国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/12/05

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)12月6日(火曜日)
     通巻第1321号 
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  台湾地方統一選挙で与党が予想通りの惨敗
  野党・国民党が北京との宥和を訴えて逆転大勝した背景にあるもの
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 陳水扁政権はレイムダックに入った。
台湾政局、これからますまる荒れる。

 台湾の地方自治体(台北、高雄の両市を除く)の首長を選ぶ統一地方選挙は与党の民進党がおおきく敗退し、最大野党の国民党が、現有九首長を上回る14の県と市を制したのだ。

 新党(中華思想の固まりのような外省人二世が中心のミニ政党)は現有一首長(金門知事)を守った。

 一部マスコミはこれを「国民党の大勝利」と伝え、さらに「08年次期総統選挙で、馬英九候補(現国民党主席)の勝利は確実視される」などと先走った分析まででた。
 蘇貞昌・民進党主席は惨敗結果を受け、「すべての責任を取り辞任する」と表明した。

 民進党は六つの県・市の首長をおさえるにとどまったが、とくに過去十六年間、保持してきた最大票田である台北県さえ国民党に奪われた。
  台北県における国民党との得票率の差は、じつに10%。この同率での国民党勝利は、ほかに基隆と嘉義。また台中は胡志強(国民党)の個人的人気で与党とのあいだに20%の開きが出た。

 民進党が満を持した宜蘭は、わずか3%差ながらも民進党の陳定南が落選。陳は元法務大臣、次のホープと目された。

 また与党が盤石の地盤といわれた台南でも、民進党は国民党にわずか3%差まで追い上げられた。

 それもこれも陳総統側近の元総統府副秘書長が汚職で起訴され、マスコミの批判が集中、とくに国民党が影響力をもつテレビが非難に明け暮れたため劣勢に立ったからだ。

 国民党は過去の自らの汚職、腐敗をすっかり棚に上げて、民進党政権を激しく批判する戦術を行使、さらに連戦主席(当時)の訪中成果を力説して、中国との融和路線を訴えた。
 守勢に立った民進党は、陳総統が「今回の選挙は中国化か、台湾化かの選択だ」と強調し、本省人の「台湾意識」に訴えたが、追い込みにはパワーとならなかった。

 陳水扁執行部に統御能力がうすく、台湾独立派からの支援がきわめて恬淡だったことも影響している。

 だが台湾の本土派、本省人らが、国民党の大陸宥和政策を全面的に支持しているわけでもなく、いわば北京との宥和ムードと経済繁栄のなかで、強いリーダーシップを打ち出せなかった陳水扁総統そのひとに多くの責任があると言えるだろう。
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(お知らせ)
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   ☆
169−0075(〒番号)
東京都新宿区高田馬場2−5−23−1205
三島由紀夫研究会事務局
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(読者の声1)貴誌1317号「ハノイ、ビエンチャン紀行」を読んで、かくも短い滞在で正確に捉えておられるのにビックリしました。実際は、日本製のものも宣伝も驚くほどご覧になったはずですが、きっと韓国、中国がより多く目に付いたのでしょうね。
実際、韓国も中国も日本に負けないくらい投資しています。ちなみに先日発表された投資の一番多い国は台湾でした。
 西欧の文化にベトナムの独自性が失われて云々については、ベトナムの独自性とは、少なくともグエン王朝あたりからはフランスの影響がかなり強くあり、建築にも多々見られますし、帽子やカフェにも現れている通り、元々文化が混在しているので、特に今、ということでもないと思います。いつの時代をもってベトナム独自の文化かというと、これまた難しいことになってくるのではあるのですが。。。
 アメリカに対する気持ちは、私もいまだにわかりません。あれだけの思いをさせられた国に対して、恨み、つらみを余り感じさせないのも凄いなと、感心してもいます。通貨についても一番信頼されているのが米ドルという現実。人はごく当たり前にアメリカの文化を受け入れています。その点で日本と似ていると思えなくはありませんが、完全に違う点は「喧嘩しても絶対負けない」ことです。
 常に受動的ではありますが、決して負けません。考えてみたらあの戦争も負けなかった戦争ではなかったかと。
   (HN生,ハノイ在住)


(宮崎正弘のコメント)通貨のことを書くことを忘れました。そもそも南アジア一帯では、米ドルの天下、自国通貨への信任が弱い。かのタイにおいても。
 こればっかりは日本円に絶対と言っていいほどの信頼をおく日本人と文化的経済的感受性の相違といえるかも知れません。


