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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:5/25



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 5月25日(金曜日)   
通巻第1807号  
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 キルギスの米軍基地撤去キャンペーンが激化。「イラン空爆に使用させるな」
   代替の空軍基地借用にインドが急浮上している
****************************************
 
 2001年9月11日。米国を襲った同時多発テロ。
 直後から米軍はアフガニスタンのタリバン秘密基地を空爆した。
 そのおりにアフガニスタンに隣接するウズベキスタンとキルギスの空港を米軍の空軍が使用する契約をした。
名目は「イスラム過激派のテロリズムに対抗するため」。

 二年前に、ウズベキスタンから米軍は撤退した。
空軍基地使用期限が切れ、カリモフ大統領が、米国からの人権批判に立腹し、突如、反米路線に転じたからである。
残るはキルギスのみ。

 キルギスの首都ビシュケクに近いマナス空軍基地には米軍2000人が駐屯している。
 そこから30キロのカント空軍基地にはロシア空軍が駐屯している。キルギス東部と陸地で国境の繋がる中国からは、多くの“ビジネスマン”と“エンジニア”がキルギスに入りこんでいる。
 キルギスは「上海協力機構」のメンバーだからである。

 キルギスは、この間に、アカーエフ大統領が無血革命によって国外(ロシア)に追われ、かわってバキーエフ大統領が登場した。
かれは当初、親米派と見られていた。

 バキーエフ政権は経済的困窮を脱するために、まず駐屯米軍のレンタル料金の値上げを要求した。
基地周辺の雇用と波及効果により、多少の経済的恩恵も米軍によってもたらされたが、過去二年ほど、野党が「環境問題」を表看板に「米軍撤退」キャンペーンを始めた。

 にわかに反米感情が横溢したのは、2006年。米軍兵士が輸送中にキルギス市民をひき殺す事故がおきたためだ。
ついで、この二ヶ月ほどの反米運動の高まりは、「イラン空爆が予定されており、そのとき、米軍は攻撃機をキルギスから発進させるだろう」という多くのマスコミ報道である。
 これはまったくの噂に過ぎない。

 5月21日、バキーエフ大統領は「特別諮問委員会」を設置し、米軍駐留とキルギスの国益に関しての調査をするように命じた。


 ▼インド空軍基地が代替となりうるのか?

 同日にアルマンベト・マツブライモフ首相は、キルギス国会に対し、
「合法的に米軍が撤退する法的根拠の研究」を命令する。「イラン攻撃が開始される前に」との条件を付けたという(アキプレス、21日)。

 サツタノフ国会議長は、反米派を代表する政治家。「ロシアの駐在は条約上、合法的であるが、米軍の駐在に法的根拠はない」と強硬姿勢を崩さず、駐キルギス米国大使のマリエ・ヨバノヴィッチは翌日に「米空軍の駐屯は、あくまでもイスラム原理主義過激派テロリスト対策であり、イラン攻撃など噂に過ぎない」と否定した。

 米軍擁護派とみられてきた外相のエドナン・カラバエフも「米軍の任務は終わった」と姿勢を大きく後退させて、背後にあるロシアの猛烈なキャンペーンに覆われてしまった。

 代替地として急浮上したのがインドである。
 インドにはタジキスタン国境に、嘗てのアフガニスタン戦争のおりにミグ武装ヘリコプター基地として使用され、その後、閉鎖されている空軍基地がある。

 もっともインドは親米でもなく、中国とも関係を強化しつつあり、しかも過去の冷戦時代の経緯もあってインド空軍の7割の装備がロシア製だ。
 ロシア式訓練を受けたインド空軍、その戦闘機の部品をロシアに握られている関係から、すぐに米軍の空軍基地貸与には結び付かないだろう。

