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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:10/4


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  10月4日(木曜日) 貳
通巻 第1943号 
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   ♪
((((((( 今週の書棚 )))))))

   ♪
平沢勝栄『政治家は楽な商売じゃない』(発売 集英社)
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 政治家の法螺話かと思いきや、意外な感傷的政治信条が描かれ、
     庶民政治家としてのキーポイントが率直に披瀝されている

 ♪
 一晩に十三家もの通夜に出たことがあると著者の平沢代議士はいう。
それはそれは、因果な商売ですね。
新年会が一月と二月で数百回。選挙区内の散発屋さんが300軒、そのうち殆どの店を巡回し散発したことを自慢する。庶民との付き合いをとことん大事にする。それがドブイタ選挙に繋がる。
庶民政治家といわれる平沢代議士は一日二十四時間。365日選挙に勝つことだけを考えていると演説でも公言している。
名前の通り、平沢氏は「勝って栄える」。
さて平沢代議士とは、何回もパーティで同席したり、あるいはラジオ番組でご一緒しているが、ともかく「騒がしい御仁」である。
人に会うのが、好きで好きで堪らないという変わった性格の持ち主でもある。人の名前を覚えるコツもちゃんとかかれている。評者(宮崎)に言わせれば、それは変人のおやりになることなのだが。。。

 さて東大から警察官僚のエリート最前線を走り、駐米日本国大使館勤務、デューク大学へ留学。警察大学院から交番勤務をちょっと経験。そのときに警棒や手錠、手帳にピストルを身につけるが、これでは犯人を追いかける前に倒れるほどの重さを感じた、という。
 ストリップ劇場の手入れに行ったという逸話も笑いが込み上げてくる。
 ともかく、それほどのエリートコースを突っ走っていた人が、縁もゆかりもない選挙区(葛飾区柴又)へいきなり落下傘降下して、「初回は無理だろう」と当時の上司だった後藤田警察庁長官から言われたが、エリートの胡座を捨て、地面にはいつくばって選挙区を駆け足でまわり、地盤の変更などの事由も手伝って、いくつかの幸運に恵まれた。
 警察のイメージは選挙受けしない。
そのうえ警察が組織をあげて、労組のような選挙支援態勢は採れない。だから当然ながら苦戦だった。
爾後の活躍はいうまでもない。四回連続当選。支持者が自嘲気味にいうように、いまでは国会議員なのか、テレビタレントなのか。選挙区の得票率は63%。高い人気。これも異様である。

評者(宮崎)が、「政治家」である平沢勝栄氏に一番興味を抱く点は、思想的なことでも政治哲学でもなく、じつは、なぜ警察エリートだった人が、人に頭を下げて早朝から深夜まで会合を重ねなければ議席を維持できない宿命にある政治家になったのか?
その理由が知りたかった。
人生の岐路を決断した理由は何なのか?
東大時代、安倍晋三前首相の家庭教師を務めたことでも有名だが、いまや外交委員長の重責にもある人物。しかし「政治家」としてはこれからである。まして永田町情報によれば主流派に属せず、党内ポストには遠いということらしい。

本書は「どうせ政治家の書いた法螺話の類い」という先入観でよむと、まったく趣を異にする。
率直に言って本書はじつに面白いのだ。
同時に日本の政治の哀しさを思うと感傷的な本である。
 本書を通じて初めて知ったのは、氏が岐阜県白川郷出身で、父親の転勤にしたがって各地を転校。しょっちゅう転校を余儀なくされる生徒は、なかなか友人も出来ず家に籠もりがちとなり、そのエネルギーを勉強に熱中するタイプを産みやすい。
中学、高校は福島県二本松。奨学金をもらって通ったという。

 「そうか、あの二本松丹羽家の気風か」と思った。
 藩祖の丹羽長秀は織田信長の筆頭家老級でありながら、後輩の秀吉に追い越されても愚直に使命感を守った武将だった。本能寺の変を聞いたときに、信長の次男と大軍を率いて京に近い浪速の地にありながら、より遠隔地にあった秀吉の即決と明智光秀猛攻撃の前に追随せざるを得ず、そこで柴田勝家のように意固地になって秀吉の天下取りの前に立ちふさがる行為にもでないで、黙々と大勢にしたがって秀吉の麾下にあった。
幕末。二本松少年隊は会津白虎隊よりも若い、14歳前後の少年剣士らが、戊辰の役で薩長土肥の「西軍」と闘って散った。二本松や会津では、いまも「官軍」とは言わず、「西軍」という。
その二本松城主だった丹羽氏の家訓を平沢氏は、いまも座右に置かれているという。
 あの選挙に熱中できる使命感の源泉がわかったような気になった。

◎○◎○◎○◎
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     ♪
(読者の声1) 貴誌1941号の情報と分析、さすがですね。米中経済リンクの一断面をゴールドマン・サックス所属のポールソンの動きを通して明らかにしてくれました。今号(1942)の(読者の声1)と宮崎さんのコメントも秀逸でした。
安倍退陣によるいわゆるアジア外交重視派という対中理解派の復活は、宮崎さんの危惧を的中する結果にならないのか。
米中の狭間にある日本の将来は、今のままで進めばこの1,2年で決まるような気がします。
 そうならないために何をしなければならないのか、そして非力ではあっても何が出来るのかを考えるために、貴誌の提示する情報は貴重です。
   (SJ生)


(宮崎正弘のコメント) ポールソンが米国の経済外交を、いまや主導しています。彼の路線はウォール街の利益を代弁するものであり、必然的にペンタゴンと正面衝突し、また国務省とも、それほど上手く行かず、ましてや議会とは対立関係。
 しかし政権をささえる米国財界は、ポールソン路線支持です。
ポールソン財務長官は、自信をもって「米中経済同盟」を拡大し、それが米国の利益になるとブッシュ大統領を説得し、現在の対中経済政策を拡大・発展、維持しようと努力するわけですから、かれの頭の中は中国の金融の拡大、維持、安定にあるとみて良いでしょう。
 当面の見所は、人民元の廉価レート維持路線。バーナンキFRB議長と、ポールソン財務省は、いまのところ、呼吸があっている。その雰囲気を正確に早くに、つかみ取ろうとしているのが、追随専門の日銀という構造でしょうか。
 なお、耳慣れない「米中経済同盟」というタームは山崎養正氏が言いだし、今月の雑誌 『諸君!』でも、西尾幹二氏が、これを演繹された論議を展開されています。ご参考までに。

       ○○○ ▼△▼ □□□
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宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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