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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:4/22



    
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年)  4月22日(日曜日)  
通巻 第1784号   (日曜版)
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<< 今週の書棚 >>

   ♪
片倉佳史『片倉佳史の台湾新幹線で行く台南・高雄の旅』(まどか出版)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 いまや片倉さんを抜きにして台湾のガイドブックはあり得なくなった。
 自らフリー・ランスを志して台湾へ“移住”されてから、はや十年。台湾のそこら中を足で歩き、カメラで撮影し、それらは名所観光地とか有名寺院とかではなく、日本時代の勇壮な建物の名残り、日本時代のセピア色の、郷愁を感じさせる多くの建物、そして台湾土着の文化が息づく場所を撮影して、それを編集し、単行本でも教えてくれる。
 ありきたりのガイドブックは山のようにあるが、グルメと宿の紹介と、通り一遍の「歴史」なるものを講義している。
 片倉氏は、現場を実際に汗をかいて自分の足で歩き、現地の人と食事をして日常の生活を詳細に取材し、気に入ったところなら二度も三度も四度も訪れて念入りに背景を固めていくので、いまや何処のことを、どんな料理を書いても深みがある。

 評者(宮崎)も、最近台北へ行くたびに片倉さんの都合がつけば食事をしたりするが、ひょっとして「台湾博士」かと思うことがある。
 氏は貴重な台湾生活誌の語り部ともなった。
 台湾の若者達に日本の文化の最先端をルポして「ハリー族」元祖となったのはハリー杏子さんだが、この方面で彼女の文化的功績大であるとすれば、日本の若者をして、台湾贔屓をこれほど大量に増やしたのは、片倉さんの貢献によるところ大である。
 
さて本書は中心の柱が台湾新幹線のことである。
開業して半年、まだ一時間に一本程度で、全通ではないものの、早々と日本から乗りに行った人が何百人、いや何千人といるだろう。
 実は小生も台湾渡航おそらく100回、次は新幹線に乗って沿線すべての町を訪問し直して台湾全島隅々の案内を兼ねた新書版を書く予定にしていた。初夏にも新幹線試乗を計画していた矢先だった。
早速、同行する友人にこの本を薦める算段である。
 ただ台湾新幹線は台北―高雄間90分と謳われているけれども実際には台北手前の板橋市から、高雄の手前の、左営までしか今の段階では開業していない。
 本書はところで、その新幹線の車窓ばかりか、じつは台中以南、とくに終点の高雄の手前の左営駅から以南、たとえば恒春とか、ガランビとか、おそらく台湾通のひとでも殆ど訪れたことがない土地の深部に分け入って、しかも、毎ページに自分で撮影のカラー写真がある。
この一冊だけで優に五百葉のカラー、しかも愉しそうな写真が配されていて懇切極まりない。
『xxの歩き方』より、本書を持って台湾南部を愉快に歩こう。
http://www.madokabooks.com/bd/ISBN4-944235-34-8.html
 片倉佳史氏のHPは
 http://katakura.net/
    ◎ ○ ◎ ○ ◎
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(読者の声1) 「ゾルゲについて」。
ゾルゲはスターリンに対日スパイ工作の一つとして日本に送り込まれた赤軍諜報部のスパイである。彼についていろいろな分析がある。

1.ゾルゲの功績:1941年冬モスクワ攻防戦でゾルゲが日本政府の南進方針を通報したのでスターリンが極東の手つかずのソ連軍100万をモスクワ正面に呼び戻し、折からの大寒波で凍死続出のドイツ軍を大敗させたという。
しかし米軍の将軍によると、スターリンには他に手はなかった。ゾルゲはドイツのソ連侵攻の情報も在日ドイツ大使館の情報から通報している。

2.スターリンのゾルゲ評価:スターリンは大酒飲みで女にだらしないゾルゲを疑惑の目で見ており、帰国したら処刑するつもりでいたようである。
ゾルゲの上司のベルジン将軍もゾルゲのソ連人妻もスターリンに処刑されている。スターリンはゾルゲを表彰せずフルシチョフになって評価された。

3.逮捕の事情: ロシア問題の専門家で元防衛庁の瀧澤一郎先生は、ゾルゲは日本政府内の他のスパイを守るためにスターリンが意図的にリークして日本側に逮捕させたのではないかと見ている。
残ったスパイの一人は政府高官のコード名「エコノミスト」である。この男の真珠湾計画の通報がスターリンの機密資料に残されている。専門家はこの男は元老の家系のS・Kではないかと見ているという。
また戦前の政府要人で戦後左翼政党に属したものがいるなど、他にも何系統も政府や軍部内に日本人ソ連スパイがいた可能性がある。

4.スパイ交換:ゾルゲはスターリンが日本のスパイと交換して救出してくれると信じていたがその時代は終わっていた。

5.調書:日本の敗戦直後ソ連人が日本の警察のゾルゲ関係の調書を没収して行った。 

6.ゾルゲの感想:「日本はカニに似ている。外側は堅いが、いったん中に入ると美味しい情報が一杯である」。
共同体の弱みである。今は甲羅まで柔らかい。
    (MC生)

 
(宮崎正弘のコメント) 在日ドイツ大使のオットーをスッカリ信じ込ませたのも、凄腕でした。ゾルゲをてっきり ドイツ人だと信じ込んでいた外人ジャーナリストも多かった。ロベル・ギランも、ゾルゲとその時代の回想録を書いたですね。
     ◎ ◎ ◎ ◎
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    ♪
(黄金週間の小誌の休刊について) 4月27日から5月6日まで宮崎が海外取材旅行のため、小誌は休刊となります。5月7日から再刊です。
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   ♪
<< 宮崎正弘の近刊 >>
 『2008 世界大動乱の予兆』
(並木書房、1680円、5月2日配本)
 版元へのご予約は終了しました。有り難う御座いました。
 
  ♪♪
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
       ○
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宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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