国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/10/06




 ● 小誌登録読者 10,000名を更新(10月5日)
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 10月6日(土曜日) 
通巻 第1945号 
登録読者一万名突破記念号
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 第十七回党大会まで、あと一週間なのに胡錦濤がピンチ
   党内の暗闘、依然として錐揉み。上海派、強引な巻き返しへ
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 決着がまだ着かない。党大会は十月十五日に開幕。
 江沢民院政の残滓を引きづった「上海派」の巻き返しが、強引なかたちで露呈し、次期執行部人事は胡錦濤、温家宝の意のままには動かなくなってきたと北京筋がつたえる(NYタイムズ、10月6日付け)。
党大会直前の土壇場へ来て、まだ展望が見えないのだ。
政治改革を前にして、大きな、目には見えない、中国的な政治の固まりにぶつかった。

 当初から政治局常務委員を現行の九名から7名に減員させ、その機会に便乗して、江沢民の息のかかった賈慶林、呉官正、李長春を政治局から追い出して、共産主義青年団人脈を抜擢する手筈だった。
そのために温家宝は李克強(遼寧省党書記)を布陣させてきた。

 曾慶紅は、「太子党」から人材を抜擢して、これを上海派との対立の効果的な緩衝剤としてテコにつかい、次期執行部を総主流派形式で形成させ、実は曾慶紅自身も居座る思惑で、舞台裏の暗躍をしてきた。
 曾は序列五位で表向き「国家副主席」だが、事実上のナンバー2.

 江沢民前主席派の巻き返しは、曾慶紅の暗躍に巧妙に乗りつつ、曾人脈にありながら、上海派との距離も近い、習金平(上海市新書記)を、李克強より上のランクで政治局入りさせ、近未来の党書記、国家主席を担わせようとしている。


 ▼ 「太子党」vs「共青団」vs「上海派」の対立構造の流動化は「台湾」問題で


 共産党幹部の息子らが権力の周辺で権益をむしり取る構造はつづいている。太子党の膨大な利権を、かれらは共産主義青年団などという党テクノクラートなんぞには渡せるものか、という心づもりなのだ。

温家宝の「持ち駒」になった李克強は、せいぜいが次期首相どまりとさせ、さらに守旧派は温一族のスキャンダルを表面化させて、首相の座からひきずり降ろし、そのための口実に「経済過熱を抑制できなかった」政策の失敗を挙げる、という。

 一方、この政治的デッドロックを乗り切る手だてとして、胡錦濤は台湾問題を唐突に議論のトップに据えるだろうといわれる。
 この情報はすでに永田町周辺にも駆けめぐっている。

 台湾は従来主張してきた、「中華民国」としての国連加盟運動を取りやめ、陳水扁政権は「台湾は『台湾』としての国連加盟」という政治キャンペーンを国際的規模で開始した。
それならば、北京としては、台湾が、「独立するのなら軍事的行動を辞さない」と公言してきた人民解放軍に、胡錦濤は、老獪かつ巧妙に「公約を守れ」とばかり、強硬路線を政治的に煽って軍の支持を盤石なものとし、その上で、対台湾強硬路線を確定してゆく過程のなかで、人事戦略を意のままに仕上げようという戦術を行使するのではないか。

いずれにしても党大会の開幕まで、あと一週間。
 
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(読者の声1) “フフン老殿下”内閣(福田内閣)をテーマに三時間も着座・御討論とは大儀でございました。
貴台のご懸念の通り、米中から日本政府が期待されているのは、北朝鮮への融和的態度、詰まるところ拉致問題の棚上げとゲンナマ援助。さすればフフン老殿下は、対米追随外交と対中媚態外交の両者を一挙に遂げ、一石二鳥の成果を得ることとなり、日本国は主権喪失の似非国家であり続けるわけです。
ところで今、巷で盛り上がっています沖縄集団自決についての教科書検定意見騒動について、産経新聞の阿比留記者が次の事実を指摘しています。

