国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/03/17



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 3月17日(土曜日)  
通巻第1740号 
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 私有財産を認めた「物権法」に大量の批判票、中国国内の報道を禁止
   具体的な政策、法律は曖昧模糊として「私有財産」を保護するそうです
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 長老、党内左翼、マルクス主義の知識人らがこぞって反対してきた。
 私有財産を認めるというのは「社会主義」を標榜する中国の基本的矛盾である。
 しかし「趨勢にはかなわない」とばかり、自宅の保持は70年の権利、その後の延長も可能という基本スキームを提示して、全人代では「物権法」が採択された。
 
 しかし「国内での報道は禁止された」(ヘラルドトリビューン、3月17日付け)。

 産経の報道を引こう(同日付け)

 「中国の第10期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第5回会議は16日午前、私有財産の不可侵を明記し同財産保護を法的に保証する「物権法」案と外資優遇税制を撤廃する「企業所得税(法人税)法」案などを採択し閉幕した。最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)の活動報告にはそれぞれ16.9%、16.3%と大量の批判票(反対、棄権)が集まり、汚職を取り締まる立場にある司法当局に対する国民の不満の大きさを改めて示した。
 物権法は私有財産を国家の財産と同列に扱い、「公民の合法的な私有財産は侵されない」とした2004年の改正憲法を具体化、「公有制」を基本とする中国にとり市場経済化への大きな転機ともなる」。
 要するに、リッチな人達は購入したマンションなどが保護される。富裕層が裨益する法律。
 肝心の農地は? 
具体的政策はなにも提示されていない。農地の私有化は、どうやら見送られたようだ。農民は貧困のままの状態が続き、農地の強制収容は「適切な補償」と引き替えに今後も継続される。

 企業への課税についても一律15%から25%と内外企業を問わず徴税、これからの中国進出を魅力のないものにする。
 ところが「ハイテク企業」への課税は融通措置、その「ハイテク企業」を選定するのが「当局」というのだから、これまた矛盾の極北。
汚職、腐敗の巣窟になるだろう。

 全人代における種々の決定は、すべて曖昧模糊として鮮明な未来像は提示されなかった、と見て良い。
さらに言えば、画期的な人事変更も一切無かった。
軍拡に関してはひたすら「防御的で、他国に脅威とはならない」と強弁に終始し、欧米、日本のジャーナリストからの質問をはぐらかした。
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(読者の声1)貴誌第1737号(読者の声1)の一部米国人の慰安婦問題への異常な執着についての論考は秀逸である。
過去の奴隷制や宮崎氏の言及された「原住民インディアンの虐殺」から目をそむけることを正当化するものを求める性向は、音楽で言えば通奏低音、宇宙で言えば黒体輻射であり、国で言えばまさに米国の国体である。
したがって大東亜戦争末期において国体護持が日本にとって重要であったように、この米国の国体も米国にとって重要である。つまり、これを変えさせようとしても、直視させようとしても無駄である。
唯一可能なのは、この国体に触れるような事象がおきるたびに、毎回事象ごとに厳格に反証することである。
要するに対米交渉は自動車でのドライブではなく、サイクリングのようなもので努力を怠ればこけてしまう。
韓国との対応も同様でこちらは一輪車乗りのような芸当が必要になる。一度は腹を割って根本的に理解し合えれば理解しあえるというようなことはない。ここのところを理解することが肝要である。

 もうひとつ。
貴誌1738号(3月15日発行)の(読者の声2)の福岡 MI生さん見解はまことに的を射ています。
以下を付け加えさせてください。

1.白村江の戦いの唐・新羅連合軍250隻に対して百済・日本連合軍400隻、しかも、主力をなす日本船団はこの戦いのために改良を加えた新造船で本来負けるはずのない戦いであった。
これは、朝鮮征伐、ミッドウェー海戦とならんで日本側が圧倒的に優位な戦力を持っていながら負けた事例のひとつです。この間の消息に関しては、書名は忘れましたが朝日選書から詳しい本がでています。ただし絶版です。

2.白村江での敗戦の後、唐が侵略してくることを防ぐため、防備に大きな努力をしたと説く人が多くいます。しかしながら、当時の唐には高句麗からの軍事的脅威がありとても日本を攻撃する余裕がなかったはずです。
唐が「嫌々ながら」、新羅と連合しなくてはならなかったのは高句麗に新羅と連合して対抗するためであったと思います。
日本(当時も現在も)と唐の指導者の大きな違いは唐の指導者たちは新羅は結局は裏切るであろうことを知っていながら、当面の敵に対応するためにしかたなしに協力したことです。以降の歴史は、唐の指導者の予測どおりとなりました。
将来の新羅への牽制のためにも、唐が日本に決定的なダメージを与えることを望んだとは思えません。

