国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/09/06


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  9月6日(木曜日)  貳
通巻 第1914号 
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 中国の猛毒禍、まだ納まらず。世界市場から不審つのる
   なぜ問題が悪化したのか、論じられていない視点
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玩具メーカー大手のマテル社(本社カリフォルニア州)は、9月4日に三回目の商品リコールを発表した。これは女児向けの商品「バービー・ドール」関連キャラクター商品など85万個の自主回収である。これまで大量となると、同社の経営は大丈夫なのか?

マテル社は中国で製品化したものをEU市場でも売っており、米国同様にEUでも自主回収に踏み切った。
同社が最初にバービー・ドール等の自主回収を発表したのは8月1日。およそ150万個。翌2日には工場を臨時に閉鎖した。

ついで8月14日に1900万個の「ピクシー・カー」と呼ばれるミニチア自動車中国製品の回収を発表した。同じく含有された鉛が基準値を超えて、幼児がなめたりした場合、有毒物質が健康を害するからだ。

最悪の事態に立ち至った原因は、中国側の好い加減な品質管理にあるが、第一に下請け加工業者が使う、基準値を下回る悪質なペイントの検査を出来なかったことだ。
下請けから孫請けへと加工プロセスが複雑化していたためだが、その原因はと言えば、中国における人件費の高騰である。
「過去3−5年の間に人件費は二倍から三倍に跳ね上がっていた」(ヘラルトトリビューン、8月31日)。

だが、もうひとつ大きな問題がある。
日本のマスコミ分析が見落としがちなのは、アメリカと中国は経営幹部トップが現場を見ることがないという信じられない事実。これが日本的経営と根本的に異なる。
MBA(経営学修士)資格さえもてば、エリートになり、そうしたエリート幹部は絶対に工場現場にはいかない。机上の空論でマーケット、メネジメント、M&Aを論じる。
東大卒でも同じ会社では皆が雑巾がけからスタートし、同じ釜の飯を食い、現場で鍛え上げられて幹部へなる日本的経営との差異が、今回の検査ミスをひきおこした。

現場での工員の質、その非効率、製品のチョロまかしや横流し、現場監督の汚職、下請けからの賄賂による検品の甘さ等々。
なぜ、こうなったか。バイヤー側の米国も反省すべきことが多いはずだろう。

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(読者の声1) 或る事件があって、わたしのことが「ウィキペディア」に一方的な記述が載ったため、材料をそろえて修正を求めたら半日で対応しました。
ウィキペディア日本語版チームがどういう態勢になっているのか承知していませんが、スピーディーな対応はたいしたものです。
 左派からの書き込みが多いので、おかしなのを見つけたら片っ端から修正要求を出すのも手かもしれません。左派が組織的にやっているように見える一方、保守派にはそういう
動きが弱いようです。
      (NH生、新宿区)


(宮崎正弘のコメント) ご指摘の通りで、実は小生の項目にも左翼解釈の記述が多く、放置していたら、或る親切な読者が訂正してくれました。
 保守陣営は、左翼の組織的裾野の広さ、その二十四時間体制に関しては大いに感心を持つべきでしょう。



