トップ > ニュース&情報 > 国際情勢 > 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

RSS


メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。



宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:4/9


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 4月9日(月曜日)  
通巻第1767号  
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 カザフスタン、アゼルバイジャン、そしてカスピ海
   ロシアの狡猾な妨害、老獪な資源戦術、隙間をねらう国々
****************************************

 東京都知事に石原氏圧勝の三選で日本のメディアが塗りつぶされているが、中央アジアへ、こんなときにこそ目を向けよう。

 カザフスタンとアゼルバイジャンはいずれも資源の宝庫、互いに「戦略的パートナー」と強調しはじめた。
 4月4日にカザフスタンのモシモフ首相がバクーを訪問し、「EU・トロイカ・中央アジア」なる構想をぶち揚げつつ、アゼルバイジャンの最大の港でもあるバクーを「EUへの玄関口」として重視する旨を発言した。
 バクーは石油基地として昔から知られるが、じつはゾルゲの墓もある。

 モシモフ(カザフスタン)首相は、アゼルバイジャンの首都バクーに竣工した穀物ターミナルの完成式に出席したのだ。
これはカザフスタンからの穀物をカスピ海を船舶ではこび、陸揚げ、倉庫入れして、このバクーからEUへ再輸出される拠点となる。
 穀物ターミナルはカザフとアゼルバイジャンの合弁、容量は80万噸。

 1991年、両国は旧ソ連のくびきから開放され独立を果たした。
爾来、70以上の経済協定を結んでいる。農業、運輸、通信などの経済協力が主眼だが事実上「経済的パートナーシップ」は実現している。
 残されていた大問題が「石油」と「ガス」である。

 カザフの石油を、新設されたバクー(アゼルバイジャン) → トビリシ(グルジア)→ ジェイハン(トルコ)のパイプラインに連結する動きが表面化した。
 また天然ガスもカザフスタンのテンギス油田から、トルコのエルズルムまで送管する近未来のシナリオが話し合われた。
 

 ▼カスピ海論争に決着がついていない

 だがネックがある。
 カスピ海は、いったい湖か海か。
 もし海となれば「領海法」が適用され各国は二百海里を主張するだろう。湖沼であるとすれば、湖のどこに沿岸各国の“湖境線”を引くのか?

 ロシアは両国の動きに激怒し、妨害を再開した。
それもビジネス感覚からすれば、当然であろう。カザフの資源をこれまではロシアが独占的にパイプラインでEUに運んでいるからだ。このドル箱ルートが多元化されたら、商売に悪影響が出る。

 アラル海が荒廃したように、ロシアはカスピ海の環境汚染が問題だ、と言いがかりを付けて、この「EU・トロイカ・中央アジア」構想、つまりロシア以外の経由ルートを新設してカザフが輸出の多元化を図ろうとしている遣り方を牽制している。
 五月にポーランドで関係各国があつまっての資源サミットが行われる。
     ◎ ○ ◎ ○ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1) 貴コメント欄で紹介されていました、米議会に「従軍慰安婦対日謝罪決議案」を可決させ、それを梃子に日本の米国離れと核武装論を推し進めるというインテリジェンスには感心致しました。
この決議のおかげで日本の反米ナショナリズムはめらめらと燃え上がるでしょう。

