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 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:12/29


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成18年(2006年) 12月29日(金曜日) 
通巻第1657号   < 年末最終号 >
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 異常なユーロ高、日本だけが取り残された世界の株式市場
  日本の大手企業が乗っ取られる危険なシナリオなどが来年へ持ち越し
****************************************

 ことしの印象を三つ挙げろ、と司会者から言われました。昨日収録録画した年末スペシャル四時間(詳細は下欄)の冒頭です。
 
 殆どの出席者(西尾、西部、西岡、西村、田久保、黄、平松)からは親王殿下の誕生、安倍政権の誕生とその存在の急速な稀薄化、北朝鮮の核実験など共通項がありました。

そこで小生、同じことを言っても仕方がないので、経済に絞って、以下の提言をしました。
個人的に印象に残る三つとは、

(1)ユーロの突出的な価値膨張
  産油国、EU諸国とロシアが外貨準備をユーロにシフトし始め、ドルは相対的下落。
 一ユーロは発足から低迷し、90円台だったものが、いまや一ユーロ=157円。 
 この「通貨戦争」が、人民元切り上げと絡んで来年にもつれ込む

(2)中国、インド、アメリカの異常な株高
  日本経済は実質上は回復しているのに、なぜ株はまだ低迷しているか。
  世界の流動資金が日本をパスして中国などBRICSとウォール街に向かい、株式が鉄火場化していること。
したがって経済は実態からますまる乖離している。

(3)貿易、技術方面でも異常なアングルに要注意
  米中貿易はアメリカの2000億ドルもの赤字だが、さりとて中国ばかりか世界的に、画期的発明はなく、インターネット上での“ビジネスモデル”の発明に若干の改良があったくらい。
技術的には文明的停滞に入っている。 
 だが、多国籍企業の巨人が国境を越えた買収を始めており、やがて新日鐵が宝山製鉄に、或いはトヨタが中国の自動車メーカーからTOBをかけられる日が来るだろう。
 M&Aの動向こそ、防衛同様に注視していく必要があるだろう(けさの日経一面トップも「日本企業 M&A15兆円 今年3割増、件数は最高」と大見出しがおどっている)。

 というわけで、さて録画中に印象に残った三つとは、
 (1)田久保、西部のやりとりがアメリカをめぐって先鋭的に対立、面白かった。小生の中国論と平松のそれとの対立点が浮上
 (2)西岡が韓国に於ける親米反共勢力の奪回シナリオ(実現するか、どうかは別)と平松の悲観的観測の対比。
 (3)西尾、西村の本質を鷲掴みにした論の立て方、黄文雄の文明論的アプローチ。

 どうぞ、大晦日、紅白歌合戦の裏番組です。お楽しみ下さい。
 余談ながら四時間番組なんぞ前代未聞、出演していても疲れますね。
 (文中敬称略)。
    ◎ ● ◎ ● ◎ ● ◎ 
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  ♪
(桜チャンネルから特別番組のお知らせ)

 大晦日、スペシャル四時間ぶっ通し!

 <日本とアジアの未来、そして核武装を問う>
“日本よ、今。 闘論!倒論!討論!”
 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 12月31日 20:00〜24:00
  1月  6日 24:00〜28:00 (再放送)

 出演 西尾幹二、田久保忠衛、平松茂雄、黄文雄、宮崎正弘、西部遭、西岡力、西村真悟、司会=水島総(順不同、敬称略)
  △ ◎ △ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜              
   ♪
(読者の声1)「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成18年(2006年)12月28日(木曜日)通巻第1656号の(読者の声1)の中のイギリス人に関する観察は炯眼である。
ただしこの場合の「イギリス人」は英国人ではなくイングランド人に限った方がより正確であると考えます。
アングロサクソンの侵入に際しアイルランドまで泳げないため仕方なくウェールズに残って二級市民に甘んじたゴート人たちや北方の山奥に逃げ込んだケルト系スコットランド人までも海賊の末裔と言うのは言いすぎでしょう。
スコットランド人には日本になじみの人が多くいます。
小泉八雲を創め明治時代のお雇い外国人学者、技術者の多くはスコットランド人でした。
薩英戦争の賠償金支払義務を幕府から引き継いだ明治政府に対して、英国政府は、燈台を造ることを条件に賠償金を三分の一にすることを提案しました。当時燈台設備の製造で世界一と言われた会社はエディンバラにあり、その会社のオーナー社長の家がエディンバラの学者、エンジニアのサロンとなっていました。
その社長の紹介で多くのスコットランド人学者、技術者、それも直接交渉では渡日を説得することが難しい優秀な人たちが日本に来てくれました。
(読者の声2)に言われるとおりナショナリズムとnationalismは異なります。
日本のナショナリズムの根底には愛国心があります。宮崎さんの言われるとおり中国人で愛国心を持つもの少ないのでしょうが、この点は韓国人も同じです。
自国を愛していれば、自国の全てが受け入れられます。歴史に関してうそをつけません。
古い小説、映画ですが、「ある愛の詩」の中で妻を亡くした主人公が父親に言った、「Love is you never have to say you are sorry.」(愛とは決して後悔しないこと。)という台詞はまさに的を射ています。
ただし日本のマスコミがこういった区別ができるようになるのは当分難しいと考えます。ジェンキンス氏が米国の実家でテレビカメラに向かって、「I thank Japan very much.」といったのを「日本から遠く離れたアメリカに来られて幸せだ」と訳すような放送局が公共放送だといって視聴料をとっているようではなかなかまともにはなりません。
   (ST生、神奈川)
 

