国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/01/22


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 1月23日(火曜日) 
通巻第1686号  (1月22日発行)
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<< 今週の書棚 >>

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越智道雄『新ユダヤ成功の哲学』(ビジネス社)
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 アメリカ通の越智教授がユダヤおよびユダヤ系ロビィについて最新のデータに基づいた情報体系を詳述した。
数年前にブッシュ大統領が、エール大学時代に所属した秘密倶楽部に関しての報告を興味ふかく拝読した。また越智道雄教授の「ブッシュ家 vs ケネディ家」というアメリカの政治構造の分析にも啓発されたものだが、今回も裏の情報が隅々にまで満載され、アメリカばかりか、世界のユダヤ社会をえぐりだす熱血の書となった。
 おりからヒラリー・クリントン夫人が次期大統領選挙への出馬を正式に表明した(1月20日)。
これで2008年11月に向けての陣容が各党、はやくも出そろったが、米国大統領選挙は、いまは序奏に過ぎず、08年二月からの長い長い予備選から開始される。
その予備選の仕組みがなぜか、ユダヤ有利のメカニズムになっている。
 まずは議会を「第四の占領地」と豪語する「アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)という強力なロビィが存在する。
同団体は1944年発足、最初は穏健な、「おとなしい人道主義的団体に過ぎなかった。これが今日の「最強のユダヤ・ロビー」に変貌する経緯は、ホロコーストによって叩きおとされたどん底から長い弱気の時期を経て、再びユダヤ系ならではの自信を回復する過程を象徴しており、その点が日本人の手本にもなりうるかもしれない」(183p)。
 またユダヤ系の「市民団体」が三つあるが、ADL、AJC、AJGのなかで際だつほどのタカ派は「ブナイブリス反差別同盟」(ADL)である。
FBIも一目置くと言われる情報力。かれらは「イスラエルを喪うくらいなら世界を敵に回す覚悟」を固めている。
 このADLに対抗してハト派ユダヤ系団体が「AJC(アメリカン・ジューイッシュ委員会)」。
もともとドイツ系アシュケナージの上流層が組織した「高貴なるものの責務」を標榜するミニ団体にすぎなかったのに、戦後、組織は肥大化して機関誌『コメンタリー』は政治的影響力を高めた。
 AJCの創設メンバーには日露戦争のときに日本に融資してくれたシフ。さらにルーズベルト政権で商務長官となったシュトラウスがいた。
 06年の百周年大会には、ブッシュ大統領ばかりか、遠くドイツからメルケル首相がお祝いに駆けつけた。
 「このAJCにイスラエルで呼応するのは(イスラエルの)労働党である」(195p)。ほかにもユダヤ系ロビィの解説が詳しくある。
 さて全米に590万のユダヤ人は全体の2・2%でしかない。ところがユダヤ人は大都会に集中して居住している。これが選挙に強いユダヤ票の秘訣である。
 NYにはNY総人口の13%、マイアミは15%、ロスアンジェルス5%、フィラデルフィア6%,さらにシカゴ4%,サンフランシスコに5%,ボストンが8%(いずれも「世界ユダヤ会議」資料、1996年)。
 集中的爆発力と政治力を発揮するに充分な人口であり、評者(宮崎)などから見れば、大統領選挙予備選の長期戦をたたかう軍資金も、順当に時系列に配分できるシステムとも取れる。
 越智教授も、この人口分布が問題であると指摘し、「ユダヤ系が最も集中しているアメリカの上位7都市は、いずれも大統領選の死命を制する『選挙人』の数が多い州内にある」(248p)。
 こうして政治構造的な特色を様々なデータから分析した本書は極めて有益である。



