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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:7/12


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 7月12日(木曜日) 
通巻第1860号  
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 中国の資源戦略、中東へのシフトが加速
   サウジ、イラク、イランへの急接近がふたたび目立ち始めている
****************************************

 中国の石油国家備蓄戦略が発動して、備蓄基地の建設が急がれた。
 山東省の備蓄基地は2007年末稼働予定だったが、08年にずれ込うという。
大連の備蓄基地の稼働も遅れが目立ってきたが、いずれも建設の遅れではなく石油代金の値上がりのため、備蓄用原油の購入を控えているからだ。

 「躍進」する中国への中東諸国からの投資が顕著になった。
 UAEは、中国と13のジョイント・ベンチャーを契約、投資総額は2500億ドルに達する。
 過去四年間の中東諸国からのアジアへの投資総額は2400億ドル。
 UAEはまた、中国工商銀行に220億ドルを出資している。

 クエートは広東に精油所を建設するが、この合弁形式の石油精油所では一日35万バーレルを処理する。ウエートの投資は50億ドルになる。
 またクエートも中国工商銀行に7億2000万ドルを出資している。

 ドバイのDPワールド社は、天津開発に5億ドル投資。

 SABICの中国投資は50億ドルにのぼる。中国はサウジのガダル油田開発にシノペックが3億ドルの投資を決めた。

 またイランへの食い込みの激甚さは指摘するまでもないが、注目はイラクへの中国の投資である。

 タラバニ(イラク)大統領が先月も北京を訪問した。
胡錦濤は過去の累積債務80億ドルを免除した。
サダム・フセイン時代に契約したアドハブ油田開発(7億ドル)は、サダム体制崩壊で白紙に戻ったが、中国は、交渉を再開した。
 いずれも米国がイラクの泥沼にはまりこんで、石油開発どころではない情況を横目に、独自の資源外交(というより抜け駆け行為)を行っている。
 
  ○◎み◎○や◎○ざ○◎き◎○ま◎○さ◎◎ひ○◎ろ◎○◎
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(読者の声1) 御新著『世界新資源戦争』をようやく拝読しましたが、なんとも、まぁ、これほど深刻な事態が世界の資源現場では、発生しているのに、日本の国会は国家百年、五十年先どころか、目先の論争で、足の引っ張り合いを演じるドメス(国内)政治家ばっか。
 情けなくなります。
これからの日本は本当にどうなっていくのか、不安が先に立ちます。
    (TY生、堺市)



(読者の声2)世界をあれほど取材に飛び歩かれて、一方で『世界新資源戦争』を上梓される。この本の資料をいったい、どのようにして、何時あつめておられるのか、まったく超人的な後活躍に目を瞠るばかりです。
 また文中、拝読しつつ、これまでここ一、二年の中国とロシアの動き、話題を思い出しつつ、やはりそうだったのかと目から鱗(うろこ)の点が多く、いつもながら敬服致しております。
 ますますのご健闘を祈念しつつ。
         (KS生、福井)


(宮崎正弘のコメント) ご注目有り難う御座います。
ついでながら桜チャンネルで来週火曜日、「良書紹介」で、拙著『世界新資源戦争』(阪急コミュニケーションズ)が、およそ30分にわたって独占的に紹介されます。
 小生と水島総氏との討論形式で、17日(火曜日)午後7時から30分番組です。
 さらに先のはなしですが、8月3日夜の「日経CNBC」の「生島ヒロシ・三原淳雄の経済番組」にも出演予定です。



   ♪
(読者の声3) チャンネル桜の昨夜(11日)の番組で宮崎さんの出演されたプログラムを見ました。
 毒入り食品を輸出する中国の非道ぶりは相変わらずで、これでよく国としてもっているもんだと専制政治の恐さを改めて実感し、この国を利用する世界の政治が結局、損得優先で動いていることもよくわかりました。
 一方、台湾については、先日台湾で取材された珍しい写真が出てきたりして、お話も葉菊蘭さんへの期待が滲んで、彼我の明暗が浮かび上がる設定で工夫されていたのを、楽しく見ることができました。
 貴著『世界新資源戦争』は入手したものの、まだ未読ですが、往年の『「ザ・グレートゲーム」を書かれた先生が、中露の新覇権への暴走振りをわかりやすく解説されているものと思います。
日本が立脚する「西側自由陣営の一員」とは、すなわち資源を輸入し高度な技術に基づいた加工貿易で立国する、という戦略で明治以来やってきたのに、資源が中露に握られてはその基本が揺らぎかねません。
私は先生の警鐘の意味をこのように捉えて、これから読もうとしています。
        (HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント) 桜チャンネルの番組は、いつもことながら、まったく打ち合わせさえないぶっつけ本番で、もちろんリハーサルもないのです。しかし「工夫のあと」などと言われると、実際は現場での咄嗟の思いつきで、司会役、補助役との連携ができたのか、なと思いました。



