トップ > ニュース&情報 > 国際情勢 > 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

RSS


メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。



宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:5/19


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 5月19日(土曜日)  
通巻第1801号  (1800号突破記念号)
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 トルクメニスタンで「第二の静かなクーデタ」か?
  前大統領側近を権力周辺から排除、ロシアと新協定
****************************************

 トルクメニスタンの異変は新局面を迎えた。
 昨年12月21日の静かなる「クーデタ」は、KGB人脈によって周到に用意された、仕組まれた政変だった疑惑が強い。

 なにしろニヤゾフ大統領が“急死”したおりに、
 (1)政敵(国会議長)がすぐに逮捕され、最大のライバルが消えていた。海外逃亡組の旧反対派は国境で止められ、入国ができなかった。
 (2)大統領選挙はすぐに用意され、予想通りにベルディムハマドフ現大統領が勝った(得票率が84%という不思議)。
 (3)前日までに前ニヤゾフ秘書長のヘイデンがイスラエルへ逃亡していた
(4)ニヤゾフの多角化路線を引き継ぐと言いながら、実際にベルディムハマドフがやっているのは、ロシアのプーチンとの共同路線、ロシアへのガス供給を増やし、西側提案の非ロシア・パイプラインは暗礁に乗り上げた。

これらの事象などから旧KGBによる“仕組まれた政変”だったのでは? というシナリオが当時から囁かれている。
 
 ふたたびの異変は、5月16日に起きた。
 ニヤゾフ側近で、今度のベルディムハマドフ政権誕生の影の功労者(というより実際の演出者?)といわれたアクムラド・レデゼーポフが“失脚”したのだ。

大統領警備を率いる国家安全会議議長のポストを解任され、無任所大臣へと降格。
 大統領警備は二千人のエリートからなる。トルクメンにアラブ、スラブならびに北カフカス出身の部族から選ばれる。

 トルクメンと言っても部族に別れ、最大チカ族に属するのがニヤゾフ前大統領であり、いまのベルディムハマドフ大統領、翻ってレデゼーポフはチカ族ではない。

 もっともレデゼーポフはトルクメニスタンの政治教育施設を卒業後、モスクワへ留学し、五年間KGB専門学校に学んでいる(ユーラシアディリー、5月18日付け)

 KGB学校を卒業後、「地元に貢献せよ」とした当時の方針により、トルクメニスタンの首都アシュガバッドに戻された。
そこでニヤゾフ大統領警護を任務として信頼を勝ち取り、二千人の警備チーム責任者として側近中の側近となった。
つまり、この男は合計十七年をKGBに捧げてきたのである。

 ニヤゾフ急死(?)という政変にあってロシア資源戦略寄りの現大統領が出現した。その警備に尽力し、ベルディムハマドフ政権誕生に貢献した人物の退場は、このさき、何を意味しているのだろうか。

       ○◎◎宮○◎崎◎◎正◎○◎弘◎○◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1) 西尾幹二氏の「ギュンター・グラスと大江健三郎の錯覚」という論考に目が留まりました。
ワックから出ている『日本はナチと同罪か 〜 異なる悲劇日本とドイツ』に収められています。
 この中で西尾氏が大江健三郎に向けている舌鋒が鋭く的確です。

