股摩根士丹利」(多維新聞網、20日付け)。この「摩根士丹利」がモルガンスタンレーを指す。正確にはモルガンスタンレーの9・9%株主となって、「日常の経営、管理には口を挟まない。利益が見込めるので株主配当を狙う」と記者会見した。

 ともかくこれで2000億ドルの原資で設立された中国の国家ファンド「中国投資公司」は、五月に米国ヘッジファンド大手の「ブラックストン」(「黒石」とかくとイメージが悪いので漢字は「百仕通」と宛てる)への30億ドル出資につづく「快挙」を成し遂げた。
率直に言ってハイリスク・ハイリターン、日本の公共金融機関なら、まずは手を出さない大胆な投資行為である。

 サブプライムの破綻でシティもメリルリンチもCEO交替に追い込まれたが、シティは、アブダビ投資庁を拝み倒して、砂漠の首長らから75億ドルの出資をえた。
 原油高騰で潤い、しかも増産に応じないのだからペトロダラーは強い。
 嘗てシティの経営危機を救ったのも砂漠の王族(サウジの皇太子がポンと増資して倒産の危機を救い、最大株主となったのです)だった。

 ほかの欧米列強は、出資先をアジアに求めた。
 日本には奉加帳を回して済むことだが(日本はなめられてますね。どうせ、欧米の銀行と業務提携の強い邦銀はパートナーとしての出資を強要される)、アジアの国家ファンドは強者が揃った。

 UBS(ユニオンバンク・オブ・スイス)は結局、テマサクから100億ドルを調達した。「テマサク」とはシンガポールの国家ファンド、アブダビ、サウジ、ドバイなどと並ぶ大手。最近も中国東方航空の25%株主になったが、テマサクは同時に中国銀行、中国工商銀行の保有株を大量に売却した。

 南アのスタンダード銀行に55億ドル出資して筆頭株主となったのは中国工商銀行である。
 先述したブラックストンへの30億ドル出資、モルガンスタンレーへの五〇億ドル出資は、中国国家ファンドだが、ほかにも中国開発銀行がバークレー銀行にぽんと三〇億ドル、CITIC(中国国際投資公司。国務院直営)はベアスターンズへ一〇億ドル。

 一体、この有様はどうなっているか、日本のエコノミストで説明できる人はいるのか?

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(読者の声1) 産経台北支局長の長谷川周人氏が署名記事で、「謝長廷氏が日本滞在中に行なった3回の講演も観念的な主張が中心で、対中政策・・に向けた取り組みについて・・具体性に欠けたという指摘も聞かれた」(12月20日付け産経)と報じています。
日本側から提示された会談受け入れを謝氏は党から制限されたとも報じています。遺憾なことです。
謝氏は日本留学中、多数の台湾の仲間が命懸けでやっていた(何人も台湾へ強制送還され監獄に繋がれ、中には拉致され台湾で致死もしました)反蒋独立運動をしていた経歴はありません。ただただ純粋な学究の徒であったようです。
台湾人として内に秘めた熱いものがあるようにも、日本人からは感じられません。所詮他国の総統候補ですが、謝氏は日本にどれほどの決意を伝えようとして来日したのでしょうか。それが伝わって来なかった憾みが遺ります。残念なことです。
  (憂国生)



(宮崎正弘のコメント) いずれにせよ、独立派がいうほど三月の台湾総統選挙は楽観的展望がありません。民進党は苦戦です。謝さんは党内のばらばら、つまり挙党一致体制で選挙にのぞむ態勢が残念ながら未だできていない。
陳水篇さんの2000年、2004年選挙のように党が一本化すれば良いのですが。
副総統えらびでのしこりもあり、蘇貞昌(前首相、副総統候補)率いる新潮流派がどこまで本気か。正副候補は、ともに李登輝さんのようなカリスマ性がありませんから参謀がしっかりしませんと。「新潮流派」は民進党内最大派閥です。
 とはいえ、国民党の方も、じつは党内挙党態勢にはない。
外来政権に食い入った本土派を率いる王金平(国会議長)は、馬英九が当選することを本気で望んでいるとは考えにくい。パートナーの親民党も、しかり。
 いったい、国民党に残る本省人政治家は、中国との統一を考えている筈がありません。粛万長(副総統候補)も、江丙伸(馬政権ができたら次期首相に有力)も、そのあたりは複雑な心境でしょう。
 ですから、与野党ともに、争点を「経済」と「安全保障」だとしてきたのでしょう。一月総選挙ならびに三月の総統選挙には小生も取材へ行く予定です。