    ♪
(読者の声4) 先日『EUの新しい中央アジア戦略 − 日本とEUの協力と展望』というシンポを覗いてきました。
主催が外務省の外郭団体で、麻生外相の唱える”自由と繁栄の弧”路線に沿った本省の覚えの目出度い企画です。 
パネリストの一人が、宇山秀樹という外務官僚で、経歴を見ると1999年ロシア支援室主席事務官と記されていました。彼は、ソ連・ロシア駐在を終えて本省に戻った佐藤優氏の上司だったんではないでしょうか。
ロシア支援室が企画したイスラエルでの学術会議を違法とされ、ただ一人その罪を問われ512日間獄に繋がれ、高裁でも敗訴し、外務省を追われた佐藤氏に対してこの仁は、何事も無かったように本省に居残っているようです。
この宇山氏の他、ドイツの外務省副大臣、中央アジア担当のEU代表、シェル日本の社長、商社からは丸紅の担当課長がパネリストとして登壇していました。日本の外務副大臣は挨拶だけしてさっさと場外に去りました。
丸紅課長の物言いが率直で面白かったのですが、ウズベキスタンとカザフスタンの間の軋轢に苦慮していて、会議を開いて両者を呼ぶとたいへん気を使うとぼやいていました。
GUAM(グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ)への外務省高官の派遣には驚いたと云いながら評価し、SCO(ロ シア、中国、カザフ、ウズベク、キルギス、タジクが加盟する上海協力機構 )にも前向きに対応できないものか要請していました。 
宇山氏はSCOへは様子をみて是々非々での対応となろうというコメントでした。
 外交問題の研究者である司会者が、ファンクショナル・コーポレーション(機能的協力)とケッタイな術語で表現していました。
 小林秀雄が今から80年近く前に『様々なる意匠』で批評・批判した文芸・思想界同様、現在も本質の異ならない事柄に、新奇な言葉の衣裳を着せて、卓見であるかのように見せ掛け禄を食んでいる諸兄諸姉がいるんだと思いました。
 物を売り、利を稼ぐ商売の世界ならいいようなものの、創造性のない学者・研究者が駄弁・駄語を弄しては困ります。 事の本質を見究めて書き、語ってほしいものです。
カザフの石油埋蔵量はイランの三分の一、世界の3%を占め、ガスの埋蔵量は、カザフ・トルク・ウズベクの三国で5%を占める由。 現地での韓国人のプレゼンスは高い、水資源については研究者で討議しても合意を見ない難しい問題だ、アフガンと一番長い国境線を持つタジクの国境管理は重要だ、日本のガス需要の一割をカバーできるサハリンから供給出来ないと大変だ、日本のガス需要の三分の一をカバーできるシェルのカシャガン・プロジェクトのリスク云々とさまざまな情報が会場にばら撒かれていました。
   (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント)というわけで、小生はカザフスタンとキルギスへ取材へ向かいます。
 モスクワまで一旦、でて、そこから東へ戻る格好の航空路を予定していたら、シンポでもご指摘のようにソウルからカザフスタンへ直航便があります。
 韓国の進取ぶりには驚かされます。
 カザフは西側の金融機関も大挙進出します。日本の原子炉開発でのカザフとの合弁もあり、ナゼルバエフ大統領自身が主宰の経済セミナーも開かれます。
 一方、キルギスは8月の上海シックスの主催場所です。取材テーマは山積みです。



   ♪
(読者の声5) 貴誌昨日付にでた、「しなの六文銭」さんの読まれている本はまだですが、『ハルビン学院と満洲国』は昔読んでおります。
事実関係は知らないことが多かったので、私にはためになることが多かったのですが、まだ満洲国自体に関する著者の否定感は否めなかったですね。どういう経歴の方かよく知りませんが、全共闘世代らしき口吻が感じられました。
後書きをよむとそれを如実に感じたものです。手元に今ないので確認できないのですが。
ホロンバイルはすごい草原ですね! 行けども行けども、地平線がさえぎるものがありません。ノモンハンに行くバスの中で『空の勇士』というノモンハンの戦いを歌った軍歌をテープで流し歌いました。
♪「恩賜の煙草頂いて〜明日は死ぬぞと決めた夜は〜」♪です。
  (HT生、大田区)


(宮崎正弘のコメント) そうですか、ノモンハンへ行かれましたか。 「バス」でとありますが、相当便利になったようですね。
 小生はタクシーをチャーターし、道に迷いながら、ようやく戦闘現場と旧日本軍の見張り台と、ノモンハン記念館にたどり着きました。ハイラルを午前7時にでて、おそらく午後十時には戻れるだろう、と決意して出発したのですが、なんと午後六時前にハイラルへ戻れた。
道路ができて、アスファルト舗装されたからです。いま(2007年4月)現在は、ノモンハンからさらに南下して内蒙古省まで道路が繋がったと聞きました。

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    ♪
<< 宮崎正弘の新刊 >>
 『世界新資源戦争』
 世界の新しい資源地図を精密な地図を附録に、資源戦争の実態を網羅。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4484072181/ref=pe_pe_2102_5114352_pe_snp_181
(アマゾンの発注は上記サイトへ ↑ 全国主要書店、一斉発売中)
定価1680円(阪急コミュニケーションズ刊)。

♪♪
<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『拉致』(徳間文庫)
          ◇ ◇ ◇   
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(休刊のお知らせ) 小誌は7月19日から30日まで海外取材のため休刊となります。
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宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ♪ ( 新ウェブサイトに移転しております ↑)
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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  1. いつも新鮮なニュースに驚いています。

     2007/7/12

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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