国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/02/06


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 2月7日(水曜日)   
通巻第1698号  (2月6日発行)
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 詐欺帝国「力覇集団」のボス王又曾夫婦はシンガポール空港で十一時間の尋問
  ハンスト。台湾送還拒否。結局、米国へ舞い戻り、サンタナ刑務所に収容された
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 既報のように台湾で主力銀行を倒産寸前に追い込み、多くの投資家をだまして、そのカネで中国に巨額を投資していた「力覇集団」。ボスの王又曾は第四夫人の王金世英とともに密かに台湾から逃亡していた。

 国民党の政商、あくなき利権屋。
 逃亡後の足取りは、昨年末に上海の豪華ホテル「クラウンプラザ・ホリディイン」に連泊していたまでは分かっていたが、その後、杳として姿を消していた。

 突如、シンガポール空港に現れて拘束されたのは2月1日。米国の潜入先からシンガポール空港で乗り換え、ミャンマーへ逃れる寸前だった。
夫妻の搭乗は密告で台湾当局に通報され、台湾はシンガポール当局に身柄の拘束を要請した。

 シンガポールは夫妻を台湾へ送還するか、出発地の米国へ送還するかを含め、十一時間に渡って拘束、尋問したが、結局、翌日(2月2日)、米国へ送還された。
 米国は旅券法違反などで王又曾を拘束、収監した。これで35日間にわたった逃亡劇は終わったが、謎が多く残った。

 第一に台湾からなぜ、(台湾の敵国であるはずの)上海へ逃げたのか。それは王が密かに中国のパスポートを入手したいたからではないか、という疑惑が浮上していた。

 第二に一緒に逃亡した王金世英は、王又曾の第四夫人で、米国のパスポートを所有していた。
 このため台湾は夫人の台湾送還を米国には要求できないことになる。

 第三に上海からひそかに米国に入国できた理由は、王又自身が米国のパスポートも持っていた可能性がある。

それにしても王又曾は精力絶倫でもあり、第一夫人との間に子供がふたり、第二夫人に三人、第三夫人に二人。第四夫人にふたり。これらの子供たちがグループ企業幹部もしくは関連会社役員で、銀行詐欺および株価操作に濃厚に関与していると言われ、殆どが捜査の対象となっている。

 おりしも馬英九の市長交際費使い込み事件も、起訴の方向にある。
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(読者の声1) 台聯団結連盟の『自由時報』における記事ですが、本当の李登輝さんの狙いは何だったのでしょうか。台湾の新聞もそうですが、「台湾独立路線放棄」なる報道は、日本の政界にも激震が走りました。
 多くの日本人の友人もえっとおどろいた「事件」でしたから。
   (YT生、山形)



(宮崎正弘のコメント)ともかく李登輝さんの爆弾発言、台湾各界を震撼させましたね。これ、李前総統一流の深謀遠慮とみました。
 統一派のテレビにも出ずっぱりですから、宣伝効果も抜群でした。
 最大のモチーフは年末の総選挙でしょ。
なにしろ国会議員の定数が半減し、否応なく二大政党制に移行する台湾政界は、あらゆることが総選挙対策に向かって突き進んでいると解釈すれば、台湾団結連盟が現有十二議席をいかに維持するか、あるいは民進党と一緒になると仮定すれば(親民党は、国民党と合体せざるを得ないでしょう。宋楚輸は引退を宣言しましたし)、その政界再編のダイナミズムのなかに台湾団結連盟の主導権をいかに確保するか、となる。
すでに党大会で「台湾団結党」への改称、党首交替が決められたのは一月下旬でした。
そのためにアドバルーンを高く掲げるには爆弾発言で政界をゆらしつつ、政策決定のイニシアティブを握るということになりますまいか。



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(読者の声2) <一夫疾呼すれば……>
 大紀元(2月3日)が、中国ではじまったブログ「実名制」について、これは当局の思惑とは反対の効果を生むかもしれない、と鄭義氏のコメントもつけて報じています。
なぜなら、今はかの狂猛な毛沢東の時代ではないから、中共といえども言葉だけで罪をなすりつけることはしにくい。実名発言ははじめは恐ろしいが、重ねるうち次第に強気になる。この状況下で人々の言論が、一旦実名で開放されれば、中国人の内心の恐怖心を取り除くことになり、統治者への大きな圧力になりうる、と。

 そこで私は以下、長野朗、小竹文夫や中川八洋氏らに据説(C&P)するのですが、

中国人は徹底的に自分本位、「猜疑心が強く、自ら能く虚言を吐くから人を信用しない」、(あくまでも現世的で、日常生活の密居密集を好み、利害のためには結合するくせに)実際はみんなばらばらで(つまり、費孝通の言う“差序格局”社会―「過去から連綿と続いている伝統・権威・慣習の棲息の場」となるべき、地域や信仰を基にする<中間団体>が存在しないという社会の基本構造)、だから、

