国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/11/16

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)11月16日(水曜日)
     通巻 第1300号 (1300号記念号)
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中国上層部の権力状況に新しい地殻変動か
 胡耀邦元総書記の名誉回復と生誕80年記念行事を強行
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 湖南省の胡耀邦生家近辺に胡耀邦の記念館が建設されている。それもかなり大規模らしい。
 胡錦濤国家主席兼共産党総書記は、昨年に構想を発表し、はやばやと建設を命じたが、いつしか(だれかの妨害で)建設が中断し、そしてまた再開。
胡耀邦元総書記の名誉回復が遅れているのは党内事情による。凄まじい権力闘争が、胡耀邦再評価という「政争」ネタを梃子にして、どちらに中国の政治が転ぶか、きわめて不安定な爆弾にもなっている。

 守旧派にとっては、六月四日の天安門事件再評価に繋がりかねず、そうなれば粛正の対象になる恐れもあり、記念行事には絶対阻止へ動く。元国務院総理前全人代委員長の李鵬が、この守旧派の代表格。89年の天安門広場をうめた学生らは「李鵬やめろ!」と訴えた。

 その学生らの民主化運動の引き金をひいたのは胡耀邦だったから、趙紫陽前総書記とともに学生、若者から圧倒的な人気をほこる。

改革派にとっては、これをバネに「政敵」の覆滅が隠れた動機にある。だから胡錦濤の権力地盤固めである胡復活キャンペーンに便乗するのだ。もっと具体的に言えば江沢民残党、ようするに胡錦濤ら共産主義青年団人脈にとって最大の敵セクト「上海派」を完全に追い落とす絶好の機会、だから胡耀邦追悼集会を強行するのである。

 記念行事は故郷の湖南省と共産主義青年団の記念地でもある江西省の二カ所でも行われることが決まった。
 されに金曜日に北京人民大会堂で追悼会が開催される。

 驚くべきプログラムが発表された。

 大会のホストとして遺族らを迎えるのは呉官正。基調演説が曾慶紅、そして温家宝首相も列席する(胡錦濤は当日、APECのため韓国にいる)。

 なぜ驚きなのか?
 呉は山東省書記時代に、江沢民が法輪功弾圧の功績が認められて政治局へ拾い上げられた。呉は子飼いに近い江沢民派だった。
曾は言うまでもなく江沢民の右腕であり、温は胡耀邦集会の開催に異を唱えていた。この三羽がらすが皮肉にも胡集会のホスト役とは、これこそが地殻変動でなくて、いったい何が北京の政治劇のおもしろさだろう?

トウ小平が復活を果たし、完全に権力を掌握したとき、いかなる政治手法を用いたか。毛沢東の遺児(庶子)華国峰を立てて四人組を失脚させ、劉少奇の名誉回復を急がせた。劉少奇記念館は、湖南省の生家とともに冷暖房完備の大記念館。隣村の毛沢東のそれよりはるかに立派である。
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●小誌総発行部数350万部! 登録読者7000名を突破(11月15日)。●
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(読者の声1)毎日、先生の分析や解析を感服しながら読んでおります読者の一人です。貴誌1297号「スーダン」、中国の似非友好外交手法の一つである事を、我々も対外的に検証し証明していく必要性があると思います。 
 先般、アンゴラに出張しておりました。ご存知の如くアンゴラは資源国家として注目されつつありますが、アンゴラの過去を振り返れば、所謂コミュニスト国家との付き合いも深かったとはいえ、中国政府のアンゴラに対する関与の深さは、送迎の為か中国人が屯する飛行場、或いは街中でさえ強く感じさせられるものがございます。
巷間内乱復興の為に20億ドルの援助をしてくれたとアンゴラ人は言いますが、将にマッチポンプと言うべきか、中国の製品、中国人労働者、のみを利用した援助でしかなく、詰まるところ20億ドル援助が仮に実現したとしても、かなりの部分が中国高官の懐の肥やしとなっていく図式となっているのでないでしょうか。
スーダンといえ、アンゴラといえ、自国で生産できるものは存在しないだけに、斯様な援助コラプションの図式があるわけで、紐付き借款と騒がれた過去の円借款の比ではない現実があることに我々として警告を発し続けるべきです。逆に紐付き円借款を戻すくらいの意気込みを示し、外交戦争に役に立てる位の気概を我が日本は持ってもらいたいものです。  
   (LI生)


