国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/03/26



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 3月27日(火曜日)  
通巻第1750号 (3月26日発行)
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 ソ連崩壊から17年、中央アジア旧ソ連衛星圏の人口動態が激変中
   スターリンの民族人種隔離政策の幻像と現実
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 ソ連崩壊直後にウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタンを大急ぎで廻ったことがある。
 ウズベキスタンのサマルカンド市内のバザールで、キムチを売っていた。売り子はどう見ても朝鮮族。なるほど1930年代、スターリンによる民族隔離政策の名残りが、土着の異民族との共存関係をもたらしていた。

 第二次大戦中もボルガ川流域のドイツ人、チェチェン、イングーシュ人、トルコ系など数百万人の強制移住政策が実地された。

 しかしソ連崩壊から今日までに、カザフスタンから160万人が去った。
 スターリンの強制移住によってウクライナから連れてこられた異民族は夥しいが、ようやく先祖の土地へ帰還が認められ、ロシア人およびドイツ系住民80万人が故郷へ帰っていったのが原因だった。
 このためカザフスタンの人口は1650万人(1989年)から1490万人(1998年)に激減した。

 石油とガスの沸騰で、カザフスタンの人口動態がまた変動した。
年率10%をこえる経済成長により、過酷な労働を外国人に負わせて、のんびりする資本家も陸続と誕生した。高級車がカザフスタンを疾駆している。ナイトクラブもできた。
異変である。
 
「石油技術者ばかりか、労働者が流入し始め、とくにウズベキスタン、キルギスからの労働移民に加え、鉄道で繋がった中国からも顕著な移民が見られ、いまやカザフスタンには40万人の不法移民があるといわれる」(ロンドン『エコノミスト』、07年3月24日号)。

日本政府、ようやくカザフスタンの地政学的重要性に気が付いたようだ。四月末から甘利経済相いか、大型使節団がカザフスタンへ飛ぶ。
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(読者の声1) 貴誌1746号(3月22日発行)(読者の声1)にあるマイク・ホンダ議員が提出した米下院慰安婦決議案の日本語訳はまことにすばらしい労作です。
2点、日本語訳だけを読んだ人に誤解を与えやすいところがありますので、指摘させていただきます。

1.「should」を「すべきである」と訳していますが、英語のshould は「had better」や「must」とくらべてはるかに弱い表現です。
日本の学校英語では間違って教えられていることが多いのですが「had better」はかなり強い表現で、恫喝に使われることもあります。「must」にいたってはさらに強い表現です。また「to demand」でも「to request」でもなく意図的に「should」を執筆者は使っているのです。これらshould以外の上記の表現を使うには論拠を示さねばなりません。示さなくて要求されれば論拠を提示しなくてはなりません。
shouldのように「したらよいのでは」程度の弱い表現を使い、論拠を示せという要求から逃れやすくし、また対日関係を重視する議員から抵抗も避けることができるようにするためにこの表現を選んだのでしょう。
まさか日本の学校英語の欠陥まで知っていたとは主張しませんが、たとえこのような弱い表現でも可決すれば、反日諸団体はこれ見よがしに使うでしょう。

2.前文にも決議文主文にも「its Imperial Armed Force's coersion」とあるのを「日本帝国軍隊が......強制」と訳していますが、もし引用された英文に写し間違いが無ければ、これはまったくの誤訳です。
他の箇所では「sexual servitude to its Imperial Armed Forces」(日本帝国軍隊への性的労役に供すること)のように複数形です。「軍隊」は「armed forces」または「armed services」のように複数形で表記します。「air force」(空軍)、「ground force(army) 」(陸軍)、「naval force(navy)」(海軍)等からなるからです。単数なら「実行部隊」ですから「天皇の武装実行部隊が....強制」となります。
また「the Imperial Armed forces」の中の「Imperial」はたんなる決まり文句の一部ですが、「its Imperial armed force's coersion」ではまさに「天皇の」つまり「勅許を持って天皇の名の下に武装して活動した実行部隊が行った強要」となります。
ついでにcoersionは強制よりも強要の方がより忠実な訳でしょう。
枝葉にこだわっていっているのではありません。この「its Imperial Armed Force's coersion」が前文でも決議文主文でもともに単数形でつかわれ、明確に日本軍を指している箇所ではつねに複数形になっているのです。
決議文の執筆者はちゃんと区別して使っているのです。
外務省がサンフランシスコ条約をはじめいろんな条約を省益のためか語学力のなさのためかまったくひどい誤訳をしています。せめて、宮崎さんのメルマガの読者は、正確な訳で理解するようにしましょう。
   (ST生、神奈川)



