トップ > ニュース&情報 > 国際情勢 > 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

RSS


メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。



宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:7/13


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 7月14日(土曜日) 
通巻第1863号  (7月13日発行)
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 死刑になった鄭食品製薬安全局長は「改革」の旗振りでもあった
   中国で賄賂は文化である。エリートはこうして転落した
****************************************

 7月10日に死刑に処せられた鄭某は福建省福州出身で復旦大学卒業のエリートだった。上海の同大学は北京大学、清華大学と並ぶ名門。
国営製薬企業を経て94年に党組織の書記。
98年から国家薬品管理局長に就任していた。

賄賂の噂は、その一年以上前からあった。
実は昨年12月に鄭を呼んでの「査問委員会」が北京で開かれており、温家宝首相も出席していた、とNYタイムズが伝えている(13日付け)。

4月に逮捕され、監獄の中で鄭は「告白書」をしたためていた。「わが決定的ミスは新薬認可だった」と。年間15萬件の新薬申請があり、140件が許可される。
しかし、一方で鄭は安全管理の在り方を改革する必要性を説き、「とくに共産党と切り離して独自の検査期間が必要だ」と正論を吐いてもいたのだ。

 鄭管理局長は中国の製薬会社提出の出鱈目な輸出申請書類や承認申請でろくな検査もしないで迅速に新薬を承認した容疑に問われた。このうちの六種類は偽薬だった。
「医薬品の監督官庁トップが国民の生命と健康に危害を与えた」ことが死刑判決の理由とされた。

立場を利用して新薬認可に賄賂を要求し、息子と妻が代理業務を展開、懸命に蓄財に励んでいた経過も裁判の過程で暴露された。

妻と息子が上海に設立したコンサツティング企業は「二重のはと」という奇妙な名前の会社で、このトンネル企業から香港へ12萬ドルが持ち出されていた。
賄賂は合計85萬ドルと伝えられたが、中身は高級車の贈呈から豪華家具、株券、そして別荘にキャッシュ。
 「本当は85萬ドル以上だが、8社からの賄賂の証拠だけ揃えて、あとの捜査はしていないし、する必要もなかった」(NYタイムズ)。
 
 表面にでた賄賂は「氷山の一角」なのである。

  ○◎み◎○や◎○ざ○◎き◎○ま◎○さ◎◎ひ○◎ろ◎○◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ((((((((( 宮崎正弘の新刊 ))))))))
 『世界新資源戦争』(1680円。阪急コミュニケーションズ刊)。
――世界の新しい資源地図を精密な地図を附録に、資源戦争の実態を網羅。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4484072181/ref=pe_pe_2102_5114352_pe_snp_181
(アマゾンの発注は上記サイトへ ↑ 全国主要書店、絶賛発売中)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1) いつぞや貴誌で取り上げられていた、田中英道著『支倉常長』(ミネルヴァ書房)を、手に取りました。
読み進めながら感じたのは、戦国時代を戦い抜き、勝ち残った秀吉、家康、伊達政宗らの鋭敏な政治外交感覚です。

 (引用開始)
「・・・秀吉の明侵攻の試みは、むろんスペインのシナ征服の尖兵隊となったのではなく、逆にスペインのシナ征服の先手を取ったもの、ということなのだ。スペインのシナ征服が成功すれば、日本が次に攻め入る対象になることは必至だからである。
  秀吉はイエズス会の明征服計画を、明らかに探知していた。シナ大陸が白人の支配下に落ちれば、日本自体の安全が危険にさらされる。 (中略)スペインが兵力の不足に悩んでいることを知っていた秀吉は、彼らの計画を先取りする方策を考えたのだろう。スペイン・ポルトガルと同盟するかたちで日本が大陸を事実上抑えれば、大陸への進出という信長いらいの宿願を達成できるし、日本の安全も確保される」
(村松剛『醒めた炎』)
 
