国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/02/20



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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 2月20日(火曜日)  貳
通巻 第1715号  
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 米国の原油輸入も15%がアフリカから。2015年には25%になる。
   アフリカへの積極的関与を新戦略に打ち出す気配濃厚
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 アンゴラ、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、そしてコンゴ。
 米国が原油を輸入する国々。とりわけナイジェリア(米国原油全輸入の10%)とアンゴラは米国にとって資源戦略上、地政学的重要性を帯びており、中東の戦略的重要性に匹敵する。

 エクソン・モービルとシェブロンが、ナイジェリアで原油生産・精製などの操業をしているが、イスラム原理主義過激派ゲリアの軍事目標となって安全が脅かされ、操業が落ち込み、実際に06年には半分以下の生産となった。
 
 しかし93年ソマリアでの軍事的失態(18人の米兵が殺害された)、引き続き1998年にケニアとタンザニアの米国大使館爆破。さらにはルワンダとブルンジの大虐殺を看過し、スーダンのダルフールの於ける虐殺にも米国は関与せず、アフリカの安全保障機構に解決を委ねた。
 ワシントンのアフリカ関与は消極的姿勢にながれがちだった。
この間、あれよあれよ、という間に中国のアフリカへの浸透は顕著なほどになっていた。

 米国の世界軍事戦略では、北西アフリカは大西洋艦隊が、東アフリカはインド洋艦隊が、北アフリカは地仲海艦隊が分担し、米軍の配置はバラバラで、統一されたアフリカ防衛の軍事的機構はなかった。
わずかにジブチに米軍司令部をおき、ソマリアのおけるアルカィーダ秘密基地の空爆をしたのみ。

 2月6日の議会証言でロバート・ゲーツ国防長官は「アフリカの原油ルート、生産基地を防衛するためにも、新たな統一司令部の設置が急がれる」とした。
 その背景にはアフリカとの絆を大胆にして果敢につよめる中国への警戒心がある。
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(読者の声1) 産経新聞に「トウ小平秘録」という連載が掲載されています。
毎日愉しみで、じつに面白いですね。平易で判りやすくて、かなり実態に沿った事実を描いていると思います。
人名の後に、括弧を付して日本式の読み方を入れているので感心しました。その発音のほうが、シナの政治家や運動家、とにかくシナ人の名前は容易く頭に入ります。シナ風の発音なんて、頭に入りません。シナ風の発音を頭に入れて、シナに出掛けて発音したって、シナ人にまず通じませんから(笑)。
朝鮮人の名前も、日本風で構わないでしょう。現地風に発音して何の得や徳があるのでしょう。
外国の人名・地名・文物を自国風に発音したり、自国の文字に化かすることはその国との地理的距離の程度、交流の度合いに応じて行われるのが世界に普遍的です。
日本は朝鮮半島やシナ大陸と近接し、古より人的、物的、文化的交流がありますから、それらを親しく感じて和風に読み替えてきました。
それを近年、現地風に言い直す風があり、面妖なことと感じていました。産経新聞はこの”快挙”を、続けてほしいものです。
   (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント)この件に関してだけ小生は異見です。
というのは、国際的に言えば、英語メディアは、たとえばトウ小平をDENG XIAO PINGとかき、まさに中国の発音に合わせているように、毛沢東をMAO ZE DONGと、北京語というより普通語の英語表記が一般的です。北京語発音ならMAO TSUE TONG でしょうから。ともかく、このスタイルの表記、この十年、世界的に急速に標準化しました。
ですから欧米の人は中国人と会話しても人名、地名はすぐに理解できる。
日本は中国とは本来、同床異夢なのに、「同文同種」という妙な信仰とあやまった近親間がありますが、発音だけまったく異なる。
国内専門の方ならともかく通訳をやとえば済みますが、国際ビジネスでも海外との通信でも、いや観光で行った先の会話でさえも、中国風の、あるいは韓国風の発音を合わせておぼえておかないと会話が成り立たない。
サルトルもボバワールもフランス読みですし、サンクト・ペテルブルグとロシア現地読み。日本のマスコミは欧米の表現は統一して現地風です。英語でもないのです。サンクト・ペテルブルグは、ちなみに英語でよめばセイント・ピーターズバークですから。
 こうして徹底して現地読みを採用している日本で、中国、台湾、韓国での漢字が同じでも、日本読みの発音と言質読みを併記した方が、断然便利だというのが、じつは小生、異論と自覚しつつも、現場の体験から痛切にそう考えています。
 あ、ところで産経の連載でした。
 伊藤正氏(産経中国総局長)率いる北京チーム、いよいよ本領発揮ですね。北京に20人以上いるNHK。三人しかいない産経と、この差はいったいナンでしょうか?