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東中野修道『南京「百人斬り競争」の真実』(ワック出版)
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 百人斬りは、もちろん無かった。戦意高揚のためのふわ付いた報道が、日本で誇大に歪曲され、外国から日本に伝わったわけだが、これを逆用して中国は二人を死刑に処したのだ。
 この名誉を晴らさなければ遺族は死んでも死にきれない。いや、日本人全体が貶められて辱められて、この不名誉の不当を訴えつづけなければ、次世代の若者に会わせる顔もないのではないか。そこで、百人斬りは嘘だとして、裁判がおこされ、多くの国民が立ち上がった。
 しかし裁判所は、この訴えを退けた。
 「南京事件」を研究して、この方面で第一人者となった東中野教授は、この不当な「百人斬り」の嘘を歴史的文献や証言者を網羅して、徹底的に検証した。
その成果と真実がここにある。
驚く無かれ中国の裁判で証拠なるものの一つに援用された書籍が「田伯烈の著『日軍暴行紀実』の鮮明に記載していると述べて、それを証拠に、両少尉(野田、向井)に死刑判決を」下した。
しかし、「両少尉は裁判の過程で、それは日本の新聞を翻訳して掲載したに過ぎず、田記者の目撃ではない」旨を反論している。そのうえ、「この当時、田伯烈は南京にいなかった」のだ。
さてさて、この「田伯烈」って誰?
 東中野教授は、「田伯烈とは英国マンチェスターガーディアン紙の中国特派員であったハロルド・ティンパーリ記者のことであ」り、彼が編集した『戦争とは何か』の漢語訳が、『日軍暴行紀実』だろう、と指摘している。この箇所は極めて重要である。
 ティンパーリの漢語名が田伯烈だったのだ。


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東中野修道『南京「事件」研究の最前線』(展転社)
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 日本南京学会(東中野教授が会長)の年次報告で、毎年刊行されるシリーズだが、今本は平成十九年度版である。
 同学会は年に数回、会報を発行しており精密な分析、研究がなされている。東中野教授はふとしたことから南京の研究に入り、はやくも十八年。
 中国や、反日国家が政治宣伝に利用している「南京大虐殺」なるものの「証拠写真」が、悉くインチキである事実を満天下に明らかにした功績でも東中野氏は世界に知られる。
 「南京大虐殺は戦争プロパガンダだった」というまえがきから開始される本年度版には、数人の力作論文が並んでいる。
 とくに大虐殺があったなどと風聞を誰かが意図的に人工的に無責任にながして、それが上海にいた外国人特派員の耳にはいって裏付けも取らずに世界へ打電された。
 前掲書に述べた謀略の主役「田伯烈」こと、ティンパーリは、東中野教授らの調査で「国民党中央宣伝部の顧問」だった事実が判明している。
「そのティンパーリ氏やスマイス教授(南京大学)に資金を出して、これこれの宣伝本を制作したと自伝に書いたのが、中央宣伝部国際宣伝処所長として、宣伝工作を推進した曾虚白教授でした。そしてまたペイツ教授も蒋介石政府の顧問であった」。
つまり、『戦争とは何か』という宣伝本を編集したティンパーリは、国民党の命令を受けた宣伝要員であり、「南京陥落から漢口陥落までの十ヶ月間に三百回も記者会見を行っていたにもかかわらず、またその間に「南京大逆殺物語」という新聞記事や四万人説をテーゼとする『戦争とは何か』がでていたにもかかわらず、記者会見で南京大虐殺を世界に知らしめたことは一度も有りませんでした」(本書19p)。
 にもかかわらず中国の陰謀による政治宣伝は世界にいまも垂れ流されている。
 映画まで作られ、アメリカのハリウッドのハト派やらユダヤ系団体まで巻き込んでの世界的希望の反日謀略が進んでいる。
 ついに日本人も立ち上がるときが来た。
 元映画監督の水島総がメガフォンを取って、南京の真実がついに日本人の手によってつくられることになった(詳しくは産経新聞、1月21日付け。この映画に関しては後日,詳報します)。
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(読者の声1) 映画「それでもボクはやってない」を観ました。
主人公は電車内で痴漢行為をしたカドで捕まり、罪を認める供述(自白)をしないので、徹底的に警察と検察に苛められます。この作品はイロニーに満ちています。現在の日本での弱々しいオトコの性(さが)の実相が描かれています。同性としてまことに身につまされます。
明日、いいえ、今から乗ろうとしている電車内で我が身に降りかかる災難になるかもしれないのですから。
オナゴの訴えを疑いもなく受け入れる弱きを助ける日本の警察・検察。しょうがないのです。検挙率の稼げない取り締まり機構は、きょうびチカン事件ぐらいでしか点数を稼げません。
そしてそんな軽犯罪の刑事事件を請け負う、いわゆるどぶ板を踏む弁護士は少なく、検事にしたら立件して有罪に持ち込むのはチョロイのです。裁判官はチカン事件で無罪判決を出して被告を喜ばすことと身内の警察・検察に怨まれることを“比較衡量”して、まず有罪にします。
あまりにリアルに日本の警察・検察・司法のありさまと矛盾が描かれていてビックリします。そしてこの映画は植草一秀氏へのエールになっているとも感じました。オトコの皆さん、法曹を目指す方々もぜひ御覧ください。
  (NH生、品川)