「この村松氏の見解に私(田中英道)も同意するものである。 ・・・天正十五年(一五八七)、秀吉はバテレン追放令を出し、みせしめにキリシタン大名高山右近の追放処分を行った。シナ大陸が彼らの餌食になったのなら、その時はスペイン・明の連合軍と対峙しなければならない。このスペインの動向を知っていたから、できるだけ早い行動が望まれたのである。 これは日本単独で行う以外はなかった。
・・・しかし秀吉の後の徳川家康はバテレン追放令を受け継いでいたものの、一方で通商関係ではスペインとの交渉を続けようとした。日本に潜入した聖フランシスコ会の僧侶を処刑せず、マニラからメキシコへのガレオン船の日本寄港の要請を行っていたのもその証拠である。太平洋を越えてメキシコとの通商を期待していたからである。
・・・一六〇〇年代になってすでにスペインが大陸を征服するほどの力は失っており、かれらの侵略を恐れるよりも、その通商関係による利益を考えた方がいいと考えたためと思われる。・・・仙台藩がキリスト教に寛容であったことは、他藩が慶長十八年(一六一三)の段階から弾圧を行っていたのに対し、支倉使節が帰る元和六年(一六二〇)の段階まで、徹底的な弾圧を行わなかったことでもわかる。
 ・・・(政宗がカトリックに好意的であったことを)徳川が非難しなかったことは、こうした天秤をはかる幕府の判断があったと見るべきだろう。たしかにオランダ、イギリスなどプロテスタントのカトリック批判に徳川幕府は同調していたが、徳川と伊達の見解の分裂というわけでもなく、世界はまだまだカトリックが支配し、また通商や文化交流の相手としても力を有していたことも知っていたからである。 江戸や上方、そしてキリシタンの多い九州の諸大名よりも、北方の仙台藩にそれを許す方が安全とみた判断が隠されていたように見える。 
たしかに仙台藩はメキシコとの通商に有利な位置にあった。 
石巻港から出発すれば、太平洋の海流にのって、メキシコへは他の港よりも早く到着することができる。 その意味で、使節を送ることは、仙台藩にとっても好ましいことに見えたに違いない。ソテロが、布教に必要な大きな教会堂を建てるために法王の認可が必要であり、使節を派遣すべきだという提案をしたことを政宗が引き受けたのも、深謀遠慮があったと考えられる。(引用止め)

幕末・明治期も、気を弛めれば欧米列強に領土を掠め取られ、限りなく収奪される厳しい鬩ぎあいの時代でした。
政治的には不平等条約を押し付けられ、 経済的には大量の金銀が西欧列強により安値で海外に持ち去られました。(『大君の通貨』)

このふたつの時代の為政者は、ひとつ間違えれば属国や植民地になりかねない、大海に板っこ一枚で放り出されたような状況の中で、国際感覚と外交交渉術と軍事力を研ぎ澄ましていました。 
しかし江戸中期以降、大正以降それら鋭敏な鍛えられたものは敢えなく鈍磨・摩滅していきました。
状況が変わると為政者の力量は低下し、士気は弛んでしまうものなのでしょう。 
社会が安定すると官僚化が進み、組織は硬直化し、官僚たちによる国家運営は、国益よりも官僚組織の保存と自己増殖が優先されます。
佐藤優氏は日本陸軍は最大の官僚組織だったと喝破しています(『ナショナリズムという迷宮』)。
 防衛省はじめ政府与党の力量と今の自衛隊の士気では、とても襲い来る国難に耐えないのは、歴史からすると当然なのでしょう。 
さまざまな想いを抱かせてくれた好著です。
      (有楽生)