   ♪
(読者の声2) ここ二ヶ月くらい私が注目している米国大統領候補者がいます。
共和党に所属する下院議員ロン・ポール氏です。
所謂“泡沫候補”ですが、言っていることが非常に面白い。所謂米国の「原始的」保守主義者を体現しています。インターネットで米国のメディアとのインタビューを無料で観ることができます。
いままでは三流のテレビ局ばかりでしたが、ついにCNNのインタビューを今日(20日)は観ました。なんとアイオワ州の予備選挙候補者のなかでアンケート結果が7%の支持率でジョン・マケイン上院議員とならんだそうです。
もう一つこの候補の特徴はインターネットでの献金を集めていることです。そしてこういった情報には疎い日本のメディアのロン・ポールをインターネットでの献金でNo.1になったと報道しました。
12月20日付けの産経新聞です。
日本で彼に注目しているのは、私だけではなどと自惚れていた私にとってちょっと悔しくもありました。
ここまで極端な保守主義者が当選するとはちょっと思えないが、予想も付かないことが起きるのが政治の世界です。
宮崎さんも検索エンジンで「Ron Paul」を検索してみてはいかがですか。もう既に「ロン・ポール」でも検索できるかもしれません。
たしかに、彼が当選すれば、クリントン氏やオバマ氏やジュリアーニ氏が当選した場合とは非常にことなった政策がとられるでしょう。
一つの可能性としてウォッチしてみるのも一興です。
   (ST生、神奈川)
 

(宮崎正弘のコメント) ジョージ・ウォーレスの再来になりますかね。ゴールドウォーターもいました。
草の根保守の底力が出てきたのでしょう。宗教保守の一部が「中絶容認のジュニアーニでも良いや」と言いだし、これに反発して俳優上がりのトンプソンも南部からハッカビーも出てきたけれど、共和党には本命がいませんから。
 ロン・ポール? 存じませんでした。
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(年末年始の発行について) 小誌は暦通り年末年始は休刊となります。
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((( 宮崎正弘の新刊予告 )))
『崩壊する中国、逃げ遅れる日本』(KK ベストセラーズ。予価1575円) 
1月20日発売!


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『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html

『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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 宮崎正弘の比較的入手しやすい本の一覧 ↓
 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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  1. メルマが届かなくなり、一度解除してから再登録しましたがやはりだめです。これも妨害の一種でしょうか? 仕方なくHPより読んでいます。対策はとれないのでしょうか?

    名古屋AS 2007/12/22

  2. メールマガジンの「読者の声」にどうやって投稿するのか分からないのでここに書きます。

    ------
     メールマガジンが届かなくなり、確認するとスパムメールとして排除されていました。どうやら本文の内容に反応している様子でしたので、試しに2034号(135行)のどの行がひっかかるか全てチェックしました。分かったことは「http://miyazaki.xii.jp/」の文字列を含むとメールがスパムとして扱われるということです。メールマガジンに限りません、「http://miyazaki.xii.jp/」を含む全てのメールがはねられます。私はスパムブロックの設定はしていますがメールフィルタリングは設定していません。プロバイダのサービスが誰かにハッキングされているのでしょう。プロバイダにメールを送っておきました。
     メールマガジンが届かなくなった方は、試しに本文に「http://miyazaki.xii.jp/」を含むメールを自分宛に送ってみてください。

    shima 2007/12/21

  3. ロンポール候補者頑張って欲しい。 この人を応援している Liberty Dollar のロンポールダラーを買いたかったのだが、FBIに押さえられてしまった。信用創造の権力をブッシュは離したくなかったようですが、このペーパーマネーに対する不信は何時か爆発すると思います。

    いつも感謝している中年 2007/12/21

  4. 早く自分の金を自分で使える身分になりたいですね、アメリカの傘の下で、袖の下をだして中国との付き合いをお願いしている様では救えません、「手前の様な野蛮国と付き合えるか、付き合えるだけの待遇を見せてみろ」なんていいたいものです。

     2007/12/21

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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