(引用開始)「 私は一点だけ大江健三郎氏の発言内容におやっ、と気になり、素直に読めない個所を発見した。 1990年二月のグラスの講演、アウシュヴィッツの後で自分たち文学者は書くことができるのか? と問うた講演の趣旨に合わせて、大江氏は日本の文学者も中国や韓国における戦争犯罪の後で書くことができるのか、という同じ問題を抱えており、それが日本で真剣に問われなくなっているのは遺憾だという意味の発言を行っている。
しかし これは比較の対象の明らかな取り違えではないだろうか。 
・・・ 日本は一定の思想に基づき、科学的方法で、前線の興奮に動かされたのではない緻密冷静さで、計画的かつ組織的に、一民族の絶滅を目指したことも、試みたこともない。
・・・ アウシュヴィッツと日本の戦争犯罪を同列に論ずることだけはやっていただきたくない。
それは日本の罪責を軽くするためではない。「世界内において自分の置かれた位置の認識」の誤認や歪曲である以上、ドイツ史の苦悩もほんとうには理解できない結果を招くだけでなく、未来を正当に生きようとする日本人の権利を危うくもする。 
まして文学者が自国の歴史を実際以上に暗黒化して、自分のみを美しい良心の徒に仕立てるという、いい子ぶっている動機が透けて見えるので、文学者らしからぬ、心理的複雑さの欠如というほかはない。
大江氏はもう一つ重要な、「自分の置かれた位置の認識」の取り違いを犯している。
氏はアウシュヴィッツの後で文学は可能か?というドイツ人と同じ問いを、日本で自分も経験している。 それは広島の後で文学は可能か?という問いにほかならない。
広島についてこの気持ちでいくらかの仕事をしてきたと語っている。アウシュヴィッと並べて広島、といえば惨劇の程度という点ではいかにも分かりやすいが、常識はわれわれにこの対比はおかしいと警告する。 
アドルノやグラスが、アウシュヴィッツを問責するのは自国の犯罪だからである。 しかし広島の惨劇を引き起こしたのは戦争末期の、日本の息の根を止めようとしたアメリカ軍の戦略であった。
アメリカ人が広島の後で文学は可能か? とアメリカ文学史のなかで語りつづけるのなら話は分かる。 日本人がそういう問いを掲げるのは、旧敵国アメリカへの報復主義の感情の現れだと勘ぐられるのが国際常識である。 
おそらく大江氏は広島の原爆投下は日本の戦争に究極の責任があり、日本人が人類に対する罪を犯した報いだ、という自虐的な論理のひっくり返しに立脚して語っているのだろうが、これは通らない。 
アメリカは原爆を投下しないでも、戦争を終結できたはずである。 従ってこれは、疑いもなくアメリカの戦争犯罪である。」 
(引用止め)

 広島の原爆慰霊碑の前面には、「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」という主語のあやふやな一文が刻まれています。
この主語を、”世界のすべての人々”と解すべしと、慰霊碑の脇には解説されています。
しかし現下の日本人は、「未来を正当に生きようとする日本人の権利を危うく」していてはならないのです。
過去の河野洋平や村山富市のように日光山の猿でもできる反省や謝罪ばかりしていてはならないのです。  
曖昧な反省や謝罪の繰り返しは役に立たず、有害なだけなのです。
アメリカ人が自分たちの犯した”原爆投下の戦争犯罪”を忘却し(た振りをし)て、ありもしない”慰安婦連行”や”南京虐殺”を在米華僑や第三国の金と後押しで言い募るなら、  日本は「世界内において自分の置かれた位置の認識」を過つことなく、しかと切り返すべきでしょう。
   (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント) あの小野田寛郎・元少尉が、広島でかの悪名高き碑をみたとき、はじめは意味が分からなかった、そのうちに怒りが込み上げてきたと実直な感想をどこかに綴っておられた。
 小生は広島で二回、この碑を見ました。
ここで到底祈りを捧げようと言う精神的気力が沸いて来なかった。最近は、広島へ行っても、この場所へは行かないようにしております。
 大江とギュンター批判、西尾さんは鋭利な白刃は、切れ味鋭く、しかもこの場合、ちゃんと鞘に収まっていますね。
 


    ♪
(読者の声2) 『週刊新潮』の最新号、高山正之氏の「変見自在」は愉快でした。
南京も瀋陽も日本企業はもぬけの殻。日下公人氏によれば、国家が守ってくれない日本企業は,「女の資本主義」で、「脅かすとすぐに逃げ出して帰ってこない」そうです。
小生には経験が無いのですが、それも手でありましょう。
そう見ると、この前の温家宝の国会演説は、逃げられた亭主の「泣き言」とも見えます。情にほだされてはいけません。
北京五輪前に資産を日本に移したら5パーセント、上海万博の前までなら3パーセントの控除を認める法律を作るのが面白いです。
   (桃太郎)


