国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/11/07


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 11月7日(水曜日) 貳
通巻 第1994号  
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 中国最大ネット「アリババ」がヤフー・ジャパンを抜き去る日は近い
   ペトロチャイナ上場の翌日、15億ドルを調達して「グーグル」の記録に迫った
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 これで中国株式のバブルは頂点を打った?
 中国のインターネット加入は一億六千万台。米国に次ぐ普及だ。
99年に杭州で産声を挙げた「アリババ」は、英語教師をしていたジャック・馬という男が立ち上げ、またたくまに会員が2500万人。

 中国の「楽天」や「アマゾン」に匹敵するビジネスが洪水の如く多いが、アリババの独自性は「ビジネス トゥ ビジネス」と呼ばれる方式を編み出したことで、たとえば中国奥地のメーカーがネット上で海外のバイヤーと商談が成立したり、素人のオークションで成り立つ日本の「楽天」とはスケールが違った。

 で、そのアリババが、昨日(11月6日)、上海でIPO(新規株式公開)を果たした。
 前日にペトロチャイナが未曾有の資金調達をなしたばかりなので、アリババは予定を一日延ばしたのだ。
株価はいきなり三倍、十五億ドルを投資家から掻き集めたが、これは2004年に「グーグル」が米国で上場したときの19億ドルに迫る。

時価発行総額ではヤフー(422億ドル)にせまる額で、257億ドルとなる。
世界最大グーグルの時価総額は2265億ドルと、比較にならないが、ヤフーを猛追していることは事実であり、これは関係者にとって脅威であろう。

しかし、「快進撃はこれから」か? これまでか。

       ○●◎み◎や◎ざ◎き●◎○ま◎さ○ひ◎ろ●◎
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(読者の声1)貴誌1993号の「予想より深刻な三峡ダムの決壊の兆し。振動が激しく、地滑り箇所は283箇所と英誌『エコノミスト』」の記事を紹介されましたが、本当に驚かされます。
 ともかく毎日毎日、我々が意表を突かれる角度から、国際報道の隙間にある事件の解析や、まったく日本のマスコミが報道しない事件を電撃的に取り上げて、さすが「早読み」と感心することしきりです。
 今後の貴誌のますますの健闘を期待して、明日も配信を愉しみにしております。
   (TY生、宮城県)


(宮崎正弘のコメント)同様のご意見をたくさん頂きました。励みになります。
 また沖縄のSSさんからは「すでに昔から問題になっていて2004年8−9月の調査記録が下記にあります」として次のサイトを御教示いただきました。
http://www.madlabo.com/mad/research/200408china/index.htm
「多分、ODAなのでしょう」とのコメントとともに。



   ♪
(読者の声2)以下の読者意見に一言。
「そして満州事変を経て出された「リットン報告書」1931年も、管見するに、朝河博士の観点に大すじ大差なく、血であがないかつ資本と辛苦を投じて築いた日本の満洲における「特殊地位」といえども、(1)隣国の領土内にこのように広範な経済的・領土的特権をもつ国は他になく、国際的に理解されうるものではない、(2)また満洲がシナの一部であることに日本を含む諸国の外務省が異議を唱えた事実もない、などの事実を指摘しています」

イ、事実と違っています。
外蒙古はどうでしょうか。ソ連が政権奪取直後にすでに殖民地にしています。
ロ、満洲国が欧米で問題になったのは、米国が満洲を狙っていたからです。
一方、蒋介石が自国の領土と主張する外蒙古はソ連が衛星国にしても国際社会は沈黙していました。これは米国にとり外蒙古が魅力が無かったこととソ連の軍事力に遠慮したからでしょう。
ハ、満州国はソ連やドイツが公式承認しています。
ニ、国際社会といっても個々の国家の損得の集合であり、客観的な尺度とはなりえないのが現実です。「国際」という用語に弱い日本人は注意が必要です。
     (MC生)


(宮崎正弘のコメント)満州問題は、年ごとに行政区分が異なったり、たとえば熱河省なんてありました。いまは「河北省」に編入されている「承徳」(夏の故宮)などは、熱河省でした。
当時の満州帝国の地図と睨めっこしないと全体が読めないことが往々にしてあります。
大連は「満州」ではありませんでした。あれは「内地」扱いでしたし。



