国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/10/03



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  10月3日(水曜日)
通巻 第1941号
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中国金融界を掻き荒らす外資系四強
  ゴールドマンサックス、HSBC、UBS、そして老舗モルガン・スタンレー
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 中国経済は「お雇い外国人」が領導しているがごとし。
 製造業の中国進出とは、廉価な人件費を求めての製造基地、輸出基地だった。中国の輸出の70%以上が、いまも、依然として外国企業によるものである。

 典型は自動車生産だろう。中国純国産車は「奇瑞」一社。昨年の輸出実績は二万台程度(それもロシア向け)。ほか600万台のクルマは、すべて外国自動車メーカーとの合弁による。

 金融界はどうか。
 昨年春まで、中国の株式市場は八年間の低迷(低空飛行)を続けてきた。誰もインサイダー取引の巣窟である株式投資に手を出さなかった。
絶望的な市場だった。
 これを劇変させて活気を取り戻させたばかりか、上海と深浅の株式市場をして、世界最大の投資ブームを惹起させたのがお雇い外国人証券会社の活躍だった。
黄金の錬金術を教唆した四強とは、ゴールドマンサックス(米国最大)、HSBC(英国系多国籍)、UBS(スイス)。そして老舗モルガン・スタンレー(米国第二位)。

 活用した場は香港である。

 既報のようにゴールドマンサックスが、中国四大国有銀行など主力企業の株式公開(IPO)の秘術を教え、さらには「私募債」という秘策を教授した。
手口は単純で、日本のバブル再建と同様に「再建」のための「債券買い取り機構」をつくって、四大国有銀行の不良債権をさっと国の金庫に移し替え、その結果、40%近くあった不良債権が4%以下になるという手品(奇術のたぐい)によって、投資家が飛びつくという仕儀。

この抜群な錬金術スキームを教えたのが、現在のブッシュ政権の財務長官になったポールソンである。
ポールソンは、なんたって、ゴールドマンサックスの前会長。北京に70回も通って、この手口を教え込み、ついでに銀行の上場に際しての幹事役という、たいそうな利権をもぎとってきた。

 中国工商銀行はゴールドマンサックスが主幹事役となって115億ドルを掻き集めた。
 中国建設銀行と中国銀行はモルガンスタンレーとUBSが幹事行だった。
 いずれにしても2006年から07年までに、これら国有企業の香港上場で掻き集められた金額は、なんと700億ドル(邦貨換算8兆4000億円!)。


 ▼中国の金融界がやがて西側に伍す、なんてシナリオはあり得ない

 だが、招来の見通しが暗いのは、以下の理由による。
 簿価による不良債権比率は、株価が下がったときに、一晩で不良債権が肥大化する(日本の金融機関の大半がこれで弱った)。
 溌剌として再建されたかに見える中国の国有銀行だが、じつはその後も不良債権が増している。
経営体質が「共産党」の官僚主義と燻り続ける不良貸し付け、縁故貸し付けが業務の主流であり、あまつさえ四大銀行全体で、じつに、200万人の従業員がいる?!
 
 その非効率は、いずれ沸騰する鍋蓋が飛び跳ねるように、経営を根本から脅かすだろう。
 体質改善と帳簿の不合理を多くの監査法人が指摘しているが、そのたびに、これら「お雇い外国監査会計法人」や「アドバイザー」らはお払い箱になっている。
 本当の経営情報が隠されているのだ。

 株式市場に絶対不可欠の要件とは
 (1)市場の透明性
 (2)企業情報の客観性、透明性
 のふたつである。
 コンピュータ取引は、この二つの條件をクリアした市場に導入された機械でしかない。デリバティブなどの先端性もまた、この二つの前提条件のうえに成り立つのである。
 
 翻って中国は情報を国家が統制し、一方的な政治プロパガンダの手法が、株式市場における情報の流通にまでも影響している。国有企業は情報をまったくといって良いほどに操作している。
 だから、中国の金融が世界の、とりわけ日米欧の先端的市場に伍すなどという近未来のシナリオは、中国が民主化されない限りあり得ない。


 ▼ 情報の自由な香港でのIPOは、これから多くの民間企業に移る


 中国企業といっても、株式上場は国有企業ばかり、例外的に十社の民間企業がある。
 いま注目をあつめているのが「アリババ」である。
 同社を創設したのはジャック馬と呼ばれる人物で天安門事件のときの民主活動家だった、という説もある。
 モルガンスタンレーは、この「アリババ」を香港に上場させるべく交渉を積み重ねてきたが、いよいよ今月末に実現の運びとなった。25%の株式公開で同社は10億ドルを掻き集める。
モルガンスタンレーは、世界第二位の証券会社だ。
 その老舗が民間企業の上場ビジネスを本格化させた事実には注目すべきである。

