トップ > ニュース&情報 > 国際情勢 > 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

RSS


メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。



宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:10/2


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  10月2日(火曜日)
通巻 第1940号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 米国政治の左傾化が避けられない趨勢
                 
宮崎 正弘


 世界一の軍事力を統括するアメリカ大統領選挙は来年秋に迫ったが、ヒラリー・クリントン上院議員が次期ホワイトハウス入りレースで勝利の座を射止める可能性が高い。
 彼女は外交的にタカ派を演じ、国内的には中道を訴え、自らのリベラル色を懸命に隠してきたが最近はその必要もなくなった。

 なぜなら米国全体が四半世紀ぶりに左傾化の波に急激に傾斜しているからである。
 対抗馬のトップを走る共和党のジュリアーニNY元市長は民主党と変わらないリベラルであり、同性愛、妊娠中絶を公然と是認している。この事態はなによりもイラク戦争に疲れた米国の軟弱な左傾化ムードを端的に反映している。


 ▼トンプソン立候補はむしろ保守票を拡散

 9月6日になって共和党指名レースに俳優出身のフレッド・トンプソン元上院議員が出馬を正式に表明した。不法移民の規制強化、小さな政府の迅速な実現など共和党保守派が本来重視してきた政策を明確に打ち出し、ジュリアーニ元NY市長やジョン・マケイン上院議員らのリベラルな立場との差異を鮮明に際立たせた。

 これは共和党内のエバンジュリカル、キリスト教原理主義など保守派の大票田からの得票を目的にした戦術だ。トンプソンには中西部から南部深奥から熱狂的な支持が集まる。
 しかし全体を俯瞰した場合、共和党の票を散らし、逆効果に終わるだろう。
 保守陣営を代弁してトンプソンは立候補声明にあたり、「米国は数年以内に困難で危険な局面を迎えるだろう。最大の課題である対テロ戦争はイラクとアフガニスタンが当面の最前線であり、成果を得るには米国にできることをすべてやらなければならない」とイラクでの米軍駐留路線を堅持するブッシュ政策を支持した。

 だが保守派の基盤さえ中西部から南部にかけて劇的に脆弱化し、移民の急増もともなって政治潮流は左傾化が著しい。
 保守陣営のメディアでさえ現状を次のように分析する。「アメリカ人の大多数が新しい方向へ転換を望んでいるが、同盟国の多くがまだイラク政策で米国の安全がより危機に陥る方針を頑固に支持している」(ワシントン・タイムズ、8月11日付け)。


 ▼ 隠しようもないアメリカ国民の厭戦気分

 国民は正義の影が遠のいたイラク戦争に苛立ち、富の偏在を生みやすい社会政策に不満を漏らし、とくに医療保険政策にもっと大幅な改善を求めている。
 「小さな政府」(ネオコンの基盤)はもはや無用、「大きな政府」が良いというわけだ。「ケネディやジョンソン時代の民主党に戻ろう」と無責任な社会保障拡大政策を言い募った左翼のメンタリティにアメリカ人は回帰しつつある。

 レーガン革命以後、三十年に亘って定着してきた米国の保守主義は、イラク介入の泥沼と厭戦気分の蔓延によって突如崩壊した。政権内部にひとりのネオコンも残っていない事態が、それを如実に物語っている。

 国際政治的には孤立主義、不干渉の立場に立ち還り、むしろ日本など同盟国に防衛分担をこれまで以上に求め、貿易政策はより保護主義に陥りやすくなるだろう。
 日本の新政権はこうした次期ワシントンの左傾化、反日路線強化、貿易保護主義路線に心構えと警戒を強めなければなるまい。

