国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/04/20



(多くの読者から文字化けとの通告を受けましたので、一部削除して、再送します)。

    
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 4月20日(金曜日)  貳
通巻第1782号   
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 あの政商で大金持ちのベレゴブスキーはどうしている?
    プーチンの“政敵”たちが、その後の経済活動で分けた明暗。
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 エリツィン政権下で肥った巨商、いや政商がたくさんいる。
 大金持ちの代表格は三人。ベレゴブスキー、アブラモウィッツ、そしてホドルコフスキー。

 最新の『フォーブス』露西亜版は、恒例の「億万長者100人」である。

 ロシアの急激な経済の回復で億万長者が60人に増え(前年から16人増加)、イギリスのサッカーチームを買ったアブラモウィッツが首位を維持していることが分かった。石油とリゾート開発で、資産を5%増やしていた。

 二位に浮上の新顔はアルミニウムで財をなしたオレグ・デリパスカ。かれはガスの私有化で90年代にロシア財界に頭角を現したが、「ユコス」のホドルコフスキーのように民主化の政治運動にカネを使わなかった。

 常連のベレゴブスキーは、ロンドンに亡命し、銀行預金だけで暮らしているという。プーチンに歯向かって民主化運動、生命を狙われて亡命した。ロシアの反政府地下運動に資金を提供したという報道もある。
ロンドンの豪華マンションは特別警戒、エレベータも暗合コードがないとひらけないほどにプーチンの刺客を恐れている。

 景気回復で不動産相場が高騰するのは世界的現象であり、北京、上海ばかりか、インドのムンバイ、NY、パリ、ロンドンに比べても、急暴騰を示したのはモスクワである。
 モスクワ市長夫人のエレナ・バツリナは建設企業経営と不動産投機、株式などで財をなした。
 
 一方、反プーチンの旗手、民主化のホープと言われたホドルコフスキーは、周知のように「ユコス」が冤罪で天文学的課税を課せられた上、脱税で収監され、刑務所暮らし。
 その間に巨大資源産業だった「ユコス」は解体され、プーチン率いる旧KGB一派にまんまと乗っ取られてしまった。その企業名は「ロフネフツ」。
 ホドフコフスキーは刑務所に密命を受けて送り込まれた刺客(受刑者を偽装)から暗殺の危険があり、また囚人にリンチをうけて負傷しているという情報がEUでは飛び交っている。
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(読者の声1) 僕はゾルゲ事件が発表された1942年ごろ旧制中学二、三年生でしたが、戦後二、三十年後、フトしたキカッケからこの事件に興味を持ち調べました。僕の結論は概ね、次の通りです。
(1)ゾルゲは偽装ナチ党員で、オットー独大使夫人に色仕掛けで食い込み、同大使も自家薬籠中のものにし、ベルリンから送られてくる機密文書、日独伊三国同盟関係の秘密文書などを手に入れ、モスクワに送信しました。
彼はDrの称号を持つ大インテリ、大ジャーナリストでしたが、本心は根っからのマルクス・レーニン主義者でソ連共産党員、コミンテルン工作員で、クレムリン支給の資金が潤沢にあり、これで銀座、赤坂のバー、待合で豪遊し、これと狙った日本人を釣りオゴり、カネを与えて、日本側の情報を集めさせました。

(2)ゾルゲにとって最も信頼していた”副官”は尾崎秀實でした。
しかし彼はゾルゲほどマルクス・レーニン主義者に徹していたワケではなく、むしろ時流に迎合するオポチュニストであり、ある程度、中国のコトを知っていた一種の小型・大アジア主義者だった、と思います。
それが近衛文麿に受け、シナ問題にかんするアドバイザーの一人になった、のでしょう。彼は一高ー東大法学部卒のエリート学歴ながら、高文(いまの上級公務員)試験に落ち、落第生のネタミから高級官僚や高級軍人には反感をズッと持ち続けていたのでしょう。
朝日新聞に入って昭和初期、上海支局員となり、渡日前のゾルゲを知るワケですが、ゾルゲー尾崎の間に立って(おそらく両人と情交を結んで)いた女性が、米国人でありながらマルクス・レーニン主義者の女流ジャーナリスト、アグネス・スメドレーです。

(3)尾崎もゾルゲにヒケをとらぬ”遊び人”で、シナ事変下、銀座、赤坂の”顔”でした。尾崎は昭和中期、朝日を辞め、その後は原稿料と満鉄嘱託、内閣嘱託だけが定時収入の源でしたから、それだけでそんな豪遊ができるハズはありません。ゾルゲから回ってきたケタ違いの金が豪遊の資金だった、と思います。
尾崎も尾崎なりに、金にあかせて、これとネラった人を釣っていたのでしょう。

