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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:2/5


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 2月5日(月曜日)  貳
通巻第1695号  (臨時増刊号)
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 またまた錬金術の手品師、不良債権が世界一の中国農業銀行を上場へ
  天文学的不良債権950億ドルを、いかに始末するのか?
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 (この文章は拙論「中国投資はブラックホールにカネをなげる行為」(『WILL』三月号所載)の補遺としておよみ頂ければ幸いです)


 中国農業銀行の不良債権は950億ドルと見積もられている。
なにしろ中国国内に数万支店、行員数が五十万人もいるマンモス・バンク。 腐敗した党官僚や地方幹部の汚職の巣ともいわれ、また農業政策の失敗による不良債権の膨張は解決不能、「いずれ解体か、倒産させるしかあるまい」と“西側”の資本主義の論理では考えるだろう。

 そうはならないところに、かの「中国的」「社会主義的」「市場経済」の論理的飛躍の秘密がある。

 2005年の“公式統計”で中国の不良債権率は4・8%、それが昨年2006年に3%になった。昨年末の不良債権総額は128億ドルであると、中国銀行監督当局が発表した。
 この数字が面妖なのはいうまでもないが、そもそも中国農業銀行だけで不良債権が950億ドルといっておきながら、トータルの不良債権が、その八分の一しかないという矛盾した数字に関して、その齟齬に対してさえ、まるで不感症のように一切の説明がないのだ。

 ともかく外資導入で、急場をきりぬけた地域銀行は多い。
CITIC系列は、本社をのぞいて日本の銀行が餌食になり、ほぼ全てが焦げ付いた。ヤオハン倒産のころのはなし。

 一昨年あたりから欧米ヘッジファンド系列の投資が猛烈に開始され、名うての禿げたかファンド「ニュー・ブリッジ・キャピタル」(サンフランシスコ本社)は、民生銀行および深セン発展銀行の大株主に躍り出た。

 民間銀行の不良債権率は2003年度末が24%、それが06年度末に6%にまで激減したそうな(IHT紙、2月5日付け)。
 (三年間で四分の一、って、どんな手品を駆使したのでしょうか?)

 中国には地方政府が監督する地域銀行が110行もある。
国有の四大銀行ほどの競争力はないにせよ、有力なのは上海銀行、北京市銀行、南京市商業銀行ほか重慶、大連、長砂、武漢などで外国資本への株式売却が一斉に始まるとされている。
錬金術の手品、まだまだ続く。
        ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
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   ♪
(読者の声1) 先月27日、福岡で行われた「台湾訪問団」の帰朝報告会へ行って来ました。
「中華は未だに露骨な『反日』感情丸出しなのに、団体の冠に”中華”を持ってくるのは不謹慎では有るまいか」
 と申し上げてきましたが、その「中華」を冠する原因が判りました。
 玄洋社(社名)の或る人が参加者を紹介する折、臓腑が飛び出さんばかりの歴史認識を吐露されたからです。
 「『玄洋社』と言えば中華の国主と成られた革命の師、孫文先生を匿っていた有名な政治結社ですが、実はその孫文先生が台湾を創ってくれて今日が在るのですね、台湾は孫文先生が創ってくれたのです」というので、唖然としました。
 即、同卓の人達には訂正を入れ、「『玄洋社氏』は歴史認識に大変な誤りをしている」として、
「孫文は稀代のペテン師で、許し難き裏切り者。文豪魯迅の『阿Q世伝』は孫文の事。呼称『台湾』は孫文とは縁も所縁も無い事。元々台湾は『台湾人の物』で、中華とは無縁な事」
等を歴史の裏付けを持って説明したところ、同席した多くが、これまた驚きらしくて、
 「えっ、ホントとですか。そんな歴史が有ったとは知りませんでした」ですと。
 歴史認識がこの程度ですから訪台団が第八次に到っても、尚、いまも「中華」を冠している理由がやっと判りました。
 毎年講演にお見えになる黄文雄氏も何故「中華」を外すように申し入れないのか、此れ又不可思議です。
 くだんの氏は「中華(台)親善友好慰霊訪問団」の行事に、台湾で面会した著名人等々との事を紹介(地位と名前だけで内容は何も無い)して悦に入っておられますが、正名「台湾国」を口にされることはありません。私にはどうも胡散臭さが残ります。
 福岡にも結構多くの「宦官」が居て実に腹が立ちます。麻生知事にしても姉妹都市だからといっても「南京屠殺館」で恭しく献花をする等の行為は如何なものか。恥知らずにも程があると思います。
 ところで日本側から反撃が開始される「南京の真実」の映画化は、宮崎先生も発起人のお一人ですね。嬉しく受け止めています。可能な事なら死体役か、足役でも協力にはせ参じたいものです。
 映画化大変楽しみにしています。
   (TS生、佐賀)
                          

