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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:2/23



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◆◇◆◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 2月23日(金曜日)  
通巻 第1718号  
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 こんどはウズベキスタンのガス鉱区と利権をプーチンが囲い込んだ
  「サハリン1」もLNG輸送として、近未来に「サハリン2」と合併含み
***************************************

 ウズベキスタンの首都はタシュケント。
 緑豊かなオアシス都市。深い緑の森。朝の静けさを破るバザールの阿鼻叫喚、食堂は殆どが羊の鍋。イスラム帽をかぶった人達がのんびりと行きかう。
 朝ホテルで熟睡していると広場からのコーランの大音響で目覚める。

 タシュケントは同時に国際外交の華やかな舞台でもあり、昨年ウズベキスタンは、駐屯する米軍基地を追い出しに成功した。
「もうアフガニスタン空爆は必要が無く、基地をかえせ」というわけだが、裏の理由は、人権問題で米国がウズベキスタンを非難したことに立腹、ロシアが背後でちらついた。

アフガンの後背地で、米軍の空軍基地はキルギスのマナス空港だけとなり、そのキルギスも「上海シックス」に加盟しているため、背後でロシアと中国が米軍基地を叩き出せと囃す。

 ウズベキスタンは観光都市、聖域でもあったサマルカンドが拡がる。サマルカンド郊外には人類はじめてといわれる天文台の跡が残っている。
近くにはシルクロードの拠点でもあったブハラ汗国の古城が砂漠に蜃気楼のように建っている。
 砂漠の中で信じられないような緑のオアシスを旅すると、古代から中世にかけての砂漠の民の浪漫主義がみえてくるような錯覚に捉えられる。

 さて、ウズベキスタンは冷戦終結、ソ連崩壊によってモスクワから独立し、しかし、その後は一貫してカリモフ(ソ連時代の共産党書記)が、「大統領」となって旧ソ連時代とかわらぬ独裁体制を敷いた。

昨年師走に急死したトルクメニスタンのニヤゾフ大統領や、隣の石油リッチ「カザフスタン」のナゼルバエフ大統領と同様に、これらは、昔の「カーン」。
ナゼルバエフは「大統領」ではなく、地元の人々は“ナゼルカーン”と呼んでいる。
 
 旧宗主国=ロシアは、引き続きこれらの地域に資源を武器として外交を展開し、強烈な楔を打ち込んできた。


 ▼25年もの開発プロジェクトの契約を締結

 2月19日、ロシアの石油企業大手「ルークオイル」の子会社は、タシュケントの支店を通じてウズベキスタン政府との交渉結果を発表。今年(2007年)にはウズベキスタンから130億立方メートルのガスを買い付けるとした。

 昨年実績は90億立方メートル。価格は1000立方メートル当たり100ドル(国際価格は300ドル前後)。じつはロシアは昨年ウズベキスタンから60ドルで買い上げていた。
 西側への販売価格は300ドルだから、どれほどプーチンの資源株式会社が潤うか。

 そのうえルークオイルは子会社の「ザルベズネフツガス」、その投資会社「ウズベクネフツガス」などを通じて、ウズベキスタンの貳箇所の鉱区開発に25年から30年の長期契約を締結した。

 これらによりロシアはウズベキスタンのガス輸入を500億立法メートルほど急増させ、これらのガスを距離的な計算から、ほぼ全量をロシア国内で消費、かわりにEUに近いロシア国内のガスを、パイプラインを通じてEUに売るというスキームを描いている(「ユーラシア・ディリー」、2月22日付け)。

 おりしも「サハリン2」騒動が収まり、さらに「サハリン3」にはインド、中国の出資を認めたロシアだが、「サハリン1」の輸出もパイプラインからLNGへの切り替えも検討中という報道がある(日経、2月23日)。

