国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/06/21


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 6月21日(木曜日)  貳
通巻第1842号  
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  『李登輝氏の訪日が残した教訓』
            宮崎正弘

 

 李登輝前台湾総統は先日、三回目の来日を果たされ、日本各地をまわった。
 第一回後藤新平賞の授賞記念講演には筆者も招待されたので拝聴に伺った。たまたま隣席が竹村健一氏、ほかに櫻井よし子、岡崎久彦、日下公人、大宅映子氏ら錚々たる日本の知識人が李氏の講話を拝聴に来ていた。

 李登輝氏は「後藤の功績は無私の精神で台湾復興につくし、教育にとくに力を入れた。明治期の日本人がどうしてあれほど熱情的にほかの国の建設に汗を流したのか。明治天皇の御叡慮に加えて新しい版図への日本全体の熱情、その”肯定的思考”にあったのではないか」と台湾近代化への貢献を述べながらも、戦後、元気を喪ない、武士道精神を曖昧にした日本人の欠陥をズバリと突かれた。

 しかしなぜ、かくも日本人の多くが李登輝氏に戦後日本が失ったカリスマ的な道徳指導者の疑似像を見るのだろう? 
 これは一種精神的代替作用ではないのか。

 李登輝夫妻はそれから芭蕉「奥の細道」の旅をつづけ、即席の俳句を披露されたり、松島、山寺、中尊寺、日光などを見学された。
 日本的な情感に溢れた旅先には必ず日の丸と台湾の緑の旗をふって歓迎する民衆が待ちかまえていた。

 足跡をなぞってみると奥の細道の沿道には後藤新平、新渡戸稲造の記念館がある。秋田の国際教養大学(中嶋嶺雄学長)ではアイデンティテイの恢復を力説される講演を英語で行った。都内でも二回、講演されたが、オークラの会場には立錐の余地がないほどの聴衆が参集し、李氏の世界情勢分析を聞いた。

 そうだ。そうやって日本人に或るメッセージを李登輝氏が発信されたのだ、と筆者が気が付いたのは李氏が東京へもどって靖国神社へ参拝するという“離れ業”を目撃したときである。

 記者団に対して、「わたしの兄(李登欽)は昭和二十年にフィリピンで戦死したが、父は兄の死を信じていなかった。父は十年前に96歳で天寿をまっとうしたが最後まで兄が戦死したのを信ぜず、わが家には遺髪も位牌も墓もなかった。父がそういう立場である以上、わたしは兄に対してなにも出来なかった。だが靖国神社には合祀していただいており、わたしは人間としてやっと冥福を祈ることが出来た。私自身はクリスチャンであり、今度の参拝はわが家の家庭の事情によるもの。政治的歴史的な解釈はしないで頂きたい」と述べられた。

 中国の反応ばかりを懸念する日本政府は、同じ頃に来日した民主活動家の魏京生氏の入国を認めないという失態を演じた(三日後に許可)。
 それほど北京に阿る日本の主流派を刺激しないように、周到に、しかし李氏は行動に託してメッセージを残したのだ。

 日本が迎える多難な近未来。教育現場の荒廃、年金資金の枯渇、少子化、北朝鮮の核、中国の軍事力、ロシアの横暴。。。

 ところが日本の困難さ以上に深刻なのが台湾である。
アイデンティテイの統合は難しく、中国のミサイルは台湾を照準にして九百基。戦闘機など軍備を日々更新させている。
そうした危険な情況にありながら日本にも警告を投げかけるという精神的余裕は、後藤新平が台湾に遺した「肯定的思考」という人生への姿勢に支えられている。

 (この文章は『北国新聞』、2007年6月18日付け、一面コラム「北風抄」からの再録です)。
  
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(読者の声1)精力的に活動する宮崎さんの昨今の活動にはただただ敬服するばかりです。
著書もどんどん出され、購入するのが追いつきません(苦笑)。
 ところで読者の声で品川のHN生様の指摘された,「雪斉」なる人物のブログを私も読んでいました。
 頓珍漢と言うか、狂気と言うか…米国議員にだけ向けたものではないのに築地新聞をそのまま読んでの感想のような感じもしましたが、この人物が大政治学者”を標榜している櫻田淳と言うのですか(苦笑)。
 米国国民にも向けたメッセ−ジでも有るのにひたすら意見広告を協賛した人々を叩き、いかにもやっても無駄、逆に決議採択に後押しをした、とか…朝鮮や支那や言う事や、築地伝聞のプロパガンダをそのまま言ってるようにも聞こえました。
http://sessai.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_9731.html#comments
 これで大政治学者ですか、呆れました。団塊の世代なんですかね、この方は。
次の宮崎さんの新刊本、楽しみにしております。
(IT生、新潟)


