国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/11/11

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)11月11日(金曜日)貳
      通巻 第1295号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<今週の書棚>>


   ♪
アンディ・チャン『台湾丸の軌跡』(在米私家版)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 知る人ゾ知る論客=アンディ・チャン氏は在米作家。台湾独立の正論を掲げ、威風堂々の論陣を張られている。
チャン氏の立場から見ると「在台湾中国人」をカタる外省人というのは、陰謀が好きで負けを認めない。
かれらは2004年選挙で最後の最後まで負けを認めず、しかも陳水扁銃撃事件を「自作自演」と言い張った。その中華思想なる異様なものの考え方の根源にある思考スタイルとは何か。
 また議席数が足りないのはわかるが、独立路線を中断して、いや、ひっくり返して中華路線に切り替え、迷走状況に陥った陳水扁政権への絶望、やりきれなさを心情的に克明に追求している。いったい陳政権はなにを血迷って宋楚諭率いる親民党と合従連衡を試行したのか。
 台湾には日本語教育を受けて、その言語空間で青春を送り、ラブレターも哲学も日本語の文脈でしてきた世代がある。この世代の日本語は格調高く、文学的にも秀でているが、語彙もそれなりに古典的で迫力がある。ミーハー的な新語はわからない。
 チャンさんの文章を読んでいて、ときに圧倒的されるのは快刀乱麻を絶つ筆力のダイナミズムと、的確は語彙力と、基底にある潔さ、武士動的倫理である。
 たとえば次の表現箇所。
 「新渡戸稲造の『武士道』の基本が孔孟の教えであることは言うまでもないが、儒教の道徳、忠孝仁愛信義和平、または仁義礼智信の教えが武士道によって啓発されたのは王陽明の『知行合一』が日本社会で受け入れられ、中国社会では無視されたことによる。論語読みの論語知らず、これは驚くべき琴である。
 中国には科挙制度があった。人々はこぞって孔孟の書を読み、学問を身につけて一身の栄達を図った。ところが孔孟の教えは社会に普及せず、人々は道徳を栄達の道具としたに過ぎないのだ。科挙に合格して官位につけば、たちまち賄賂が手に入り栄耀を恣にすることが出来る。このことを学問して科挙を受ける人々ははじめから知っていた」(本書、152p)。
 流麗にダイナミックに筆者はこの評論を直接、日本語で書いた。351pもある浩瀚。
なおアンディ・チャン氏には、ほかに次の著作がある。
「フライディ・ランチクラブ」ISBN 4-88306-955-9 新風舎 「不孝のカルテ」ISBN4-434-00589-8 東京図書出版会 「台湾号会沈没?」ISBN-957-801-356-6 前衛出版社  「台湾号加油」ISBN 957-8251-54-8 一橋出版社 「連宋之乱的真相」、前衛出版社。
また氏のメルマガは、下記でバックナンバーを閲覧できる。
http://www.melma.com/backnumber_53999/
 さらにお知らせが。
著者のご厚意により、この新刊『台湾丸の軌跡』を希望者のかたにお送りします。希望者は下記へ現金で航空郵便(AIR MAIL)等で2000円だけ同封され、お申し込み下さい。
 Mr.Andy Chang ; 6 Calle Anacapa、San Clemente、CA92673,USA


   ♪
桐村悠康『摘出』(新風舎)
@@@@@@@@@@@@

 副題は「つくられた癌」。もみ消された数々の医療ミス。「仕方がない。癌だったことにしよう」と、杜撰な手術がまかり通り、カネでころりと変わる医者の対応と狼狽する患者、製薬会社の実験台にされ、或いは出世目的のためのデータ捏造。これがもし、医学界の実態であるとすれば大変だ。
 著者はそれらをフィクションに託した。


   ♪
陳桂てい・春桃共著『中国農民調査』(文藝春秋)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 農村の凄まじき貧困と地方共産党幹部のえげつなさを通り越した腐敗を余すところなく暴いた作品だが、中国で発禁。評者(宮崎)は、この原書を昨年香港のブックストアで手に入れてはいたが、とうとう日本でも待望の翻訳がでた。
 原稿用紙で千枚を越す力作、翻訳もさぞ苦労したでしょうねぇ。
 すでに拙著『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊)のなかでも特筆大書したが、くわしい書評は来月発売の『正論』に改める。
          ☆ ☆ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
      ○ △ □
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆“サロン劇場”からお知らせ☆
 
由緒ある旧細川邸サロン(和敬塾)にて村松英子さん主演のたのしい芝居(約一時間)。その後で、昼の部はティ・パーティ。夜はワイン片手の談笑の会。まさにサロンの雰囲気が楽しめます。
 
 アルフレッド・ド・ミュッセ原作
“千慮の一矢“
 演出 観世栄夫
 出演 村松英子、坂上二郎、川口敬史、村松えり、永島克
 
11月20日より12月4日まで(11月26日のみ休演)
 入場料  5500円 (全席自由席、税込み)
 前売り  サロン劇場(03)3945−5384
 場所は旧細川邸(目白台和敬塾内 文京区目白台1−21−2)
 上演時間
 14時からの日は11月20,24,25,27,29,30及び12月3,4日。
 19時からの日は11月21,22,23,28,そして12月1,2、3日
 (いずれも開演30分前までに入場。当日売りはありません。かならず予約が必要です)。
       ○○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)女性週刊誌などを読みますと、台湾歌手を「華流」歌手として紹介しているようです。わが家の近くの本屋「芳林堂」高田馬場店なども、「華流」として、台湾歌手の写真集などが置かれています。
いつから「台流」と言うことばが消えたのでしょうか。「中国」の横やりでも入ったのでしょうか。「台流」の復活を望みます。「台流」復活の運動はしないのですか。 
     (SM生)


(宮崎正弘のコメント)芸能界の動きは知りませんでした。スポーツ新聞も読まないのですが、大衆レベルにも、「台湾」の呼称を消すという動きが進んでいたとは!