   ♪
(読者の声2)こんな紹介記事を見つけましたのでお持ちいたしました。
宮崎正弘著『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
(引用開始)
「北京愛国」「上海出国」「広東売国」。広大な中国の差異に富んだお国柄を紹介。これを読めば、もう「中国は…」と一括りにできなくなる!
 「同じ“中国語”だ」といっても、例えば上海語(呉方言に属する)と北京語(北方方言に属する)とでは全然別の言葉だというのはもはや常識であろう。それと同様に“中国人”と一括りにされている人々も出身地ごとに全然異なる性格を持っている。
中国好きも中国嫌いもしばしば「中国は…」と、中国を一つのモノであるかのように論じている。しかし、あの広大な多民族国家、多言語国家の中国をそのように捉えるのは大変危険なことである。一つの衝撃的な出来事だけを見て、中国の全体をイメージしては判断を誤りかねない。
麻生太郎も演説や著作で、重慶で反日暴動が起きている一方で別の場所では10万人の中国人が谷村新司のコンサートで昴を大合唱した、というエピソードを紹介している。
あらゆることに当てはまることだが、特に広大で複雑な中国の場合、多角的に見なければ中国の実情はイメージできない。もっとも、中共の言論統制や日本のメディアの恣意的な報道も、中国をイメージし難くさせている一因となっているのだが。
本書は出身地ごとに“中国人”を見ていくことで、“中国人”という一つの人種があるかのような幻想から脱却するための画期的な本である。地方ごとのお国柄や住民の気質の違いは、もはや同じ国の国民とは思えない。“中国人”と一括りにいわれる人々も出身地別に見れば、ドイツ人、イギリス人、フランス人、スペイン人の違いにも匹敵する差異を見出すことが出来るのである。
これほどまでに地方によって考え方が違うならば、自分たちの事は自分たちで決めるという民主主義の原則を適用すると、中国は一つの国ではいれないだろう。
その上、大体の“中国人”は孫文が散砂と例えたように個人主義的傾向を持っている。これらの人々を一つの国に纏め上げるには、上から厳しく締め付けるしかないのかもしれない。大中華帝国を夢見る中共の統治が独裁になるのは、やむを得ないことなのか。
問題は、これほど違う地方色を持つ人々を一つにまとめる意義が果たしてあるのかである。
グローバル化で一つにまとまっていく一方で、エスニックグループごとのアイデンティティーを見直す流れもある。
現状を見ると急に中国が地方ごとに分断されるとは思えない。
しかし、台湾やチベットの今後次第では、ありえないと一笑に付すこともできないのではないだろうか」(引用止め)
   (FF生、小平)



(宮崎正弘のコメント) 有り難う御座います。おかげさまで同書はロングセラーを続けております。とは言っても、急に買う必要のない分野ですので爆発的に人口に膾炙するという事態はまだありませんが。。。。。

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((((((宮崎正弘の新刊予告)))))
 『2008 世界大動乱』(改訂最新版、並木書房、中旬発売)

 『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、下旬発売)

   ♪♪
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 『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊)。
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『拉致』(徳間文庫)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
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  • AT2007/09/06

    アメリカの消費者は製品で被害を受けた場合すぐにPL訴訟をすると聞きました。だからマテル社は迅速な対応をしているそうです。その費用はPL保険ですべてカバーされます。日本では消費者はおとなしくめったに訴訟をしませんし訴訟の仕方も知りません。PL訴訟の費用は訴えられた側が全額負担します。そのために企業はPL保険に加入しています。中国製の下着でかぶれた人が自分の体質が過敏症なので、かぶれるのは自分の責任と泣き寝入りしています。しかし輸入者はたとえ生産が中国であっても、どのような体質の人にも安全な下着を提供しなければならない義務と責任があります。日本で販売する側に緊張感の薄いのは、消費者がおとなしいからです。

  • Ve2007/09/06

    初めて書き込みさせていただきます。

    中国製品の安全性に対する不安が、世界中に

    広がってきています。

    経済大国である日本や米国で、安いが粗悪な

    中国製製品を販売する必要があるのでしょうか。

    消費者の要求というよりむしろ企業がひたすら利益の追求し、経営者に一生掛かっても使い切れない程の報酬を支払う為でしょうか。

    特亜諸国の価値観は、おかしいとネットでは、批判されますが、利益至上主義の米国の価値観も充分におかしいと思います。



    子供に与えるおもちゃは、使い捨てのようなものでなく丹精込めて作られたものを与える

    方がいいのではないでしょうか。



    又、環境保護の観点からもこれからは、修理が可能な製品の開発、販売を目指すべきだと

    思います。



    ペットボトルのリサイクルなんていってますが、最初からゴミになることが解っている

    容器を用いることが、そもそも間違いだと思います。



    修理をして出来る限り長く使う、これがこれからの消費生活の形になって欲しいものです。