(宮崎正弘のコメント)アンゴラは沖合油田が欧米メジャー、それもアメリカが多い。このど真ん中へ武器供与で食い込んだ中国は石油鉱区利権を取得しております。
 サントス大統領はアゼルバイジャンの石油専門大学に学んだ石油工学博士でもあり、武力でアンゴラを治める一方、外貨収入の82%を石油に依存、ほかにはゲリラ地域にダイヤモンダを産出。
 米国は反政府ゲリラの「UNITA」を嘗ては積極的に支援したが、2001年に輝けるリーダーとされたサビンビが死亡、急速に反政府武装勢力はパワーを失ったため、政府は石油利権による政局運営を漸次成功させてきました。
 85年にヨハネスブルグで、このUNITAの指導者らと会ったことがありますが、レーガン時代のかれらは「反共」を旗印にして米国から武器支援を受けており、アフガニスタンのムジャヒデンなどと並ぶ親米勢力でした。状況は暗転、UNITAの弱体化はマルクス主義者の独裁をゆるす結果を招来したようです。


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(読者の声2)貴誌1297号のドイツ新幹線の記事ですが、JR東海の葛西社長は以前から、他のJR会社の社長から中国への新幹線導入を働きかけがあったにもかかわらず、反対を通してこられました。
 まさに国益を考えた経営者ではないかと思います。中国は高速鉄道導入を当初、日本をメインに考えていたようですが、政治体制や管理能力・電力供給能力等を考えた結果、葛西社長は当初から反対の立場を取られました。
仏国や独逸の売込みで日本を競わせようとしましたが、どうやらこれに拘わった政治家・商社の努力は徒労に終わったようです。 大体、台湾新幹線にしても国民党の妨害工作が無かったら今頃はとっくに走っている筈です。
こうみると中国人というのは悉く碌でもない連中のような気がします。アンディ・チャン氏の言うとおり悪辣で卑劣で厄介な民族というのは充分理解できます。
選挙後の小泉政権は真正保守が聞いたら目を剥くような法案が次々と出てきました。 皇室典範問題などこの国の根幹を変えようとする動きに同調するようなキライさえ見えます。ましてや在日米軍問題にしても自分で国防を考える事を放棄して「アメリカ様、宜しくお願えしますだ」と言っている様にしか見えません。政府の存立は「国民の生命・財産を守る」これが原則です。
これを他国に委ねる事は保護国なのです、保護国には主権はないのです。
だから私は米国から真の独立を目指さない小泉政治は保守ではないと断言するのです。それも米国はいい加減自分で国防を考えろと言っているのにこの態(ざま)です。要は愛国心が希薄な総理だと私は思うのです。
アンディ・チャンさん本の中で台湾人の中に奴隷根性を持った人間が台湾の独立を阻んでいると言われるとこに、現在の日本国民も当てはまるように思ったからです。
 決して米国を否定する者ではないし、むしろ戦後60年の平和は米国無しでは考えられません。これは厳然たる事実です。しかし今、米国も体力的に翳りが見え始めました、いつまでも縋っていてはこの国はダメだと思うのです。
 自分の事を自分で決められない国は国の体を為しておらず民族自決を放棄したのも同然だからです。米国と敵対する必要もありませんし、飽くまでも同盟国を貫くべきですが、軍事面でもある程度は対等に持っていかないと、米国も困るので是非そうしてくれといっているのが今回の米軍再編だと思うのです。
自民党は憲法草案でこのチャンスを逃すことなく、堂々とした憲法改正案を出したら良いのに、独自色を出さず公明党との折半案的な草案しか出さなかった。残念です。
(MD生、吹田)


