国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/11/25

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)11月25日(金)
     通巻第1312号   
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中国吉林省の猛毒ベンゼン、松花江へ流れだしハルピンを恐怖のどん底へ
 流れはアムール川からハバロフスクへ注ぎ込み、ロシアも警戒にはいった
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 日本の一部の新聞でもハルピンの市民400万人が恐怖に顔を引きつらせてミネラルウォーターの買い出しに走っている風景を伝えた。
市民の一部はすぐさま列車、長距離バス、飛行機を利用して上流地域の安全地帯へ逃げた。

 化学工場の爆破事故は11月13日に起きたのだが、北京政府がこれを認めたのは十日後の22日になってからだ。
しかも事故の詳しい説明をせず、軍を投入していた。じつは事故直後から汚染を確認していたのだ。
松花江の水が悪影響を受ける可能性が高いとして、11月22日から4日間、ハルピン市は水道供給を停止した。 
 
事故直後、現場に近い吉林市の松花江から基準の100倍もあるベンゼンなどを検出ており、この汚染がハルビン市に到達するのは23日、汚染水がなくなるのは25日午後になる見通しだと政府が事後に発表したのだった。

 ともかく吉林省の化学工場の爆発は猛毒ベンゼンを松花江へと注ぎ込み、汚染水は川の流れにのって380キロも下流域の大都市・ハルピンへ達した。
 おりから札幌の雪祭りとならぶほど有名なハルピンの氷祭りは、中国から数百万の観光客を呼び寄せるシーズンでもある。これでは観光業は壊滅の恐れさえある。

 ハルピンでは小学校が11月30日までの閉鎖が決まり、15ある総合病院は緊急体制にはいる。中央政府は水供給の臨時部隊を派遣した。

 もとより中国の水不足は深刻なうえ、主要な44の河川は汚染されており、多くの都市では水道水として使えない。急ぎすぎた工業化が公害対策をおざなりにしてきたからで、この被災は人災でもある。


▲中国全体での水不足は年間360億立方メートル

 ハルピンは旧満州の北の果て、大東亜戦争末期、日本人開拓者はとりあえずこの地までのがれて引き上げ時期を待った。40歳以下の日本男児はすべてロシア兵によって強制連行されシベリアへ送られる。悲劇の町でもある。

 もともとハルピンは、その名前が示すようにロシアが築いた、エキゾチックな町であり、ユダヤ系ロシア人、白系ロシア、貴族の流浪、亡命組が多かった。漢族は殆どおらず、地つきの民といえば、モンゴル、満族、女真族、朝鮮族など。山賊、馬賊の溜まり場でもあった。

 ハルピンの繁華街は秋林(チューリン)デパートが改革開放前までは有名だったが、いまではそこいら中で派手なショッピング・モール、高層マンション、近代的な総合デパート、近郊にはサファリパークまであって、先進工業国と表層の町並みだけはかわらない。
 土曜日曜の歩行者天国は新宿歌舞伎町や渋谷なんて目じゃないって。

 筆者も飛行機や長距離バスの乗り換えの関係で、ハルピンには十回は行っているだろう。ある日、驚かされたのは繁華街の有名な毛皮屋に入ったときで、伸長175センチ以上の美女がずらり制服を着てのお迎えだった。
ルイ・ビュトンが中国に十数店舗も開かれる御時世だから、さしたる驚きでもないけれど、あの日本時代の豊かさが蘇生されているのである。

 日本はこの地に満州鉄道をのばして大きな駅舎も敷設し、大工場を次々と建てて工業商業の拠点とした。満州時代、どの駅前にもあった大和ホテルはいまなお建材、大理石、高い天井、堅牢な建物は観光客の人気を集めるが、ハルピンでは最近はシャングリラホテル、シンガポールホテルなどが進出し、大和ホテルの落剥ぶりも目立つようになった。

 伊藤博文が暗殺されたのは、このハルビン駅頭、貴賓室からプラットフォームへでたところで安重根の銃撃を受け、さらに背後の食堂から狙撃された銃弾が致命傷となった。真犯人はいまだに分かっていない。