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(読者の声2)貴誌1320号の書評のなかで、「黄文雄さんは”中国は経済発展どころか、自壊作用を始めている事実を並べ、近未来の暗黒を予測している」とあります。
どうもそうなる可能性もありますね。例えばエネルギーやその他の資源、無茶苦茶な高値で買い漁っているが、一体(この先)どうなるの?
なお既に石平さんも中国の不動産バブルの崩壊を予測している(石平著「日中友好は日本を滅ぼす」(講談社α文庫)。
しかし日本の大・中企業は疑心暗鬼をいだきながらも、”バスに乗り遅れるな”とばかり依然中国進出を進めている。
”バスに乗り遅れるな”これは日本人が大好きな言葉だ。この言葉は太平洋戦争の直前にも大流行し、結局「三国同盟」を結んで米英と戦争になった。 
 バスの行く先は”地獄方面行き”と”極楽方面行き”とがあり、取り違えた訳だ。
歴史は繰り返す。回収不能で倒産、ああ「死なばもろとも」は、もう御免だ!  
(MI生)


(宮崎正弘のコメント)そうではあっても懲りない面々がいるものです。中国への不動産投資、すでに悪名高い温習の投機集団が売り逃げ、いまはババ抜きのババを最後に誰が掴まされるか、のゲームとみて差し支えないと想います。


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(読者の声3)11月25日の「憂国忌」の会場で、買い求めた御著書『三島由起夫はいかにして日本回帰したのか』を読み始めたところです.
当時,私は大学の2年生でしたが,その時の衝撃は今でもよく覚えています.もう35年も経過してしまいましたが,誠に時の流れは速いものだと思います。
 宮崎さんは,それ以来,ずっと憂国忌を裏方で支えていらしていたわけですが、その継続にかける信念の強さにあらためて敬意を抱いております。
一段と寒さが厳しくなっておりますが,中国周辺に関する新たな御論考のご健筆を祈っております。
    (YN生、八王子)


(宮崎正弘のコメント)拙著を購って頂いたとは有り難う御座いました。憂国忌では、小生は楽屋で進行を努めておりましたので、殆どロビィにも行けず、そのあと発言者、発起人ら30人を招いての懇親会でした。
 発言されなかった発起人も篠沢秀夫、田中英道、福田逸、藤井厳喜、山崎行太郎、井川一久ら各氏が合流され、おおいに盛り上がりました。翌朝は五時に起きて、ラオスへ。飛行機の中でぐっすり寝込んで疲れをとりました。
会場でお目にかかれなかった多くの参会者の皆さんにも改めて御礼を申し上げます。
 昨日(12月4日)、ようやく憂国忌報告の墓前祭です。
冷たい雨の中、それでも数十名が多摩霊園の三島先生の墓前に参集し、命日の直後でもある所為か、多くの綺麗な花に包まれて居ました。
蛇足ながら事件直後に遺骨盗難事件も起こったせいか、多摩霊園は、この前後、警備も厳重です。
毎年、この墓前祭で、三島さんと対話を交わしながら(表現がオーバーですが)、一年の雑念を取り払います。小生にとってはスピリチュアルな儀式でもあります。


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(読者の声4)貴誌前号の(宮崎正弘のコメント)に「聖徳太子が象徴的に言われていますが、遣唐使、遣隋使の時代から、じつは遣日使のほうが多かった。当時からシナより日本に学ぶことが多かったという、なによりの証拠です」とあります。
 「シナより日本に学ぶことが多かった」というなによりの証拠という記述の「主語」は何ですか? 朝鮮ですか? 朝鮮とした場合に、当時(遣隋使、遣唐使のころ)、朝鮮の方が日本から学ぶことが多かったというのは歴史の定説と反対ですが、それは史実ですか? ご教示ください。
(KI生、尼崎)


(宮崎正弘のコメント)主語は両方です。当時のシナも朝鮮も日本へ夥しい留学生を送っており、その数は遣唐使遣隋使の2倍ほどあります。
また日本へやってきた留学生の多くが日本に帰化し、本国へ帰りませんでした。これも現代のパターンを彷彿とさせてくれます。
 詳しくは拓殖大学日本文化研究所『日本文化』夏号(平成17年21号)の田中英道先生の論文をご参照下さい。念のため、この雑誌は季刊、展転社で取り扱っております。同社は(03)3815−0721です。
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<<宮崎正弘のロングセラーズ>>

『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
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『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860291239/africa07-22/ref%3Dnosim/250-0800565-9441848
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
http://deserveit.jp/am/asin/4484052083.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円+税)
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(お知らせ)12月7日付けが休刊となる予定です。
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  <<宮崎正弘の新刊予告>>
☆新年早々に刊行予定の拙著は2冊。
『出身地でわかる中国人』(仮題、PHP新書、1月13日発売予定)
『中国の自壊が始まった』(仮題、阪急コミュニケーションズ、1月中旬発売予定)
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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