国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/04/04


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 4月4日(木曜日) 貳   
通巻第1761号  
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パキスタン西部バルチスタンで反中国の動きが顕著に
  グアダールの軍港化に強圧的な支障、工事は一年以上の遅れ
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 パキスタン西部は「バルチスタン」と呼ばれ、スペインのバスクのように独立分離運動が盛ん。中国人技術者3人の殺害事件(2005年五月)もおきて、軍、警察が重武装で治安維持に当たっている。

 言うまでもなくグアダール(イランとの国境付近の良港)を近代的な軍港として開発したいがため中国が建設を急いでいるが、付近の急激な治安悪化によって工事は一年の遅れを見せている。
最大の原因はバルチスタン住民がパキスタン主流のパシュトン系ではなく、イスラマバードの政治的意図とはお構いなく、中国排斥という地域ナショナリズムを背景にパキスタン政府の方針に逆らっているからだ。

 ところが「バルチスタン地方にも豊富な天然ガスが出ることが分かって、カラチから多くの商売人が入りこみ、建設労働者もほかの地方から。加えて不動産開発、リゾート開発、マンション建設をカラチやラホールのビジネスマンらが開始したから話はうんとややこしくなった。かれらはこの地方を“パキスタンのマイアミ”を謳い文句に豪邸リゾートの販売まで始めた」(『ロスアンジェルス・タイムズ』、4月1日付け)。

 もともと中国の地政学的狙いはペルシア湾からの石油ルートの安全確保である。
 マラッカ海峡に中東原油の80%を依拠する中国は、これまでにもバングラ、スリランカ、ミャンマーに近代的港湾を建設、もしくは建設を打診し、工事は相当に進捗している。
 
 いずれも軍事観察拠点として利用するほか、将来は、原油を陸揚げし、これらからパイプラインで中国に繋ごうとする遠大な資源戦略を絡めており、地域住民は、それならば、もっと利益還元を!と訴える。
 
ところがグアダールを例に取ってみても、建設業者からエンジニアまで、現場を走り回っているのは中国人ばかり。しかも付近に空港建設のプロジェクトも平行しており、総工費は二億五千万ドル。
 このうまみに地元バルチスタンの業者が触れることも出来ないと言うのは不公平ではないか、と中国資本排斥の運動が拡がっているわけである。

 一方、米国とインドは、グアダールが将来、潜水艦が寄港できる軍港に豹変するとみており、観察を怠らない。中東原油の中継地だけの機能をはたすにしては工事が大がかり過ぎるからだ。

 米軍関係者は「ディエゴ・ガルシアの米軍基地を中国がモニターするための海軍設備をグアダールの備えるに違いない。米ジャーナリストの取材申込をパキスタン政府が巧妙に妨害するのも、そうして背景があるから」と断定的。
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(読者の声1) 貴誌1759号「読者の声1」にある「しなの六文銭」氏のいつながらの切れ味鋭い「佐藤優論」での博識にはまいりました。
私は佐藤氏の著書を一冊しか読んでいないので断言はいたしませんが、こんなことを知っているかとびっくりすることはありましたが、インテリジェンスを得るための緻密かつ深い洞察に満ちた考察に欠けると感じました。

ところで、ご自身控えめの方なので、あまり世間で知られていませんが、佐藤優氏と同様キリスト教神学を学びながら、そこから伝統主義者に転向した愛国者に渡部悌治氏がいます。この方は、深く広い情報をもっていらっしゃるだけでなく、非常に優れたインテリジェンス解析力をもっていられます。紀伊国屋ブックWebにある氏の経歴は以下のとおりです。
渡部悌治[ワタナベテイジ]
明治45(1912)年山形県生まれ。東北学院神学部から国学院大学に転学。昭和16(1941)年卒業後、神道大教本局・神道学院に奉職。昭和18(1943)年より、当時ユダヤ研究の最先端機関であった「国際政経学会」監事を務める。敗戦後は公職追放令により職を追われたが、復帰して山形県知事の私的顧問、県出先機関の事務長に。昭和45(1970)年退職後は故郷・酒田市にて隠棲生活を送っている。

私は以前ある勉強会で渡部氏と知り合い、何度かその謦咳にふれました。紀伊国屋ブックWebにある氏の経歴では推し量れない広く深い知識に加え、その深く緻密な論理の進め方に驚きました。
これは、公にはなっていませんが、何人かの総理を含むかなりの数の保守系有力政治家に対するインテリジェンスの指南番の役目をされ、いわばインテリジェンスの世界の安岡正篤とでも呼ぶべき方です。
渡部氏の著書、「攘夷の流れ」は自家出版で近しい人たちに配られたものです。あの本の中で「ユダヤ」と呼ばれているものは、宗教や民族としてのユダヤではありません。ある一群の人たちをそうよんだものです。後に別の題名で一般に向けて出版されましたが、その点を誤解して猟奇趣味の陰謀論と誤解した人もいました。しかし、そもそも著者の本位を見抜けないようなレベルの人は相手にせずに書かれたものです。
      (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント) 佐藤優氏への評論が堰を切ったように出てきました。ほかのメルマガや、ブログでもどっと出て洪水のようです。
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 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
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 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
    
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『三島由紀夫“以後”』(並木書房)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版)
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創刊日:2001-08-18  
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  • 名無しさん2007/04/04

    以前 昼間の民放で佐藤優氏が「アメリカはアラビア語の研修をイスラエルでしているのに日本の外務省はシリアでしている。 けしからん!」 とハムレット張りの芝居がかったおおげさなジェスチャー付きで

    言っているのを聞きました。(振付けたのは誰だ!) アメリカは反イスラエルと思われたら選挙で落とされるほどユダヤ系の支配する国です。

    アラビア語の研修はアラブの国ですべきで敵対するイスラエルでするべきではないと思います。(私の経験でも滞在した国の影響は強いですから。)

    佐藤優氏とその周辺の方々は親イスラエル派だと思います。  ロシアからイスラエルへ移住したユダヤ人も多いのでそういう方面でも関係があるのではないでしょうか?