「少数の強力者が多数を制し得る。少数者専制が社会の至る所に行」われてしまうことになり、そのような社会における中国人の処世としては、「強風が草原を渡るように、一時凡ての風潮の前に頭を下げる」「内心反対であろうが、自分に不利益であろうが、表面之に逆らふやうなことをしない。ただそれが通り過ぎるまで時節を待って居る。」
そうした「彼らの生活も一面極めて根強いものでありつつほんとうは真の自信の上に立つものでない」「それで革命が起れば一時に天下に広がり、排日が支那の一角で起れば忽ち全国的となる」。
 むかし清朝の皇帝も自分の民が「浮にして実ならず、流動に易く一夫疾呼すれば百夫饗応する」と嘆いておりました(ソース省略)。
そのように根から流動しやすい民であり、しかも、現状2006年の中国における公金流用の程度が、全国税収の50%、国民経済生産額の11.5%に達しているなどという状況があります(中国中央規律委員会調査―大紀元2/5。軍閥時代やアフリカの某々新興国にくらべれば屁の河童ダ、しかし電網時代の経済大国ですぞ!)。
 しかも、当局とブロガー白昼対峙している実名ブログでは、記事の事実性は、おのずから「浮」たりえません。
ここの基盤から、特権者をゆるがす「真―信」の結合が、あるいは生まれないとも限らないゾ、いや対策有れば又政策カナ、などと愚考しているところです。
 それにしても、報道実名制を、わが国売国マスコミ各社にもぜひ徹底していただき、たとえば「機械」発言を発掘した辣腕記者の名誉など顕彰してほしいものです。
    (石川県、3cats)


(宮崎正弘のコメント)なるほど。「それで革命が起れば一時に天下に広がり、排日が支那の一角で起れば忽ち全国的となる」。
 至言ですね。これは長野朗氏、それとも小竹文夫氏のコトバでしょうか?
 後節の「機会発言」とは、やや抽象的で二回読まないと、何のことかよく分かりませんでしたが、「職務をまっとうし、辞任しない」と居座った、あの大臣のはなしですね。
 鄭義は、米国へ事実上亡命した中国人作家ですね。おそらく。かれの傑作は中国人の人食い(カニバリズム)です。体質としての。



    ♪
(読者の声3)ドキュメント「南京の真実」映画化に関しては前々から関心を持っておりました。
最初は寄付の受付もまだ始めていませんでしたので「今か、今か」と待っていたのですが、貴誌1694号で受付を開始しているとのことでしたので、さっそく寄付の振込みをしてまいりました。
賛同者の方々を改めて見渡すと本当に錚々たるメンバーで、こうした方々とともに微力ながらご協力できることを嬉しく思っています。
(SO生、愛知)


(宮崎正弘のコメント)この制作発表会の記事ですが、台湾マスコミもかなり大きく取り扱っていました。それも中国同様にきわめて批判的論調です。ま、台湾のマスコミは九割が国民党系列、中華思想組が世論をつくっていますから、反日基調は当然すぎるほどに当然ではありますが。。。
 さてさて桜チャンネルからの報告に依りますと、先日の映画製作発表記者会見は世界の話題となりました。
 台湾の「自由時報」でも大きく写真入りで報道されたほか、週刊新潮をはじめ、インディペンデント紙、TIMES、ニューズウィーク、台湾CTITVなどの取材があった。
AP通信等の配信をもとに、各国でも記事掲載があり、とりあえずの一覧は下記のようです。
Mainichi
http://mdn.mainichi-msn.co.jp/national/news/20070125p2a00m0et018000c.html
アルジャジーラ(英文)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/CF6299CC-33CC-46B5-8179-C7E3933C6D00.htm
The Standard(香港、ビジネス紙)
http://www.thestandard.com.hk/news_detail.asp?pp_cat=20&art_id=36812&sid=11885125&con_type=1&d_str=20070125
ワシントンタイムズ(UPI)
http://www.washtimes.com/upi/20070126-124815-9722r.htm
JAPAN TODAY
http://www.japantoday.com/jp/news/397191/all
The Hindu
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/009200701260311.htm
UPI
http://www.upi.com/NewsTrack/view.php?StoryID=20070126-124815-9722r
NEW AMERIKA MEDIA(New California Media)
http://news.ncmonline.com/news/view_article.html?article_id=6eea897b478c03b23f2f70ef3d09fc32
ABC es
http://www.abc.es/20070125/espectaculos-cine/director-japones-anuncia-pelicula_200701250243.html
WEB INDIA123
http://news.webindia123.com/news/Articles/World/20070126/575064.html
オーストラリアン・ニュース
http://theaustralian.news.com.au/story/0,20867,21113291-1702,00.html
http://www.news.com.au/couriermail/story/0,23739,21113291-5003402,00.html
都市日報
http://news.readmetro.com.hk/news.php?startDate=25012007&newsid=34522
http://www.metrohk.com.hk/pda/25012007/a2e4928fdc463e90b5eaf6194483e51b.html
KERALA NEXT
http://www.keralanext.com/news/?id=955109
the International Herald Tribune
http://www.iht.com/articles/ap/2007/01/24/asia/AS-GEN-Japan-Nanjing-Film.php
History News Network
http://hnn.us/roundup/41.html
visir
http://www.visir.is/article/20070127/FRETTIR02/101270083
Asia Media
http://www.asiamedia.ucla.edu/article-eastasia.asp?parentid=62073
TMCnet
http://www.tmcnet.com/usubmit/2005/dec/1243836.htm
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(資料)
 以下は2月3日に行われた「生命線・台湾を守れ!」国民決起集会で採択された決議文です。主催者はこれを安倍総理大臣に届けます。