(宮崎正弘のコメント) 「狂気」というより「頓珍漢」かも、つまりは基礎的な教養に欠けるということではないでしょうか。
 ところで、或る関係者によれば、南京の真実を訴える英文資料を米国連邦議会の全議員に配布する作業は進んでおります。政府がやらないことを民間の篤志家、憂国の士らがやっているのです。
 米国新聞への意見広告も、これからどんどん運動が拡がると思います。



   ♪
(読者の声2)「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」通巻第1839号で中国の端の崩落が報じられています。
少し古い話ですが、韓国の会社がパラオに建設した橋の崩落前後の鮮明なカラー写真が出ているサイトがあります。 
 http://www.asyura2.com/0406/idletalk10/msg/583.html
  

(宮崎正弘のコメント) これは見事な写真。しかも、韓国ゼネコンの手抜き工事ぶりが、非常によく分かります。
 じつは昨夜も「正論を聞く会」の講演会で、「イラク戦争における米軍機の攻撃で、一番喜んだのはどこか。常識以下の廉価で入札した韓国企業です。なぜなら手抜きがばれる前に米軍機が壊してくれたから」と説明したばかりでしたから。



    ♪
(読者の声3)20日夜、産経プラザに駆けつけました。
 「正論の会」における宮崎さんの講演は、まさに宮崎ワールド炸裂の賑わいと盛り上がりでした。
補助イスを足しても満員。会場いっぱいに聴衆が集まり大盛況、大盛会のご講演会でした。また期待した通りのふだん耳にできない情報満載の内容でした。主宰者の方も精緻な情報に驚いていました。
暑い中、駆け付けた甲斐がありました。
   (HN生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント) あの暑い中、ビアホールにも行かれず、聞きに来て頂いて感謝申し上げます。
ぎっしり満員でしたので、当方としても“喋り甲斐”もありました。



    ♪
(読者の声4) このところ宮崎正弘先生のメルマガ引用がネットの世界で顕著に目立つようになり、「宮崎正弘」で検索をかけましたら中国関係、三島由紀夫関係、国際経済関係と多岐に亘り、「宮崎正弘、ここにあり」の感を強くしております。
メルマガ読者であることが誇らしくなりましたので、以下に二、三を紹介させていただきます。
(1)日本の安全を脅かす中国関係著書の抽出:2006,7
ここでは28冊の書籍を紹介しておりますが先ずトップを飾るのが『2008世界大動乱の予兆』(宮崎正弘:並木書房:2007)です。
(2)本から本へと、辿っていくサイトです。
「金閣寺」に関連する作品 「炎上」−映画化作品 
『三島由紀夫の現場 (金閣寺、豊饒の海から市ヶ谷事件現場まで)』(宮崎正弘著)。
ト貴本が並んで紹介されています。
これはすごいことですよ!
炎上は主演の市川雷蔵さんの写真があり、「三島由紀夫の現場 」は其のままなんですが、なんともバランスがよいのです。「金閣寺」は、三島さんの名作中の名作。
宮崎正弘先生もこんな紹介のされ方は著者冥利につきるのでは?
(3)投資信託・不動産投資・株式投資・投資マーケットお宝探偵団あたりを検索すると、
『世界市場を徘徊する投機資金』(宮崎正弘)として、宮崎先生のメルマガからの引用を掲載しておられます。

こうして国民の間に危機意識が高まり新聞、雑誌、テレビでは正確な情報をえられない事に苛立ちを感じながらも、宮崎正弘先生のメルマガに情報の本来の姿を見出し、転載しておられるサイトが多いのは知っていましたが、分野の異なるサイトが偶然にも宮崎先生を取り上げて居られることにも、先生の情報の確かさを知る思いがいたします。
とは申せ、たった一人でこれらの情報を足で稼いでいるわけですから、くれぐれもお身体大切にと思わずにはいられません。
        (FF生、小平)