   ♪
(読者の声2)若泉敬氏の『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』を取り寄せました。意外の大部さに聊か吃驚。 最終章にまず目を通しましたら、交渉を終え変換後の苦渋の心中が吐露されていました。
和製キッシンジャーと呼ばれていた方にしては、「たぬき度」が感じられない文面です。 沖縄返還交渉で活躍した’70年前後と同書を書き記した’90年頃の心境・体調の違いなのでしょうか?
キ氏は今も尚生臭く、シナ利権を漁っているのを見ると彼我の寝業師の差は大きいなと観じます。貴台は、同氏に講演を依頼されたり、東京事務所に通われ資料整理を手伝われたご体験がある由。いろいろ思い出がおありでしょう。小生は書き残されたもので、あれこれ忖度するのみです。
       (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)堤堯さんが文春時代、鯖江の実家で最後の原稿をもらい、辞去して、その三十分後に
若泉さんは亡くなったそうです。
それほどの気迫(鬼迫?)が籠もってませんか(苦笑)。

          ☆ ★ ☆ ★ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(お知らせ1)小誌登録読者数まもなく7000名を突破します。
(お知らせ2)小誌11月16日付けは休刊の予定です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
台湾研究フォーラム 第79回定例会

■講 師  宮崎正弘氏(評論家・作家)
■演 題  日本・台湾、そして中国
 歴史教科書、靖国などで日本の内政に露骨に介入する一方で、東シナ海からはガスを盗掘、シベリアのパイプラインも日本から横取り。国連では日本の常任理事国を妨害。この傲慢な中国が、日本ばかりか、アメリカ東海岸へも届くミサイルを並べ、やがて台湾を侵攻しようと企て、アジア最大の脅威となっているのに日本は北京へ擦り寄るという外交的失態を演じ続けている。このままアジア情勢は戦雲たなびく暗い世界になるのか? 台湾は本当に独立できるのか?
 世界最悪のファシスト=中華帝国は何時まで持つのか?
--------------------------------------------------------------------------------
【講師略歴】(みやざき・まさひろ)昭和21年、金沢生まれ。早稲田大学中退。「日本学
生新聞」編集長、雑誌『浪曼』企画室長を経て、同57年『もう一つの資源戦争』で論壇へ
。中国ウォッチャーとしては同59年の『中国の悲劇』が注目を集め、『中国、次の10年
』『中国大分裂』『中華帝国の野望』『人民元大崩壊』などを矢継ぎ早やに発表、世界の
china-watcherとして認められてきた。主な著書に『瀕死の中国』『中国よ、反日ありがと
う』『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』など多数。日本李登輝友の
会理事、拓殖大学客員教授。
--------------------------------------------------------------------------------
■日 時 11月12日(土) 午後1時30分〜4時
■会 場 文京シビックホール3F 第1会議室 (TEL 03-5803-1100)
     【交通】営団丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分(直接連絡)
         都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分(直接連絡)
         JR総武線「水道橋駅」徒歩10分
■参加費 会員500円 一般1000円
■申し込み 準備の都合上、11月11日まで下記へお願いします。
         Eメール⇒ taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
      FAX ⇒ 03−3626−1520
◎懇親会 講演会終了後に開催します。(社会人3,000円 学生1,000円)
     席予約の都合上、参加ご希望の方は必ず事前申込みをお願いします。
■問合せ 090−4138−6397
         ○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ☆
<平河総合戦略研究所 講演会>

中国のパラノイア的な資源獲得戦略は「身の程知らず」、「適正適量」を越えた遣り方への批判が世界から集中しています。
       記
日 時  11月13日(日曜日)午後12時半より3時まで
テーマ  石油戦争の舞台裏(暴騰元凶は中国のパラノイア的資源戦略)
場 所  学士会館(神田錦町)
     http://www.gakushikaikan.co.jp/
会 費  3000円 学生 2000円  
講 師  宮崎正弘 
申し込み先 info@hirakawa-i.org
              ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「憂国忌」まで、あと13日!
本日(11日)夜。日本文化放送「チャンネル櫻」に宮崎正弘が出演
「三島由紀夫特集」。
キャスターは西村幸祐氏。
       ♪
  三島由紀夫氏没後35周年追悼
 鎮魂祭。「薔薇刑」上映と解説(細江英公)のほか。
<シンポジウム>井尻千男、入江隆則、サイデンステッカー、西尾幹二、村松英子
http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
 11月25日(金曜日)午後6時(五時開場)
当日、開場では珍しい三島関連本などの割引販売もあります!
     ☆  ★  ☆ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     ♪
<< 宮崎正弘の最新刊 >>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890631925/ref=ase_ritoukijapan-22/250-0520816-2194622
 本書は『VOICE』今月号の西尾幹二先生の論文にも引用されました。 

<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
http://deserveit.jp/am/asin/4484052083.html
      ☆
『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
       ☆ ☆ ☆ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
小誌の購読は下記でご友人・知己の代理登録もできます。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
(↑ 過去4年分の小誌バックナンバーが閲覧可能です)。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所2005 ◎転送自由(転載は出典を明記のこと)。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。