(宮崎正弘のコメント) 南京、瀋陽に日本企業が蛻の殻という比喩はオーバーで、前者には百社近く、後者にも七百社ほどの日本企業が出ております。ただし韓国企業の進出ほどには目立ちませんが。
大連は千二百から千三百社、市内は日本人相手のレストランが目立ちます。
 進出ゼロと思われるような田舎町へ行っても、最近は二、三人の日本人が住んでいたりして。
 ODA関係や留学。バックパッカーも辺境には多いですよ。





(読者の声3)まさに“暗黒大陸中国の真実”です。
笑えます。
http://newsflash.nifty.com/news/ta/ta__rcdc_20070518013.htm
       (HT生、大田区)


(宮崎正弘のコメント) 笑いました。三年前、上海で豪華マンションの展示会があり、始めての億ションでした。おわってビックリ、展示ルームのソファ、イス、台所のナイフ、ナプキンまでなくなり、トイレは壊されていました。



    ♪
(読者の声4) 或る軍事評論家がソウルで講演したそうです。
曰く。「日本人の集団健忘症はDNA的欠損」
こういうことを言えばアメリカや中国はもっとひどい。国際政治の根幹が分かっていないように思う。
分かったような顔をして立派そうに見えるが、突き詰めるといったい何を言いたいのか、分からないことが少なくない。
物知り顔はコンプレックスの裏返しかもしれない。韓国に行くと急に饒舌になる学者・評論家をわたしはあまり信用しない。
招く韓国側も対日コンプレックスの塊。
      (TK生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント) 引き替えに石原都知事、NYに現れて米国を批判する大演説会。
 明日あたりからNYタイムズの報道に注目したいですね。

             ◎○◎○◎○◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     ♪
<< 宮崎正弘の近刊 >>
 『2008 世界大動乱の予兆』 (並木書房、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/489063214X?tag=wadachiweb-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=489063214X&adid=1DYCX335RDKS6H3PZ74W
(ご注文は上記へ。↑)

     ♪ ♪
 << 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
http://shinshomap.info/book/4569646204_image.html
♪ ♪ ♪
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
◎○◎○◎○◎○◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。


この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。
コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. 時々この記事のネット版のアドレスを知人に知らせて紹介しています。ところが5/14号から文章の右端に青い帯が引かれ、この為に右端の1,2文字がカットされます。カットされないようにできませんか?

    TY 2007/5/19

  2. 韓国の反日は社会主体なので、その韓国で
    反日を言うことによって、社会全体から
    支持を得られるという快感がたまらないのでしょう。今の日本で社会全体から支持を
    得られるという快感は得られないですから。

    影丸 2007/5/19

  3. 西尾氏の大江健三郎批判は的を射ていて、痛快。自虐趣味のノーベル賞作家は偽善者の筆頭!日本のこのエセ進歩人を追放できないものか?

     2007/5/19

このメルマガもおすすめ

  1. Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    13244人

    日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万8千部突破!

  2. 月刊アカシックレコード

    最終発行日:
    2017/05/07
    読者数:
    17030人

    02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家が、政官財界の分析にも進出し、宣伝費ゼロで読者19,000人を獲得。2009年9月から月刊化。

  3. 頂門の一針

    最終発行日:
    2017/05/28
    読者数:
    5702人

    急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

  4. 甦れ美しい日本

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    7049人

    日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う

  5. 斎藤吉久の「誤解だらけの天皇・皇室」

    最終発行日:
    2017/05/28
    読者数:
    2870人

    君主制の国は少なくありませんが、神話の世界につながるほど古く、1つの王朝が連綿と続くのは日本の天皇だけです。天皇は何をなさっている方なのでしょう。知っているようで意外に知られていない天皇・皇室の世界を、日本人の精神史の語り部が事実に基づいてお話します

発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

過去の発行記事