国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/06/04



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 6月4日(月曜日) 
通巻第1819号   
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 黄菊の病没で「上海派」は一段と窮地に追い込められたが
   胡錦濤は、旧江沢民一派の一斉追放には踏み切れないだろう
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中国共産党序列6位。政治局常務委員の黄菊副首相が死去した(6月2日)。
黄菊は江沢民・前国家主席の「上海閥」派の重鎮だった。しかし、夫人や一族の汚職、とくに株のインサイダー取引などの腐敗の噂が絶えず、また本人が病気のため、今秋の第十七回共産党大会で引退が確実といわれてきた。

06年の春節(旧正月)前後に膵臓がんと診断されて入院し、07年3月の全人代には辛うじて出席したが、介添えがなければ立ち上がれない状態だった。
昨秋、子飼いの陳良宇・上海市党委書記が、社会保障基金の流用(邦貨換算600億円)などの汚職事件に連座して失脚、黄一族も関与しているという黒い噂が流れた。
筆者の上海の定宿には、黄菊が上海市書記の時代に揮毫した漢詩の石碑がロビィに飾られていたが、あれも近く撤去の運命?

さて黄菊は浙江省出身。胡錦濤主席と同じ北京の「清華大学」出身で、「清華閥」にも属し、1986年に上海市副市長、91年に同市長になった。
94年には上海市党委書記。02年からは江沢民のひきで、政治局常務委員に昇格していた。 
  
 政治局常務委員は九人、上海派が六人と絶対多数をしめたものの、黄病没で五人に減少し、しかも上海派を代弁する曾慶紅が、陳良宇失脚に際して胡派に寝返りを打った。
 つまり上海派は少数派に転落したのである。

曾慶紅は「上海派」から身をひとつサラリとかわして、むしろ「太子党」を代弁するという強い立場を得て、上海の新しい書記に、子飼いの習近平をつかせるという離れ業を舞台裏で仕掛けた。


 絶大なパワーをもたない胡錦濤にとっては、むしろ曾をひきこみ「総主流派」体制を見せかけながら、省長クラスに、「共産主義青年団」の人脈を片っ端から登用してきた。

 中国の権力中枢における権力闘争の激化は、黄菊の死亡により本格化すると予想する向きも多いが、このことは昨年秋から「織り込み済み」であり、次の焦点は、政治局員に誰が、どういうバランスで指名され、新しい権力構造はいかなる派閥均衡となるかにかかっている。

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(読者の声1) 元共産党員の評論家が書いたテレサテン本をもとに、築地瓦版屋の系列、六本木電波台がドラマに仕立てたテレサテン物語を流していました。
台湾出身のテレサは、同じ中国人同士がどうして対立するの、中国はひとつじゃないのと、築地系らしいクサイ台詞を発っしているなと観ていたら胡耀邦の姿や天安門事件の実写フィルムを流し、香港の民主化運動を応援するテレサを描いていたので軽い驚きを覚えました。テレサ役の女優に、中国は人を踏み躙るだけじゃない!心も踏み躙るんだわ!と嘆かせ泣きながら言わせたのには大感心。
これを六・四事件(天安門事件)十八周年の直前に流すとは意図的としか思えません。
六本木電波台には築地瓦版屋から天下ったお目付け役がいるのにどうなっているんでしょう。
チョーニチ系とも別称される反日集団がこういう反中共番組を流したことを、誰か中南海へご注進したんでしょう。
昨日、都内で講演を予定していた魏京生氏が成田の入管に足止めを食らわされて、参加できませんでした。一部の新聞で報道されているところによると、2年前は入国できたが今回は日本政府の意向(入管は上の指示だと説明)で入国を認めないそうです。
魏京生氏がすんなり入国して集会に参加できていたら、ニュースにはならなかったわけですから結果的に築地系の六本木電波台のテレサテン物語はたいへんな波紋を呼び起こしたことになり慶賀に堪えません。
東洋の歌姫が、天安門事件を引き起こした中共の無謀を自分の歌で阻止できなかったと、彼らの無慈悲を嘆き悲しみ、歌を捨て命も短くして逝ったのです。
もう亡くなった歌姫にはこういう政治的な問題で、人の心を揺り動かすパワーがあるようです。いくら無かったことにしようとしても六・四事件(天安門事件)を無かったことにするのは無駄であることを中共は思い知るべきです。
   (有楽生)