(宮崎正弘のコメント)以前、平川裕弘氏を話していた時ですが、急に思い出したことがあるのです。
30年ほど前にサンフランシスコで拾ったタクシーの運転手が、突然「あんた日本人か。ラフカデル・ハーンを知っているか?」と聞いてきた。
 「知ってますよ、もちろん。かれは日本名が小泉八雲。けど、なぜ?」と私。
「おれはハーンの孫だ」と言う。
毛むくじゃらの白人で、どことなく薄汚れた印象でした。
 あり得ない話ではなく、かれはシンシナティ時代からはぐれ鳥で、各地に彼女がいた、という説があります。ハーンの研究家としても知られる平川氏は肯定も否定もしませんでした。
 ご趣旨とは関係のない雑談でした。


  ♪
(読者の声2)ナベツネが日経新聞の今月の「私の履歴書」を書いていますが、12月14日付けの回で上司の正力松太郎を嘲っていました。
昭和30年の保守合同の動きを掴んでいたのは毎日新聞の記者で、政界進出に野心のあった正力は大野伴睦、三木武吉らに踊らされていただけと書いていました。ナベツネは正力が嫌いだったのです。 
他紙でバカ扱いしていながら、自社の読売新聞で連載し、二巻本に仕上げた『検証 戦争責任』ではA級戦犯に訴追された正力のことを何も書かせていないのです。 
これって片手落ちじゃなくて両手落ち、首落ちです。
公正な報道どころか、自社の汚点(私はA級戦犯は汚点でないと思います、しかも正力は不起訴です)としてコソコソ消し去る元共産党員らしい振る舞い。偽歴史捏造(同義反復ですがあえて強調)はコミュニストの具備している得能です。
ナベツネは所詮二等兵として前線に送り込まれて、天皇に反感を持った俗物に過ぎません。 前にも書きましたが、天日(てんにち)という編集委員がスピーカーに立った講演会で、私がそのことを質問したら、天日は、「私はその回の担当じゃありません」と言い訳をしました。 
怒る気にもならず、彼に憐れを感じました。こんな新聞社が発行する新聞が最大部数を誇っているのが日本のマスコミ界の現状です。

 さて、『正論』二月号に上島嘉郎編集長が周英明氏の追悼文を寄せています。 
病院から周氏の遺体の教育解剖への献体要請があったのに対して、ご遺族は、教育者として生きたパパだからと協力したと書かれていました。 
聞き及ぶところでは周氏は質問や相談に来る学生に対して(周氏は東京理科大学の教授でした)、食事中でも自分の研究時間でも校外でもいつでも快く応じていたそうです。
日本で生まれ、戦後台湾に渡り、台湾政府の特待生として東京大学に入学し、反蒋介石政権運動でパスポートを失い、命を危険に曝しながらも、人一倍の教育者であったのです。 
拉致被害者奪還運動で中心となって活動していた蓮池透氏は周氏の教え子でした。
台湾と日本の主権運動の闘士が数十年前に師弟の関係にあったことは奇しき因縁といえます。
 周氏は学生運動に入れ込んで担当教官に見放された学生でも、自分に頼ってくる者全員に手を差し伸べたそうです。 こういう教育者が一校にひとりいれば日本の教育現場は傷まず再生の必要はなかったでしょう。 
周英明さんは日本人以上に日本と日本人を愛した人でした。 ご冥福をお祈り申し上げます。 
  (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント)ナベツネ氏は、いかに人事権を駆使して組織を壟断するか、共産党運動時代から身につけた戦術を巧妙に使ったようです。あの履歴書(日経新聞連載中)は噴飯に近い内容と法螺話が含まれていると思います。
 読後感が「いやな感じ」でしょ?
 周英明氏とは四、五回ほどしか飲んだ記憶がありませんが、端正で折り目正しく、ああ、この人格者ゆえに、奥様の金美齢女史を制御できる(失礼?)と思ったものでした。
 蛇足。「片手落ち」はマスコミ禁止用語で、最近は「片落ち」と、なんのことか意味不明の表現をマスコミではしております。ことほど左様に“言葉狩り”が進んでいます。国語教育、歴史教育、そして日本語の無国籍化!


(編集部から)ご投稿分も1月5日付けから再開です。
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(年末年始は休刊です)次の発行予定日は1月5日からです。それでは読者の皆さん、よいお年をお迎え下さい。
        ◎ ◎ ◎
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   ♪ 
<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、発売中)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店、発売中)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、1月中旬増刷)
 『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、同上)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、旧題『金正日の核弾頭』を改題、文庫化。品薄)。

(宮崎正弘の三島由紀夫関連三部作)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房。最新刊発売中!)
 『三島由紀夫“以後”』(並木書房、注文すれば入手可能)
 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版、絶版ですが、アマゾンで流通しているようです)
    ▼
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所2001−2006 ◎転送自由。転載は出典明示。
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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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