(宮崎正弘のコメント)「死体役」とはご冗談もきついですが、劇ではなくドキュメントですので、貴重なフィルムやインタビューや、科学的根拠をもっての合成写真のインチキを見破るドキュメント方式がとられるのではないか、と思っています。


   ♪
(読者の声2)今回の取材旅行は「多分インドではないかな」と勝手な想像をしていたのでマカオ・華南とは意外でした。
  昨日付けで、ちょっと触れておられた「華僑の淵源」ですか。先生にとっては既知のテーマのように思え、雑誌等からの特別な依頼取材かなと思ったりしました。
(HS生、豊橋)


(宮崎正弘のコメント)華僑は日本ではひとくちに「華僑」という概念でひとくくりにされておりますが、実態は(1)広東系、(2)福建系と(3)最近の新移民と三つに大別され、さらに邑別に細別されます。
アメリカへ渡った最初のクーリー貿易の担い手が、広東省の江門を中心に新会、開平、台山など五邑(ごゆう)といわれる場所から集中して渡米していきました。
かれらの多くは炭坑や鉄道敷設の労働者として奴隷同然のあつかいでしたが、なかに成功するモノがでて、やがてカネを貯めて故郷に錦を飾り、欧米風の豪邸を建てた。
その豪邸群の跡が田圃のなかに群立している現場が開平郊外の赤カン村です。
 拙著『出身地でわかる中国人』は、いずれ改訂版がでると思いますが、この特殊な江門の華僑に関しては触れておらず、じつは江門、開平の現場の奥地へは初めてでした。
 開平駅からオンボロなローカルバスに乗ったまでは良かったのですが、途中、すごい訛の車掌だったので赤カン(欧州風情街区のあるところ)を聞き漏らし、隣村の「百合」というところまで走ったところで気付き、慌ててバスを降りて、さて、タクシーもなければ反対側へ向かうバスも来ない。
 六キロのたんぼ道を歩き、赤カンという集落へ汗びっしょりかいて、戻りました。途中の水田、とうもろこし畑に水牛、のんびりした田園風景。ただし化学肥料でしたね。
 街にはいると、やはり想像通り、働き盛りの男女がいない。みんなアメリカへ渡って過疎の村でした。


   ♪
(読者の声3)先週バンコクへ行ってきました。
スクンビットのホテルに泊まったのですが、中国のホテルでおなじみの備品価格表(バンコクでは今まであまり見かけませんでした)にはスーベニール・プライス・リストとあり、石鹸皿50バーツから家電品まで網羅されておりました。
アラビア語のルームサービスメニューまでありましたからアラブの人もホテルの備品を持ち帰ることが多いのでしょうか。
アラブ系の客は石油高の好景気でますます増えペッブリー通りまで進出。スクンビットエリアは値ごろの空き室がほとんど取れない状況です。
アソークのソイ・カウボーイのゴーゴーバーでは、タクシン政権時代に水着着用の規制がありましたが、いまやシースルーや“すっぽんぽん”の店もあり数年前に戻ったかのようでした。
なにより客層が欧米系と日本人メインだったエリアにアラブ系や中国人が進出していたのには驚きでした。
背広の中国人グループ(仕事のついででしょうか)の真剣なまなざしは十数年前に新宿のストリップ劇場で見た中国人と同様で、中国で日本のAVが人気というのもわかる気がします。
中国の公衆浴場でコンドームの自販機が義務付けという報道がありますが、中国のコンドームのパッケージはブロンド白人女性のものも多く、バンコクでもマカオのように旧ソ連系諸国の娼婦が中国語で客引きをする光景が見られるようになるかもしれませんね。
  (DB生)


