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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:5/23


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 5月23日(水曜日)   
通巻第1805号  
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 一人っ子政策違反者に法外な罰金を科してきた地方政府
  妊婦が強制堕胎手術で死亡、広西省で大規模な抗議行動から暴動へ発展
****************************************
 

広西省の博白県で、地元政府当局が「計画出産政策を強行」(貧乏家庭で子沢山に65ドルの罰金を科した)したため、強制的堕胎手術で妊婦が死亡する事件があった。
これに抗議する農民、応援に駆けつけた民衆が政府関連施設に投石を始め、導入された警官隊との間で暴力的な衝突が起きた。
数千人の農民が参加した、と香港の『明報』が21日に伝えた。

AP電(22日)によれば、広西省博白県で農民らは政府ビル(鎮政府庁舎)を取り囲み、庁舎に放火、バイクや車などもひっくり返して焼き払ったという。
とくにシャポ村(音訳不明)では、連日衝突が繰りかえされており、五人の死亡がでている模様。

広西省博白県政府は、これまでに一人っ子に違反した家庭から最高額1300ドル(年収が130ドルあるか、ないかの貧乏地域)を徴収していた。
しかも第一子を産んだ女性でふたたび妊娠した女性に中絶手術を強制し、出産経験のある女性に不妊手術を強制した。
 住民らは、この実態を写真におさめ、とくに米国のメディアに流し始めた。米国の人権擁護リベラル派のマスコミに訴える戦術に、中国の当局は為す術がなく、暴動の広がりを警戒している。

博白県のほかに広西省全域で政府庁舎を包囲する暴動が頻発している。
 抗議する住民たちは携帯電話で各地の住民たちと緊密に連絡を取り合い、応援態勢が整い始めた模様で、暴動は更に大規模にある可能性がある。

  ◎みや○◎○ざき◎◎○◎○◎○まさ◎◎○◎○ひろ◎
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(読者の声1) 文芸春秋社から出た『盗聴  二・ニ六事件』(田中整一著)を手に取りました。
当時の電話機の写真が表紙に使われており、懐かしく感じてページを繰り出したらもう止まりません。
出動部隊の拠点のひとつ、赤坂の料亭幸楽の跡地が元ホテル・ニュー・ジャパンで今のプルデンシャルビル、参謀本部が社民党本部、駐日ドイツ大使館が国会図書館、戒厳司令本部が置かれた陸軍の社交場の軍人会館が九段会館、盗聴と録音はその中で行われました。  
その担当者が陸軍中野学校の講師となります。
内容は随分前(1979年と88年)に渋谷放送でドキュメント番組として放映されているので(著者はこの番組のディレクター)、目新しい発見ではありません。
著者は番組制作の取材で膨大な時間と労力と費用を費やします。
かつての渋谷放送にはこういう良質な製作者がいて、視聴料も生きた使われ方をしていたのです。 それも今は昔。

渋谷放送の資料庫の管理責任者が、そこにあった古びた紙函の中の録音盤がニ・ニ六事件の貴重な記録であることに気付いて、明治大研究室の協力を得て苦心惨憺して再生します。
著者が再生された事件関係者の肉声を海中に投じた長縄のようにして、これを伝って降りて1930年代の日本を大震撼させた事変の深層海流に潜り込んでいく、そのスリリングさは堪りません。
深海に潜り込んだ著者の叙述は、海底に沈んだ事件の全容をよく俯瞰していて、関係者の動きがくっきりと眺め渡せます。
埃を被った録音盤が収められていた資料庫は、捕らえられそこで処刑された29名他が収監された陸軍東京衛戍刑務所の跡地にありました。録音盤の再生作業中、刑務所内で処刑された事件の亡霊たちが立ち現れたと騒ぎになったのは不思議ではありません。
お上に裏切られたと成仏できずにいるのですから。
当時最高の俊英が雲霞の如く集まっていた陸軍、その内部の凄まじい暗闘、武闘、奇略、策略、詐術、謀略が昭和11年2月26日から29日までの四日間皇居上空に竜巻のように渦巻き、それは翌年の八月に西田税や北一輝という部外者を主犯に仕立て、陸軍中枢部にいた真犯人を庇い通して終息します。

片倉衷少佐らにより事変の二年も前に「政治的非常事変勃発に処する対策要綱」という構想が密かに立てられ、皇道派の決起を梃子にこれを逆利用しようとする ”カウンター・クーデター”計画がたてられたときから竜巻は渦巻き始めていたのです。
この要綱は政治、外交、治安警備、経済、社会政策、教育、世論工作など多岐にわたっていて統制派の緻密さが窺えます。
ほぼこれに則った対処が出動部隊になされます。
出動部隊の呼称が「行動部隊」→「決起部隊」→「騒擾部隊」→「反乱軍」と変転ゆくさまは凄まじく哀しいものがあります。

事件の暗部となっている「陸軍大臣告示」の中の”諸子の行動”と”諸子の真意”の字句が入れ替わった謎とその発令時間と発令先の解明はなかなかのものです。
北一輝が安藤輝三大尉に電話でしゃべったという「マル、マル、カネはいらんかね・・・」は憲兵隊員が北に成済まして安藤大尉に掛けたもので、これが戒厳司令部で傍聴され、録音もされていて後世真相が露になったとは何という皮肉でしょう。
近衛師団長橋本虎之助中将のメモの改竄、香椎浩平戒厳司令官、山下奉文二人の怪しい行動etc。
ソ連のスパイだったドイツ人記者のゾルゲが駐日ドイツ大使とスターリンの信任を獲たのはこの事変を詳細に分析・リポートしてからでした。
この五年後ゾルゲは尾崎秀実と共に特高に逮捕され、三年後に処刑されます。
占拠された陸軍省建物の道向かいのドイツ大使館に、陸軍は密かに人員を送り込み、反乱軍を監視しました。
日独同盟の交渉がナチと日本陸軍の間で前年10月からスタートしていた関係がこれを可能にしたのです。
匂坂春平という事件の首謀者を裁く陸軍軍事法廷の検察官の執念と緻密さと潔さには感心させられます。 

五.一五事件では軍人は軍法会議で軽い罪に、民間人は刑事法廷で厳罰に処せられたことを反省したのか、ニ.ニ六事件では緊急勅令を出して遡及的に軍法会議法を改正して軍人と民間人を一括して軍事法廷で裁きました。 
しかし北一輝らに責任を押し付けるシナリオで進められ、陸軍大臣である寺内寿一が指揮権を発動して訴訟を誘導し、翌昭和12年7月のシナ事変勃発を契機に即時終結の方針のもと審議を慌しく終了し、同年8月磯部浅一、北一輝らは処刑されてゆきました。
一方、真崎甚三郎は不起訴になります。

北一輝は法廷で、そうですか、”それじゃあそうしましょう、どんな罪でも裁判官の言われるとおり、私は認めますから”という恭順な態度を貫き、刑架に座らされて、縛られても、”ああ、いい気持ちじゃ”と言っていました。 当時54歳の北一輝の態度は実に堂々としていて感心させられます。罪をおっ被せられることを最初から観念して従容として潔く静かに銃殺に処せられて行きます。
    (HN生、神奈川) 


(宮崎正弘のコメント)精密な書評でした。ありがとうございます。 

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  1. 広西省の暴動が契機で、シナの崩壊が始まったか、とわくわくした気持ちです。

     2007/5/23

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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