(宮崎正弘のコメント)そういう映画まで作られる時代になった、という点がまず、驚きですね。そのまんま東「宮崎県新知事」も見たかな?


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(読者の声2)『月刊日本』二月号の貴台のコラム(海亀派と所得格差)を興味深く拝読しました。
文中の米欧帰りの中国人留学生が「海亀派」と書かれてますが、これは「回亀派」とおなじですね。違いますか?
    (SY生、三鷹)


(宮崎正弘のコメント)おなじです。亀は卵を産みに古巣へ帰ってくるように、中国語の「回」は還る、という意味と「イスラム教徒」という意味があります。海(hai)、回(hui)ともに発音が似ておりますから、両方とも同じ意味です。
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<< 今月の拙論 >>

(1)「海亀派と貧富の格差」(『月刊日本』2月号。発売中)
(2)「広州GDP一万ドル倶楽部入りに思う」(『北国新聞』、コラム「北国抄」。1月22日)
(3)「中国投資はブラックホールにカネを投げ入れるようなものだ」(『WILL』三月号、1月26日発売)
(4)「中国ビジネスは危険がいっぱい」(『正論』、3月号、2月1日発売)
(5)「上海にはびこる拝金と偽中華文化」(『自由』、3月号、2月10日発売)
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(サイト情報)米議会の諮問機関である米中経済安全保障再考委員会 (U.S. - China Economic and Security Review Commission) は、米国などの人工衛星に対抗するため、中国が検討している戦略を分析した報告書を発表した。
中国は、中距離弾道ミサイルを使った衛星攻撃兵器(ASAT)の実験の成功が発覚したばかり。この報告書では秘密裏に開発した兵器システムで米衛星に奇襲をかける計画の存在や、電波妨害や地上局破壊などの可能性を明らかにしており、中国が米国の衛星を攻撃・破壊すれば、米軍だけでなく米国の経済活動にも破滅的な影響を与えると警告している。
(1)米中経済安全保障再考委員会の報告書の全文: An Assessment of China's Anti-Satellite and Space Warfare Programs, Policies and Doctrines、U.S. - China Economic and Security Review Commission, January 19, 2007. 80p.
http://www.uscc.gov/researchpapers/2007/FINAL_REPORT_1-19-2007_REVISED_BY_MPP.pdf
 (2)米国務省国際情報プログラム局の解説記事:Nations Share U.S. Concern After China Space Missile Test: U.S. Asserts All Countries Have the Right to Peaceful Access to Outer Space、International Information Programs, Department of State, January 19, 2007
http://usinfo.state.gov/xarchives/display.html?p=washfile-english&y=2007&m=January&x=20070119164158MVyelwarC0.3514063
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  お待たせしました。大増刷出来!

  宮崎正弘著『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
   北京愛国、上海出国、広東売国の実態は? 
         本邦初の中国人国記
  (長い間、品切れでご迷惑をお掛けしました)

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 << 石平さん講演会のお知らせ >>

「ポーツマス・ネットワーク」では2月4日に評論家・石平先生をお招きして講演会を開催します。

「なぜ中国は日本を憎むのか」というテーマです。
 石平先生は共産中国の民主化の旗手として、言論界でご活躍されておられます。是非ともご参加ください。

演題    「なぜ中国は日本を憎むのか」
講師     石 平先生(評論家)
日時     2月4日(日)午後2時〜4時(1時半開場) 
会場     九段上区民集会室1F(靖国神社のすぐ側です)千代田区九段南2-9-6 
定員     60名(要予約、先着順) 
会費     一般2000円、学生1000円(要学生証) 

参加申込先→https://secure.mynetworks.co.jp/formmail/00061299/
詳細確認:http://www.nichiro-pn.com/meeting4.html
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>

 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
 『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)。
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