もしそうであるとすれば、近未来には「サハリン2」と「サハリン1」が合併というシナリヲが背後にちらついているのではないか。
 資源独占をねらって突き進むプーチンの動き、当分は目を離せない。
    ◎ ◎ ◎
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    ♪
(読者の声1) いつもすぐれた論説を読ませていただいております。
盗作にこと欠いて、あろうことか「朝日」の酔っ払い社説まで手を出す痴呆新聞の論説委員には、先生のメルマガから盗むように指導したいものです。
 さて米国の「反日」宣伝の狙いは過去の問題ではなく、現在と今後の日米離間と思われます。 
 放置するとボディ−ブローのように効いてきて日本の主張は世界で相手にされなくなるでしょう。この結果世界では戦前のユダヤ人のように日本人への民族迫害が起こるでしょう。
「日本人は殴って良い」。「日本人の財産を奪っても良い」。「日本人は殺しても良い」。
戦前の支那で起きた日本人迫害事件が良い例です。
 日本人は人種差別や民族迫害を他民族のものと思っていますが、自分たちが標的になっていることに気づかない。重大な油断です。
狙われているのは日本の子供たちなのです。

 ということで長期的な反撃の開始が必要です。次のポイントが考えられます:
1.日本人への危機意識の喚起(子供が危ない)
2.政府の長期的対策、出来なければ民間で行う。(座視できない)
3.米国人へは:
(1)米国の子供はすでに中共のミサイルの標的であり中共は日中共同の敵であることの啓蒙。
(2)騙されやすい白人は支那人に間抜けとして馬鹿にされていることを周知。
  (3)アジアには被害者を偽装した攻撃作戦があること。
       (MC生)
                                  


(宮崎正弘のコメント) 的確なご意見を頂きました。
 子供が危ない、という視点は重要ですね。
 さて、米国ですが原爆投下、東京大空襲など、この心理的負い目から逃れ、またアメリカ国民の歴史観が“歪まない”ように、米国が「南京虐殺」のでっち上げで、中国と共闘するのは、原爆問題を持ち出されたくないからであり、米国の歴史意識も、歪んでいます。



    ♪
(読者の声2)今回の分析(日銀の金利わずか025%)も論旨明快、見事に的確で脱帽。
「日本の当局者の対応の出鱈目、戦略のなさ、いや通貨が主権行為であることさえ忘れての右往左往。」
貴台のように、この指摘ができる者があまりに少ない現実はどこから来るのか。
 また行政や日銀で国際金融を扱うキャリアは、なぜかくも無様な対応しかできないのか、もう少し私のような不学な読者にわかるように貴見を示してくれませんか。
金解禁の際を思い浮かべるからです。国内と外の関係認識でのズレというか落差の生じる所以を、です
     (SJ生)



(宮崎正弘のコメント) このところ、会合や講演などで忙殺されており、くわしくは後日、後追い記事を掲げます。あいすいません。 明日からしばらく小誌は休刊となります。2月28日付けより再開予定。


   ♪
(読者の声3)崩御、薨去のコトバの区別に関してですが、史書《三国志》で、陳寿は蜀漢の遺臣なので、魏を正統とはしていても可能な限り故 国を尊重しようとしている。例えば、劉備が皇帝となったときの臣下の上奏文は載録 しているのに、正統のはずの曹丕の臣下の上奏文は無視している。 
また、劉備を「先主」と呼び、皇帝として扱ってはいないが、諱で呼ばないことによって、本名名指しの呉の君主と差をつけている。また、三国の君主・皇帝が没する時も、正統の曹操に崩、孫権に薨と差をつけている。 
と、wikipediaに掲載されてました。
日本の元号は、支那の書籍にその典拠をもつ故、漢字の使い方などは、遠く奈良時代より、定式化されているのではないでしょうか? 
  (TS生)

     ☆ ☆ ☆ ☆
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(休刊のお知らせ) 小誌は地方講演などの事由で24日から27日まで休刊です。
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  ♪♪
<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
http://www.amazon.co.jp/s?ie=UTF8&index=books-jp&field-author=%E6%AD%A3%E5%BC%98%2C+%E5%AE%AE%E5%B4%8E&page=1
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 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、残部僅少)

<宮崎正弘の三島由紀夫論三部作>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、残部僅少)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版。絶版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、最新刊)
      ▼
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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