 <<決 議 文>>

中国は現在「中国統一」、即ち台湾併呑のため、軍備拡張に総力を挙げている。
その目的は台湾を軍事的拠点にして南支那海と東支那海の支配を完成させる一方、太平洋へ勢力を伸張し、東アジア及び西太平洋において覇権を確立し、中国を盟主とする国際新秩序を打ち立てると言う「中華振興」の国策遂行にある。
よって将来もし台湾が中国の手中に落ちれば、大東亜戦争前夜のABCD包囲網を想起するまでもなく、我が国のシーレーンはこの国に扼されて生殺与奪の権を奪われ、その従属国家とならざるを得なくなるだろう。だからこそ台湾は我が国にとっては運命共同体であり、絶対に死守すべき生命線なのである。
しかしこの生命線の防衛において我が国政府は如何なる措置を採ってきたのか。
台湾問題では無為無策に等しく、むしろ自ら進んで台湾を中国に譲り渡そうとしてきたのではなかったのか。歴代首相が中国に対し、「台湾独立を支持しない」との誓約を繰り返し、台湾問題は中国の内政問題であり、台湾は中国の領土であると事実上認め、国民を惑わし、台湾から士気を奪い、中国の野望を助長していることは、正にその象徴的な事例である。
だが台湾は断じて中国の領土などではない。
中国は「日本の台湾返還」を台湾領有権の根拠としているが、それが侵略の野心に基づく政治宣伝に過ぎないことは、我が国政府が一番よく知っているはずである。なぜなら我が国はサンフランシスコ媾和条約において台湾に関する主権は放棄したものの、中国を含め、如何なる国に対しても台湾を割譲しなかったからだ。そもそも台湾が中国と併合するか否かは、あくまでも国際法上の原則の通り、台湾住民の自決にのみよるべき問題である。
 ところが政府は只管中国の怒りを恐れ、敢えて台湾の自決権を否定し、中国の武力による領土拡張と言う許されざる動きを座視しているのである。これは正しく国防を忘れた事大主義であり、敗北主義であり、亡国主義以外の何物でもない。かつて生命線であった満蒙の確保、防衛のため数多の血を流し続けた日本人の勇気と気概は一体どこへ行ったのだ。
 そこで我々は以下の如く、中国覇権主義への毅然たる措置を、政府に対して要求する。

一、国際社会に対し、「台湾返還はなかった」「台湾は中国領ではない」との事実を国際社会に向けて明らかにし、中国の台湾侵略の動きを抑止せよ。

一、集団的自衛権の行使の容認のほか、台湾関係法の制定など、台湾有事に備えた法整備に着手せよ。

一、台湾有事を視野に入れ、中国の軍拡に有効に対処すべく、軍事力の増強に努めよ。        

一、日中国交断絶をも恐れることなく、日台米軍事同盟を締結せよ。
  以上、決議する。

  平成十九年二月三日
            「生命線・台湾を守れ!」国民決起集会参加者一同

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(サイト情報)ブッシュ大統領は2月5日、2008年度(2007年10月-2008年9月)の予算教書を連邦議会に提出した。
(1)2008年度予算教書
Budget of the United States Government, Fiscal Year 2008
http://www.whitehouse.gov/omb/budget/fy2008/budget.html
(2)ブッシュ大統領のメッセージ
The Budget Message of the President
http://www.whitehouse.gov/omb/budget/fy2008/message.html
(3)2008年度予算のメインページ
Fiscal Year 2008 The Budget Documents
http://www.whitehouse.gov/omb/budget/fy2008/
(4)2008年度予算についてのファクトシート(分野別)
http://www.whitehouse.gov/infocus/budget/BudgetFY2008.pdf
http://www.whitehouse.gov/omb/
(5)ポートマン行政管理予算局長のプレスブリーフィング
 http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/02/20070205-3.html
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、最新刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、増刷出来)
 『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、残部僅少)

<宮崎正弘の三島由紀夫論三部作>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、残部僅少)
『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版。絶版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、最新刊)
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