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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:3/5



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 3月6日(火曜日)  
通巻 第1725号  (3月5日発行)
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 米中核戦力は500 vs 1 から対等になる
   宇宙衛星破壊とSLBMの拡充は五年以内にバランスを変える
****************************************

 マーク・ヘルプリン(クレアモント研究所主任研究員)が、同クレアモント研究所の季刊誌に発表予定の核戦略論文の要約が、ワシントンポストに先に紹介された(3月4日付け、同紙)。

 北朝鮮は「核兵器開発をしない」と言ってクリントン政権を誤魔化し、「94年枠組み合意」をみたあとも、原油と軽水炉建設を供与されて、しかも同期間に密かに核兵器開発を続け、実験を行って世界に核兵器開発の成果を見せびらかした。
「こんども六者協議合意は、きっと破られるだろう」。
けれども、とヘルプリンはつづける。
 「われわれの脅威は北朝鮮の核ではない。中国のそれである」。

 中国の軍拡は過去19年間連続二桁増、ついに公表の国防費だけでも日本をぬいて、世界第二位(五兆四千三百億円)。前年比17・8%の拡充ぶりだった。
 「中国の富国強兵政策は明らかに日本の明治維新をモデルにしたものだ」(ヘルプリン)。

 なかでも注目は宇宙に浮かぶ気象衛星を破壊したミサイル。
 そして潜水艦発射ミサイルである。

 米国は今後、サイロ基地からのICBMを現有10000基から1700基に減らす。
 SLBM搭載の原潜は三十七隻から十四隻体制へ。
 ところが中国は80基から五年以内に1800基に大陸間弾頭弾を急増させるのだ。

 一方で中国は着々と原潜艦隊を増設し、宇宙戦力を拡充し、たとえ数量で米国の劣ろうとも、その戦意、奇襲能力、犠牲をおそれぬ人海作戦、くわえて宇宙のおける戦力により、第一撃で米欧の通信ネットワークを破壊すれば、その戦力は米国と互角になる。
 米軍の命令指揮系統もウォール街の電子取引も、通信衛星の破壊で無となるからだ。

 かくて1987年に500 vs 1だった米中核戦略バランスは、実質的に対等になる、と同論文は警告している。
    ◎ ◎ ◎ ◎
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   ♪
(今週の書棚)

   ♪ ♪
山崎養世『米中経済同盟を知らない日本人』(徳間書店)
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 風変わりな本である。ざっと通読した感想はと言えば足が大地につかないで、空中をふわふわしている奇妙な感覚に襲われてしまった。
何故だろう。
 米国の経済力が衰退し、やがて半世紀以内に中国が、そのあとをインドが交替し、いまから400年前の世界が中国とインドを中心にまわっていたような世界地図に戻る、と大胆な予言をしているのは、シナリオの可能性として、そうであるとしても、そうはならない蓋然性も高いだろう。
 その予測の確率をとやかく言うつもりはない。米国のゴールドマンサックスが、そういう予言めいた報告をすでに何本も纏めている。そういえば山崎氏自身もゴールドマンサックス出身者だ。
 題名が「米中経済同盟」なのだから、まずはそのエッセンスを本書に求めると、人民元の安さはじつは米中共通の利益であり、実態として米国企業の利益が護られており、米国内の工場で雇用が無くとも企業利益は中国へ移転した工場が稼ぎ出してくれている。
 その共同の利益が、まずは「米中経済同盟」の実態だという。
 したがって「マネーの世界でも、米中経済同盟が出来上がりました」(82p)。
 一方、経済的に離陸して豊かになりつつある中国は腐敗汚職が蔓延し、株式市場は不正のオンパレードとなって不良債権が増えた。
 「そこで、中国政府は、国民の貯金の半分近くを集め、その大半を国営や官営の企業に貸す四大国営銀行のうち三つを、民営化するとともに、上海や香港の証券取引所に上場させました。同時に、アメリカの金融機関からの出資を受けさせました。それによって、経済全体の体質改善を図り、腐敗や不正行為、非効率な貸し付けを止めさせようとしました」。
つまり不良債権にあえぐ中国の大手銀行の「株式公開」は「アメリカの金融機関に監視させる」システムに変えた、と分析している。
 中国の銀行近代化の目的が、そういうレベルにだけあるとは考えにくい。
 小誌でもたびたび指摘したが、合計400億ドルも香港市場での株式公開であつめた中国銀行、中国建設銀行、中国工商銀行の三行には、じつは統一されたコンピュータ・システムさえ同じ銀行内部の通信上にもなく、(中国上海支店から北京本店への送金が三日かかる!)、またIPO(新規株式公開)の直前に、監視のために上記三行に頼まれて内部に立ち入っていた米国監査法人やベテランのアメリカ人顧問らを、これはまずいとばかり、さっさと馘首していた。
 だから山崎氏の分析が正確かどうかを判定するのは、材料が追加で提示されているかと思いきや、本書は後半から突然として、歴史学解釈と哲学となり、いきなりカントの「恒久平和論」が敷衍される。
付随して西郷隆盛、福沢諭吉、二宮尊徳へと傾斜し、最後は聖徳太子の徳を説き、次の新札は是非、聖徳太子を復活させよ、となる。
 哲学を語りながら、哲学を裏打ちする歴史解釈にやや難があり、やっぱり読後感は空を飛んでいるのである。
        ◎ ◎
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    ♪
(読者の声1)貴誌の古くからの読者ですが、先だって貴誌の登録読者が九千名を更新したことを知って驚いたり感激したりです。
 おそらく保守陣営のメルマガでは最多と思われますが、それだけ宮崎さんへの読者の期待も大きいことと思います。いつまでの無料のまま(最近、有料メルマガを出している人も増えましたから)で御願いします。
     (TY生、福島)


