国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/03/22



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 3月22日(木曜日)  貳
通巻第1745号  
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 東シベリアの石油とガスをめぐるロシア国内の暗闘
  イルクーツク、ハバロフスク、サハなど地元が対立し代替案も浮上した
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 東シベリアから太平洋への石油パイプラインを「ESPO」(Eastern Siberia―Pacific Ocean)という。
日本がおおいに乗り気だったプロジェクト、途中から中国が横やりをいれ、見事にぶんどった構想である。

 サハ・ヤクーチア自治共和国で記者会見したフラトコフ(ロシア)首相は、この計画に前向きである姿勢を示した(2007年3月13日)。
 ESPOプロジェクトは石油とガスのパイプラインを平行させ、および産出地域の環境整備工事などが含まれる。
首相は現地の道路、精製設備、発電所などの建設に700億ルーブルの予算を認めているとも語った。

 だが、おかしなことに、この計画には、正確にどの鉱区の石油、どの鉱区のガスが運搬されるのか、明記されていない。

 ガス鉱区で埋蔵が確認されているのはイルクーツク地区のコビィクタ鉱区のみ。だが、ここもBPの開発にガスプロムが横やりを入れており、予定通りに開発が進むのか、どうか。

 同時にガスのパイプラインはアルタイ山脈を通過する計画だが、2011年完成、工事予算100億ドルと言うことだけプーチンは中国訪問時に明言しているのみ(06年3月)。現在もなおフィージビリティ・スタディ<事前商業化可能調査>が終わっていない。

 石油にしても埋蔵の確認を急げ、とロシア政府は現地を督促してはいるものの、はたしてどれほどの埋蔵なのか、定かではない。
日量60万バーレルがESPOによって運搬される青写真だけが一人歩きしている。


 ▲ 埋蔵予測の宣伝だけがひとり歩きしていないか

 2015年までに年間4000万噸、2025年までに8000万噸とするには、1020億ドルの予算が必要だが、それさえ具体的な検討がなされていない。
 (ま、ロシアと中国がやるプロジェクトだから、そんなものかも知れませんがねぇ)。

もし、それだけの埋蔵があって、現実的に生産が可能となれば、ESPOの石油はアジアの石油消費全体の6%を産出することになるのだが、青写真が示されているだけなのだ。
 ツンドラ地帯の掘削技術も、ドリルなどのソフトも大丈夫なのか。

 さらに厄介な問題が持ち上がってきた。
 現場のハバロフスク知事ビクトル・イシャエフは「中国向けパイプラインは悪い選択であり、さきに中国受け輸出加工区の検察を行うべきだ」(インターファックス、3月15日付け)。

 イルクーツクでは「石油とか、ガスよりも地元で操業中の石炭を中国に輸出する方が先決。2006年に同地域からの石炭輸出は1億7400万トンだったが、今後三年以内に、これに5000万噸を追加することが可能であり、2025年には年間二億七千万噸が輸出可能である」とした。

 ガスプロム、ロシア政府、地元と三者の利害関係が輻輳し、対立している。
 胡錦濤が慌ててモスクワへ飛んだ裏の理由は、これかも。
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(読者の声1) 民族紛争のホットな話題が続きますが、一寸冷静になって考えたいものです。
今米国の政界では過去の各国の民族紛争をよみがえらせる動きが出ています。
解決できない問題なので放置すると世界は過去の恨みが噴出し制御不可能になるでしょう。
それは米国の指導力の低下になります。米国は自国の政治活動を外国に利用されて自国の指導力を低下させるという愚行を犯すことになります。誰が後ろで操っているのか、簡単に理解できます。世界の混乱で利益を上げるものです。
したがって米大統領はすぐにやめさせるべきです。このままでは世界は米国の政治の過ちでイラク化する恐れがあります。
  (MAR生)


(宮崎正弘のコメント) 国連の事務総長はご承知のように韓国人。国連でも日本に対しての従軍慰安婦謝罪決議を求める動きがあります。事態は逆に向かっています。
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核保有を巡るFAQ................................................佐藤政博
北の核と拉致問題...................................................野村旗守
核武装論議を封じるな..........................................兵頭二十八
「裸足のゲン」を斬る!.............................................岩田温
世界核保有クロニクル.............................................佐藤政博

◎総特集2 敵の核に囲まれる、世界一危険な日本
恐るべき中華帝国の戦略と日本の核武装.....................平松茂雄
核保有よりミサイル防衛を..........................................惠谷治
北朝鮮核開発とジャパンマネー.................................野村旗守
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命ある限り核武装に反対する....................................青山繁晴

◎特集 世界は日本の核をどう見るのか
日本核武装は不可抗力なり.......................................片岡鉄哉
危機迫る台湾から、日本へのメッセージ........................黄文雄
中国人から見た日本の核武装.......................................石 平
欧米から見た日本の核(エマニュエル・トッド他).........西村幸祐
日本の核武装論は極東平和の道標..............................姜 哲煥

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天は自ら助くる者を助く!.......................................大高未貴
日本の核武装論~核不拡散と国際政治の狭間で~.........鈴木邦子
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