 さて問題はこのあとである。
松花江からアムール川は汚染され、たとえ表層の猛毒が取り除かれても、土地に浸透した毒素の除去は不可能、農産物は壊滅的打撃を受けるだろう。同地域は米こそ出来ないが、穀物とくに大麦、小麦、とおもろこしなどが盛ん。これらも汚染されているとすれば、農家の被害は天文学的となる。

 さらにアムール川にながれこむと人口60万のハバロフスクの市民生活にも影響が出るだろう。
 同市は冷戦終了直後には駐在する日本人も多く、日本料亭があったが、最近は夥しく流れ込む中国人と朝鮮族によって人口分布も激変しているという。

 この事故は中国経済のいびつな成長を象徴している。
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本日です ! 「憂国忌」 
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  三島由紀夫氏没後35周年追悼「憂国忌」は今夕午後六時から。
         記
 とき   11月25日(金曜日) 午後6時(五時開場)
 場所   九段下 九段会館大ホール
 http://www.kudankaikan.or.jp/flash/index.html
      鎮魂祭(乃木神社宮司、神官による。祭主(小田村四郎)
スライド「薔薇刑」と解説(細江英公)。未公開の写真多く含まれます。
シンポジウム 「あれから35年、現代日本はどうなってしまったのか」
井尻千男、入江隆則、サイデンステッカー、西尾幹二、村松英子
詳しくは http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
参加費  おひとり 2000円(会場分担金です)
特典   参加者全員に記念冊子(24ページ)を差し上げます。

その他  三島関連本などの販売があります(一部書籍は割引も)! 英語版『薔薇刑』、細江英公『ざっくばらんに話そう』『なんでもやってみよう』。
拙著『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』『三島由紀夫“以後”』、また三島由紀夫が昭和44年に防衛大学でおこなった講演記録をすっぱぬいた雑誌『WILL』などもロビィで割引販売が行われる予定です。  
  
 ◎「憂国忌」は国民行事、どなたでもご参加頂けます!
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    << 宮崎正弘の三島論 >>
『三島由紀夫“以後”』(並木書房、1700円+税)
『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版、1800円+税)
上記貳冊は憂国忌会場でも割引サイン入り販売の予定。
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(お知らせ)小誌は26日から12月3日まで海外取材のため休刊です。
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(読者の声1)半可通なので、的外れな内容があると思いますが、一般的に民草は、今回の゛皇室典範に関する有識者会議゛の動きに振り回されています。
この動きに疑問を呈する方々は、「次の次の天皇をどなたにしたらよいか」の大問題について、国民に、自らの立論を腑分けして、より判りやすく説明することが肝要と思います。 
男系以上に狭義の男性天皇しか認めない現在の規定は、皇統2600年有余の”来歴”を振り返り見れば、例外的にきつい箍を嵌めた、チョー短いコルセットのような規定だということです。 皇室典範が制定された当時は、正室以外の側室は社会的倫理的に許されていましたが(明治天皇、大正天皇は正室の御子ではない)、たまたま昭和天皇は正室の御子であられ、また御自らも側室を持たれずに男子を設けられました。
 これはたまさかの僥倖でした。 ラッキーだったのです。
戦後は正室しか認めない暗黙且つ占領軍的倫理制約が皇室を縛り、典範制定時の四囲の
状況に比すと強い制約が生じています。
 ですからこの異常に厳しい規定は、(典範が明治憲法と共にセットで制定されたように、できれば改憲と一緒に)緩められるべきものです。 さてここからが大切なポイントですが、女性天皇と女系天皇の腑分けをすることです。 有識者会議の答申に対して反対している方々の多数は、絶対「女帝」を認めないと主張しているのではないと理解します。
 事実、今上陛下までの125代の中に、八人十代の女帝はおられたのです。 民草の総意は、「雅子さまは、(皇太子も)おかわいそう。愛子さまが、次の次の天皇になられるようにしてあげて!」となりつつあります。 民草は、政府の意を受けたマスコミの報道に誘導されています。次の次は愛子さまで(も)いいのです。
今までも十代の前例があったのですから、男系男子への繋ぎとしてのお役をおつとめいただくのです。万世一系の皇統とは男系つまりY染色体の連綿たる経授にありますが、 戦後、占領軍による厳しい情報統制・洗脳を通じて、左巻き思想が瀰漫し、左翼教育が席巻し、その成り行きとして左傾き人士が日本の社会枢要のポジションを占めて、発言力を有している現在、「万世一系」・「男系皇統」の価値・意味を啓蒙しても理解はされ難いでしょう。
 「女帝反対」の重要な意義やその運動をマスコミはきちんと国民に伝えようとしない憾みがありますが、今は詮無いことです。
以上が可能となるように典範を改めることは、本来の皇統(男系男子のY染色体の経授)を維持するために喫緊です。なぜ緊喫なのか? 今の典範のように、有識者会議の諮問のように次の天皇はこの方と明示するは賢明でないからです。一定範囲の複数の有資格者を規定し民意に委ねる方向性を打ち出すべきです。
 マスコミは挙げられた候補者についてさまざまに書き、伝え、囃すでしょう。それらを通じて、有資格者の人柄が、民草の知りうるところとなり、次の天皇にふさわしい方に自ずと民意は向かいます。
候補者にも心の用意があります。選ばれる方、選ぶ方双方に、時間が必要です。
ですからゆっくりではなく、可及的速やかに以上の方向性で皇室典範を改めるべきです。 
有資格者は権利放棄は許されないことにすべきで、選定には皇室を含めた”真の有識者”がコンクラーベ会議を開き(広く会議を興し)、民意に沿って決定するべきです。
 論争が起きないように、揉め事にならないように、オート・マテカリーに次の天皇を典範で規定することは、一見公明で正大に見えますが、かように簡便・安易な道は、未来にリスクとクライシスを孕むことになります。皇位継承の時々、都度都度、大いに論じ、揉めて、決めたらよろしいのです。民草の敬愛が集まってこその天皇陛下であらせられるべきで、そうする不断の営みが選ばれる皇室と選ぶ民草全体、それぞれの責務です。 そう観念すべき事柄です。
   (しなの六文銭)