(宮崎正弘のコメント)もちろんこのメルマガは無料の路線を継続します。



   ♪
(読者の声2)「南京の真実」の制作上映は極めて重要だと感じております。最初のニュースに接した時、早速寄付をしようと思いましたが、HPを開いて見ると、まだ募集前でした。
インターネットを捜せばすぐに見つかる筈ではありますが、このページにHTTPを貼って置いていただければ、少なからぬ人が寄付を思い立つのではないか?
結局、何が真実か、ということが最後の力になるのだと思います。南京、従軍慰安婦、遺棄化学兵器等々、きちんと情報を世界に発信すべきです。
安倍首相にも、ぜひそのことを忘れず、真実は何かということを臆せず世界に発信いただきたいものと願っております。
南京問題は富澤氏らグループによるデータベース化と、東中野教授たちによる欧米記者系のでっち上げ経過の解明で、ほぼ総仕上げが完了しております。ここ3年ほどの偉大な達成でした。
     (丸の内、虎穴麻呂櫃)

 
  ♪
(読者の声3)いま、「死ぬ死ぬ詐欺」というのが流行しているのをご存知でしょうか?
生れつき難病の「○○ちゃんを救う会」が「米国での手術費用」と称して一般民衆にカンパを募ると、たちどころに数億円が集まり、手術費用を軽くオーバーしてその子の両親は遊んで暮らし始めるというもので、日本のあちこちで飛び火しているようです。
どこの馬の骨か知らない赤ん坊に数億円が簡単に集まるのに、本邦の歴史の汚辱を濯ぐ取り組みが遅々たる進捗とは、やはりマーケティングの概念が欠如しているからでしょうか?
   (YU生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)たしかにマーケッティング不足です。昨日付けを繰り返します。
映画「南京の真実」政策委員会には現時点で、5600万円の浄財が寄せられております。目標の三億円まであと数歩の距離があるのですが、これほど熱い国民の支持と共感があることに、次の奇跡を信じたいと思います。
http://www.nankinnoshinjitsu.com/index.html
(↑ 「南京の真実」映画製作委員会のHP)
         ▽ ▽
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     ♪
<宮崎正弘の近著>

『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、最新刊)
http://item.rakuten.co.jp/book/4115513/
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、増刷出来)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、残部僅少)

<宮崎正弘の三島由紀夫論三部作>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、残部僅少)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版。絶版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、最新刊)
http://www.amazon.co.jp/s/ref=sr_st/503-5227451-0680731?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&page=1&rh=n%3A465610%2Cp_27%3A%90%B3%8DO%81_c+%8B%7B%8D%E8%2Cn%3A466282%2Cn%3A492048&sort=daterank&x=8&y=8
(すべての本は上のサイトから注文が出来ます ↑)
              ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
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宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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