国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/03/13



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 3月13日(火曜日)  貳
通巻第1735号  
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“よみがえるリバイアサン”  新帝国主義プーチンのロシア
   ロシアに歯向かったグルジアに陰湿な戦争を仕掛けた模様
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 グルジア領内に残存するゲリアは親ロシア路線。この組織がロシアの密かな支援を受けて実効支配する「アブハジア自治共和国」にはグルジア政府の政策が届かない。

この地域にまたまた紛争が持ち上がった。
3月11日夜、グルジア側のコドリ渓谷の村落がロケット弾の攻撃を受け、ロシア軍ヘリコプターが目撃されたと現地メディアが報道している(ロシア側は否定)。
同地域にはまだロシア軍が駐留しており、撤退を求めるグルジアと対立、両国関係は悪化の一途をたどっている。  

グルジアのサーカシビリ大統領は親欧米派。
200年に亘って支配されたロシア軍の撤退を導き、今年ようやくにして真の独立を達成した。CISから早急なる脱退もグルジアは検討しており、一方でNATO加盟も推進中。
グルジアの救世主になりつつある。

ロシアはこれを、「欧米の陰謀」と認識しているらしい。

昨年、グルジアを経由してカスピ海沿岸のアゼルバイジャンからトルコへ至る石油と天然ガスのパイプラインが開通した。
この自信を背景に、いずれ鉄道をカザフスタンから中国へと結びたいとする壮大な計画を抱いている。この新しい輸送ルートには日本企業が参加する予定。

先週、来日したサーカシビリ大統領は、明確にNATO加盟を打ち上げ、そのためにも欧米の世界戦略への貢献を次々とこなしており、英軍が撤退するあとのイラクへ、グルシア兵士を1200名増員、合計2000名を駐留させてブッシュのイラク戦争を支援すると語ったのだ。
(日本の自衛隊だって最大規模で1000名だったから、どれほどの負担になるかは想像できるだろう)。

日本記者クラブでの記者会見でサーカシビリ大統領は、「イラク戦争が終われば、アフガニスタンに兵力を回したい。なぜならグルジアはNATO加盟を目指しているためだ」と論旨明快だ。

NATOの急拡大を警戒し、新冷戦だと批判したロシアにとってグルジアは目の上のたんこぶ、不快極まりない出来事だ。
プーチンのミュンヘン演説(2月10日)は、あからさまに米国を批判した。

ロシアは昨年12月にグルジア駐在の軍隊を僧撤退させたが、それ以前からグルジアを経済的に締め上げ、石油ガスの供給を停止し、グルジア・ワインなどの輸入も禁止してきた。国境の交通も遮断し、ロシアに出稼ぎにきているグルジア人の送金も禁止している。

こうした強硬路線をあゆむプーチンは、歯向かう政敵を毒殺するか、刑務所へぶち込み、批判記事をかくジャーナリストも片っ端から暗殺、メディアは殆どがプーチン礼賛となって、議会は大政翼賛会化。昨日の地方統一選はプーチン与党が圧勝した。
まさに「ロシア帝国」が復活した。

敵対する組織、国家はロシアの沽券にかけて粉砕するという無謀な決意に満ちあふれ、しかも石油とガスで豊饒な経済活動が甦って、かつて貧困に喘いで欧米に劣等意識に苛まれたロシア国民は、このプーチンの歪んだナショナリズムに「大祖国防衛」の幻影を見いだして、その姿勢を支持しているのだ。
プーチンはこのナショナリズムを刺激するために、特殊部隊をゲリアに見せかけ、モスクワに爆破事件を演出して、それをチェチェンの仕業として、チェチェン掃討作戦を正当化した。こんどのアブハジア渓谷の事件も、なにかの陰謀の始まりであろう。

エリツィンのえせ民主主義時代、欧米は盛んにロシアを支援したが、その結果、欧米が迎えたのが、このロシアの見事な裏切りだった!
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