国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2006/09/24


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成18年(2006年)9月25日(月曜日) 
通巻第1564号    (9月24日発行)
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胡錦濤の人民解放軍掌握が急ピッチで進行している
 近く28人の胡派の中将を任命、17大会前に江派軍人を一斉退陣へ追い込む
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 軍に衝撃が走っているという。
 海軍ナンバー2だった王守業の逮捕は、胡が軍の綱紀粛正を厳密に実行に移したことを示しているからだ。
 軍の犯罪に手をつける指導者はいなかった。
前任の江沢民はむしろ軍の副業に目を瞑り、いや、そうした軍の人脈と妥協を重ね、大将の辞令を62人も濫発して、江派を軍の内部に扶植した。

 いまも人民解放軍にすくう反胡錦濤派は根強く、かれらを追っ払う手段として胡は「反腐敗キャンペーン」と「任務の遂行」(職務怠慢を罰する)を掲げ、実際に軍幹部を逮捕することを躊躇せず、さらに職務怠慢の幹部にも厳罰で臨んだ。
 もう一つは軍機密を米国と台湾に売る売国的軍人の輩出で、これもモラルが弛緩した結果、一層の軍規の引き締めにも臨むという。(そんなことをしても拝金主義に陥った中国軍がモラルを復活させることは不可能でしょうけどね)。
 
 安徽省で数ヶ月前に起きた軍用機の墜落事故は、寒気団のなかを長時間飛行を命じたのが原因だった。
胡錦濤は七月に南京軍管区空軍司令員を更迭、また江蘇省での台風被害出動で兵士50人を監督不手際で死亡させてしまった責任を問うて隊長を更迭させた。

 一方でアモイ事件の主犯・頼昌星をカナダから強制送還させ、裁判で旧江沢民派の密輸との関連を暴くとしており、江沢民派残党狩りが意外に迅速に進んでいることを伺わせる。
 賈慶林失脚は時間の問題と言われている。

 一方、来年秋に予定される第十七回党大会を前に、世界的に有名なチャイナ・ウォッチャーのウィリー・ラムは「65歳定年を厳格化して、江沢民にいまだに忠誠を誓う軍幹部を一斉に退任に追い込み、第四世代から新たに28人を選んで中将に任命する段取り」と分析している(ジェイムズタウン財団「チャイナブリーフ」、9月21日付け)。
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(読者の声1)《第5回9・29反中共デー東京大会のご案内》

昭和47年9月29日、我が国は中共との国交を樹立しました。その日から30年以上の年月が過ぎましたが、我が国と中共との関係が正常かつ友好的であった事はありません。靖国神社に対する冒涜、歴史教科書への介入、尖閣諸島への侵犯…、さらに東シナ海における海底資源の盗掘、我が国の領土である沖ノ鳥島の存在の否定、支那各地における反日侮日暴動…など、我が国に対する中共による主権侵害や内政干渉が繰り返されています。
さらに中共は、我が国からのODAや円借款など多額の経済援助によって、軍備を増強し、我が国をはじめ周辺諸国に軍事的脅威を与えています。「反日」「共産」「中華」の3悪国家である中共は、我が国にとって明確かつ危険な敵国です。我が国は現在、中共による侵略の重大な危機に直面しています。

 我々は草莽の有志として、祖国の危機を坐視する事は、断じて出来ません。平成14年9月29日、所謂「日中国交正常化」30年の秋、我々は中共との国交断絶を勝ち取る為、第1回9・29反中共デーを開催いたしました。第5回の今年は東京をはじめ、神奈川(横浜)、中部(名古屋)、関西(大阪)、九州(福岡)と各地において大会を開催いたします。
これは「中央での共闘」から「全国での連帯」の拡大であり、統合から連合への発展といえます。「9・29反中共デー」の旗の下、「打倒中国共産党」「日中国交断絶」「中華覇権主義排撃」「まもれ!尖閣諸島」を声高らかに叫び、勝利を目指して、同志同憂各位が共に起ち上がり、共に闘う事を熱望いたします。
☆日時

9月29日(金)雨天決行
午前11時〜集会開始
正午〜デモ出発
☆会場
三河台公園
東京都港区六本木4の2の27
(六本木通り/俳優座の横)
☆合意事項
超党派の運動のため、次の行為はご遠慮下さい。
!)会旗の掲揚
!)車輛での参加
!)隊服の着用
☆主催
9・29反中共デー東京大会共闘委員会
事務局03-3918-9524(三澤浩一)

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(休刊予告)小誌は取材旅行のため9月29日から10月2日まで休刊です。
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(拙論再録)