 かくて中央アジア、きょうも有為転変の最中。
  ◎○み◎や○ざ◎き◎○ま◎さ◎ひ◎ろ◎○
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(読者の声1)『月刊日本』6月号の貴巻頭言を拝読しました。
 延安、重慶、西安事件の現場へ実際に足を運んで記された文字群から、貴台が体感されたシナの風、その過去と今が読むものに滲み入ってくるようです。 
自分自身の目と耳そして鼻からも”現地”を体感することの大切さを思います。
さて同号に元毎日新聞記者の西山太吉氏による ”沖縄密約” についての論文があります。 先月末、外人記者クラブであった同氏の会見に参加できず、後で知人が録った録音で迫力のある声を聞いていましたが、同号掲載の西山氏の写真を見て、同氏にとり長く厳しい歳月が経っていたことが感じられました。
1972年西山記者が入手した、沖縄返還に関する日米間の密約についての極秘電信文が社会党に渡り、国会で大揉めになりマスコミは西山記者と情報提供者の蓮見喜久子外務省事務官の関係を”痴話”として連日、紙誌面にとり上げていました。
日本政府は密約を否定し続けましたが7年前に米政府が公にした機密文書から密約の存在が明らかとなりました。 
西山氏は日本政府に対して謝罪と国家賠償を求める訴訟を提起しましたが、去る3月東京地裁で請求棄却となりました。
この事件に当時外相だった【河野洋平】が絡んでいました。
【河野洋平】が当時、外務省北米局長だった吉野文六に、密約をなかったことにしろとの口封じをし、「【河野洋平】が吉野に確認したところ、吉野は密約がなかったと言っていた」ということが政府の密約を否定する唯一の拠り所となっていました。 
しかしその吉野が昨年真実を暴露し、西山氏は訴訟に打って出ていたのです。
1993年官房長官だった【河野洋平】が、慰安婦への根拠無き謝罪をした河野談話を出した背景には、加藤紘一へのライバル心があったという説があります。 
【河野洋平】の前に宮沢内閣で官房長官をしていた、同じ宏知会で覇を競っていた加藤紘一が慰安婦問題について政府の関与を認める談話を出していたのでそれよりインパクトのある河野談話の発出を意図したというのです。 
この二人は中共への忠誠心も競っていて、当の中共を呆れさせていたという外務省幹部の話もあります。
まったく下劣な江(胡)の傭兵と下等狗夷恥です。
外人記者クラブでの会見で、西山氏が語気を強めて鋭く指摘していたのは密約を隠蔽し隠し通した官僚の閉鎖的な体質です。 
内部の秘密が洩れることは万に一つも無く、吉野が真相を外部に出したことは例外で、秘密を守ること、自分らを護ることにかけては世界に冠たる鉄壁の日本官僚群だというのです。
これはマッカーサーが解体せずそのままにして遺した負の遺産の一つです。 
因みに占領下自省からなるべく公職追放者を出さないよう官僚たちは必死の工作をして結果、英語遣いの多い外務官僚(当然)や大蔵官僚が少なく、英語に疎い内務官僚が多く追放される憂き目を見ました。 
国益より省益を追求する官僚魂は占領下でも発揮されていました。
民間人として沖縄返還交渉に文字通り身命を賭した若泉泉敬氏のことが思い出されます。 若泉敬氏は、交渉回想録『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』の最終原稿を編集者に渡した数時間後に死出の衣を纏います。
同氏はこの”遺書”で、自らが沖縄への核持込の密約に関わったことを明らかにしていました。
(有楽生)


(宮崎正弘のコメント) 当該の『月刊日本』の西山独白記、読みました。佐藤優、鈴木宗男、村上正邦の各氏ほか。日本の司法の歪みを糺そうという国民の声は日ごとに大きくなっています。
 ところで若泉敬さんに関しては小生も、拙著『三島由紀夫“以後”』などで、かなり詳細に書きました。若泉さんは個人的に想い出深い人です。



   ♪
(読者の声2)5月27日に台湾資料センター主催で、台湾の現地事情や旅行情報に関して、専門の片倉佳史さんの講演があります。『知られざる台湾の魅力+片倉佳史の取材メモから』という演題です。
27日(日曜日)、18時より。
台湾在住のフリーランスライター・片倉佳史氏をお招きし、講演会を開催します。
テーマは「知られざる台湾の魅力+片倉佳史の取材メモから」と題し、台湾新幹線や地方事情、秘境探訪、ご当地グルメ、原住民族の文化などについて。