(宮崎正弘のコメント)スクンビットといえば、日本人街でしたのに、そうですか。
ホテルの備品の価格表一覧は、いまの中国では三流ホテルしかありませんが、つまり小生が宿泊するようなホテルではいまも普遍的。そもそも性悪説で成り立っているくにです。
今回広州で定宿の花園酒店(ガーデンホテル)が取れず、五百メートル離れたアジアインタナショナルという五つ星に偶然回されました(ま、予約もしないで旅行するのが悪いのですが)。
特割料金で、しかもスィートルームでしたので、狐につままれた思いでしたが、要するにメンバーシップのフロアの空き部屋がたまたまあったので、偶然小生に回されたことに気が付きました。
つまり、豪華メンバーシップのフロアがいまの先進地域では普遍的となり、しかも翌朝驚いたのですが、宿泊していた殆どが中国人ビジネスマンでした。
駅裏の安宿にとまる大量の観光客もまた中国人です。二極化の典型が進んでいます。



   ♪
(読者の声4)2月4日に開催された「ポーツマスネットワーク」の勉強会に出ました。 
貴誌に開催予告があったからです。本来、この種の会には、もう歳も歳だし、でない積りでしたが、気になることもあり、行ってきました。
 講演の石平さんの話しはたいへんよく 盛り上がりました。小さな部屋ではありましたが、立錐の余地無くなかなかのものでした。
石平さんはたいへんフェアで、アジテーターではないので好感が持てました。中国現代史の生き証人的信憑性があります。真の中国の愛国者でしょう。
また講演後、雑談的にいろいろと質問していろいろなことが確認できました。
好き嫌いとイデオロギーを外して、小生同様に!)小平を高く評価していたほか、大筋の認識が石平さんと同じであったのも収穫でした。
二次会にも出ましたが、楽しい会でした。最初は「宮崎さんは二次会にはこられる・・」と聞いていましたが、後刻疲労欠席と告げられて残念でした。
     (TK生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)そうですか、失礼しました。
石さんの講演が盛り上がったのはなによりです。深せんでは、あいかわらずトウ小平の大看板が立っていました。江沢民の看板があるのは、広州市の繁華街くらいになりました。
 広東全域で売られていたベストセラーは、ほぼ全てが、上海汚職の内幕本、おそらく二十種類はあるでしょうね。小生は荷物になるので貳冊ほどしか買ってきませんでしたが(苦笑)。
         △△△△△
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)。
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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  1. 新年早々中国で1週間ホームステイしてきました。

    車で移動中、何かの制服を着た若い男の違法駐車による渋滞に遭遇した。相手を確認したと同時に、運転手の友人と同乗していた義妹が車を飛び降りての大抗議。
    指を指しフロントガラスをたたいて怒鳴りまくって15分。
    はじめはとぼけていた男もしぶしぶ車を発進させたがその間も通行人も混じっての大騒動でした。
    車に戻ってきたので「なぜそんなにむきになるのか」聞くと、
    「奴は共産党の軍隊だから」と枯れ声での返答(彼はもともと共産党嫌い)。
    「そんなことしても大丈夫?」
    「今は大丈夫、昔とは違う。マスコミも書くし、ネット(主としてケータイ)があるから。連中の好き勝手にはさせない」
    確かに昔は事件にすらならないインチキや、もみ消されたり発表されなかったであろう、役人の汚職や警察とやくざがらみの不正の報道が増えていた。
    去年の暮れ、北京動物園が不要になった犬数十匹の処分を発表。それをネットで知った数千人が集まり、2日にわたりデモ。とうとう動物園を謝らせたということがあったそうです。
    どうせまた例のあぶり出しの「百家争鳴させる策略」でないかと危ぶんでいますが、
    「これからはそんなことはない、メールがあるし、中国も変わりつつある」と楽観していました。
    4千年騙しと裏切りの国中国がここ数年で変わるとは思えませんが、どうなりますやら。

    日本応援団 2007/2/5

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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