国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/12/16

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)12月16日(金曜日)貳
        通巻第1240号
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 日本人の気骨は何処へ?
             宮崎正弘
**************************************
 
 最近、景気は確かに上向いてきたが、逆に日本の精神は衰弱の一途である。
 反射的に明治人はなぜ気概、気骨があったかを考えてみたくなる。外国の顔色をみて外交、防衛、経済政策を決めるという、いまの政治の貧しさは、現代日本人がなにか大切なものを見失ったからではないのか。
 江戸時代から日本は教育を充実させ、武士階層に限らず町人や農村の家庭でも「だめなものは駄目なのです」と屁理屈を許さない精神風土があった。共同体には成文化を必要としない、連綿とした不文律があった。

 道徳的にもまずは身を修め、家を治め、しかるのちに国を治める。これは「修身斉家治国平天下」という儒学の基本だった(ちなみにパソコンで打つと「終身制か遅刻閉店か」とでる!これじゃ、儒学の精神も死んだも同然である)。
 武士は藩校に学び知育と同時に徳育と体育(文武両道)を身につけた。漢籍の素読も常識だった。いまの国語教育は教育漢字、当用漢字などと無意味な識別をして効率だけを求め、伝統的な国語を壊した。このため若者の一部は出鱈目な日本語を操り、薄っぺらな外国の前衛文化に狂奔、伝統を破壊している。
生命以上の価値を認めず物質文明に酔う。

 江戸の儒学は朱子学から陽明学へ。覇道より王道を求め、知行合一が日本人の美意識の根底を形成する哲学として確立された。
 忠誠心の対象は所属する藩であり、その先の対象は徳川家ではなく尊皇。だから徳川宗家の学問が皮肉にも反徳川思想の拠点になり、十五代慶喜将軍は徳川を潰した。新しい日本がうまれた。

 明治人の気骨の基底には祖国防衛と国際情報に対して鋭い感覚があった。
 国家とは何かという問題意識が常にあったから国民全体がまとまり、桶谷秀昭氏風に言えば「草花の匂う国家」となった。強い連帯感と危機意識がバネとなって日清・日露戦争に勝てたのだ。

 近代化・工業化とともに日本から共同体意識の源泉にあった農耕文化が希釈し伝統的風景も村の祭りも衰え、農業が衰退し過疎が進み、他方で都会に人口が集中、町がビルで白くなり、つまりは国家意識がなくなる。
 こうなると伝統的な精神は衰弱し、気骨を失い、たとえば中国・韓国の内政干渉に敏感に反応しない国となる。精神の惰弱、腐敗、政治セクトの横暴がまかり通る。

 こんな状況に成り下がったのは経済の繁栄がいきすぎ、自由の過剰、要するに民主主義の暴走とびらんと物質万能信仰である。元凶は日教組教育ばかりではない。
 教養とは知識を越えた人間としての立ち居振る舞い、作法、文化の領域に及ぶ。

 戦後も佐藤栄作政権までは明治人の気骨が残った。文武両道の精神は生きていた。財界人にも明治の教育の影響があり、たとえば桜田武などのサムライがいた。いまの財界人は「外国の茶坊主」になりさがったかのように右顧左眄組が目立つ。IT革命の寵児らは伝統無視の合理主義、効率第一主義だ。

 豊臣秀吉は学歴こそなかったが、溢れるほどの教養があった。昨今は教養のない政治家や外国の買弁屋かとみまがうばかりの政治屋が国会を占拠し、この現状が将来への展望を暗くするのである。

(北国新聞12月4日付け“北国抄”から再録)
            ◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(三浦重周氏、密葬の模様)
http://homepage.mac.com/ploc1/photo/PhotoAlbum61.html
(このサイトに写真、スライドがあります)
http://www.nippon-nn.net/
 (同追悼)
          ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ☆ お知らせ ☆
 「さようなら 三浦重周さん、お別れの夕べ」
 ***************************
 (三浦重周氏の主要論文は下記のサイトで殆どを閲覧できます)
http://www.nippon-nn.net/ronbun/

とき       12月22日 午後六時半(六時開場)
 ところ      市ヶ谷「グランドヒル市ヶ谷」二階「白樺の間」
         http://www.ghi.gr.jp/access/index.html
         (アクセルは上のサイトから↑)
参加者おひとりおひとりによる献花、全員で黙祷、国歌斉唱、読経、献杯、経過説明と「三浦さんの思想、その人柄」など追悼スピーチ。最後に「海ゆかば」を大合唱ほか。
 会費形式     おひとり一万円
 記念品      三浦論文、および資料と写真を集めた冊子
          後日、参加者全員に三浦重周論文集を謹呈します。

なお緊急の催しのため、これ以外の案内状の印刷物はありません。
また当日、ご出席を頂ける方は下記へお名前とご住所をお知らせ下さい(できれば電話番号も)。22日には小冊子しか間に合いません。半年後を目処に三浦重周論文集を刊行する予定でご出席の全員に郵送します。
sna76980@nifty.com

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
ご欠席の方、遠方の方。御供花を受け付けます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 会場一杯を生花で飾って、葬送してさしあげたいと存じます。
 グランドヒル市ヶ谷   電話(3268)0111
 宴会場の係り(担当は坂口成司さん)に「22日の“さようなら三浦重周さん、お別れの夕べ」の花輪申し込み」とおっしゃってください。
 また代金(消費税込みで15800円ほどです)は後刻、請求書がとどきますので、各自でお振り込みをお済ませ頂きますようお願いを申し上げます。
ただし出入りの花屋さんとご存じの方は外部からの配達、持ち込みが可能です。
      ◎
(この案内の転送を歓迎します)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
<< 宮崎正弘の出演予告 >>

(1)ラジオ日本
 16日(金曜日)午後一時から三時
 「ミッキー安川のずばり勝負」
 宮崎が二時間の生出演です。(関西方面のリスナーには午後二時まで)


(2)櫻チャンネル
「何を狙う中国? 中国、本当の姿」(パネル・ディスカッション)
ほかに出演は青木直人(ジャーナリスト)、潮匡人(評論家)、金田秀昭(元海上自衛隊護衛艦隊司令官)、川村純彦(元海将補)、佐藤守(元南西航空混成団司令、空将)、鈴木邦子(外交問題研究家)の各氏と宮崎正弘 
司会 水島総(チャンネル櫻社長)
 放映日 12月17日(土曜日)午後9時―午前零時(三時間特別企画)
 http://www.ch-sakura.jp/program.php
 (↑ チャンネル櫻は上記で詳細が判ります)
        ◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<宮崎正弘のロングセラーズ>>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890631925/ref=ase_ritoukijapan-22/250-0520816-2194622

『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860291239/africa07-22/ref%3Dnosim/250-0800565-9441848
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税)
       ☆ ☆ ☆ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
小誌の購読は下記で御友人・知己の代理登録ができます。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(過去5年分の小誌バックナンバーが閲覧可能です)。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所2001−5 ◎転送自由。転載は出典を明記。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。