モルガンに限らず、ゴールドマンサックスもUBSもHSBCも、アジアにおいて、経常利益の半分以上を稼ぎだしている。

モルガンが、中国の金融証券世界への進出では一番乗りを果たし、ゴールドマンサックスなどは、その後塵を拝した。
 一時期はモルガンスタンレーが香港の新規上場幹事役で50%のシェアを占めたほどに強力な存在だった。香港では現在も首位で、二位以下は、UBS、HSBC、ゴールドマンとつづく。
 そして、「中国政府いがい、上場できない企業はない」とジョークが、いまの香港金融界における合い言葉となった。

      ◎み□や◎ざ△き□□ま◎さ□ひ▽ろ◎
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(読者の声1) 御新著『中国は猛毒を撒き散らして自滅する』(徳間書店)を拝読しました。
一気に読ませて戴きました。時ならぬミャンマーの騒動。今月初、バンコクを訪ねた折に久々に面談したタイ在住のミャンマー人友人がいうには、軍部の横暴もさることながら、軍部の背後でミャンマーを食い物にしているシナ人への反感が高まっているとも。
これもまた今次騒動の根底に合ったのではと思います。
それにしても、アホなのは邦人保護というバカの一つ覚えに奔走する以外に為す術を知らない日本政府。日緬の歴史的関係という”財産”を生かすことも膨らませることもなく、塩漬けのままに先細りさせるしかないとは・・・。
   (KH生、名古屋)


(宮崎正弘のコメント) ミャンマーはきわめて親日的なくにであり、それが何故中国よりにさせてしまったか、外交が単に米国の追随だからでしょう。日本外務省は馬鹿の集まり?
 ともかくミャンマーに関しては少しですが、その暗部の体質を今月号の『正論』の拙論でも言及しております。



   ♪
(読者の声2) アメリカの政治の風向きが変わったことを昨日付けの貴メルマガを拝読して、しかと体得しました。
日本はそれに合わせるかのように、福田内閣が成立し、いち早くリベラルに舵をきったということでしょうか。
ところで『正論』、『諸君』のそれぞれ十ページに亘る宮崎さんの論文も拝読。いつもながら精緻なデータに裏打ちされており感得しました。 
プーチンは来年以降首相としての政権維持を表明し、まだ十年以上頑張るようです。
半島は二度目の南北怪談で確実に左傾化を強めています。
中国共産党は党大会に向けて胡錦濤政権の地歩固めのため熾烈な権力闘争を進めています。
さて台湾は、どうしているんでしょうか・・。
先日、東大駒場で開かれた『反米』をテーマにした学者先生方のシンポを覗いてきました。このシンポが行なわれたのは、かつて泳いだことのあるプールが溜め池のように放置されている脇に建てられた新築の教室棟でした。
シンポを主催した団体の作成した立派な研究誌がヤマと会場出口に積まれていました。お金はあるところにはあるようです。不思議です。
   (しなの六文銭)
    

(宮崎正弘のコメント) 雑誌論文にもはやばやと目を通していただいたようで感謝します。
 今月は、このあと十日発売の二誌(『ボイス』と『自由』)にも詳論を書いております。