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(読者の声2)中国における自動車生産能力は1000万台もあると豪語しておりますが、実際にどれくらい売れているのでしょう? 在庫がかさんで売れ行きが激減しているという報道も耳にしますが。
  (AM生、茅ヶ崎)


(宮崎正弘のコメント)フォルクスワーゲンは対中投資を40%縮小、GM、フォードもご承知の通り、ここで投資拡大はトヨタ、日産、ホンダだけですが(現代も)、先行き真っ暗ではないでしょうか?
 初回金をはらってクルマを入手するや、二回以降は払わない。傍系のクレジット会社は青息吐息、ここへクレジットカード破産が、おそらく韓国の500万を越えて猛スピード。不動産ローンが払えない場合は物件を抑えられますが、クルマとカードはどうしようもないでしょう。
なにしろ経済統計はすべてインチキですから、在庫が40%とすれば、ことし中国で
クルマが売れたのはせいぜい400万台前後と見積もられます。
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 26日です!

<国難突破! 『皇室典範改悪阻止!「草莽崛起」緊急抗議国民デモ』>
 
世界最古の国である我が国に、歴史上かつてない国難が迫っています。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大学長)は、女性・女系天皇を容認したうえでの皇位継承順位について、直系優先のうえで出生順に定める「長子優先」とすることを全会一致で確認しました。
 二千年以上続いた日本の国体・国柄が、今、深刻な危機に陥っています。
 日本を日本たらしめてこられた皇室と皇統を消滅させようとする勢力が跋扈しています。祖国日本とその中心たる御皇室と皇統の危機を、私たち日本国民の手で、何としても守り抜きましょう。

 ■日時:平成17年11月26日(土)午後1時集合
 ■集合場所:三河台公園
  (住所:東京都港区六本木4-2-27)
 ■交通:
 ・東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅徒歩3分
 ・都バス都01渋谷駅〜新橋駅六本木4丁目)
 公園地図:
http://www2.wagamachi-guide.com/minatoku/map.asp?GPOS=139.737159133333%2C35.6613020689058&GSCL=4000&SSIZ=500%2C500&sid=5015&ID=197&F=FL1&GALAY=0000000000000000&Map.x=263&Map.y=230
主催:皇室典範の拙速な改悪に反対する全国地方議員の会
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<< 宮崎正弘の新刊 >>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890631925/ref=ase_ritoukijapan-22/250-0520816-2194622
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
http://deserveit.jp/am/asin/4484052083.html
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
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