国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/01/09


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 1月9日(火曜日)  貳
通巻第1665号    臨時増刊号
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香港通貨当局、ドル・ペッグ制からの離脱を射程に
 インフレ対策の妙味は失われ、人民元に追い越されそうだから?
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 通貨の「固定相場」を香港、中国が事実上採用してきた。
 IMFは、固定相場制度を認めないので、かれらは「準変動相場」という曖昧な表現をしているが、要するに狭いレンジ内での変動を認めている。実際は固定相場である。

 香港ドルは1983年、50%もの通貨暴落を演じて猛烈インフレに襲われたあと、固定相場制度に移行した。一米ドル=7・8香港ドル。
 香港だけが世界への窓だった当時の中国は、この香港ドルのレートに依拠し、一ドル=8・2人民元という固定相場制度を採用してきた。

 効果はあった。
87年のブラックマンディ(ウォール街の株価暴落)も89年の天安門事件の余波で予測された暴落も防御できた。固定相場があったからこそ、暴落の危機を乗り越えることが可能だった。
97年の香港返還も、翌98年のアジア通貨危機では香港は150億ドルと投じて介入し、この固定相場制度を死守してきた。

 しかしながら、この準固定制度ともいえる為替レートにほころびが目立ち始めたのが一昨年7月からで、爾後の16ヶ月間に人民元はドルに対して相対的に4%前後切り上げとなった。

 「香港の米ドル・ペッグ制は23年つづいた。まもなく人民元と香港ドルの価値が等価となるのは時間の問題」と香港の通貨当局者が語っている(ヘラルドトリビューン、07年1月9日付け)。

 「次の五年間で、香港ドルは、人民元と混交されての“通貨バスケット”に移行するだろうし、次の一年以内に香港ドルはペッグ制を変更するだろう」(ロイヤルバンク香港支店の通貨ストラテジスト)。

 動きは急である。
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(読者の声1)貴誌のご指摘。唸りますね。
おとといまで華南の地を歩いてきましたが、人民元は確かに強くなりました。実感です。
珠海ではもうマカオ通貨なんぞを受け取りません。
深センでは、香港ドルを出すと、嫌がられます。「どうしても。。。」といえば、受け取りますが、交換手数料として深センの大型デパートでは、人民元500元のものを買うのに、香港ドル500ドルを出すと、10ドル程度のペナルティーを取られました。
80年代初め、北京で外貨券を使い、人民元とは自由市場でプレミヤ付きで交換できたのに、なんと隔世の感がありました。


(宮崎正弘のコメント)80年代のおわりから90年代の初め頃、深せんや中山へ行ったおり、駅前に群がっていた、あの闇屋。あやしげな両替商らの阿鼻叫喚。みんな、「香港ドルと両替しよう?」だった。
 時代の変化はじつに恐ろしいエネルギーを含みますが、いかにも中国的です。
 嗚呼、まさに「悪貨は良貨を駆逐する」。



   ♪
(読者の声2)高井氏の核問題の難しさの指摘は立派なご意見と思います。
1.方向性
具体的菜方法としては島国の報復力は原子力潜水艦搭載の核ミサイルで確保が常識になっています。日本もこの方向を目指すべきでしょう。
 2.時間
問題は開発の時間があるかどうかです。日本が丸腰なら周辺核武装国家は日本の開発を邪魔するために容赦なく核兵器を打ち込んでくるでしょう。
したがって米国の支援は不可欠です。それでも米国のアジア撤退の動きは避けられません。
 3.選択ではなく必須
日本の核自衛は選択の問題ではなく必須の問題なのです。
したがっていかに早く米国の勢力のあるうちに達成するかです。これは生存の問題なので憲法の改正は不要と思います。またNPTにも北の脅威が迫る中で緊急避難として核自衛を伝えるべきです。
 4.米国の逃げ足
キッシンジャーは日本政府が核自衛の準備をしていなかったとしたら驚きであると述べています。いつのまにか非核政策が日本政府の落ち度にされているのです。
米国は日本の核自衛を望んでいます。
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント)反日家のキッシンジャーが、またまたそういう逃げ口上を言いだしたのですか。知りませんでした。
最近、小生、彼の書くものを殆ど読みません。共和党のなかでさえ、彼は蛇蝎のように嫌われておりますし、ね。



