国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/02/08



 ◎ 小誌通巻1700号突破 またまた増刊号
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 2月8日(木曜日) 貳  
通巻第1701号  
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 ロシア、今度はブルガリア→ギリシアの輸出ルートに出資
  ウクライナを迂回し、西側へ大量の石油パイプラインを敷設へ
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 それにしても矢継ぎ早やである。
 プーチンの資源戦略、この一年の動きは電光石火、安全保障のハードな側面ばかりを追いかける政治評論家が軽視しがちだった「パイプラインの政治学」が機能している証拠である。

 資源は、たとえば石油でいえば、産油国だけに政治の目がいきがちだが、重要なのは原油原産地、鉱区利権、開発技術にくわえて、輸送、精製、そして販売ルート。
 従来は原産地を別として、ほぼ全てを欧米メジャーが寡占してきた。

 そして産油国からタンカーばかりか、地理的に可能な部分はパイプラインを通して輸送する。
日本は海に囲まれているためタンカー輸送しか考慮にないが、EU諸国などはロシア、中東と陸続きである。パイプラインが経済、工業の生命線となる。

 さて“ロシア版三大メジャー”とは「ガスプロム」「ロフネスチ」そして「ルークオイル」。
 また輸送をほぼ独占するのが「トランスネフチ」。ルークオイルを除いて、いずれもプーチン大統領率いる“KGB政権”の利権である。

 とくに新興「ロフネスチ」はプーチンの政敵ホドルコフスキーが経営してきた「ユコス」を強引に召し上げた企業だ。
突如、冤罪をでっち上げてホドルコフスキーを刑務所へおくり、その間に「ユコス」に巨額の脱税容疑を吹っかけて追加課税、ついにはこれを倒産させて、さっと横取りして作り上げた即席ながらの一大メジャー。史上空前の詐欺のごとし。
 
 プーチンは激務をこなし資源の一大ネットワークを構築中だが、その中枢にあるのが、パイプラインである。
 今度はブルガリアとギリシアとの間でパイプラインを敷設することに合意した。一日百万バーレル。パイプラインは280キロ。

 これはアゼルバイジャンなどがロシア(チェチェン経由)ルートから、トルコ・ルートに多様化したことを牽制し、黒海のボスポラス海峡を迂回してEU諸国へ輸出する。総工費は17億ユーロ(邦貨換算で2700億円)。

すでにボス歩ラス海峡は犇めくタンカーで海峡通過まちに時間がかかり、これ以上の航行余力はない。

「ブルガリア→ギリシア」のルートには、ロシアとブルガリア、ギリシアの三ケ国が合意した。
 ロシアはこの輸送ルートを運営するベンチャー企業に過半の51%を出資して主導権を握ることがきまっており、ロスネフチ、ガスプロム、トランスネフチの「プーチン資源企業御三家」が出資する。
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(読者の声1)西村真悟代議士。執行猶予判決。
外務省の佐藤優氏が二審実刑でしたので、誠に心配しておりましたが、本当に良かったと思います。今夜は“大五郎”の晩酌を二杯多く飲もうと思います。
西村代議士の逮捕に関して「憲法・靖国・拉致」でこれから一番働いてもらわなくてはならない代議士、このままいなくなってしまっては日本にとって、大きな損失だと考えておりましたから。
(MA生、東京)
 

(読者の声2)西村先生の執行猶予判決。今回の判決を聞いて本当に安堵しました。数少ない憂国の代議士としてこれからも支援していきます。
     (JK生、長野)

<<編集部より>> このほか無数の同様な御意見を頂きました。西村真悟代議士へ寄せる国民の暖かい感情が集中したナ、という思いでした。



   ♪
(読者の声3)通巻1700号、おめでとうございます。
ほぼ毎日の発行ですから4年半以上足掛け5年になるわけですが、この「国際ニュース・早読み」が大マスコミが垂れ流す数々の害毒の解毒剤としてどれほど大きな役割を果たしてきたか、無料でこれを継続する先生の心意気を思うとき、熱い使命感と危機感とを感じます。
言葉で言い尽くせぬほどの感謝です。
 通巻1699号にでた「読者の声」で「アモイのTT」さんが書かれた、パール博士と李登輝総統の言葉は、読むたびに”喝”を入れられる気がします。たしかに氏が云われる如くもっと人目を引く形で顕彰さるべき言葉です。

ところでお願いがひとつ。
「国際ニュース・早読み」の過去ログを検索するとき、題名で引くとすべてが同じになってしまいます。日付あるいは通巻号数は出てこないのです。
発行される段階では、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み 通巻○○号」と題名の中に含めていただければファイル整理上も大変助かります。
無料メルマガに感謝しておきながらこのようなお願いをするのは図々しい限りですが、きっと先生ご自身の整理にも役立つであろうかと思ってお願いする次第です。
(HS生、愛知)


(宮崎正弘のコメント)メカに弱いので、遣り方が分かりませんが、技術に強い息子が来たときに相談してみます。


 

(読者の声4)貴誌1700号で、「日本人は無宗教が多い」とのお答えですが、「神道+仏教徒」で人口を越える人数だそうです。
日本人の大半は“潜在的『神道+仏教徒』”だと思います。山本七平流に「日本教徒」という手もありますが。
仏教が渡来した時、それまでの八百万の神への崇敬が「神道」という形をとったときいています。つまり神道とは仏教との習合形態で出発した日本の土着宗教です。アニミズム(多神教)ですし、多元的で異教に寛容です。
 天地の「大いなる力」への畏れが基盤です。
「無宗教」は日本人には通じますが、外国人には通じないので、そういう表現をせず、「神道」とか「仏教徒」とか答えた方が誤解が少なく良いのではないでしょうか。
(KI生、大阪)