3.日本書紀にある自らを奴隷に売った日本兵のはなしもすばらしいのですが、唐との国交正常化後最初の遣唐使で渡唐した粟田真人が捕虜となっていた日本兵の帰国に向けて行った努力も現在の日本人外交官に見習ってもらいたいものです。

4.天皇は司馬遷の史記に出てくる三皇(天皇、地皇、泰皇)から採った漢語式の呼称です。
スメラミコト、ミカド、天子等の呼称と混在して使われてきましたが、公式には大宝律令に規定されているとおり、天子(祭祀所称)、天皇(詔書所称:つまり内政上に使う)、皇帝(華夷所称: つまり外交上に使う)となった。これが昭和4年7月(7年4月かもしれ。記憶が定かでない。)に政府が天皇に統一しました。
ただし例外もあり、天皇から新羅の国王あての書簡に天皇と書いたり(新羅を日本の属国とみなしていたからか)、王政復古最初期に太政官代(当時実務能力のあったのは身分の高くない維新の志士だけであったので、「代」を官名につけた)が皇帝の呼称を使った例があります。
したがって新たな呼称を考え出すより、英語で言うときはやはりEmperorでよいと考えます。
      (ST生、神奈川)
 


(宮崎正弘のコメント) かの悪名高き反日議員=ホンダ議員は中国系反日団体およびその幹部達からの政治献金が目立っており、州外からの献金も殆どが中国系だったという大スクープ(産経、3月15日一面トップ)。
 或る調査ではホンダ議員が宣伝する兵役履歴が不明、日系収容所にいたという事実がない、人生前半の履歴がまったく不明で、じつは日系人ではなく、中国人ではないか、というレポートも浮上してきました。
 これら、すべて民間の調査であり、在米日本大使館は、いったい何をやっていたのでしょうか? 
 ともかく古森義久氏(産経のスクープ記事を書いた)に新聞協会賞を!



   ♪
(読者の声2)過日、上海のことを報告しましたが、編集部から連絡を頂き、「上海で軍歌を歌ったとは信じられない。もっと詳しく」との要請です。
それでもうすこし、具体的に書きます。
 外灘(バンド)の和平飯店のバーでジャズを聞いてきました。65歳以上でないと(演奏に)入れない不可思議なオールドジャズバンドで、皆、年寄りシ゛ャズオールドメン。
スイングに力なく、トランペットの高い音は肺活量不足で失速。でもお爺ちゃんバンドのかったるさに心地よく、けだるく・・・・。
和平飯店の建物は古風で、支那事変当時もかくの如き有様かと、セピア色の写真に思いを馳せながら飲んできました。
さても、カラオケに参りました。
50インチのプラズマ・モニターに、スッポトライト、すわり心地良い椅子に、配色もなかなか。音もいける。マイクが無線ではないのが玉に傷。
お店の作りこみは、元カラオケチェーン店社長室長の不佞が見ても、充分及第点。カラオケの内容は、本邦と同じ本。画像と音はどう聞いても、どう見ても、第一興商そのもの。 
いつの間にか上海法人でもできたのかな?
本邦は通信カラオケ全盛で、旧来のオート・チェンジャーは何処でも余っています。有り余るオートチエンジャーを上海に持ち込んだか?
そういえば、あまったチエンジャーを去年山の別荘に持ったんですが、曲の構成から同じバージョンのチエンジャーですな。
でもおかしい。曲を入力した途端、画像と音が飛び出してくる。オートチエンジャーが作動するタイムラグが全くない。瞬間湯沸かし器の様に曲が出てくる。
機械を見せてもらったら、なんと PC画面。オートチエンジャーのデスクを丸ごとハードデスクにコピーしてある。
これじゃ 早い筈だ! 
本邦に10年いて日本語ぺらぺらの経営者に曰く、「この国は著作権関係ないから何でもありですよ」。
昨年まで上海一番の繁盛カラオケ店だったそうですが、公安に手入れをくって営業停止。売春防止でやられたそうです。公安(警察)は カラオケは何のお咎めなし。
 (よーし! それじゃ日本の軍歌だ!)
と張り切って、「紀元2600年」。画像先等に大旭日旗へんぽんと翻るのが第一興商のバージョン。少年軍歌合唱団(一人だけだけど)、軍歌演習 ハジメ! 同行者のしらけをよそに上海の夜に 旭日旗はひるがえったのであります。
ついでに著作権のない国でブランド商品の話しです。北京の秀水みたいなビルがあるのですが、とても入れない。4人で出かけたのですが、数えたら24人の付け馬がついて来ていてとても買い物じゃない。カラオケの支配人がビルのボスを呼んできてくれて、付け馬をすべて排除。
ゆっくり見て廻りました。
しまっている店舗の奥に「隠し部屋?」があって、ヴィトンやらなんやらうじゃうじゃ。
その更におくが、また隠し部屋!今度はローレックスの山。とても 本邦人は入れそうもない。
面白い買い物でした。去年 秀水でかった偽バックは金物が壊れて使物にならず、今回も懲りずにまた偽者を買ってしまう馬鹿な不佞でした。 (羝羊拝)
     (SH生、大田区)