(宮崎正弘のコメント)昨夜の「正論の会」での講演でも質問が多岐に亘り、拙回答は多岐に流れ、司会の三輪和夫さんが、まさに同じことをおっしゃっていました。
 ところで健康管理ですが、馬齢を重ねる裡に無茶な酒を飲んだりはしなくなり、あげくには毎日散歩を欠かせなくなり、しかし基本的によく寝ております。
 一昨日大分県から帰りましたが、ほどよく疲れていてビールを一缶も開けないで寝てしまいました(苦笑)。嗚呼、寝る子は育つ?



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【レポート】「謝長廷=台湾」支持を訴えて
20日、都内で「椎名素夫先生を偲ぶ会」に出席された民進党の次期総統候補である謝長廷氏の前で「謝長廷氏=台湾の民主化・独立」支持を訴えました。
 台湾を支持する、日台交流同友会、台湾研究フォーラム、日本李登輝友の会などに所属する日本人と台湾人の有志約20名が、(故人を偲ぶ会であるため)燃えるような熱い心はうちに秘めながら節度をもって「ようこそ謝長廷閣下」のプラカード、日章旗、「YES台湾!」の小旗などを振って来日歓迎の気持ちをお伝えしました。
 謝長廷氏も我々の歓迎に手を振って答えてくださいました。
ホテル前では式典の後に30名あまりの台湾報道陣が謝長廷氏を取り囲み、たいへんな熱気でした。我々同志の一人(日本人)も台湾のテレビ局の取材に、「日本人は謝長廷氏の来日を熱烈に歓迎しています。台湾は日本の生命線であり、台湾人の独立を目指す民進党の謝長廷氏を非常に支持しています!」と日本語で訴え、台湾の夕方のニュースで報道されたようです。
つい先日は李登輝前総統を日本人が各地で熱狂的に歓迎しましたが、その台湾の要人を歓迎する友好ムードは依然衰えることをしらず、次期総統の有力な候補である謝長廷氏も日本人の間でも確かな支持を集めていることは間違いありません!
 いま日本全国で台湾をかけがえのない友邦として支持する気運が高まっています。
 我々日本人は、台湾国民の台湾人意識の高まりにたいへん期待し、応援していることをドンドン発信していきましょう!
平和なアジア建設のために、日本人と台湾人がより一層力を合わせていくよう切に願っています。
  文責 小田 浩(日台交流同友会、台湾研究フォーラム、日本李登輝友の会会員)


(宮崎正弘のコメント) 小生儀、24日から台湾へ取材に行って参ります。
 謝長廷氏ともインタビューが叶う予定です。

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 ((((((((( 名古屋周辺の読者の皆さんへ ))))))))

7月1日(日)、宮崎正弘が名古屋で講演します。
  テーマは「覇権主義国家中国に如何に立ち向かうか」

■日 時:7月1日(日)午後2時〜4時30分(1時30分開場)
■会 場:名古屋クラウンホテル 7F 欅の間
     地下鉄伏見駅7番出口より西進、朝日新聞社左折
http://www.nagoyacrown.co.jp/about/access.html

■会 費:1000円
■懇親会:希望者のみ(会費:6,000円)16:30〜18:30
■申込み:日本李登輝友の会愛知県支部(略称:愛知李登輝友の会)
     詳しくは下記サイトで  
http://www5c.biglobe.ne.jp/~n-aichi/ibent/ritouki2007.htm
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(休刊予告) 小誌は宮崎正弘が海外取材および地方講演のため6月24日から7月3日まで休刊です。(途中、6月30日付けを一回発行予定です)。
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<< 宮崎正弘の近刊予告 >>
 『世界新資源戦争――中国、ロシアが狙う新・覇権』
 世界の新しい資源地図を精密な地図を附録に、資源戦争の実態を網羅。
(30日に全国主要書店、一斉発売、定価1680円。阪急コミュニケーションズ刊)。

<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
 http://www.namiki-shobo.co.jp/

『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
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宮崎正弘の新ホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ♪ ( 新ウェブサイトに移転しております ↑)
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http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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