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 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:9/12


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  9月12日(水曜日) 
通巻 第1922号 
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 シドニーAPECで、主役は胡錦濤とプーチン。ブッシュも安倍も目立たなかった
  日本の報道がまるで伝えなかった台湾代表の水面下の動き
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 シドニーAPECへ台湾を代表して「エーサー」会長の施辰栄氏が豪州入り、しかも八面六臂の活躍をして、ブッシュ、胡錦濤、プーチンならびに安倍首相と会談した(『自由時報』、9月9日付け)。

 プーチン大統領は気さくに台湾代表と会い「台湾企業の投資歓迎」と述べた。安倍首相には「新幹線は日本の技術。是非、台湾新幹線の乗りに来てください」と誘った、という(この話、小生は確認していない。自由時報の報道である)。

 注目は胡錦濤と台湾代表との会談である。
 胡錦濤は、公式に会うことを拒み、休憩時間を利用して台湾代表の施会長とロビィの隅っこで十分会見。この席上、胡主席に「台湾へ来てください」と語ったそうな。
 いずれも『自由時報』が報じている。

 もっとエクサイティングはハプニングが起きた。
 APECビジネスサミットで講演したブッシュ大統領は、講演のなかで、台湾を二回、礼賛したのである。
 「米国は日本、豪州、韓国などと連携して、台湾などアジアの民主国家、自由国家の防衛に協同する。台湾は自由主義、民主国家であり、アジア地域において自由の価値観が拡大するために、ますますの防衛協力が必要である」。

 このブッシュ演説の前の日、ブッシュは胡錦濤と会見し、胡は席上「台湾への米国武器システムの供与」にイチャモンをつけたばかりだった。

 (注「エーサー」は台湾最大のコンピュータ企業で中国大陸にも多くの工場。会長の施振栄は“台湾のビルゲーツ”といわれ、自叙伝は大陸でもベストセラー。陳水扁総統の顧問<資政>でもある)

   ○◎み○や○ざ◎き◎○ま◎さ◎ひ◎ろ○◎ 
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   ♪
(読者の声1)佐藤優・手嶋龍一両氏の対談本の中に、つぎのような佐藤氏の発言があります。
(引用開始)
「私が見るところ、日本が積極的に関与して朝鮮半島に平和をつくりだそうというのが平壌宣言の基本哲学です。そして、私はこの基本哲学そのものが間違いだと思う。 朝鮮半島が平和であろうが、戦争であろうが、日本にとっては、一般論として戦争より平和がよいという以上の意味はありません。 なぜわれわれが北朝鮮と取り組まなければならないのかというと、朝鮮半島に平和をもたらす必要があるからではなく、拉致問題が存在するからでしょう。 拉致事件は日本人の人権が侵害されたのみでなく、日本国家の領域内で平和に暮らしていた日本人が北朝鮮の国家機関によって拉致されたという、日本国の国権が侵害された事件です。 日本人の人権侵害を原状回復できない国家というのは、国家として存立する意味がない」。
 (引用止め)

なんと鋭く深い卓見でしょう。拳拳服膺、百回読んでも飽きません。
そのたびに自分の心がそうだ、そうだ、そうだ、その通りだと応えてきます。
「朝鮮半島が平和であろうが、戦争であろうが、日本にとっては一般論として戦争より平和がよいという以上の意味はありません」と佐藤氏は語っています。
その通りでしょう。
近いから、隣にある国だから、積極的に関わってゆくという規範も責務もこの世にないのです。邪なものがあれば、フィーリングが合わないなら、消極的な関係でいいし、敬して遠ざけて一定の距離を置いて構わないのです。

しかし向こうから非礼を遥かに過ぎた無礼千万を通り越した、悪逆非道な行為をしかけられたのなら毅然と対処すべきなのです。
佐藤氏はこのことをあざやかに表現しています。
「なぜわれわれが北朝鮮と取り組まなければならないのかというと、朝鮮半島に平和をもたらす必要があるからではなく、拉致問題が存在するからでしょう」。
北朝鮮からの拉致被害者の奪還を唱え、それを実現する。これは米国の国益からは圏外ですが、まさしく日本国の国益の核心です。
日本国は主体的に一国でもやるべきです。
安倍首相が尾羽枯れ果て力尽き、政権を打ち捨てる前にすべきことはテロ特措法の延長などではなく、北朝鮮に拉致された同胞を一人でも多く早急に救出すること、この一点につきるのです。
  (有楽生)


(宮崎正弘のコメント) 手嶋氏が相手なので、この本読んでいませんでした。そういう中身ですか。話はぶっとびますが、佐藤優さんの記憶力というのは抜群ですよ。メモを取らないで、あれほどの記憶があるのは、やっぱり特異な才能ですね。