(宮崎正弘のコメント)町の表情、人々の生き様が現場にいるように分かりました。要するに日本のソフトを盗用しているため、軍歌も挿入されているってわけですね。
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(サイト情報) 米財務省は3月14日、米国の金融制裁で北朝鮮関連口座が凍結されているマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(Banco Delta Asia)に関する最終的な調査結果を発表。
BDAに対し、資金洗浄などの違法行為を容認していたとして、米金融機関との取引禁止を正式決定したものの総額2500万ドルにのぼる北朝鮮関連口座の扱いについては、マカオ当局の判断に委ねる方針を示した。
(1)財務省からのプレスリリース
 http://www.treasury.gov/press/releases/hp315.htm
(2)リービー財務次官(テロ・金融情報担当)の発言
 http://www.treasury.gov/press/releases/hp314.htm
(3)銀行機密法修正と犯罪ネットワークへの金融制裁。
Financial Crimes Enforcement Network: Amendment of the Bank Secrecy Act Regulations, 31 CFR Part 103
http://www.fincen.gov/bda_final_rule.pdf 
(4)議会調査局のレポート
 North Korean Crime-for-Profit Activities: CRS Report for Congress, Congressional Research Service, February 17, 2007
http://fpc.state.gov/documents/organization/81342.pdf
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(資料)
「ロシアが木材の高度加工に本腰」 

 「ロシアは高度に加工された木材製品の輸出を整備しなければならない。この際、投資契約を締結するための環境づくりが必要だ」。
ロシアのユーリー・トルトネフ天然資源相は27日、天然資源省森林参与会の初会合でこう発言した。
 木材加工業を進行させる必要性については、以前より言及されてきたが、今のところ目に見える成果はない。
ようやくロシア政府もこの分野で断固とした行動をとる用意ができたようだ。
ロシア林業庁のワレリー・ロシュプキン長官は(2月)27日、今後、木材輸出に対する関税が大幅に変更されると発表した。
2008年4月までに原木の輸出税率は、1立方メートルあたり輸出通関価格の25%になる。
さらに2009年までに1立方メートルあたり80%にまで引き上げられる。
「これは、我々が未加工木材の輸出条件を世界で最も厳しい条件の一つにするということだ」とロシュプキン長官は述べた。
公式データによると、現在、ロシアで年間約1億8,600万立方メートルの木材が調達され、このうち未加工木材5,000万立方メートルが輸出されている。
 しかし、関税政策は同産業の改革要素の一つでしかない。現在、国内では製材所がまったく足りない。
1990年代、ロシアでは事実上、新規のパルプ・製紙コンビナートが作られなかった。本格的な投資がなければ、木材の高度加工について語っても机上の空論である。
 では、どこから資金を引き込むのか? 
トルトネフ大臣によれば、ヨーロッパの隣国、その他の諸国が木材不足を経験しはじめ、その不足が増すと見られている今、ロシアは自分たちの条件を主張し、新しい工場を国内に作るための外資を誘致しなければならない。
すでにこの種の案件に中国などが関心を示している。(「ロシースカヤ・ガゼータ」、2月28日)
 (ERINAのメルマガ「北東アジアウォッチ」、3月16日付けより転載)
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『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)
http://www.amazon.co.jp/s/ref=sr_st/503-5227451-0680731?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&page=1&rh=n%3A465610%2Cp_27%3A%90%B3%8DO%81_c+%8B%7B%8D%E8%2Cn%3A466282%2Cn%3A492048&sort=daterank&x=8&y=8
(上記以外、入手可能な拙著は下記を含めて、ほとんどが上のサイトから注文出来ます。↑)
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<宮崎正弘の「三島由紀夫論」三部作>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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