(4)いちばん尾崎に釣られた人物は西園寺公一だったと思います。
公一は元老・西園寺公望の嫡孫であり、近衛と"親戚ずきあい”していた貴族でした。近衛が洩らした国家機密をまず公一が知り、それをさらに尾崎が聞いて、ゾルゲに報告していた、のだと思います。
元の勤務社、朝日では同期入社の田中慎次郎(戦後、出版局長から監査役)が当時、政経部長で田中らからも、尾崎は情報を得ていたでしょうが、新聞社というのは今も昔も変らず発表モノや二次情報が多く、西園寺情報ほど価値はなかった、と思います。
尾崎自身、内閣嘱託ですから、自分でも一次情報に触れ得たでしょう。

(5)篠田正弘の「ゾルゲ」は、宮崎さんが言う通り、大愚作で長時間映画のクセに、表面をサッと撫でているだけです。
そのうえ篠田の新左翼的な思考方式が反映して、ツマラないモノになっていました。
        (名無しの老人)

 
(宮崎正弘のコメント) 昭和41年秋に「日本学生同盟」が結成され、同42年2月、「日本学生新聞」が創刊されました。
その創刊号に祝辞を書いてくれたのが林房雄、三島由紀夫ほかの保守系文化人でした。
 勿論、創刊以来、編集に携わっておりましたが、三島さんが「楯の会」を作った関係もあって、初代が楯の会初代学生長となり、このため小生が昭和43年二月から二代目の編集長となります。そのときから連載を始めたのが「ゾルゲ」です。
 当時、東京新聞主筆だった梅原一雄さんに連載をお願いして20回ほどエッセンスを綴って貰ってでしょうか。挿し絵入りでした。
 当時、学生新聞で、あれだけ念入りにゾルゲに迫ったものはないと、いまも自負してはおります。 
 それで、当時の背景など、いくらか知ってはおります。
ゾルゲ、尾崎らの時代の空気は同時代人ではないので、残念ながら知覚してはおりませんが。。。。。。。。


   ♪
(読者の声2) 朝鮮総連(=北朝鮮)の機関紙、朝鮮新報は4月6日号で、韓国と米国間の在韓米軍移転費用負担の「最終合意」を次のように非難しています。
(引用開始)
「祖国統一民主主義戦線(祖国戦線)のスポークスマンは4月1日、米国と南朝鮮当局が最近、平沢米軍基地建設を2011年までに終え、ソウルの竜山にある米軍基地と米第2師団の移転、平沢米軍基地建設に必要な資金およそ100億ドルのうち、半分以上の56億ドルを南朝鮮が負担すると「最終合意」したことを非難する談話を発表した。
談話は米国が南朝鮮占領米軍を撤退させる代わりに「基地移転」と「再配置」という名目のもと、より長く居座ろうとしながら、その莫大な費用まで南朝鮮に負担させるのは、南朝鮮人民に対する耐えがたい冒とく、わが民族に対する愚ろうであるとし、次のように指摘した。
当戦線は、今回の「最終合意」を南朝鮮人民の自主的志向を乱暴に踏みにじり、わが民族の尊厳を踏みにじった許しがたい犯罪行為であると断罪し、これを全民族の名において強く断罪、糾弾する。60余年間も南朝鮮に居座るだけでは足りず、占領費と侵略戦争費用まで南朝鮮人民に負担させる米国のような白昼強盗的で恥知らずな侵略者はこの世にいない。
南朝鮮人民はこうした民族的恥辱をいささかも甘受することができない。米国は、「基地移転」や「再配置」ではなく、南朝鮮から直ちに出て行くべきである。南朝鮮の各階層の人民は米軍撤退のスローガンをより高く掲げ、当面して屈辱的な分担金合意に反対して立ち上がるべきである。」
(引用止め)

北朝鮮は堂々と韓国になりきり、「南朝鮮人民はこうした民族的恥辱をいささかも甘受することができない」とその声を代弁しています。
具体的に何を代弁しているのかというと、占領費と戦争費用まで南朝鮮に負担させる米国のような恥知らずはこの世にいないと米国に悪罵を浴びせて、在韓米軍の基地移転と再配置費用の内56億ドルを韓国に負担させることに怒り狂っています。
北は韓国のポケットはもう自分のものだと思っているようです。
そう云わんばかりの怒りようです。在韓米軍は朝鮮戦争が休戦状態となった後居残った国連軍で、ミサイルや銃口は北を向いていますから、北がその存在を非難することは分かりますが、韓国と米国の間の費用の負担割合に青筋(赤筋?)立てるっていうのはどういう神経なんでしょう。
まあ、56億ドルの何分の一でも北に回してくれたら赤貧洗う国家財政が助かるのにということなんでしょう。何もやらずに韓国からぶったくりたいということなんでしょう。
北の物は北の物、韓国の物も当然北の物という思いを露呈しています。
これに対して韓国の政府もマスコミも批判・反論をしていないようですから、大金を負担したくない本音を北に代弁してもらい内心では喜びすっきりしているのでしょう。
北朝鮮と韓国は北に呑み込まれるかたちで、すでに心は一体化しているようです。
   (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント)南が経済的にはるかに豊なのに、なぜ北にコンプレックスがあるのか、あの特殊な民族的情緒は、われわれの理解を超えるものがありますね。