 (この文章は「北国新聞」のコラム「北風抄」9月25日付けからの再録です)。

      ◎み□や◎ざ△き□□ま◎さ□ひ▽ろ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     ♪
(読者の声1) 御新著『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』を拝読しました。
とりわけ、次の一句。
「なんといっても世界一は中国人の頭の良さ。要するに世界一の嘘つき」
本当に良く書いてくださいました。それを日本人に周知させたいと兼ねてから思っていたものですから。 
米国NYにあるウエストポイントを訪問し、強く感じたのは、賢さで偉大なる文明を築き上げるのではなく、純粋さと愚直さによって築き上げるのだということでした。
 先生の新作で描写されている中国人的なものとウエストポイントで見たものとは、鮮やかなほどに対極的でした。
     (KR生、栃木)


(宮崎正弘のコメント) しばらく鹿児島方面を旅行をしておりましたが、旅先で大きな書店に入ると拙著が平積みされており、それが減っていて、動きを感じました。おかげさまですこし、動きがでたようです。
    
           ○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
<< 今月の拙論 >>

(1)「中国文明の再胎動と周縁国の動揺」(『正論』十一月号、本日発売)
(2)「中国の資源戦略が世界を揺らす」(『諸君』十一月号、本日発売)
(3)「赤い夕日だけは美しい 旧満州を行く」(『月刊日本』10月号、発売中)
(4)「長春はいま」(『共同ウィークリー』、10月1日号)
(5)「いま大連、瀋陽、長春はどうなっているか」(『エルネオス』、十月号)
(6)「世界混乱情勢と日本の危機」(『BAN』、11月号)
(7)「地域で異なる中国人気質」(『ベンチャー・リンク』、10月号)
(8)「サブプライム危機の中国経済連鎖」(『自由』十一月号、10月10日発売)
(9)「商道徳が死滅したのか、中国」(『ボイス』、十月号、10月10日発売)
(10)「反日記念館総覧と近年の陳列傾向」(『正論別冊』、11月12日発売)
     ◎ ◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
((( 宮崎正弘の新刊 )))
   ♪♪
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
 http://www.tokuma.jp/book

♪♪♪
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
  ――好評を博した拙著『2008年 世界大動乱の予兆』を大幅に改訂増補。新データを満載。増ページ普及版。
 http://www.namiki-shobo.co.jp/

   ♪♪
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html
  ♪
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『拉致』(徳間文庫)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房)
過去百冊ほどの拙作は下記でお求めになれます。
http://www.amazon.co.jp/gp/search?search-alias=stripbooks&__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&author=%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO&select-author=field-author-exact&title=&select-title=field-title&subject=&select-subject=field-subject&field-isbn=&field-publisher=&field-binding=&node=&field-dateyear=2009&field-datemod=0&field-dateop=before&rank=%2Bsalesrank&mysubmitbutton1.x=45&mysubmitbutton1.y=9

     ◇ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。


この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。
コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. いつも楽しみにしています

     2007/10/9

  2. 初めての書き込みです。
    栃木のKR生様のコメントの中で、「米国NYにあるウエストポイントを訪問し、強く感じたのは、賢さで偉大なる文明を築き上げるのではなく、純粋さと愚直さによって築き上げるのだということでした。」
    のついて、もし差し支えありませんでしたら、もう少し詳しくその時のご感想をお聞きしたいのですが。

    カナダ メイプル 2007/10/9

  3. 米国NYにあるウエストポイントを訪問し、強く感じたのは、賢さで偉大なる文明を築き上げるのではなく、純粋さと愚直さによって築き上げるのだということでした

     2007/10/9

  4. webメールで読む読者のために、(たとえば76文字あたりで)折り返しコードを含めるように、発行人に指示してください。
    入っているときと、そうでないときがあります。

     2007/10/2

このメルマガもおすすめ

  1. Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    13244人

    日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万8千部突破!

  2. JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    3905人

    政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

  3. 月刊アカシックレコード

    最終発行日:
    2017/05/07
    読者数:
    17030人

    02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家が、政官財界の分析にも進出し、宣伝費ゼロで読者19,000人を獲得。2009年9月から月刊化。

  4. 頂門の一針

    最終発行日:
    2017/05/28
    読者数:
    5702人

    急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

  5. 甦れ美しい日本

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    7049人

    日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う

発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

過去の発行記事