(宮崎正弘のコメント)まさにご指摘のように「魏京生氏がすんなり入国して集会に参加できていたら、ニュースにはならなかった」。



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(読者の声2) すごいニュースです。
「ロシア極東を訪問中のラブロフ同国外相は3日、ユジノサハリンスクから北方領土の国後、色丹の両島と歯舞諸島の水晶島を相次いで視察した。ロシア外相が北方領土を視察するのはソ連崩壊(91年)後初めて。年末のロシア下院選挙や来年3月の大統領選挙を前に、北方領土の発展を重視するプーチン政権の姿勢を示す目的とみられる。」(毎日新聞)
外務大臣が訪問したということは、ロシア政府は北方領土を国外と認めたことになります。
前回、ロシア外相が訪問した平成3年はエリティン政権下でロシア政府が北方領土問題で譲歩案を提案してきた時の少し前にあたります。
この絶好のチャンスに今回は失敗しないことを祈念いたします。
   (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント) 北方の熊は、いったん呑み込んだ獲物は絶対に放さない。
 久しぶりに獰猛なロシア人の強烈な野心を垣間見ましたね。
 プーチンは憲法を改正して任期延長の暴挙にも打って出る構えを見せています(日経新聞への独占インタビューで。6月4日付け)。



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(読者の声3) 昨年の衆議院選では、小沢一郎、田中真紀子、田中康人の三人が野合しようとする胡乱な動きがありました。 
一部のジャーナリストの間でこれをオット危ないとの意を掛けてOTT連合と揶揄しました。 それに懲りないのか、 今度は小沢の代わりに国民新党の亀井静香(表面上は兄の久興)が二人の田中を引き入れて、まっとうな国民ならカット怒りたくなるようなKTT野合集団を形成する隠微な動きがあるようです。
これに痰を吐きたくなる向きにはケット野合と呼んでもよいでしょう。
真紀子妖嬢は、静香魔王の誘いに腰をしならせていますが、康夫狸奴は洞ヶ峠を決め込んで表面ではそれに靡く気配を見せず、昨日は一人新党日本の宣伝カーに乗り込んで、皇居周辺をマラソンする人たちに呼び掛けていました。 
康夫狸奴は真紀子妖嬢あたりに水面下で引っ張り込まれ、選挙が終わってから表立った三怪人共闘(野合)に入るんでしょう。
自民党の負けをどこまで民主党がとり、その獲りきれない部分をニッチな亀井党や康夫党がどこまで攫うか、ますます目が離せないはこの夏七月の参院選です。
   (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント) 政界伏魔殿に魑魅魍魎。

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(お知らせ1)6月17日から19日を国内講演旅行のため。6月24日から29日まで海外取材のためそれぞれ休刊します。
(お知らせ2)6月10日(日曜日)の「細川隆一郎のラジオ・トーク」(ラジオ日本)に宮崎が出演します。
(お知らせ3)6月17日(日曜)午前0時半「マネスポ」(同)に宮崎が出演。
(お知らせ4)宮崎の講演会(一般入場可)は6月20日午後六時半から大手町産経プラザにて。主宰は「正論を聞く会」。演題「日中資源戦争のゆくえ」に関して講演(入場は1500円、学生1000円です)。   
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<< 宮崎正弘の近刊予告 >>
 『世界新資源戦争――中国、ロシアが狙う新・覇権』
 世界の新しい資源地図を精密な地図を附録に、資源戦争の実態を網羅。
(30日に全国主要書店、一斉発売、定価1680円。阪急コミュニケーションズ刊)。
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<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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