国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/05/21


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 5月21日(月曜日)  貳 
通巻第1803号  
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<< 今週の書棚 >>
  
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川口マーン恵美『母親にむかない人の子育て術』(文春新書)
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 異郷ドイツで三人の娘を育てるマーン恵美さん、外国での「子育て」はさぞかし大変で教育論にも厳しいだろうと予見して、しかしこの本を読むと「ドイツ版“さざえさん”一家」なのだ。
 マーンさんはスタットガルツ在住。
音楽の森でもあるが、じつは自動車の都。ベンツ博物館がある。小生、35年前に滞在した経験があるが、当時は静かな森が印象的な町だった。
 その地で、留学し結婚し、ハーフの娘さんが三人。外から見ていても、さぞ教育は大変だろうなぁと想像してきた。
 本書は、マーンさん一家の、微笑ましくもユーモラスに自由放任のドイツ方式が描かれ、ときおり、「これで良いの?」と思わせる。なにしろ副題にあるのが「母親が一番らくな子育てをしよう」と謳われているのだから。
 ドイツの家庭では平均六週間休暇をとる。三週間は交替で誰かが職場から消えている。いや、家庭でも。
 するとマーンさん一家は、「ママが三週間ほど不在でも、その三週間、家庭が機能する」という家庭を作ることが大事となる。
家庭教育は、そのことにおかれる、という。日本人が聞いたら、かなり仰天する環境がドイツでは日常茶飯、常識化している、ということだろう。
小生のささやかな経験でもハンガリーのバラトン湖はドイツ人だらけだった。いつぞやチュニジアの海岸リゾートで泊まったことがあるが、熱海の大ホテルを思わせる施設で、朝食バイキング会場。数百のドイツ人団体で溢れていた。海外旅行を愉しむ生活、それがドイツ人の人生観?
 通読後の率直な感想はといえば、本当にこれで良いの? いや、ドイツだからこそ、こうした放任教育のなかに、日本人が見落としがちな基本の原理原則がちゃんと守られていることに気が付くのである。
 ドイツは自由放任主義とはいえ、ジムナジウムを卒業する頃には、大概の生徒が国際化の今日、外国人とのコミュニケーション上、最低限度の英語会話能力をみにつけている。この点が日本と違う点を憂慮されている。
 「人生の半分を外国で暮らしてきたわたしが、自信をもって言えることは、言葉は伝達の手段であり、文化の礎であるが、まず、武器であるということだ」と指摘している。
 「第一級の通訳を同伴させられる政治家や経済人でない限り、私たちは外国で一人で闘わなくてはいけない。それには優秀な武器を装備することが必要だ」と言語教育の大事さを強調している。
 ドイツ版「さざえさん一家」。やっぱり日本とはまったく違う。


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黄文雄『日本を呪縛する“反日”歴史認識の大嘘』(徳間書店)
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 もっかの話題は「従軍慰安婦」と「強制連行」。
 最初から日本人がふたたび精神的に立ち上がれないように仕組まれて洗脳謀略の一環だが、こともあろうに中国、韓国、米国の情報戦争の片棒を担いでいる輩の多くが日本人である。
 反日の源泉は反日日本人から発せられている。
 本書を通読すると、反日一派の暗躍、その地下水のごとくひろがる全体の謀略構造がみえてくる。
 中国は自らの虐殺を隠蔽するために新しい出鱈目な宣伝と嘘放送を日々繰り返し、スパイや、買収済みの外国人特派員らを駆使して、プロパガンダに訴えた。謝罪が必要なのは日本ではなく、じつは中国のほうだが、なぜか理由もなく謝罪してまわって、逆に笑われているのが日本だ。
 日本を戦争に引きずり込んだのは中国共産党の謀略であったことは、いまや世界の常識だが、日本の教科書はあたかも北京の指令でもあったのか自虐史観で貫かれ、反省ばかりの売国路線が前面にでている。
 本書を読むと、なぁんだ、こんな単純な手口に戦後日本はひっかかってきたのか、と慄然とせざるを得ない。
 米国で日本批判決議案を持ち歩くマイク・ホンダなる下院議員のバックにいるのは左翼集団と、三度の飯よりも謀略のすきな連中だ。
かれらが煽動した結果、反日映画は今年、とうとう12本も作られ、最後は「東京裁判」の嘘がハリウッドでフィルムになる。合計三億ドル(360億円)が映画製作に投じられる。
 日本は湾岸戦争でアメリカにねだられて支払ったカネが、135億ドル(いまのレートで一兆六千億円)。十分の一の投資でも良いから、日本の立場をちゃんと説明する映画をハリウッドを動員して作るべきではありませんか?



