国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2007/01/08


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 1月8日(月曜日) 
通巻第1663号    
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 ついに人民元が香港ドルの通貨価値を超えた
  紙くずから地域的ハードカレンシーに変貌する威圧感と将来のシナリオ
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 まず「インタナショナル・ヘラルドトリビューン」紙(2007年1月6日付け)の経済欄にあるデータを拾うと、
 人民元 対米ドルレート  7・805
 香港ドル 同       7・789
 日本円          118・70円
 
つまり邦貨換算で、
 1人民元は  15円21銭
 1香港ドルは 15円24銭
 まだ、この日のレートでは僅かながら0・03円(つまり三銭)だけ香港ドルが人民元より高い。

 07年一月第二週(つまり今日からの週)に、おそらく人民元が香港ドルより強くなるだろう。
それは歴史的な瞬間である。
中国の経済史を画期するターニング・ポイントとして長く記憶されるに違いない。

 既に一月の第一週に何が起きたか?
 上海株式市場の新規上場企業の数が香港を越えたのだ。
資金調達額も上海が香港を上回った。
 アーンスト&ヤング(世界有数の会計監査方針)の予測にしたがえれば、2007年のIPO予測は2800億香港ドル。上海が2800億人民元に成長するだろう、という。

 1月4日のレート(118円70銭)で上記を邦貨に換算すると、
 香港が 4兆2672億円
 上海が 4兆2588億円
 となる。
 週明け早々に人民元が香港ドルとの為替レートを超えるだろうから、上記邦貨換算額は上海が香港という国際金融市場においてさえ(IPO市場のみだが)確実に逆転するのである!

 嘗て紙くず同様の貨幣が人民元だった。札びらは汚くて手垢にまみれ、ちぎれており、黴菌が付着しているかのごとく、銀行に還流していない証拠だった。
 90年代まで、広東を中心に華南全域では香港ドルが通用したばかりか、人民元より歓迎された。町にたつ両替のオバサンは口を開けば「香港ドル、もってないか?」だった。
 貨幣価値の大転換が起きるというのは経済的側面から言えば「革命」に近いのである。

 トここまで書いてきたところへ、香港の知り合いが次の情報を寄せてくれた。

「世界最大のゴルフ場と銘打った深センのミッションヒル・ゴルフクラブは昨年末からプレー費の支払でHKドルの方が、人民元に対して弱いレートに設定されております。
日本企業系の恵州にあるゴルフ場も同業他社の動向を見ている最中です。
同社の幹部はレート変更を検討している。深センでHKドルを受け取らなくなることは十分に考えられます」。

驚くべき変貌ぶりが華南の地で起きている。
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(読者の声1)日本は突発的台風、寒波、大雪で寒いそうですが、『フィガロ』の世界温暖化特集記事を見ていたところです。石油代だけは節約になるとか。
さて安倍首相が九日の来欧を前に、蛇を首に巻いた写真をはじめアキ夫人の「日本の突飛なファーストレディ」という特集が面白く、好感度アップの作戦と見ています。
ル・モンドなどフランスの反日メディアは昨年秋の親王殿下ご誕生以来、だんまり。次の日本批判の機会を狙っているようです。
  (パリの一読者)


(宮崎正弘のコメント)私事ながら、突発的台風のため、予定していた旅行を途中で切り上げました。本日は休刊を予定していた小誌も、そういうわけで繰り上げ刊行というわけです。


   ♪
(読者の声2)蓮池薫氏が北工作員として日本に潜入し日本人拉致に協力していたという週刊誌記事を見ました。ありうることですね。
 もし、そうでなかったなら蓮池さんはきちんと反論したほうがよろしいでしょう。
 蓮池薫氏の帰国後、間もなく兄の蓮池透氏が、あれだけ熱心に務めていた家族会の事務局長を降りて、活動から引いてしまったことも釈然としません。
 透氏は著書『奪還 第二章』の中で、帰国後、警察当局から事情聴取の時に蓮池薫氏が極秘入国の是非を訊かれたと、憤りながら書かれています。
 透氏の憤りは警察当局だけでなく拉致を傍観していた日本政府、多数の政治家、日本国民全体に向けられたものと理解します。
しかし当局は何か情報を掴んでいたのでしょう。仮に北工作員として日本に潜入していたとしても、家族を人質にとられ、北の脅迫のもとで強いられてやったのですから恥じたり隠そうとしないで、明らかにしたほうがいいでしょう。
 蓮池氏に限らず帰国できた方々はそれまで模範的に北に従っていたから帰ってこられたのでしょう。
 へたなことをしゃべると、まだ北にいる拉致被害者が困ったりするかもしれないでしょうし、そういう脅迫を北からされて帰国したと思います。
 しかし事実の解明は残酷な拉致の実態を世に知らしめます。
 それにより国際世論が高まり、北に対する拉致被害者解放の圧力になります。
蓮池薫氏に限らず他の帰国者にも情報の開示をお願いしたいものです。
    (HN生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)拉致問題、ことしも日本人の情緒を強く刺激し、これが普通の国なら当然付帯している、かの外交的合理性に影響を与えるでしょう。
しかし半面、この日本的特質に依拠する日本の当局の場当たり的対応が、確実に中国と北朝鮮に政治的苛立ちを与え、米国を意外な方面で焦燥させ、ひょっとしたら“想定外”の展開になることも考えられるのでは?