(引用開始)
「高校日本史教科書の沖縄戦における集団自決について、「日本軍に強いられた」と書いた教科書に検定意見がつき、修正された問題では、与野党議員の発言に事実関係誤認やすり替えが目立つ。・・・ 文部科学省は今年3月、集団自決を強制とする記述について「軍が命令したかどうかは明らかといえない」との検定意見をつけた。その結果、「日本軍が配った手榴弾で集団自害と殺しあいをさせ」との表記が「日本軍が配った手榴弾で集団自害と殺しあいがおこった」などと修正された。軍の関与自体はそのまま残されている。
 (引用止め)

渋谷放送(NHK)はじめ電波マスコミは、検定意見で沖縄集団自決への日本軍の関与は否定され、歴史は捻じ曲げられたと喧伝しています。
築地(朝日)・大手町(読売)・竹橋(毎日)瓦版屋は、先月29日の検定意見撤回を求める沖縄県民大会について、主催者発表の数字のまま、”11万人の大反対集会” が開かれたと盛んに報道しております。
しかし160!)のスペースと空き間を写した航空写真からすると最大で43,000人だそうです。
政府は2日の閣議で「検定決定後の記述については、集団自決について旧日本軍の関与が一切なかったとする記述はない」との答弁書を出していますが、大概のマスコミは「実際の教科書記述」に顧慮することなく、議員の発言に付和雷同して、騒ぎを大きくしていて、このままでは 「第二の教科書誤報騒動」になりそうな気配です。
西尾幹二氏は、『日本人はアメリカを許していない』の中で、「自国の悪を隠して言わないのが教科書だと、山本夏彦氏はかつて名言を吐いたが、アメリカもイギリスもじつにいい範例を示している」と述べて、 アメリカ人の、 自己を常に正義とする臆面のなさ、 イギリス人の、淡々とした、悪びれるふうもない、飄々とした構えを、それぞれの歴史教科書から実例を引いて証しています。
彼の国々の人々と比べ、日本人のナイーブさには嘆息してしまいますが、何にもまして浮かび上がるのは、現在のマスコミに潜む学生運動崩れの左翼的邪念に囚われたままの団塊世代の跳梁跋扈です。 彼らには早く退職し、蕎麦打ち、トレッキング、旅行、囲碁等々個人の趣味の世界にでも埋没してもらいたいものです。
      (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント) 逆のことを報ずるときはどうなりますでしょうか。
たとえば、三島事件直後の追悼会、誰が見ても一万人以上が集まったのに、1000人と十分の一に報じました。当時の産経新聞でさえ。原因は会場のなかに「運良く」入れた人の数だけ。入れなかった人は付近の公園につくられた架設のスタジオでも烈風のなかに立ちつくしていたのです。
で、沖縄の、その会は実際の参会者の十倍。ま、三、四倍ほどですか。左翼にやさしいマスコミの情報操作のたぐいですね。
 もうすこし、ついでに言いますと憂国忌第一回(昭和四十六年)は会場の九段会館から千鳥が淵まで、最低二万人が列を作りました。しかしマスコミ各紙は1300人(つまり九段会館の定員が満員になった分)の参加者と意図的な数字を、平然と報じたのでした。
都合の良いことは十倍、都合の悪いことは十分の一、これは中国共産党の目安と、なにやら似ておりますが。。。。。
目くじらたてて攻撃することも重要ですが、これは左翼の常套手段である、ということを片時も忘れない方が良いと思います。
 さて、福田内閣ですが、これは永田町の一部では、「森の木陰内閣」とも言うそうです。旧森派は、キングメーカー森嘉郎に「次期」を狙う町村と中川(秀)。ようするに旧福田派の派閥維持(森、小泉、安倍、福田)。
 旧敵経世会は、いまや民主党に吹き溜まり。



   ♪
(読者の声2) 昨晩(今朝?)のラジオ深夜番組を拝聴しておりました(「ラジオ日本」の「ミッキー安川の朝まで勝負」)。ゲストに出られた宮崎先生の分析、面白い話ばかりで感心して聞いており、あっという間の一時間でした。
もう少し先生の出番が長いと良いなぁと思いました。
 とくに中国の現状、ダボス会議の裏話、ロシアなど他のメディアでは滅多に聴けない分析でした。
 それを巧みなジョークを混ぜられ、判りやすく話される話術にも感心しました。たとえばヒル国務次官補は「キム・ジョン・ヒル」とか、「『愛国無罪』から『拝金無罪』というのが今の中国だが、翻って日本は?『謝罪無罪』だ」とか。
次から次に飛びだしてくるジョーク的な表現は、話のネタとしても面白いと思います。
こういうレベルの漫談は宮崎正弘先生の著作には滅多に出てきませんから、やはりラジオの持ち味ということなのでしょうか。
         (YS生、渋谷区)