(宮崎正弘のコメント) 労作的なご指摘、有り難うございました。


   ♪
(読者の声2) 水島総(桜チャンネル)社長主導のドキュメント「南京の真実」の映画制作の報に接して昨年の鹿児島旅行の際に目にした、東郷平八郎の「凛冽萬古存」の掛け軸を思い出しました。
 子供の頃、東郷を語る祖母は「皇国の興廃此の一戦にあり 各員一層奮励努力せよ。」
小高い丘の上にある東郷平八郎のお墓に参った折に自然と私の口をついてでて、「お若いのによくご存知で」と土地の人に感心され想いかけず何年も前からの知り合いの如く親しくお話をしてくださった。
東郷平八郎は、日本人以上に外国船の船乗りの方たちから尊敬され、「海の神さま」と崇めたてられ、入港するといの一番にこのお墓にお参りなさるとのこと。
 あふれんばかりのお花は何方が?
お花にしてもお墓掃除にしても土地の人が誰とはなしに、毎日欠かさずしておられると綺麗に掃き清められ、どれだけ土地の人に大事に墓守されているかがわかる。私が月命日にお参りするお墓でも、ここまでお花も多くはなくて、お墓も毎日はお掃除してはいただけてないのに、です。
 西郷さんに会いに出かけた旅先で、その人物像も定かでない方のお墓にもうで鹿児島県人の愛国心の強さに、極当たり前のようにそのお墓を御守りする心に強くうたれました。
 今また、水島さんの映画制作発表に、水島さんの風貌は、西郷隆盛、思いは先に挙げた東郷平八郎の凛冽萬古存(この戦争に勝たないと厳しい冬の状態が永遠に続くだろう)なのだと想う。
いつぞや宮崎先生がコメントなさっているように「日本の若者が知らない東郷平八郎の名前さえトルコの若者の間では、きわめてポピュラーです。Z旗の意味も由来も知っているトルコ人が多い」。
そんな若者をも仲間にして、何が何でもこの情報戦争を勝ち抜きたいとおもう。
鉄道技師にこだわっていた東郷平八郎が、思い悩んだ末、尊敬する郷里の先輩、西郷に人生を預け海軍を生涯の仕事とする決断をしたのである。
 東郷は言う
「人間に一番大切なのは真面目ということである。少しばかりの才気など、何の役にも立たないものだ。たとえ愚直と誹られても、結局は真面目な者が勝利をおさめるのだ」。
 1934年5月30日、87歳の東郷は家族に見守られながら静かに息を引き取った。国家に忠節を尽くし、真面目にそして誠実に生きたその生涯は、今なお輝きを失っていない。 
     (FF生、小平)


(宮崎正弘のコメント) 代々木から原宿にかけて拡がる東郷神社。あの荘厳なる森のなかに東郷記念館があって、ロビィ中央にかかっています。その言葉が!
 「皇国の興廃此の一戦にあり 各員一層奮励努力せよ。」
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(三島由紀夫研究会 公開講座のおしらせ)
4月18日午後六時半 アルカディア市ヶ谷 水島総「村上春樹とミシマ文学」
http://www.nippon-nn.net/mishima/koza/index.html
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< 宮崎正弘の近刊予告 >
 『2008年世界大動乱の予兆(仮題)』(並木書房、四月下旬刊行予定)
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 「日本企業は中国から撤退せよ」のエッセンスに宮崎正弘の独自の中国論を加えた、語り下ろしの中国人論です。このCD(67分)を販売中。
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<< 宮崎正弘の近著 >>
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
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『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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 「宮崎正弘の旧満州激戦地あとを往く」
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  • 名無しさん2007/03/26

    宮崎先生のご見識、行動力、愛国心に敬意を表します。これからも日本のために頑張ってください。