   ♪
(読者の声3)1/4(水)の早読みで、神奈川の「ST氏」が昨年の大ニュースとして5月の彗星衝突回避を挙げておられたが、実際はどういういきさつだったのでしょうか。
誠文堂親光社発行の2007年版天文年鑑によると、2006年の小天体(小惑星)の特異接近は2例報告されていますが、これは2月と8月で5月は記載がありません。
同年鑑の2例は以下のものでいずれも異常に近い接近で「ニアミス」というよりは衝突寸前だったように思います。同年鑑からかいつまんで申し上げると―、

(1)アポロ型特異小惑星2006DD1 最接近時:2月23日06時54分(協定世界時、以下同じ)
同日最接近時30分前からカナダ・アラスカ上空を通過し北極海上空で地球に最も接近しその後ロシア上空、カスピ海黒海方面上空をかすめた。最接近時は地表から約11万km上空であった。この天体の直径は約17mと推定されている。観測光度は約12等。肉眼では見えない。
 
(2)アポロ型特異小惑星2006QM111 最接近時8月31日21時29分 これは先ず南インド洋を通過し南極大陸上空で地球にもっとも接近し、その後オーストラリア大陸上空に達して去った。
最接近時の地表からの距離は約15万km。これの直径は約10m。観測できたときの光度は14等で勿論肉眼観測は不可能。
 2例とも接近以前からの追跡観測により軌道要素はかなり計算されていた。
 いずれも地表から10万km程度の距離で接近していて、天文学的には衝突寸前といえま
す。
この2例とも地球接近図が添えられていますが眼を見張る図です。
もし地球に衝突すればその運動エネルギーは「通常」原子爆弾の何百、あるいは何千倍の衝撃であったことと思われます。
    (TF生)


(宮崎正弘のコメント)天文学には門外漢です。御教示有り難う御座いました。
さて連休中だったので、ST氏に連絡したところ、すぐにも下記のご意見をいただいております。

(ST生からの回答)
 私は昨年1月に某所より平成18年中に彗星が異常接近するが、結局は回避できるとの情報を得ました。情報源は公開できませんが、非常に信頼性の高いところです。
結局は回避できるとのことなので、追加情報は求めませんでした。
 昨年5月にフジテレビのニュース速報で、現在彗星が接近中とあり、その約1時間後に回避できたとのニュース速報がありました。したがって、あれが、1月に聴いた情報のものと思っていました。
その情報源からは非常に確度の高い情報を提供していただけますが、こちらから追加情報を求めることは困難です。
したがってその情報源が言及したのが天文年間にあった2月ないし8月のものであったのかフジテレビのニュース速報にあった5月のものかを私は知りませんし、今後確認をするつもりもありません。
ただしTF生氏の言われた天文年間にあったケースでも絶大な被害を起こしかねない大変なケースであり、ニアミス以上の異常接近でした。
いずれにしても分かっていても政府もマスコミもだんまりを決め込んだという点は非常に重要であると考えます。
公表したほうがよいと私が思っているというわけではありません。やはり事前には秘密にするしかないのでしょう。
しかし、やはり事後には、天文年間のようにごく一部の人しか見ないものでなく一般に伝達すべきなのではないですか。(ST生、神奈川)


   ♪
(読者の声4)貴誌に阮銘さんの著書の書評(『共産中国にしてやられるアメリカ』、草思社刊)があり、中国の戦略が分かる、とてもスケールの大きな本という印象でした。読み応えがありました。
ひとこと御礼申し上げます。
さて安倍総理の中国口封じ戦略は今のところうまく行っているような感じで、その一方で、対台湾への積極的姿勢が徐々に明らかになりつつあるようです。
海洋基本法の制定は時間の問題になり安堵しています。
海賊情報共有センターといい、海洋基本法の制定といい、日米の共同対処計画といい、 これほどのスピード感をもって安倍総理が取り組むとは予想を遥かに超えていました。 
 「やるなー」という感じです。
これで安倍政権が米国とともに「台湾の独立宣言」への明確な対応策を出せれば、台湾の国内情勢も変わるのではないでしょうか。
期待しているところです。
         (MY生、板橋区)


(宮崎正弘のコメント)安倍さんへの失望論が多かった中で、久しぶりに肯定論を伺いました。明日(9日)から安倍首相はヨーロッパ歴訪です。
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宮崎正弘出講の公開講座のお知らせ
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 「立ち上がれ!日本 ネットワーク」の公開講座。どなたでもご自由に参加出来ます!
       記
講師と演題   宮崎正弘「2007年、今後、中国はどうなる」
とき      1月18日(木) 18時30分〜20時30分
ところ     「全国町村会館」 第1会議室
                 地下鉄(有楽町線、半蔵門線、南北線)・永田町駅3番出口徒歩1分
        会場地図  http://www.zck.or.jp/kaikan/access/index.htm
        住所と電話番号 東京都千代田区平河町1−11−35
会費      資料代として500円

参加ご希望の方はお名前と「第5回公開講座参加希望」と但し書きをされて下記にメール、もしくはFAXにお送りください。
    メールは kokaikoza@tachiagare-nippon.org
    FAXは 03(5211)6310
 お申し込みいただいた方にはネットワークの事務局より確認のメールを差し上げます。 
定員は100名、あと少しだけ席があります。
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 (当日、会場にて拙著のサイン会も行います)。
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<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、1月中旬増刷出来)
 『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫)。

(宮崎正弘の三島由紀夫関連三部作)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房)
 『三島由紀夫“以後”』(並木書房)
 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版、絶版)。
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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