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日本経済新聞社編『中国大国の虚実』(日経ビジネス文庫)
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 またいつものように中国賛美の本だろう、と軽く手にとったのだが、オヤ、いつもの日経路線とは違う。
 新聞の行間に、日経の場合、たくみに中国批判が挿入されており、そのコツを習得しておかないと日経の読み方はわからない。
 日経は朝日新聞以上に中国礼賛派かと誤解することもある。
日経が中国の繁栄する光の部分ばかりを書いているのではなく、記事中に、ほんの一、二行、なにかを暗示している文章がさらりと挿入されている場合が多い。
 本書は日経本誌には顕現されていなかった、その闇の部分を集中的に照射していて、つまりは中国の経済の「不安要因」を、しかもそのことを表には謳わないで、巧みな配列で要領よく並べているのである。
 この本、意外と参考になった。

        ◎○◎宮○◎崎◎○◎○正◎○◎○弘◎○◎
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(読者の声1) 通巻第1802号(5月20日発行)の(HS生、愛知県)投書子が、『早読み』の存在理由にも関わるものの、宮崎氏の見解の意義が経済・資源問題にありと指摘されているのは、同氏が確かに本誌の基調を読まれていることを知らしめております。
保守陣営の弱さを衝いているのも、強かな視点で見事です。
 ともすると観念に留意して寄りかかる癖は、何時から始まったのかを見極める必要があります。
それが戦後のことではなく、昭和十年代からのものではないかと、小生は密かに感じています。226など。
その弱点が占領中に占領当局によって意図的に温存されたのではないか。再独立後の日本に与えられていた東西対立は、弱点からの脱却ではなく、一層に弱点を増殖させる要因になっていたのではないか。保守側だけではなく革新側にも。
 なるが故に経済・資源という、観念とは無縁の要因から解明する本誌の存在理由を、小生は極めて高く評価します。宮崎さん、くれぐれも健康に留意されんことを。いつまでも若くはありませんよ。肉体は着実に亡んでいくものですから。
   (静岡。SJ生)


(宮崎正弘のコメント) 飲み過ぎに注意しております。ご心配いただき、痛み入ります。昨晩、或る会合で黄文雄さんと会いましたが、あれだけ本を書いている人(130冊)が、今年後半から一年間、休筆すると宣言されていました。「書きたいものを纏めなければ」と。
 
   ◎○◎◎○◎みや○◎○ざき◎◎○◎○◎○まさ◎◎○◎○ひろ◎○◎
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<< 宮崎正弘の近刊予告 >>
 『世界資源戦争地図』(仮題。6月下旬頃。予価1600円。阪急コミュニケーションズ)

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<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
http://shinshomap.info/book/4569646204_image.html
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
  ◎○◎みや○◎○ざき◎◎○◎○◎○まさ◎◎○◎○ひろ◎○◎
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  • 小鹿一司2007/05/22

    メールマガジンを楽しみに、毎日心待ちにしておりますが、どういうわけか5月になって以降配信されません。どこに原因があるのかよくわかりませんが、お調べいただけないでしょうか。

  • 名無しさん2007/05/21

    慰安婦関連に関してですが、誰かが言っていました。「日本は民族が白人など他の民族に対して脅威であると感じている者達が非常に多い。」日本人の質は物凄く落ちてきています。が、まだまだ日本人以外と較べると勤勉正直など「生意気、神にでもなったつもりか」レベルと見られています。それこそ後進国の未開レベルにならないと安心できないのでしょう。

    日本は世界を敵にするか、世界を取りこむか、どちらかしかないのではないかと思ってしまいます。日本以外のアジア諸国の多くは日本の見方か?というと、白人様に仕えたいようで、白人様と互角以上に戦っている日本はやはり「生意気」に見えるようです。

    いつからこんなになってしまったのでしょうか?昔は日本の技師などが現地に行き、一緒に汗水をたらし、現地人は皆真摯に学ぼうと素直でした。今は汗水などたらそうなどとしないし、半可通レベルの反論して時間を無駄にさせることが多すぎます。自分たちで出来るなら、全て自分たちでやれば良い。日本に頼るなと言いたいです。鎖国してもらえればどんなにさっぱりすることか。日本人が稼いだ分のかなり多くの部分が外国に流れています。自分たちが流した汗が自分たちに返るのであれば、日本人はもっともっとゆとりのある幸せな生活が送れることでしょう。現地の汗水たらさずに、口先だけで良い暮らしをしている人間ばかりみていると、頑張って日本で働いている人達に申し訳無いです。

    唯一の希望は、世界の多くの若者が日本に憧れてくれているということ。日本式、日本の考え方など、理解してくれれば、世界はずっとよくなるでしょう。

    !)世界が中国人化したら?

    !)世界がアメリカ人化したら?

    !)世界がブラジル人化したら?

    !)世界が日本人化じたら?

    !)etc.

    ちゃんと調べてシュミレーションしてみると面白いです。