   ♪
(読者の声2) 下記の本日の宮崎先生のコメントを読みまして、

「ならば、今更日本が北朝鮮と和解し、賠償問題を決着させ、拉致問題を解決したところで、経済的メリットはもはや中・韓・米に浚われてしまって、残り滓だけです。
であるなら、「北朝鮮を日本の恒久的脅威」と位置づけ、日本のミサイル防衛網強化+核装備開発などに向けて、国民の広範な支援を得るために、政府は北朝鮮と「敵対関係・緊張関係を維持する」のが、古来よりの為政の策である、「国内を一致させるために、隣国と敵対政策を採る手法」にも合致し、得策ではないのか?」と考えました。 
 「隣国と仲良く」ばかりが善ではないはず、とフト感じた次第です。

 貴誌にでた(宮崎正弘のコメント)は以下のようです。
「そうした動きが米国外交の水面下で包括的に動きだしたという気配がしないでもありません。米国はなぜ日本の利害を無視するかのように、しかも日本に知らせずに北朝鮮と話し合いをはじめまたのでしょうか。同盟国を裏切るかのように米国は、この点では韓国ともまったく情報を共有していない。先日のシドニーでの米韓トップ会談も韓国の奇妙な大統領の物言いに呆れて、ブッシュは早々に米韓会談をうち切りました。一方で米国の対北朝鮮政策は、微妙に、しかも鮮烈に変化している。テロ支援国家とは話し合いはしない、とブッシュ政権は鮮明にしていたわけですから二国協議を開始したのも日本に対しての一種の裏切り。中国は北朝鮮制裁を口だけで言い募りながら、実際はさっさと石炭、鉄鉱石、レアメタルの鉱山開発権利を金正日にカネを払って確保し、ロジン、ソンボンの港湾改修工事も中国企業がやっている。日本海の出口を確保、まるで北朝鮮は中国の経済植民地です。米国は偵察衛星、資源探査衛星をつかって北朝鮮の核開発を監視していましたが、その過程で北朝鮮のウラン資源埋蔵が予想以上のものであることを確認したようです。日本が拉致問題で強硬な立場を貫いている間に、プラグマティストたちは次の現実に向かって突っ走り始めた、という側面を見逃すわけにはいかないでしょう」。
   (KI生、尼崎)  

  
(宮崎正弘のコメント)ご指摘の「国民の広範な支援を得るために、政府は北朝鮮と「敵対関係・緊張関係を維持する」のが、古来よりの為政の策である、「国内を一致させるために、隣国と敵対政策を採る手法」にも合致し、得策ではないのか?」。
 まさにその通りでしょう。



    ♪
(読者の声3)三原淳雄氏の『金持ちいじめは国を滅ぼす』(講談社α文庫)の書評について偶感。宮崎さんがかつて円安派だったとは意外でした。円高こそ、日本の主権を強化する有力な道の一つでしょう。
個人の懐は惨憺たるものですが、小生はかねてから日本経済の弱さは、旧大蔵省の金持ちいじめ税制にあると思っていました。ほとんどの人々が金持ち優遇を嫌うように仕向けているのは、官の巧妙な心理作戦とすら半ば信じています。自分たちの無能さを隠すための。
三原さんの言われるように金持ち優遇が日本を救うのはホントと思います。今後も同傾向の新刊本を紹介して推奨してください。
(SJ生)



(宮崎正弘のコメント) 拙著『円安時代が来る』という本はバブル崩壊前後の本で、逆バリのなか、趨勢がみごと円安へ動いたので三刷になりました。あれから円安の本は、書いていませんが。。。

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(サイト情報) 連邦議会下院軍事、外交合同委員会で9月5日、6日、10日にイラク情勢についての公聴会が開かれ、イラク駐留米軍やイラク治安部隊に関する独立調査委員会より代表者が出席し証言を行うとともに、報告書を提出した。
http://armedservices.house.gov/hearing_information.shtml 
イラク駐留米軍のぺトレイアス司令官の報告 
http://www.defenselink.mil/pubs/pdfs/Petraeus-Testimony20070910.pdf 
補足資料(チャート) 
 http://www.defenselink.mil/pubs/pdfs/Petraeus-Testimony-Slides20070910.pdf 
クロッカー駐イラク大使の報告 
 http://www.state.gov/p/nea/rls/rm/2007/91941.htm 
イラク治安部隊に関する独立調査委員会の報告 委員長:ジョーンズ元海兵隊総司令官 
 http://armed-services.senate.gov/statemnt/2007/September/Jones%2009-06-07.pdf 
米政府説明責任局(GAO)の報告  
http://www.gao.gov/new.items/d071230t.pdf 
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<< 宮崎正弘の新刊予告 >>
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 『2008 世界大動乱』(改訂最新版、並木書房、中旬発売)
   四月に刊行された拙著『2008年 世界大動乱の予兆』を大幅に改訂増補。新データを満載。

    ♪
 『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、下旬発売)
 毒入り食品からオモチャの鉛、段ボール入り「肉まん」に至るまで、[MADE IN CHINA]は、いかにして世界で嫌われ、忌避されるにいたったのか、その原因は奈辺にあり、今後、解決される見通しはあるのか?

   ♪♪
<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『拉致』(徳間文庫)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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  1. このメルマガには本物の知者が集まっている。
    これほど価値のある読み物が殆ど毎日のように無料で配信されていることは驚きという他ない。

     2007/9/13

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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