(宮崎正弘のコメント)舌足らずでした。仰言るように小生はアルメニアの若者には応えたのです。
 しかしあいだにロシア語の通訳がはいり、複雑なコトバを通訳がロシア語に訳せないうちに当方もコニャックに酔って説明が面倒くさくなりました。
煎じ詰めて議論していくうち要するに「神道+仏教」なるもの、かれらからみれば「異教徒+異教徒」は、かれらの思考外ですから、途中で議論も投げ遣りになって「無宗教」と回答したのでした(苦笑)。
 つまり外国人、とくにクリスチャン、イスラム、ユダヤという一神教徒に「多神教」を理解させるのは至難の技ですね。多神教のインドなどは比較的簡単なのですが。
 ときに中国では、こういう質問、されたことさえありません。



    ♪
(読者の声5)第1700号でアルメニアや山東人についてふれられていますね。
イランでイスファハンのアルメニア教会を見たときのことが思い出されます。
見た目はまるでイスラムのモスクと同じ。教会内にはイギリス人の墓もありました。第二次大戦前のものでしたがどういう経緯でアルメニア教会に埋葬されたのか。キリスト教つながりなのかアルメニアつながりなのか、そんなことを思い出しました。
バムのレストランで会ったイラン人はアルメニア系で、レストランの壁のホメイニを見てクレイジー(言葉にはしませんでしたが頭をさして指を回していました)。
山東人については成田空港で修学旅行でしょうか、済南の女子高生たちが日本語で「こんにちは」とあいさつ。中国人らしくないと思ったことがあります。
 小生、出身は岩手県ですが東北には鉤鼻のユダヤ人のような顔立ちや目鼻立ちのくっきりしたペルシャというかクルドというか西域系の顔立ちの人がけっこういます。
正倉院にペルシャの水差しがあるなら西域から人が来ていても当然かも。
日本人の顔立ちも地域でかなり違い平安美人などデフォルメだとばかり思っていましたが徳島にいったら平安美人顔があまりに多くてびっくり。平家の落人伝説もまんざらウソではないと思いました。
 沖縄ではタイ人顔(くっきり二重と鼻柱隔が奥まっただんご鼻)が多く泡盛がタイ経由で伝えられたと聞いて納得。台湾でも台北は大陸顔が多いですが基隆にいったら沖縄そっくりの顔立ちが多いですね。
名古屋ではベトナム顔も見かけましたが伊勢うどんと日本人町があったというベトナム・ホイアンのカオラオ(汁なし麺)がそっくりといいますから人的交流もあったのでしょうね。
浜松も二重・鳩胸・いかり肩のタイ人体型が多く一重まぶたの多い静岡市周辺とはぜんぜん違います。徳川政権以前はアジア各地に日本人町がありました。出て行くのは男が多く、現地で配偶者なり子供なりを得て日本に戻ってきた人も多いのではと想像したりもします。
中国でも唐の時代の美人画を北京で見てから上海に行ったら、現代の卵顔美人ではなくふくよかな頬にエクボと唐の美人画そのものの顔立ちのなんと多いことか。
台北の上海レストランで呼び込みの女性にあなたは上海の顔立ちだと言ったら上海出身でした。上海〜蘇州にかけて山口百恵さんのような顔立ちを見かけました。百恵さんは80年代に中国で大人気でしたが、ある種の中国人顔といってもいいのでしょうね。
 雲南、ラオス、タイ北部、ミャンマーなどは日本人そっくりの顔立ちも多いですね。
チェンマイなど渋谷に連れてきても違和感のない顔立ちもいるし、ミャンマーではミャンマー語の上手な日本人と思ったら日本語の上手なミャンマー人。
中国で出会う日本人旅行者も漢民族の少ない土地だと居心地がいいといいます。遺伝子のなせる業でしょうか?
   (PB生)


(宮崎正弘のコメント)旅のベテランからのご意見、各地各国における貴重なる観察記を有り難う御座いました。
 そうですね。山口百恵に似た中国女性、とくに中国の地方都市に多い気がします。
 いま全土で美容院がブームですが、沿岸部の都市の美容室でつかった器具が中古で地方都市へおり、その中古機械が田舎へ廻る。パーマ屋さんも大流行ですが、田舎へいくと料金も安く、その替わりおいてある雑誌やカレンダーが山口百恵似と中野良子似。
 男の髪型は圧倒的に高倉健似。ははは。
 もうひとつ都会の美容室できびきびと働く美容師の半分が男の子です。中国の文化的様変わりは、これほど迅速です。スピードは日本以上でしょうね。

 さて唐のはなしもでたので、有名な「唐三彩」。あれ、中国のものとばかり思っていましたが、テヘランのガラス博物館で同じモノをみたとき、「そうか、シルクロード経由でペルシアから長安につたわったのか」と合点がいきました。
 台湾の基隆に日本人顔が多いとのご指摘、じつは西南戦争で官軍に敗れた薩摩の若者が千五百名ほど、台湾へ渡ってそのまま居住したらしい。
また台湾へ行くと「西郷伝説」が残り、西郷さんが奄美に流刑中、本当は台湾に行って子供をもうけ、その子孫がつい数年前まで生きていたという伝説が、いまも宜蘭地方では信じられております。
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、最新刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、増刷出来)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、残部僅少)

<宮崎正弘の三島由紀夫論三部作>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、残部僅少)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版。絶版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、最新刊)
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