国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/03/12



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 3月12日(月曜日) 
通巻第1733号  
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 地方と都市の格差は実質10倍以上という中国の解決策とは?
   格差是正の秘策があっちこっちに新空港建設と鉄道建設という土建屋の発想
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戴相竜といえば前の人民銀行総裁、日本でいえば日銀総裁に相当するが、その激職をこなして天津市長に転出した。世界的なエコノミストとして知られる。
だから天津市長への移動は「左遷人事」とも、いや改革派の深謀遠慮とも言われた。

開催中の「全人代」で、この戴相竜が「天津濱海国際空港の拡張工事はいよいよ大詰めをむかえ、2007年中には空港ターミナルと滑走路の改修拡張工事が完成する」と述べた。
新しい天津空港は従来の規模の四倍、新ターミナルの延床面積が7万4千平方メートルにおよび、滑走路もすべて延長され、加えて新しい滑走路が造られている。

 先週、日本航空と傍系の飛行機が天津空港のターミナルで翼の接触事故をおこした事件があった。
 思い出されたい。
事故のふたつの便はともに名古屋行きだった。
 トヨタが天津へ進出してからというもの、天津と日本の中部空港をむすぶ便はビジネス客で、連日満員という。

 エアバスとボーイングを100機以上も新規注文した中国は、どれほどの旅客増を予測しているのだろう?
 『TIME』最新号(3月19日号)によれば、中国の空港旅客は1億6000万人、ちなみに米国は6億5800万人。

 筆者も中国の奥地に行くときは、鉄道に揺られている時間を節約するためにも飛行機をよく利用したが、たとえば北京からハイラルへは週三便、鄭州(河南省)から太源(山西省)に飛んだおり、小型機(29人乗り)で、週一便の由だった。

 中国民用航空総局は「第11次5カ年計画」(2006〜2010年)期間中に西部地域だけで、新たに空港を37ケカ所建設すると発表した。

このほか空港の移転工事だけでも6空港、改築・増築工事が31空港で実施される。西部の空港整備投資は520億元 (8500億円強。一元を16円40銭で換算)になる。


▼ハコモノから、空港と鉄道のハコモノへ各種大規模プロジェクトも立体化

07年3月現在、中国の空港は全土に144もある。
その38%が西部にあるが、便数がすくなく、利用客は沿岸部の五分の一ていど。つまり、殆どは赤字と見られる。
たとえば黒河空港は、ハルビンとのあいだに週二回の便しかない。夏の間しか利用できない莫河空港もある。

鳴り物入りで開通した「青蔵鉄道」は、さらにチベットの首都ラサから、シガツェへ全長254キロメートルの支線を建設することが決まった。シガツェは、パンチョンラマの総本山で知られる。
これは2010年に竣工予定。その時点で中国の鉄道営業距離は3万6000キロとなる。

不動産投資ブームがそろそろ終わりそうな気配の中国で、つぎのテーマは「運搬」の立体化のもおかれるようだ。

 飛行場も、鉄道も、それに伴ってのターミナル、駅舎の建設はラッシュ、ラッシュ。まだまだ土建プロジェクトブームは終息しそうにない。

 木更津へ向かう東京湾アクアライン。熊の出没の方がクルマより多い某地方の高速道路。瀬戸内海へ架橋した大橋は三本、いずれも赤字という。
 それでも地域経済活性化を口実にゼネコンが束になって仕事をとった。土建国家の構造的宿阿。それも日本から中国へ移った?
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