国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2006/10/20


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成18年(2006年)10月20日(金曜日)   貳
通巻第1591号    
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だから言ったじゃないですか、中国のGDP成長率は出鱈目だって。
  統計局長の解任はデータ改竄の責任をとらされただけ?
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 香港の『文匯報』は中国国家統計局長が突如、解任された理由を「邱暁華は”重大な規律違反”のため当局の取り調べ中」と報じたのは10月14日である。
 統計局長の「免職」を新華社が伝えたのは、その二日前。10月12日である。
 
 拙著や拙論で過去にもたびたび指摘してきたように「中国の公式統計は大嘘」だ。
抗議は一度もなかったが、随分とあちこちから反発があり、反論もあった。
しかしこの事件が皮肉にも、中国の統計数字が出鱈目であり、小生の議論が正しかったことを、いみじくも証明してくれたことになる。

 とくに経済統計はGDPの公表で中央政府の数字と地方政府の数字に巨大な齟齬があり、まったく正確を欠く。
 或る省では幹部が会談して「中央政府が8%といっているなら、我々は24%でいこう」というむちゃくちゃな討議で決められる。

  ピッツバーグ大学のロースキ教授が三年前に、
「たとえば或る年の経済成長が8%と発表されたときの電力消費が10%落ち込んでいた」
などと精密なデータで論証し、「過去二十年間、中国の経済成長の平均は、およそ3%ないし4%の間だろう」と発表している。

 中国政府は、このロースキ教授を「いかがわしき学者、ならす者」呼ばわりして罵倒したものだった。

  さて香港情報によれば前国家統計局長の邱氏は胡錦濤政権が目標としている投資抑制方針にそぐわない統計を出したりしており、また失脚した陳良宇・前上海市共産党委員会書記の汚職事件と関与した疑惑が報じられている。
 統計局は記者会見で「上海の社会保障基金事件を調べていた関係部門が重大な規律違反の疑いを発見した」と回答している。

 上海の摩天楼、汚水に沈みそう。
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(お知らせ1)

【宮崎正弘講演会】(どなたでも参加できますが、予約が必要です)

日 時 11月3日(金)2時〜4時(1時半開場) 
会 費 2千円(資料代を含む)、学生半額(要学生証) 
会 場 九段上区民集会室1F 
(九段南2−9−6、靖国神社のすぐ近くです。) 
定 員 60名(要予約) 
講 師 宮崎正弘(評論家)「安倍訪中後の日中関係」
詳細確認・参加申込はhttp://www.nichiro-pn.com/meeting3.html  

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(お知らせ2)宮崎正弘のTV出演
 21日(土曜日)と28日(土曜日)の午前11時から30分
「BS朝日(デジタル5チャンネル)」の新番組「ミッキー安川の真剣勝負」に、宮崎正弘が出演します。
 ほぼ30分。トーク番組です。BS放送です。念のため
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
11月7日 発売 !
『三島由紀夫の現場』(並木書房刊。予価1700円+税)
(来週に特典付きの予約を募集します!)
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(読者の声1)貴誌「反金正日クーデタの可能性」(平成18年10月20日 通巻第1590号 10月19日発行)を考える際の中国内にある有効条件とは?
金日成が親中派を粛清した際に中国に亡命した北鮮人が相当数いる。
どれだけの数かは不明。ただし、亡命した朝鮮人から14年前に聞いたのでは、5万人。
日本時代に現在の韓国にあった旧制中学出身のその方と出会ったのは、現在の東北部の幹線鉄路の寝台車で同室になったため。車室は6つのベッドと記憶している。
他にNY在住の韓国系米国人学生二人、北京に出張の漢人の将官。他の一人は忘れた。
当方が日本人と見て、カタコトの日本語で話しかけてきた。
語彙から戦前とわかった。なぜ私が日本人とわかったのかと聞くと、雰囲気だと応えた。日本敗戦後にスカウトされて沿海洲に行き、軍事訓練を受け、そのまま北鮮に留まったとのこと。
どこに住んでいるかは言わなかったが、南支と言っていた。
瀋陽で別れるときに、名刺をもらうと、北京にある対外関係の団体名であった。ただし、普段は南支にいるので、北京は連絡先と言った。5万より多いのではないかと聞くと、笑って答えなかった。
粛清が始まった際に残っていたら殺されただろうと言った。中国側が保護しているのは、対北鮮カードとしか考えられない。東北部に置かずに南支というところがミソである。聞くと、ニヤニヤしていたが否定はしなかった。