 マカオ経済はいま?
                     宮崎正弘 
  

  ▼資金洗浄のメッカという汚名
 
 最近、マカオというと日本人が思い出すのはバンコ・デルタ・アジア銀行にある怪しげな十数の口座が北朝鮮の独裁者、金正日の隠し財産とマネー・ロンダリング(資金洗浄)の容疑がかかり、米国司法当局が介入して凍結された”事件”だろう。
 ほかにこれといった印象がマカオと聞いて浮かんでこないのも、日本人が訪れる対象としてマカオは年間十数万人ていど、しかも香港からの日帰り旅行が圧倒的だからだ。
 ポルトガル領の時代からマカオには博打場があった。

 三十年以上前に行ったおり、博打場は香港からの博徒が観光客に混じってかなりの金額をかけていた。それこそ五百香港ドル(当時のレートで三万円)の束をルーレットにポンと賭けるのだ。
波止場に近いホテル・リスボアがもっとも有名だった。実際にマカオ経済はこのホテルの経営者でもあるスタンレー・ホー一族が牛耳っていた。
十年前に行ったおりも、街は鄙びていて風情があり、水が意外に綺麗で、ひとびとは幾分おちついた暮らしを営んでいた。

▼植民地を離れて

 1999年、ポルトガルはこの植民地経営を投げ出した。
 中国は香港についで、マカオを「回収」した(香港返還も「回収」と中国では言う)。
  香港同様に「特別行政区」として一国に制度のもとで高度な自治は保証されたが、外交と軍事は取り上げられ、中国人民解放軍が駐在するようになった。

 それから七年が経過した。
マカオでは多くの旧制度をそのまま残し、とくにカジノ、売春宿、マネーロンダリング専門銀行は、むしろ中国共産党幹部の利用する場として活用されるようになった。
マカオの街の風貌は一変した。なにしろ世田谷区の二分の一にも満たないちっぽけな土地である。変貌ぶりはすぐに確認できるのだ。
 第一にカジノを併設する豪華なリゾート・ホテルが林立し始める。
スタンレー・ホーの独占だったホテル産業は米国の業者らの挑戦を受け、ラスベガス最大のウィン・リゾート・チェーンが登場、巨大なホテルを建てる。リッツ・カールトン、ウエスチン、ホリディイン、マンダリン、そしてラスベガスからサンズ・ホテル・チェーンもやってきた。

いまや五つ星ホテルが十以上もあり、四つ星ホテルは十五前後。
マカオの博打産業の売り上げは本場のベガスを抜き去り、中国大陸から夥しい「観光客」があぶく銭をもって博打にやってきた。建築産業が潤うのも当然である。
マカオ政府歳入の、じつに70%が博打のテラ銭である。
 第二は人口構造の劇的なる変化だ。
 もともとマカオは人口四十五万人ほどの街にすぎず、ポルトガル人は殆どおらず、中国系、フィリピン系および華僑と国際的なビジネスマンが暮らしていた。
 06年第一四半期統計速報で49万千人が市民、あとは不法移民だ。
 改革開放以来、どっと中国からは不法移民や麻薬の売人ばかりか、マフィアの斡旋で大量の労働者がやってきた。
 第三が博打ビジネスの変質だ。
 中国から大量にきた「観光客」の殆どが博徒だった。もちろん大金をもって博打にくるのである。

  ▼中国大陸から一千万人が流入

 ちなみにマカオ政府の統計速報を見ると昨年の大陸からの観光客が1046万人。香港からは560万人、台湾から148万人。とくに香港は博打がてら週末に遊びに来る手合いも含まれる。広東省珠海と陸続きのマカオの国境ゲートを越える人の数は年間2500万人!

 マフィアの縄張り争いも激化、波止場でピストルの撃ち合い事件がおきた。韓国、シンガポールの観光客兼ギャンブラーもやってきた。
 しかし建設業が人手不足に陥ると、広東、福建から土木従事者が大挙押し掛け、ついにはネパール人らの職場だったガードマンまでを奪う。中国大陸からの労働者が安いからだ。ブラジル人は建設現場、ネパール人は警備、そしてフィリピン人はメードや、レストランの楽団と相場が決まっていたのに。

 当然ながら売春ビジネスを付帯してくる。ソープランド目当ての客もどっと押し寄せる。
マカオは香港よりごみごみした、喧噪で、無国籍で、流浪の文化が混入し、公害汚染も対岸の珠海工業地帯から“輸入”される。
雇用をめぐって民族間の緊張がたかまり、職場と賃金の多寡が原因での暴動が頻発し、その影に隠れて北朝鮮はマカオの銀行をマネーロンダリングに活用してきた。
この悪い側面が目立つとはいえ、マカオ経済は一昨年28%、昨年は24%ものGDP成長率を遂げた。
 日本企業、この地に殆ど進出していない。

 (この文章は『経営速報』7月下旬号からの再録です)
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