氏はこれまで20冊に及ぶ旅行ガイドブックを手がけ、同時に日本統治時代の歴史に関する調査を進めておられます。4月には『台湾新幹線で行く台南・高雄の旅―台湾中南部ディープガイド』(まどか出版)を刊行。台湾新幹線を初めて取り上げ、台湾南部の地域事情を詳しく紹介した一冊として好評を博しております。会場は都営三田線・東京メトロ南北線の白金高輪駅下車徒歩1分の港区高輪区民センターです。参加は無料となっておりますので、お友達をお誘いの上、ぜひともご来場ください。なお、当日は著作の販売とサイン会も予定しております。
 
テーマ 「知られざる台湾の魅力+片倉佳史の取材メモから」
 講師  片倉佳史(かたくらよしふみ)
 日時  2007年5月27日18時から
 参加費 無料
 申し込み先 台湾資料センター(電話03−3444−8724・ファクス03−
3444−8717 )
※会場は250名まで収容可能です
会場 港区高輪区民センター(1F)東京都港区高輪1−16−25・03−5421−7616 地下鉄南北線・三田線「白金高輪駅」下車 出口1から徒歩1分
http://www.kissport.or.jp/sisetu/takanawa/index.html
主催 台湾資料センター(東京都港区三田5-18-12 自由新聞社ビル1階・03-3444-8724)
    (KK生)


(宮崎正弘のコメント)台湾に興味のある人、これから旅行を考えている人は、名ガイド、片倉さんの話を聞かれるのは有益でしょう。

      ○◎みや○◎○ざき◎◎○○まさ◎○ひろ◎○
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    ♪
<< 今月の拙論 >>

(1)「独創的技術のない国」(『週刊朝日』、6月1日号)
(2)「中国企業が中国から逃げ出している」(『サピオ』6月13日号、発売中)
(3)「もはや中国人は“反日”で動かない」(『月刊日本』、6月号、発売中)
(4)「戦争広告代理店と中国」(『WILL』、26日発売)
(5)「中国の毒ビジネス騒動」(『週刊新潮』へのコメント、発売中)
(6)「毛沢東の革命神話の地を往く」(『エルネオス』、6月号、月末発売)
(7)「西安はいま」(『共同ウィークリー』、5月31日号)
   ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
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   ♪ ♪
<< サイト情報 >>
(A)米国務省国際情報プログラム局のEジャーナル2007年5月号は「テロリストの心理に対抗する」と題し、世界的に著名な学者がテロリストの行動や心理を分析した。
テロ組織がどのようにして人材をリクルートするかなど現代社会を脅かす地球規模のテロリズムを考察している。掲載記事の全文 ↓
Countering the Terrorist Mentality、 An Electronic Journal of the U.S. Department of State, May 2007
http://usinfo.state.gov/journals/itps/0507/ijpe/ijpe0507.htm

(B)米中戦略経済対話 (Second Meeting of the U.S.-China Strategic Economic Dialogue)が終了、航空、金融サービスのさらなる自由化、クリーンエネルギー技術での協力促進などに向けての具体的な成果があったとされた。 
(1)ヘンリー・ポールソン米財務長官の閉会宣言
 http://www.treas.gov/press/releases/hp416.htm
(2)第2回米中戦略経済対話全般のファクトシート
 http://www.ustreas.gov/press/releases/hp417.htm
(3)金融サービス分野でのファクトシート
 http://www.treas.gov/press/releases/hp418.htm
(4)航空サービス分野でのファクトシート
 http://www.dot.gov/affairs/dot5207.htm
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<< 宮崎正弘の近刊予告 >>
 『世界資源戦争地図――資源覇権を狙う中国,ロシア』(6月下旬頃。予価1600円。阪急コミュニケーションズ刊)。

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<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
http://shinshomap.info/book/4569646204_image.html
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
  ◎○◎みや○◎○ざき◎◎○◎○◎○まさ◎◎○◎○ひろ◎○◎
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◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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