   ♪
(読者の声3)貴誌11月5日(月曜日)第1990号(読者の声1)でSJ氏のコメント「貴誌前号にあった、鉄というものづくりでは世界一であろうとも、詐術を最優先する相手との連携を「愚かなり」と断じた貴台の総括は見事です。この深い洞察に果たしてどれだけの割合で貴誌の読者は気づかれるのか?興味があります」
に対して、
宮崎さんが「最新鋭の製造設備を日本から持っていって、しかもそれは合弁の条件ですから中国は土地を提供するくらい。それでも中国は言います。『日本は技術の出し惜しみをしている』と。特許料を真面目に払わない国、面倒になると日本のビジネスマンに「南京大虐殺を反省せよ」とすり替えの議論を吹っかけてくる国。まことにまことに始末に負えない隣人です」
といわれましたが、この中国への大奉仕の流れは、戦後も昭和28年のLT貿易協定から始まっています。
協定締結の代償に日本から当時日本が競争力を持っていて中国が必要としていた代表的な物品である化学肥料と鉄を当時の市場価格の6割で輸出することになりました。勿論大赤字です。
新日鉄の稲山氏が社長当時、ミスターカルテルと呼ばれ、業績が悪くなるとカルテルを結ぼうと公然と言っていました。こんなことが許されたのも公正取引委員会、マスコミ、関係官庁、ユーザー企業幹部らがこのことを知っていたからです。
1970年代中ごろ新聞に当時の新日鉄社長がせめて25%引きくらいにならないものかとぼやいていたことが載っていたのを読んで未だに続いていたのかとびっくりしたのを覚えています。

日中国交回復(実は国交開始。なぜなら、日本は中華人民共和国とはそれまで一度も国交がなかったからである。)のとき中国政府は賠償を求めないなどと周恩来首相がいったが、あのLT貿易協定以来の数兆円の値引きは勘定に入っていなかったようです。
この度の危ない取引はこの流れに沿ったものと考えるのが自然です。
この流れを創った者たちも恐ろしいのですが、その流れが当たり前になり、当然のことのようにその流れに沿って生きている日本人がいることは危険なことです。
実際にはなかった沖縄での強制自決ではなく、上記のLT貿易協定の裏話のような外交の本質をえぐる話を歴史教科書に書いてもらいたいものです。
「外交には美談はない」という厳粛な事実を外交官や政治家の卵、否、全国民の脳裏にしっかりと刻み込むことが肝要です。
  (ST生、神奈川)



(宮崎正弘のコメント) 72年の「国交回復」の語彙は、ニュアンスを間違えますね。「国交開始」という日本語のほうが、法律的には正確ですから。
「台湾独立」にしても、そうです。まるで中共から独立するかのようですが、真実は「中華人民共和国」が「中華民国」から独立したわけです。



   ♪
(読者の声4)貴誌投書欄にあった「(3cats、石川県)氏」の投稿で触れられていた碌山美術館は、安曇野に在って、中学生の時、北アルプスの燕岳(つばくろだけ)登山の帰りに立ち寄った懐かしい場所です。
寒い山頂で湿った布団に寝かせられましたが、翌日暖かい下界に降りて、落ち着いた館内に入って彫刻を眺め、人心地着いた記憶がよみがえります。
3cats氏の投稿は内容濃く、格調高く、国民文化研究会の月刊誌『国民同胞』の雰囲気を醸しています。
そして投稿欄の目指すは(個人的には)『原理日本』のような矯激なまでの ”物狂いの精神” と勝手に決め込んでいます。
あくまで「精神」であって、蓑田胸喜のしたようなメチャクチャな人身攻撃はいけません。 投稿欄で批判されてそう思われている方が既にいるかも知れませんが・・・。多くの人心をつかみ、熱気を呼び起こしたエートスに学ぶものありと思います。
      (有楽生)


(宮崎正弘のコメント) 蓑田胸喜って、この人なぜ今ごろブームなんですかねぇ。『諸君』の佐藤優論文あたりから、ですか?

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(休刊のお知らせ) 小誌は11月9日―13日を休刊します。台湾でシンポジウム出席のため。
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 宮崎正弘の最新刊 
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
http://ponko.iza.ne.jp/blog/entry/372561
〔↑ 詳しい本の紹介があるブログ〕

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『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
 好評を博した拙著『2008年 世界大動乱の予兆』を大幅に改訂増補。新データを満載。大増ページ普及版。

宮崎正弘のロングセラーズ 
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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 宮崎正弘の比較的入手しやすい本の一覧 ↓
 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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