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(読者の声3)核理論は、難解で専門知識の欠けた唐変木には理解が及びません。
専門家の高井氏が核を持つ、持たないというナイーブな議論に留まっていることに警鐘を鳴らしていることは、かろうじて分かりますが。
日曜の夕方観ていた、或るテレビ番組に、キッシンジャーが出てきて「日本がまだ核を持つ準備をしていないのなら、それは驚きだ」とコメントをしていました。その発言部分が一時間余りの番組の中で都合三回繰り返し流されていました。
『ボイス』の最新号でしたか、ブッシュが日本の核武装を認めたと誰かが書いていると思います。
一方、日曜朝のテレビ番組に出ていた元首相は、「アメリカの本心は日本に核を持たせないことにあり、そのために日米同盟を維持しようとしている」と発言していました。
日本人の発言だからということではなく、こちらの方に信憑性を感じるのは、私だけでしょうか。 
アメリカは日本に警戒の目を向け、本心を探ってきているように思います。
昨日の弊投稿への貴台のコメントにありました、“アメリカの日本への焦燥”があるのでしょうか? それは奈辺にあるのでしょうか?
    (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント)昔、ポール・アードマンが『1979年の大逆転』とかの近未来小説(正確な題名を思い出せませんが、当時ベストセラーになった)をだして、西ドイツが一夜にして核武装するトリックを書いていました。
 その後、秘密裏でもなく、ドイツはSS―20に対抗するために米国のパーシング!)を配備し、驚いたロシアがドイツ向けの実戦配備ミサイルを撤去します。
 当面(あくまで当面です)、日本が見習うべきは、このドイツ経験であろうかと思います。


   ♪
(読者の声4)本年も益々冴えた分析期待しております!
 さて共同8日付、新疆ウイグル自治区において警察当局がウイグル独立派の訓練基地を攻撃、18人を殺害、17人を拘束。
近年、これだけの人数を一度に殺害したのは異例と報じています。
はて、最近中国は「近代国家」として海外への体面を保つため、大国らしく虐殺はコッソリ闇で遂行していると聞きますが、今回の18人殺害が表に出てくるとは如何?
パキスタン、アフガンからイスラム原理主義者がウイグルに入り込み、ウイグル人を教化するムジャヒディーンの訓練基地が存在するといった「中国のプロパガンダ」が現実化し、当局もあせり、畳み込みに入った、、、。
考え過ぎでしょうか?
昨年秋には「東トルキスタン解放組織(ETLO)」が中国当局に宣戦布告したとの報道もありますし、少し動きが気になります。
 話はそれますが、数年前ウルムチへ行ったことがあります。
西域旅情もへったくれもなくダダの大都会がありました。新疆博物館においては「楼蘭の花嫁」の横にたくさんの「漢民族のミイラ」が展示(ホンモノ?)。
新市街で見かけるウイグル人は新装開店の店先で楽器を奏でる客寄せウイグル人のみ。
市街はさすがにウイグル人ばかりで「きた!シルクロード!」と感動しながらバザールを冷やかしていたら、いつの間にかカメラを拝借されていました。
「さすが!」と感動したのを覚えています。
  (AK生、渋谷)


(宮崎正弘のコメント)ウルムチは、漢族の入植が多く、とうにウィグル族の人口を超えて、まさにご指摘の「西域旅情もへったくれもなくダダの大都会」です。
それから「新疆博物館においては「楼蘭の花嫁」の横にたくさんの「漢民族のミイラ」が」あった由ですが、小生もあの博物館を行って、ミイラの展示をみました。ミイラはホンモノでしたが、それが漢族であったか、どうかはDNA鑑定をしていないのでは?



    ♪
(読者の声5)貴誌の指摘した中国要人の来日ですが、国旗焼却、大使館破壊など国際ルール無視の狼藉に(日本が)謝罪要求さえしないのは、あの国(日本)ならいくら侮辱をしてもよいというサインを世界に発信するものでしょう。
胡錦涛の訪日要請を断じて容認できないのです。
 この際、(問題の解決を)はっきりさせない限り、真の友好はありえないことです。国交を閉ざそうとも日本は困らない。かえって中小企業復活の起爆となること請け合いです。
   (MY生)


(宮崎正弘のコメント)一日二万人から三万人の機動隊が全国から動員されて、東京はまた鼠一匹漏らさない厳戒態勢になりますね。
 それほど胡錦濤の来日は日本のサイレント・マジョリティからは歓迎されていない証拠でもありますが。。。。
 早稲田大学に希望。この男にだけは大隈講堂で講演させるな!
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、1月中旬増刷出来)
 『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)。

(宮崎正弘の三島由紀夫関連三部作)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房)
 『三島由紀夫“以後”』(並木書房)
 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版、絶版)。
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