(宮崎正弘のコメント) 念のため、拙論は下記に再掲載されております。
http://miyazaki.xii.jp/column/index2.html



    ♪
(読者の声2) 某国立大学院で准教授をしている者です。専門は国際政治、旧ソ連の政治と国際関係(特にコーカサス専門)です。 
さて貴誌コメントで、僭越ながら、一つだけ申し上げたいと思い、メールを差し上げております。 
「(宮崎正弘のコメント)というわけで、小生はカザフスタンとキルギスへ取材へ向かいます。 
 モスクワまで一旦、でて、そこから東へ戻る格好の航空路を予定していたら、シンポでもご指摘のようにソウルからカザフスタンへ直航便があります。 韓国の進取ぶりには驚かされます」。 
<後略> 
とありました。
韓国がカザフスタンやウズベキスタンに拠点を築いている理由は、スターリンの民族強制移住で中央アジアに大勢連れて行かれた朝鮮人の末裔がまだ大勢いるからです。そのため、中央アジアでは朝鮮人のコミュニティも多いですし、レストランなども多いです。 
ついでながら・・・「読者」からのご投稿がありましたが、GUAMへの日本の関心は大変高まっており、逆に中央アジアへの関心は下がっています(といいますか、諦めの境地に入ってます)。
去年、外務省の中央ユーラシア研究会に招かれていましたが、中央アジアへの関心は下火で、コーカサスのほうが関心を集めていました。また、GUAMにとどまらず黒海協力機構(BSEC)への関心も高まっていて、今年から外務省で研究会が作られます。 
以上、僭越ながら補足的コメントをさせていただきました。 これからもメルマガ楽しみにしております。 中央アジアへのご出張、お気をつけていらしてください。
    (YH生、府中)


(宮崎正弘のコメント) 91年にカザフスタンからウズベキスタンへ行きました。ブハラ、タシケントからサマルカンドへ。バザールでキムチを売っておりました。朝鮮族が50萬人前後いると聞きました。
 サマルカンドから南下してウズベキスタンの国境を越え、タジキスタンのペンジケントという町でゾロアスター教の拝殿址をみました。あたりはソグト族の末裔もいる、とタジク人が言っておりました(ちょっと信じられない話ですが)。
そのタジク族は、ペルシア系で、イランと同じコトバを喋ります。
 多彩な民族が混在するのも、シルクロードの要衝だからでしょうね。ご指摘有り難う御座いました。

                ◎○◎○◎             
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(サイト情報)7月12日にブッシュ大統領は「イラク情勢について」のベンチマーク評価を議会に提出した。
(1)ブッシュ大統領の記者会見 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/07/20070712-5.html 
(2)ベンチマーク評価報告: Initial Benchmark Assessment Report 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/07/20070712.html
(3)国務省国際情報プログラム局の解説記事 
http://usinfo.state.gov/xarchives/display.html?p=washfile-english&y=2007&m=July&x=20070712154914idybeekcm0.7423059 
◎○ ● ◎○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
<< 宮崎正弘の新刊 >>
 『世界新資源戦争』
 世界の新しい資源地図を精密な地図を附録に、資源戦争の実態を網羅。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4484072181/ref=pe_pe_2102_5114352_pe_snp_181
(アマゾンの発注は上記サイトへ ↑ 全国主要書店、一斉発売中)
定価1680円(阪急コミュニケーションズ刊)。

♪♪
<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『拉致』(徳間文庫)
          ◇ ◇ ◇   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊のお知らせ) 小誌は7月19日から30日まで海外取材のため休刊となります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ♪ ( 新ウェブサイトに移転しております ↑)
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。


この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。
コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. 他の誰も取材しない事を、実行されてる、・・素晴らしい。

     2007/7/13

このメルマガもおすすめ

  1. Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    13244人

    日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万8千部突破!

  2. JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    3905人

    政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

  3. 月刊アカシックレコード

    最終発行日:
    2017/05/07
    読者数:
    17030人

    02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家が、政官財界の分析にも進出し、宣伝費ゼロで読者19,000人を獲得。2009年9月から月刊化。

  4. 頂門の一針

    最終発行日:
    2017/05/28
    読者数:
    5702人

    急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

  5. 甦れ美しい日本

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    7049人

    日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う

発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

過去の発行記事