国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/12/20

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)12月20日(火曜日)
         通巻第1243号
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幽霊マンションの化けの皮が剥げて、空室率26%はすでに危険ラインを突破
  許容範囲が10%という中国の基準もおかしいが。。
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中国の公式統計では、全国平均の空き住宅総面積は1億1200万平方メートルに達しており(05年10月現在)、このなかでもマンションの空室が6204万平方メートルを占めているという。

商業ビルの空き面積は2878万平方メートル。これは国際的な「許容範囲」とされる10%の警戒ラインとうに凌駕しており、警告だけで済ませる問題ではない。

すでに何回か指摘したように中国の不動産バブルは、温州商人の投機集団が突如、売り逃げして北京、上海などから去った。
 いまおこなわれているのはババ抜きゲームである。

温州商人らはすでにベトナムへ投資の矛先を変更している。
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(お知らせ)12月22日付けを休刊します。
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<<今週の書棚>>

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田中英道『新しい日本史観の確立』(文藝館)
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 歴史教科書が徹頭徹尾おかしいことを今更指摘する必要はないだろうが、端的にどこがどういう風におかしいのか、本書では最初に的確なおさらいがある。
 一等大事な歴史の本質を、我が国の戦後教育はナゼ誤認してしまったのか?
 先日も或るラジオ番組で議論がたまたま女性天皇に及んだとき、「日本の歴史は2600年以上あり、天皇家は万世一系にして、125代」云々と評者(宮崎)が始めたら、若いディレクター達がキョトンとした顔になった。
 いまの学校は、こんなことも教えていないのか、小生のほうが衝撃を受けてしまった。神武天皇のことも知らない若い人達が外国へ行って「日本文化の粋はなに?」と聞かれたら、ロック音楽とか、村上春樹、吉本バナナって言うらしいから、ま、現状を嘆くより、マスコミそのものの不勉強がよほど問題だろう。
 日本の教科書が「中国や韓国などの隣国からの味方によって圧力を受けているという奇妙な事態」がGHQの情報統制、左翼の跳梁跋扈と日本教職員組織と過激マルクス主義マスコミなどによって、いまも続く。
絶望的なほどである。
 田中氏が会長をつとめた「新しい歴史教科書をつくる会」のほんものの歴史教科書の採択は、驚くほど少なかった。各行政においての教育委員会の可笑しさは、どう説明したらいいのか、かれらの共同体を守るためには正義をすてても腐臭をはなっても、公正には逆らうのである。
 さて、前置きはそれくらいにして、小生いつも田中氏の著作には目から鱗を落とすような記述が多いので、蒙をひらかれる。
本書ではポイントが羅列され逐一の解説が丁寧になされている。
 一つだけ例を引こう。
 秀吉の朝鮮“侵略”についても、日本の教科書は「これをまったく否定的にみている」のだが、「なぜ第一回目の『文禄の役』(1592)では十五万人あまり、第二回目の『慶長の役』(1597)は十四万余りの日本の武士が送られたかを完全に無視している」と田中教授は不審がる。
これは戦後の歴史家の怠慢であって、「侵略」とか、「否定」とかは他国の歴史家がやることであっても、我が国の歴史をきちんと整合しなければ、任務放棄ではないか。
 田中氏はつづける。
 「この戦争は結局は豊臣秀吉の死による撤退で終わったが、大きく見れば、スペイン、ポルトガルなどの東洋進出に対する日本からの反応であり、もしそれが出来なければ、日本もまたその支配下に入るという危機感からうまれたものという側面があった。スペインはすでにマニラを落としていたし、次(の侵略の矛先)は中国と日本であることは明らかだった。そのことは宣教師の来日からも十分に推測できたし、サン・フィリペ号事件(1596年)でも明らかである。
秀吉はスペインが領土拡張に宣教師を利用していることを知って、宣教師・信者二十六名を長崎で処刑したのである。明(中国)に進出することは、明が弱体化しており、スペインに占領される可能性が強いことから必要なことであった。日本の朝鮮と中国への進出を『侵略』というなら、満州族のハーン・ヌルハチが、朝鮮を属国とし、中国に清の政権を打ち建てたことも他民族による『侵略』といわなければならない」(本書30p)。
 こうして日本史を画期した出来事のポイント、ポイントにおける戦後史観の誤りを次々と俎上に載せて簡潔に批判を加えている。