    ♪
(読者の声2) 貴誌1714号(2月19日発行)に「イラクのスンニ派とシーア派は内ゲバの最中とは言え、クルド族の独立では呉越同舟になる」とあります。
フォーサイト3月号読売新聞カイロ支局の柳沢氏執筆の記事で19ページ最上段に「クルド人とシーア派の関係改善も見逃せない」とあります。この世界全ては流動的なので一概にはいえないのでしょう。
 「(読者の声1)」の「となれば日本政府は国債の発行を極力減らし、且つ歳出を大幅に削減(18年度国庫予算歳出純計:259兆円、借換債108兆円)して税収で借金を返す他に道はない。このままの財政状態を放置すれば、更に円安が進むと同時に国家の財政は破産に進む」
とありますが、まさに同感です。
それを防ぐにはプライマリー・バランスをなるべく早く達成することが緊要です。今年中にプライマリー・バランスを達成する妙案があります。
円安の今、円高の時外国為替特別会計でしこたま買い込んだ米国財務省債権を大量に売却するのです。差益を一般会計に回して、赤字国債発行をその分減らすのです。「これで円安が緩和し、日本から米国への輸出が減り、米国の貿易収支改善に役立つ。
日米同盟万歳。「ビッグスリー万歳」と財務省と外務省の合同記者会見で言うのです。これでは米国政府も文句を言えません。

ところで宮崎さんの『江戸のダイナミズム』の書評に富永仲基が出てこなかったのに意外さを感じました。なにか理由があるのですか。
    (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント) 富永仲基ですか。人名があまりにも多すぎて、書きこめなかったというだけであります。書評は所詮、評者の主観がはいりますから。
西尾先生の当該書籍では、重厚な思想家として、ちゃんと評価されております。
 はなしは飛びますが、アーノルド・トインビーに対して西尾先生の評価が意外なほど低い。これも意外でした。
 前にもどりますが、保有している米国国債を日本が売る。たしかに正論ですが、さて、いまの安倍さんや、かの日銀総裁の下で、そんな中国的蛮勇を行使できますかね?



    ♪
(読者の声3) 仕事場仲間と品川宿の場末の立ち呑み屋に寄ってから、飛び乗ったのは、いつもの東海道筋の早籠ではなく、各宿停まりの京浜東北の遅籠。
遅籠の入り口脇に陣取り、ゆるりと読み返したいものがあったからです。
それは、19日配信の貴台の大書評。天上天下唯一と申せる必竟の大書評。手に取ると、意外や、あっと驚くほど、わかりやすく、読みやすい『江戸のダイナ』。
しかし著者名が“西尾幹二”氏! それを見ただけで、読書人階級も、手にすることを、いささか躊躇うのではないでしょうか。
 しかし、人々にそんな先入観が仮にあっても、それを破壊・爆破する‘ダイナマイト’が貴台の大書評。西尾幹二氏の『江戸のダイナミズム』は貴台の大書評で、人口に膾炙し、より多くの人々の手に取られ、目に触れ、心にしみ入ることでしょう。
遅籠の中で酔ってしまったのは、品川宿の徳利酒か、籠の揺れのせいか、はたまた貴台の大書評のためでしょうか・・。
たしかなことは、貴台の大書評と『江戸のダイナミズム』の地響きが、相俟って読む者の体に伝えてくる酩酊感です。
『江戸のダイナミズム』を読まずに死ねるか!
    (HN生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)どうやら文面から拝察するに東海道線の車内は格好の読書室のご様子。
 漫画をよむ御仁が多い環境のなか、大著をお読みになるのはかなりの難儀では?
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、最新刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、増刷出来)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、残部僅少)

<宮崎正弘の三島由紀夫論三部作>

『三島由紀夫“以後”』(並木書房、残部僅少)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版。絶版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、最新刊)
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(予告)
 三島由紀夫研究会「公開講座」のお知らせ
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 恒例の第226回「三島由紀夫研究会公開講座」は、4月18日(水曜日)、午後六時半から「アルカディア市ヶ谷(私学会館)」で開催されます。
 講師は桜チャンネル社長でもあり、映画監督、シナリオライターでもある水島総氏。
水島氏は日本映画監督協会会員・日本脚本家連盟会員でもあり、連載コラムを月刊誌『WILL』などで健筆を振るっておられます。
水島総氏は早稲田大学文学部でトーマス・マンを専攻、同級生のひとりが、次のノーベル賞にもっとも近い作家と下馬評もある村上春樹氏でした。

 村上春樹文学は「意識」だけを重んじ、「祖国」とか「伝統」とか、独自の「文化」といったテーマを逃れながらも、世界性をもとめた作家。欧米ばかりか中国、台湾でもベストセラー作家ですが、伝統・文化・歴史を尊んだ文豪・三島由紀夫とは極めて対比的です。

 ドイツ文学にも造詣の深い水島総氏が、同級生の目を通して三島文学と比較し、村上文学を新たな視点から位置づける画期的な講座になるでしょう。


とき     4月18日(水曜日)1830―(六時開場)
ところ   「アルカディア市ヶ谷」(私学会館)四階会議室
http://www.arcadia-jp.org/access.htm
       (地図は上サイト)
講師と演題  水島総氏。「村上春樹とミシマ文学」
参加費    おひとり2000円(三島研究会会員および学生は千円)
どなたでも自由に参加できます!
問い合わせ  yukokuki@hotmail.com 三島由紀夫研究会公開講座係
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http://www.melma.com/backnumber_45206/
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