(宮崎正弘のコメント) あの番組はその昔、村松剛先生がよく出演されておりました。現職の安倍首相も出演するなど、話題の番組で政治家もよく出ますね。
ラジオは、ともかく、テレビと違って画面もなければチャートも使えない。耳だけです。耳だけのリスナーに伝えるには「判りやすい言葉」「細かな数字は使わない、もしくは繰り返す」「難しいことをどうしても伝えなければいけないときは繰り返す」などが鉄則だと思います。
 いつぞや竹村健一氏から教わったのが、上の鉄則でした。
 小生の場合、これに冗句を混ぜて、もっと国際政治を身近なものとして、表現する努力をしていますが、なかなか上手く行きませんね。

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小誌メルマガ読者への先着50組招待キャンペーンは10月20日から受け付けます。
10月20日号の小誌に詳細を発表しますが、26日発売の「WILL」と11月1日発売の「正論」でも同様の企画を広告します。
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 「憂国忌」の御案内
 http://mishima.xii.jp/37th/index.html
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 今年も憂国忌の季節がめぐって参りました。
 三島由紀夫氏が憂国の諫死を遂げる直前、東武デパートで開催された、氏自らの企画「三島由紀夫展」は「小説の河」「演劇の河」「肉体の河」「行動の河」と四つに展示が分けられていました。
そこで憂国忌でも一昨年は肉体をテーマに細江英公氏の「薔薇刑」を、昨年は「演劇」で村松英子さんに「薔薇と海賊」の予告上演をしていただきました。ことしは「行動の河」に焦点をあてて次の要領で開催します。万障お繰り合わせの上、ご光臨頂ければ幸いです。
           記
とき   11月25日 午後二時(一時開場)
 ところ  豊島公会堂 (池袋東口、三越うら)
 ことしのテーマは、『行動の河』です! 
   第一部 シンポジウム「あれは楯の会事件、森田必勝主導ではなかったのか」
       パネリスト 堤 堯(元文藝春秋編集長)、中村彰彦 (直木賞作家、『烈士と言われる男』の作者)、司会 花田紀凱(WILL編集長)
   第二部 記念講演 「武士道の悲しみ  最後の特攻としての三島由紀夫」
         評論家 井尻千男(拓殖大学日本文化研究所所長)

  代表発起人 井尻千男、入江隆則、桶谷秀昭、嘉悦康人、小室直樹、佐伯彰一、
篠沢秀夫、竹本忠雄、中村彰彦、細江英公、松本徹、村松英子
(当日、会場では入手しにくい奇観本などの頒布会も行われます。一般入城は会場分担金はおひとり千円)
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 ● 賛助会員募集要項 ●

 ことしも「憂国忌」賛助会員を募集します。過去37年、ボランティアと浄財だけで存続してきた憂国忌への協賛をなさる方、大歓迎です。
(賛助会員の特典)
 ●憂国忌へのご招待(11月初旬ごろに招待状がとどきます)
 ●関連図書の贈呈(12月初旬ごろ)
 ●冊子「憂国忌」に御芳名を掲載させて頂きます(これも12月初旬頃までに関連贈呈本と共にお届けします)

 ●要領
 一口10000円(半口でも、あるいは何口でも結構です)
 郵便振替は(02) 00180−2−65455 名義は「三島由紀夫研究会」
 銀行送金は「三菱東京UFG銀行 江戸川橋支店 普通口座 1157073
       名義は「三島由紀夫研究会」(電話03−3260−9633)です。

なお、eメールバンクなどで銀行送金をお済ませになった方は、ご面倒でも下記へご住所、お名前をお知らせください。
yukokuki@hotmail.com
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