さて、仮にクーデタが中国寄りで成功したら、国内再建の資金は誰が出すのか。今から考えておく必要がある。
日本か?
米中韓は日本に出させることで合意するだろう。安部内閣には拒むだけの力はないし、事態を逆手にとる構想力もない。
私が責任者で聞かれたら、以下のように答える。日本政府は現在世界有数の借金漬けなので、国連分担金を回すしかできない(埋め合わせは安保理常任理事国同士がすればいい)、それ以上払えというなら、米国の債券を売る、と言うだけの度胸が、日本政府にあるか?
ないだろう。
民主党の小沢にはあるか。党首討論から見る限り、これも無理だろう。
またしゃぶられるのは日本である。
  (SJ生)


(宮崎正弘のコメント)いやはや、厳しい視点で日本政治をみておられますね。小生も、こういう考え方に近いですが。


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(読者の声2)毎号、毎号ドキッとさせられる貴誌の分析ですが、前号の「金正日王朝の崩壊後、新しく樹立された“親中国派”新政府の要請で、治安維持のために中国人民解放軍が平壌に入るかもしれない」
 「ルーマニアで独裁体制を敷いたチャウシェスク政権のように、僅か一晩で政権が転覆することがある。北朝鮮の場合、側近の裏切りによるグーデター崩壊がもっともあり得る。現状を考えれば、親中国派以外の新政権は考えられません」(以上はサンデー毎日の宮崎正弘さんの談話)
 この可能性はどのくらいですか?
    (SY生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)いまの段階では国境付近に人民解放軍の増強ぶりが見られませんから、シナリオの可能性は低いでしょう。
しかし、ここでジョン・タシクの分析を思い出すのです。
ロシアと中国の共同軍事演習は、対台湾侵攻を想定したものではなく、あれは山東半島とロシア沿海州およびカムチヤッカ半島が演習地でした。
つまり北朝鮮をはさむ、将来のなにかを想定しての軍事演習ではないのか、と言った、例の発言です。
 タシクは小生も注目するアメリカ人のチャイナ・ウォッチャーで、いまは強力なシンクタンク「ヘリティジ財団」の研究員。よく日本にくるので、小生も会ったことはあります。


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(読者の声3)後釜に金平日説も囁かれていますがその可能性はありますか? 
 非情な国際政治の圧力によって北の体制転換つまり軍事傀儡政権樹立に向けて急展開しているのですね。
日本は経済援助のみ期待されているのでしょうが、北の拉致被害者全員の安全確保と奪還を大前提に、中韓には日本への内政干渉を止めさせ、特に中国には、日本の安全保障に欠くべからざる台湾の独立を約束させなくては協力できないと安倍政権は(米と)中に云い放たなければなりません。
今日(19日)の麻生大臣の日米韓三国間外相会談での発言はたいへん重要で頑張りところとなりましょう
     (HN生、品川)


(宮崎正弘のコメント)国会答弁を聴いておりましても、野党が吠えれば吠えるほど自民党支持が巷間で増えていますね。
 衆議院補選は、ふたつとも安倍政権への追い風で勝ちそうじゃありませんか。
 このあと北朝鮮が、核実験を繰り返せば、来年の参議院選挙も安倍さん、勝ったりして。そうなると強運の政治家ということになり、しかし同時に執権北条時宗のようになるかも。


   ♪
(読者の声4)貴誌1589号にでた「読者の声」の(FF生、小平)のご意見がありましたが、蔡敏三氏は自著の中で、建築業に携わる者として腐敗して行く日本の建築業界に大和心を懐古しながら嘆いておられました。
 戦後教育が原因とは言え、この人達が接した立派な日本人が少なくなっていく現実には苛立ちを感じております。
(TK生、佐賀)


(宮崎正弘のコメント)阿川弘之さんの文春の巻頭随筆にもあるように、日本精神が、日本にはなくて、台湾に残っているという奇妙な現実。
 このリアリティに、われわれは猛省するべきなにものかを見いだすのです。
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
11月7日 発売 !
『三島由紀夫の現場』(並木書房刊。予価1700円+税)

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『中国から日本企業は撤退せよ!』
  (阪急コミュニケーションズ刊、定価1680円)
  http://www.ch-sakura.jp/publications/book.html?id=305
(上記サイトにも詳しく案内があります)。

<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊。定価1680円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版、1470円)
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