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 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:2/28



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 2月28日(水曜日)  
通巻 第1719号  
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 上海に蔓延る拝金と偽中華文化
    中華思想を協調するかたわらで、自ら中華文化を捨てているのはなぜ?
***************************************
  

 ▼日本企業の進出が激減

 昨師走、慌ただしく上海を取材した。
 上海市内からバスで一時間、嘉定区はおなじ上海特別市の中といっても草深き田舎町で、昼間からチンピラが食堂で酒をのんでいる粗野な雰囲気があった。
 
 一週間滞在したが、そのおりクリスマス・イブに遭遇した。
 ♪「きよし、この夜。。。。」の大音響とともに耳慣れたメロディが市内のあちこちに流れている。
 デパートの入り口は巨大クリスマス・ツリーに派手なネオン・サイン。街角では宴会用の線香、蛍光ペン、光学器具、サンタのぬいぐるみにトナカイの頭巾など。有名な上海の盛り場「新天地」でもレストラン、バアの店員がサンタの衣装を着ている。

 耶蘇教を弾圧し続ける中国で肝心の教会でミサは行われる場所がすくない。
本物のキリスト教徒は眉をしかめていたのではないのか。二つほどキリスト教会を見学したが、ガラーンとしていた。

 「中国特快焦点」の06年12月27日付けに「若者はなぜ熱心にクリスマスを祝うのか」と題されて次のような記事が出ていた。
 
「中国の伝統的祭日、春節、端午節、中秋節、重陽節などに対して関心が薄い若者がクリスマスとなると熱心になる中国の状況を憂い、有名大学の哲学、教育学の教授たちが連名で声明を出し『中国国民を覚醒させ、西洋文化の拡大に抵抗しよう』と呼びかけた。ネット上でも『考えもなく文化から漂い出るのではなく、中国文化の主体性を確立しよう』と呼びかけた。

 これに対して若者の反響も大きく、『なぜ中国と西洋文化を対立させなければならないのか。二つは融合できないのか』などの意見も聞かれた。
 今年の初めに中国の伝統的祭日が無形文化遺産に指定された。これらの伝統的祭日を現代人の要求にどのように合わせるか、どのようにさまざまな年齢層の人たちを引き付けるか、これらの問題は文化人、政府機関の人たちが一層考えなければならない問題である」。
 
 馬鹿騒ぎのクリスマスをよそに、一方でこういう議論が中国である点は、日本よりナショナリズムが健全と言えるかも知れない。

 ▼スノビズム

  もうひとつ、上海で面白い現象だと思ったのは日本をイメージする「回転寿司」の大繁栄である。
 80年代初頭まで、NYとワシントンの日本料理は半分ほどが中国人(というより台湾資本も目立った)か、韓国人の経営だった。

 ワシントンの18丁目Kストリートにあった「東京」という当時有名なレストランに片岡鉄哉氏と会食したところ、仲居さんが着用のきものの着付けがおかしい。

 キッチンのそばを通るとハングル語で店員同士が会話しており、中曽根首相(当時)が食事をとった黒塀の鮨屋くらいが安心して食べられる日本料亭だった。
 いまや世界中の90%ちかい日本レストランは日本人コックがいない。モスクワだけでも「鮨バア」は二百軒以上もあるが。
 有名な鉄板焼きレストラン・チェーン「ベニ花」のアトランタ店で鮨を握っていたのはラオス人だった。

 NYの黒人街の「食べ放題17ドル」とかの店では、いなり寿司と薩摩揚げと、天ぷら、カルビを並列で売っていた。そういえばワルシャワの鮨屋では、ガラス越しのネタが腐っていたっけ。
 さて中国の回転寿司は、庶民にとってはステイタス・シンボル化しており、意外にも満員の店が多い。
  購買力平価から勘案して値段はやたら高いのである。

 ガラス越しに客が食べているのが見える。だから高くても客から見れば「これ見よがし」の優越感に浸れるわけだ。
 味?ですか。あれは「寿司もどき」である。
 要するに日本食は儲かると聞いて、外国人が一斉に日本料亭、寿司バアを経営しており、その筆頭が韓国人、ついで台湾、中国という順番だろう。
 こうして上海は一方でナショナリズムの獅子吼があり、他方、庶民の生活レベルではとうに中華文化の破壊が始まっている。

  (この文章は『自由』2月号に発表の拙論を改稿したものです)
    ◎ ◎ ◎
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   ♪
(お知らせ)拙HPを更新しております。
 旧満州激戦地の跡を往く(写真入り五ページ) ↓
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/tyosya-kinkyou/index.html
    ◇
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    ♪
(読者の声1) 最近の貴誌は旧ソ連の記事が多いですね。
旧ソ連も軍拡が祟って、貧乏になり、衛星国の版図をおおかた失い、昔の乱暴者の影を潜め、すっかり力を失くして、普通の“いい子”になったかと思われていたロシアは、石油・ガスの国際的昂騰と強権政治家プーチンの登場で異相を呈し、冷戦時代のソ連に本卦返りし始めている観があります。
その意味で貴誌の情報は貴重ですし、ロシア関連情報の先物相場高を見越した、一流ジャーナリストの面目躍如と観じております。
古くさい見方しかしない頭のかたいクレムリノロジストは、ほとんどいなくなりました。
旧ソ連圏の、勃興著しい中央アジアのイスラム教国の動きは、日本からはブラインド状態で、貴誌がその脇に置かれた鏡となり、それらの国と米・ロ・中・印の動きを俯瞰させてくれます。
プーチンの対中東外交、対ユーロ戦略からも目が放せません。貴情報まことに有り難く。
    (HN生、品川)                                  