    ♪
(読者の声3) 反中共デー東京大会のご報告です。
本年の「反中共デー東京大会」を開催するにあたりまして、大変お世話になり、ありがとうございます。おかげさまにて、悪天候にもかかわらず、300名もの参加者を得て、盛大に挙行することができました。謹んで御礼申し上げます。
 第6回目となる本年は東京をはじめ、九州(福岡)、関西(大阪)、中部(名古屋)、東北(仙台)と、全国各地において、9・29反中共デー闘争を展開できました。それぞれが野外集会、徒歩や車輛のデモ、中共大使館や総領事館の前における糾弾演説など、多種多様な運動を繰り広げました。
昨年まで「9・29反中共デー神奈川大会」が行われていた神奈川県では、9月9日に「中共に物申す神奈川県大会」を開催、400名もの人々が参加しました。
東京大会は港区六本木の三河台公園に300名が集合、野外集会と徒歩行進を行いました。
決起集会は午前11時に開始され、国民儀礼、9・29反中共デー宣言、共闘委員会挨拶、東北・中部・関西・九州の各大会からの連帯声明、大会決議、10月8日に開催される「北京オリンピックボイコット国民大会」の案内、デモの注意、シュプレヒコールが行われました。正午になり、デモに出発しました。
デモのコースは三河台公園を出発〜(六本木通り)〜西麻布の交差点を左折〜(外苑西通り)〜天現寺の交差点を右折〜広尾公園に到着と、中共大使館の周辺です。高々と掲げられた大きな国旗を先頭にして、威風堂々とした行進は多くの人々の共感と支持を得たものと信じます。
「9・29反中共デー」をはじめ「打倒中国共産党」「日中国交断絶」「中華覇権主義排撃」「まもれ!尖閣諸島」というスローガンの幟のほか、「北京オリンピックボイコット」「台湾の国連加盟支持」等々それぞれの主張が書かれた横断幕やプラカードもありました。
毎年のことですが、我々民族派だけではなく、いろいろな立場の人々が参加していたことが分かり、心強く存じます。午後2時時30分頃から総括集会を開始、総括、シュプレヒコールを行い、3時には終了しました。

 大会が終了した後、有志らが中共大使館まで参りました。
何人かは大使館の正門前において、短時間ながらもハンドスピーカーを用いての糾弾演説を行うことができました。厳戒態勢ともいえる過剰警備を突破しての行動は、我が国の媚中派政権だけではなく、中共そのものに対しても、中共糾弾の声を轟かせたはずです。
 我々は今後も全国の同志と連帯して、勝利の日まで戦いつづける覚悟です。
西郷隆盛〜頭山満〜内田良平の道統を受け継ぐと自負する我々は、日本国内の同志だけではなく、台湾の独立や正名を目指す人々、チベット・東トルキスタン・南モンゴルの解放を目指す人々、「中国」民主化を目指す人々とも力を合わせて、中共を打倒したいと願っております。これからもご支援ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
 なお、10月8日(月/体育の日)午後5時から渋谷区の宮下公園において「北京オリンピックボイコット国民大会」が、若手の有志によって開催されます。
   (KM生。東京) 

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<<<<< 書評 >>>>

周勍著。寥建龍訳『中国の危ない食品』(草思社刊)
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http://sankei.jp.msn.com/world/china/071002/chn0710020020000-n1.htm

 実はこの本、知人の寥氏が翻訳を担当されているので詳細を紹介しようとおもっていたら、上の産経のサイトで大きなニュースとなっています。 ↑
 いずれ改めて詳細を紹介したいと考えていますが、ともかく、中国の内部から、このような告発的な書籍がでる時代になった事態に注目したい。
本書の著者は元天安門事件の活動家で、その彼が、三年間の下獄後、猛毒被害の実態をあらわし、しかも日本に来て、記者会見が出来るという新事態!
と書いてきたら、こんどは北京特派員福島香織さんのブログで、おおきく紹介されています。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/071003/chn0710030243000-n1.htm
こうなると、小生が「あらためて書かなくても良いのでは?」と思いました。

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((( ラジオ日本よりお知らせ )))
 10月5日(金曜日) 2400(つまり6日午前零時)、ラジオ日本「ミッキー安川の朝まで勝負」に、宮崎正弘が生出演します。午前一時頃まで。

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((( 桜チャンネルのお知らせ )))
三時間スペシャル 「闘論!倒論!討論!2007」
テーマ:「新総裁誕生の先に視えてくるもの」
 
放送予定日:平成19年10月6日(土)夜9時〜12時
スカイパーフェク241Ch. 日本文化チャンネル桜

パネリスト:(予定、五十音順。敬称略)
上杉 隆(ジャーナリスト)
遠藤浩一(評論家)
上島嘉郎(月刊『正論』編集長)
日下公人(評論家・社会貢献支援財団会長)
田久保忠衛(杏林大学客員教授)
西部 邁(評論家・秀明大学学頭)
宮崎正弘(作家・評論家)
司会: 水島 総(日本文化チャンネル桜 代表)
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((( 宮崎正弘の新刊 )))
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『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
 http://www.tokuma.jp/book

♪♪♪
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
  ――好評を博した拙著『2008年 世界大動乱の予兆』を大幅に改訂増補。新データを満載。増ページ普及版。
 http://www.namiki-shobo.co.jp/

   ♪♪
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html
  ♪
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『拉致』(徳間文庫)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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http://www.melma.com/backnumber_45206/
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