トルコ人のアルメニア人虐殺を非難する米議会決議にはトルコの首相が猛然と抗議しています。米国議会とはいかなる代物なんでしょうか。
他国へのおせっかい・内政干渉に精を出し血道をあげる議員を評価する米国の民度が知れようというものです。
ところで米国議会の胡乱な動きの一方で、日本のある財団の12年にわたる慰安婦への活動が先月静かに終了しました。それは「アジアのための女性平和国民基金」なるものです。
シャッポに元総理の村山富市を据え、元灯台教授の和田春樹が活動を立ち揚げ最後まで関わりました。
宮沢内閣の官房長官、河野洋平が内閣瓦解のどさくさに紛れて1993年放った“河野談話”で旧日本軍の慰安婦への強制行為を認めて謝罪し、社会党出身の村山富市が首相となった1994年、“村山談話”でこの上塗りをし、さらに翌年六月の金曜の夜、多くの議員が東京を離れた間隙を狙って戦後五十周年国会決議として固めました。
その直後に発足したのが、あやしげな「アジア女性基金」です。 
韓国・台湾・フィリピンの285人とオランダ人女性79人の計364人に‘償い金’が日本国の国税を使って行なわれたのです。中国・北朝鮮・ミャンマーなどの国は日本の国家賠償を求めて慰安婦の個人的受け取りを許しませんでした。韓国・台湾政府も受け取らないよう圧力をかけました。
このように国際社会で歓迎されざる、外国人に日本の国税を消尽した事業だったのです。12年間に投入された国税は46億円あまりで、きちんとした法律をつくらず、「アジア女性基金」という迂回路を使って実質が国家賠償と看なされることをしたのです。
もう終わってしまったことと思わず、会計検査院に使途内容をきちんとチェックさせるべきです。一財団をカムフラージュにしての泥縄的行為に行政手続きとしての違法性はなかったのでしょうか? 
米議員マイケル・ホンダの活躍で米国議会がおせっかいを焼いてくれ、日本のマスコミが大きく取り上げるようになりました。これを奇貸として法律の専門家に検証してもらいたいものです。
この基金の受給対象は、戦時下旧日本軍に強制されたと名乗り出た者たちでした。不思議なことに日本人慰安婦はひとりも名乗り出なかったのです。和田某は先日都内であった会見で、日本人以外が‘強制’連行されたからだという説明をしていました。納得のいかない説明です。これもその背景を検証する必要があります。

 パク・ユハという韓国人女性教授は、被害者の中に加害者もいた事実に目を向けています。韓国人が慰安所の運営をしたり、協力していたのです。
パク女史が直接インタビューした元慰安婦は、日本人より慰安所に自分を売り渡した義父を憎くむと語ったのです。また戦後起きた朝鮮戦争で韓国軍が慰安所を運営した事実を語り、複雑な問題であるとの認識を示しています。
第二次大戦後のアルジェリア戦争ではフランス軍が、チェコ進駐時のソ連軍が、ベトナム戦争ではアメリカ軍が慰安所を設けていました。日本軍の行為を論う向きはこれらと比較して議論したらよいでしょう。
歴史の一齣をピンポイントで非難する敵には、その前後左右、時間の流れと空間の広がりの中で対決すべきでしょう。
 この売られた喧嘩はお買い得です。
「南京」事件を背後で煽る団体と、「従軍慰安婦」問題を言い募る人々や資金の出処が重なる部分があるようです。
目を凝らし耳を澄ませば、山の影、海の向こうの“敵”が顕れてきます。
    (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント) そうそう、アジア女性基金。ありましたね。小生のところにも郵便で寄付の振込先を送りつけてくるくらいですから、あれが一民間団体とは思えない。
◎ ● ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<< 宮崎正弘の新刊は4月25日配本! >>

 『2008年世界大動乱の予兆 (中国発大暴落の足音)』 (並木書房、定価1680円)
まもなく特典付き予約販売をネット上で行います!
          ◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪ ♪
<< 宮崎正弘の近著 >>
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
    ♪ ♪ ♪
<< 宮崎正弘の「三島由紀夫論」三部作 >>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
       ○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。


この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。
コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. 文章のテンポが良い。
    まさに「早読み」だ。

     2007/4/9

このメルマガもおすすめ

  1. Japan on the Globe 国際派日本人養成講座

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    13244人

    日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万8千部突破!

  2. JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    3905人

    政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

  3. 月刊アカシックレコード

    最終発行日:
    2017/05/07
    読者数:
    17030人

    02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家が、政官財界の分析にも進出し、宣伝費ゼロで読者19,000人を獲得。2009年9月から月刊化。

  4. 頂門の一針

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    5699人

    急所をおさえながら長閑(のどか)な気分になれる電子雑誌。扱う物は政治、経済、社会、放送、出版、医療それに時々はお叱りを受けること必定のネタも。

  5. 甦れ美しい日本

    最終発行日:
    2017/05/26
    読者数:
    7048人

    日本再生のための政治・経済・文化などの発展・再構築を目的とし、メールマガジンの配信を行う

発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

過去の発行記事