   ♪
千野境子『大阪の扉』(産経新聞出版)
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 千野さんは産経新聞の論説委員長。その前は外信部長。ボーン上田賞に輝く辣腕記者。てっきり国際畑ばかりを歩まれてきたのかと思いきや、二年半の大阪勤務時代がある。
 大阪へ特派員として派遣されたのだが、浪速の都へ乗り込んだ彼女の肩書きは「大阪特派員」。産経独特の命名である。
あの浪速のひとびとがもつ活力を「大阪力」と表現して、町の扉を次々と開けていく。横浜生まれ横浜育ちの千野さんは、文化の違いから関西の食文化が豊かなばかりではなく、文化伝統の奥行きの深さを堪能する日々を大阪で送るのだが、そこにある文化の独自性と阪神優勝に狂奔するヒトの面白さ、町並みのユニークさに度肝を抜かれたり、呆れ果てたり、しかし、「大阪はパリに似ている」と意外なことを述懐される。
 また「求心力のない特性」が大阪にあり、08年オリンピックで北京に負けてしまったトロウマから未だ回復していない、という。
なぜ失敗したのか。或る関西財界人が言う。
 「発想はどこより早くてよいのに、あと少しの工夫、もう一歩の努力とカネを惜しみ、詰めの甘さ」があるからだ、と。
秀吉以前から浪速の町は水運で開け、信長も秀吉も石山本願寺(いまの大阪城)を落とすのにえらく苦労した。
信長が水軍を駆使して、ようやくおとし、その後は戦略拠点として同地に秀吉が巨大な城を築城し、それは三十数年後の大阪の夏の陣で徳川家康が紅蓮の炎のなかに破脚した。
いまの観光用の大阪城は、秀吉のそれとまったく違う設計思想で造られており、じつは大阪的ではないのだが、千野さんはそこまで具体的には書いていない。
しかし河川の夥しさと橋のおおいこと!
そうか、水の都という概念でなら、大阪はたしかにパリに似ていなくもないや。
だが、大阪特派員の鋭利な観察眼は「せっかくの川という資産を大阪はあまりいかしていない」うえに「川沿いに林立するビルの愛想のなさ」には幻滅だ、と率直なご意見。理由は「お尻を川に向けている」からだと言われる。
造幣局だけは淀川の借景をいかしているが、いまでは櫻の通り抜けのほうが有名になった。
本書は大阪ばかりに拘らず、いきなり対馬へ飛んで、それからミラノへも飛ぶ。過激な多様性を持ちながらも、本書は文化の根っこのところで関西人の感受性とみごとに伝える。
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(三浦重周さんとお別れの会に関してのお知らせ)
 (1)会場は市ヶ谷の「グランドヒル・ホテル市ヶ谷」 二階「白樺の間」です。
 会場へのアクセスは、
 http://www.ghi.gr.jp/access/index.html
電話(3268)0111 (東京都新宿区市谷本村町4−1)
 (2)22日午後六時開場です。白菊による献花。六時半に開会。黙祷、国歌斉唱で始まります。
午後九時までかかりますので「二次会」は設定しておりません。
 (3)服装は喪服の必要はありません。数珠は任意で。
 (4)花輪(御供花)の受付は締め切りました。まだこれからの希望者はご自分の出入り業者に直接注文をお願いします。なお「日本学生同盟OB一同」「重遠社一同」「三島研究会」「憂国忌」「友人一同」で供花の手配は済んでおります。
 (5)会場内で焼香は出来ませんのでご留意ください。
 (6)名刺をご用意下さい。或いは「受付」で住所を正確にご記帳ください。後日の遺稿集郵送に必要ですので(サイトですでに申し込み済みの方は必要なし)。
◎詳しくは下記サイトで。
http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890631925/ref=ase_ritoukijapan-22/250-0520816-2194622

『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860291239/africa07-22/ref%3Dnosim/250-0800565-9441848
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税)
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  • アンチ・チャイナ2005/12/20

    日本人必読。中国全省を踏破された宮崎正弘先生によるメルマガ。先生の知性と行動力と愛国心に裏打ちされた数々のリポートを読み中国のインチキな主張を叩きのめしましょう。

  • メルマ2005/12/20

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