(宮崎正弘のコメント) 最近ロシアの情報が多いのは、日本のマスコミがロシアの重要情報、とくに資源戦争の側面を看過しているからです。
 プーチンの強引な作戦に、欧米が注目しているのに、日本は相変わらず米国の動きと中国だけに焦点をあてている感じがありませんか。



    ♪
(読者の声2) アル・ゴア元副大統領の映画「不都合な真実」が訴える地球温暖化。
この映画アカデミー賞に輝きましたが、ゴアの主張するその表面だけに捉えられていては、背後に隠された意図に思いが及ばず、結果騙されて、痛い目に遭います。
因みにゴアの父親はスターリンと親交のあったオクシデンタル・オイル社長とこの会社を共同経営していたのです。
テレビや映画などのマス媒体に我が者顔で露出する紳士には気を付けないといけません。 ならば貴台のように端から観ないことこそ要諦でしたか。(笑)
     (HN生、横浜)



(宮崎正弘のコメント)札幌のホテルでテレビを見ていたら、朝から晩までアカデミー賞。途中でチャンネルを変えました。
 朝、食堂で驚かされたのは夥しい中国人観光客。華南の人、台湾からのツアーが目立ちました。雪を見ながら温泉にやってくるのです。
 で、ゴアですが、あの映画、かなり大げさではないのでしょうか?

 さて岩見沢、千歳、小樽と講演して廻りましたが、各地は雪。夜は零下十五度にもなります。
 北海道経済は札幌だけに一極集中、いまや人口百八十万。中心部の繁栄と消費は、東京、大阪とかわらない。ところが周辺の岩見沢も小樽も人通りが少ないのは雪の所為とばかりは言えませんね。 
札幌だけをみて北海道も景気回復などというのは危険だと思いました。
平均気温・零下十二度の地域から東京へ戻ると春、というより初夏の陽気、コートが要らないほどでした。
    ♪ ♪
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(資料)
 毎日新聞より

「金属資源:中国などの消費続けば50年までに枯渇」

 BRICs諸国と呼ばれる中国やインドなどの経済成長が現在のまま続くと、銅、鉛、亜鉛、金、銀など多くの金属資源が2050年までに枯渇するとの予測を物質・材料研究機構がまとめた。鉄や白金は比較的豊富で100年以上採掘可能とする試算も過去にあったが、今回は50年までに累積使用量が可採埋蔵量に達すると試算された。同機構は「このままでは地球規模での経済発展を賄えない」と警告している。

 同機構は、過去約50年間に日本が使用した21種類の金属の使用量と経済成長率との相関を調べた。これを、先進国と中国、インド、ロシア、ブラジルのBRICsの経済成長予測に当てはめ、各金属ごとに50年までの累積使用量を試算した。

 この結果、銅、鉛、亜鉛、金、銀、すず、ニッケルなど12種類の累積使用量は現時点の可採埋蔵量を上回り、インジウムは72倍、銀は10倍、鉛、金は約6倍となった。

 比較的豊富といわれている鉄や白金も、50年までには可採埋蔵量に匹敵する使用量に達することも分かった。
 (毎日新聞 2007年2月16日)
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
http://www.amazon.co.jp/s/ref=sr_st/503-5227451-0680731?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&page=1&rh=n%3A465610%2Cp_27%3A%90%B3%8DO%81_c+%8B%7B%8D%E8%2Cn%3A466282%2Cn%3A492048&sort=daterank&x=8&y=8
( 上のサイトから注文が出来ます ↑)
 
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、最新刊)
http://item.rakuten.co.jp/book/4115513/

 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、増刷出来)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、残部僅少)

<宮崎正弘の三島由紀夫論三部作>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、残部僅少)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版。絶版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、最新刊)
      ▼
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三島由紀夫研究会「公開講座」のお知らせ
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 第226回「三島由紀夫研究会公開講座」は、4月18日(水曜日)、午後六時半から「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」で開催されます。
 今回の講師は桜チャンネル社長でもあり、映画監督、シナリオライターでもある水島総氏。日本映画監督協会会員・日本脚本家連盟会員でもあり、連載コラムを月刊誌『WILL』などで健筆を振るっておられます。
水島氏は早稲田大学文学部でトーマス・マンを専攻、同級生のひとりが、次のノーベル賞にもっとも近い作家との下馬評もある村上春樹氏でした。

 村上春樹文学は「意識」だけを重んじ、「祖国」とか「伝統」とか、独自の「文化」といったテーマを逃れながらも、世界性をもとめた作家。欧米ばかりか中国、台湾でもベストセラー作家ですが、伝統・文化・歴史を尊んだ文豪・三島由紀夫とは極めて対比的です。

 ドイツ文学にも造詣の深い水島総氏が、同級生の目を通して三島文学と比較し、村上文学を新たな視点から位置づける画期的な講座になるでしょう。


とき     4月18日(水曜日)1830 → 2015頃まで(六時開場)
ところ    「アルカディア市ヶ谷」(私学会館)四階会議室
        http://www.arcadia-jp.org/access.htm
        (地図は上サイト ↑)
講師と演題  水島総氏。「村上春樹とミシマ文学」
参加費    おひとり2000円(三島研究会会員および学生は千円)
       どなたでも自由に参加できます!
       ♪
問い合わせ  yukokuki@hotmail.com 三島由紀夫研究会公開講座係
           ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
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宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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