(宮崎正弘のコメント)上記投稿は渡辺亮次郎氏主宰のメルマガ「頂門の一針」からの転載ですが、許可を得て、この欄にも紹介します。まさにおっしゃる通りで、小泉政治というのはおかしな考え方を展開していますね。
 三島由紀夫の最後の檄文に「国家百年の大計を外国に委ね」という一節があります。35年前の洞察力の鋭さに身震いを覚えます。
 なお文中にあるアンディ・チャンさんの新作評論集は『台湾丸の難航』です。
この新刊を希望される読者にお送りします。希望者は下記へ現金で航空郵便(AIR MAIL)等で、2000円だけ同封され、お申し込み下さい。
 Mr.Andy Chang;6 Calle  Anacapa、 San  Clemente、CA92673,USA
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皇室典範を考える集い

《開催趣旨》
「女系容認」に向けての皇室典範の改定は、有史以来男系で一貫してきた皇位継承制度の根本的な転換をもたらすものです。このことがいかに重大な問題を孕んでいるのかにつき、私たちは、国民の健全な良識に訴え、広く啓発するとともに、政府並びに有識者会議に対して、その安直かつ拙速極まる姿勢を批判し、慎重なる取組みを求めて、集会を開きます。
          記
【日 時】11月30日(水曜)午後6時半開会(6時開場)〜9時
【会 場】ニッショーホール(日本消防会館)
       港区虎ノ門二丁目9―16   電話03―3503―1486
      http://www.jaeic.or.jp/sk-3f-12.htm
【主 催】皇室典範を考える会(代表 渡部昇一)
【テーマ】皇室典範を考える集い―「有識者会議」の見識を問う―
【登壇者】有志国会議員数名のほか工藤美代子(作家)、小堀桂一郎(東京大学名誉教授)、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、田久保忠衛(杏林大学客員教授)、中西輝政(京都大学教授)、萩野貞樹(国語学者)、屋山太郎(政治評論家)、渡部昇一(上智大学名誉教授)ほか。
【参加費】無料
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(ポースマス ネットワーク 発会記念シンポジウム)

 日露戦争勝利百周年記念青年の集い(9月3日)に結集したヤングを中心として組織活動にはまったく捉われない勉強会をスタートします。
 初回は記念シンポジウムで、前掲集会世話人の加瀬英明、藤岡信勝、宮崎正弘に井尻千男(拓殖大学日本文化研究所所長)氏らを加え、「日本人の気概」と題しての二時間。
どうぞお気軽にお出かけ下さい。

 とき    11月19日(土曜日)午後一時半
 ところ   学士会館(神田錦町。地下鉄神保町徒歩三分、竹橋から4分)
 詳しくは下記サイトで。
http://www.nichiro-pn.com/home.html
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  三島由紀夫氏没後35周年追悼「憂国忌」は11月25日です。
鎮魂祭。乃木神社宮司、神官による。祭主(小田村四郎)
「薔薇刑」上映と解説(細江英公)。
追悼挨拶(松本徹ほか)。
<シンポジウム>
井尻千男、入江隆則、サイデンステッカー、西尾幹二、村松英子
http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
          記
 11月25日(金曜日) 午後6時(五時開場、開場時間が30分早まりました)。
 場所 九段下 九段会館大ホール
 http://www.kudankaikan.or.jp/flash/index.html
 参加者全員に記念冊子(24ページ)を差し上げます。
当日、三島関連本などの割引販売があります! また季刊『三島由紀夫研究』の創刊号も憂国忌には間に合う予定。ロビィで販売があります。
  ◎この「憂国忌」は国民行事、どなたでもご参加頂けます!
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