    ♪
(読者の声3)貴誌1780号(読者の声1)の「横浜HN氏」の書かれた「バテレン大名が敵方・日本人捕虜十万人を海外へ売り飛ばしたという部分は、学者の書き物からの引用でも、これだけ物議を呼んでしまうとガセだった場合、問題となるのではないでしょうか? ST氏が博捜した文献からの引用ですから、同氏がとことん踏張って信憑性について戦ってほしいものです」には誤解があります。

 私は、文献を博捜などしていません。
第1777号に載せていただいた中で書いたことは。私が数年前に明治神宮参集殿で藤木氏の講演で聴いたことと当該分野が専門の歴史学者が一般読者向けに書いた本数冊を読んで得たことをまとめたものです。
また、あれは現在歴史学者の間でほぼ定説となっているものです。
私がした程度の容易な勉強もせずに、根拠も無く学会の定説を「ガゼ」というような相手に反論するほど私は暇ではありません。また勉強したあと十分な根拠をもって学会の定説に反論するなら、私のようなド素人に対してではなく、歴史学会で反論を発表すべきです。
20年、30年前に学校を卒業してそれ以来歴史学の進歩を追いかけていない人には新奇な内容だったかもしれません。私は学校ではろくに勉強をしなかったので、最近やっと歴史を学び始めたゆえ、幸運にも最新の研究成果と最近の定説を学んだだけです。
おかげで、駅弁が美味いことだけが有名な田舎の駅の近くの某駅弁大学を卒業するはめになりましたが。
ところで、韓国の新進の学者で竹島研究の第一人者である玄大松(ヒョウン デ ソン)氏が昨年から東京大学東洋文化研究所の助教授になりました。その玄氏が東京大学広報誌「淡青」19号に「『歴史認識』、『ナショナリズム』を科学することは可能か?」とい題で論考を書いています。
その中で、「1990年から2001年までの日韓新聞における独島/竹島記事論調の比較」という図があります。
ここで際立っているのは、日本の新聞の記事がほとんど「事件・事実・争点報道」であるのに対して、韓国の新聞の記事がほとんど「領有権主張・独島愛・関心喚起」であるということです。

以下にこの論考の結論部分を引用いたします。
日韓のメディアテクストにおけるディスクールの内容と諸特性を比較検討した結果、韓国で構築された「独島論の言説空間」が偏った空間であることと、独島の領有権主張に歴史認識問題などを結びつけ、歴史の記憶を絶えず想起させていることなど明らかになり、また韓国人はマス・メディアが作り上げた「擬似現実」に強く影響され、幼児期にすでに、「独島は韓国の領土」という認識と、否定的日本イメージを抱くようになり、教育の役割はすでに形成された認識を公認する役割をすることが明らかになった。また独島認識と日本イメージの関連性が高く、かつ独島認識と日本イメージとが対日態度に影響を及ぼす
ことなどをも確認した。

上記は、玄氏が実証的調査、研究の結果書いていることです。書名を忘れましたが、玄氏が共同執筆者となって韓国で出版された専門化向けの本の中で、玄氏はあくまで領有権をどちらが持つかということとは別のことであると断った上で、韓国で独島が韓国領である根拠としてよく引用される古い歌や本の中で言及されている島は独島とは別の島であると書いているそうです。
韓国でもまじめな学者はわかっているのです。それをどのように、一般にまで広げるかが重要です。そのためにも、地道にこつこつと事実を学び相手に敬意をもって接するということが重要です。
玄氏の属する東洋文化研究所( http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/ )は頻繁に公開講座を行っています。
玄氏の講演もあるかもしれません。ご関心のある方は上記URLをごらんください。
そこで、ひとつ注意したいことは、間違っても質疑応答で誘導尋問的な質問をして言質をとり、韓国の一流学者もこう言ったなどと触れ回ることなどあってはならぬということです。
玄氏が韓国人留学生に謀殺されかねないだけでなく、節度こそ大和魂の重要な規範であるからです。
   (ST生、神奈川)
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