国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/11/04

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)11月5日(土曜日)
   通巻 第1286号
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ドル高の傾向が顕著になった
 株式高騰に浮かれている場合ではありません
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 金と石油市場が湧いている。インドと中国の金買いと石油買いが主因。

 4日の東京株式市場で日経平均株価が年初来高値を更新した。
 これは四年半ぶりで14075円。
 ちょうど四年半前、小泉政権が発足した当日の終値より、多少高めだった。
 市場では「日本のデフレ脱却期待や好調な企業業績などを背景および外部環境の好転を手がかり」として幅広い銘柄に買いが入った。売上高も過去最高を記録した。

 東証株価指数(TOPIX)も4日続伸した。
 とくに大手銀行・証券など内需関連およびハイテク株が堅調で、その一方、新日鉄やJFEなど鉄鋼株は中国特需が陰り、利益確定売りが目立った。

 さて問題はそんな表面の事象ではない。
  同じ日の為替市場をみよ! 一ドル=117円を突破する”円安”にぶれてきている。

 米国はバーナンキFRB新議長が、グリーンスパン議長の後継路線を表明しているが、学者としてたとえ優秀でも市場への手綱裁きの優劣は未知数。
 ブッシュ不人気をイラクと言い立てる馬鹿なマスコミが多いが、元凶はガソリン代金の暴騰である。

 GM、フォードの大型車はのきなみ売れ行き不振、他方、”省エネ”に優れた日本車のみがブーム。この傾向は世界的で、中国でもトヨタ、ホンダに人気が集中している。

 米国は来年の中間選挙を控え、GDP成長3・5%達成を目標としている。このためにガソリン代を人為的に下げる妙案とは?
 簡単ではないか。ドル高誘導である。

 原油高はインフレ懸念を強める。グリーンスパン議長がもっとも嫌いなのは「インフレ」なのだ。たしかに以前までは米国はデフレ懸念が拡大、そのためにドル安路線を踏襲してきた。
これが反対に振り子がぶれた!
 
すでに米国の有力な投機筋および投資ファンドは海外展開を次々と手じまい、高金利、ドル高の米国へ巨大資金を環流させつつある。
 ドル高は異様なスピードで進行中!

 久しぶりに為替予測をするが、年末120円、2006年は夏頃までに一時的に、一ドル=130円を窺う展開になる可能性が大きいだろう。
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◎小誌総発行部数341万部突破 ◎小誌登録読者まもなく6900名を突破!
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(読者の声1)中国産キムチにギョウチュウの卵が出たと韓国が輸入禁止措置をとり、中国も報復措置をとり騒動になっています。
 中国産の白菜を使った韓国産キムチが日本に輸出されていることが公になり海を越えて日本に飛び火しています。
 食品業界に携わる者には、この内情は広く知られています。
コスト面だけの理由だけでなく中国産、特に山東省産の白菜はキムチに向いていて、 韓国に大量に輸出されていました。 地場の唐辛子で造るとそこそこ歯ごたえのいい製品ができます。
中国の白菜+中国の唐辛子で造った”韓国産”も日本に出回っています。唐辛子も安い中国産(日本で使用禁止の色素や添加剤が使われているものが多いのです)を使用すると品質が落ちてしまいますが、そういう劣悪品を日本で売ってぼろ儲けをしている手合いもいます。
中国からフレッシュな白菜のまま輸入して、それを日本の漬物メーカーが使用しているケースもありますので、日本産も安心できません。
韓国食品安全庁は、「卵はどれも未成熟卵で 万が一摂取しても感染を引き起こす幼虫に成長する前に排泄される」といっているようです。韓人はそうか安心かと、むしゃむしゃ食べるでしょうが、日本人は農水省が安心だと言ってももう買わないし食べないでしょう。 堆肥を使って栽培しているのですから虫が付くのは業者間では自明です。 
実はこの騒動の背景には中国産白菜の高騰があるようです。中国人の高値攻勢に業を煮やしたショート・テンパーな韓国業者が虫の卵を理由に強引に値段を叩こうとしたとか、中韓の業者間で何らかのトラブルがあってそれが外に洩れて今回の騒動になったのではないかと推測します。
参考までに、日本食糧新聞 (10月21日号)の記事です。
『中国産白菜が高騰 漬物メーカーに打撃』(キムチなど漬物原料の中国産白菜が高騰、中国の加工メーカーや日本で中国原料を使用して加工しているメーカーは打撃を受けている。韓国でも安い中国完成品のキムチが多く出回っていたが、韓国で原料調達して加工しても価格差は なくなった。メリットがないとして中国との取引を中止するところが出ている)。
    (HN生、丸の内)


(宮崎正弘のコメント)この話、かなり前から韓国のビジネス界で話題になっていました。池東旭さんから、聞いていましたが、いよいよ本格化したようですね。


   ♪
(読者の声2)先日のこの欄で「中国人に儒教精神がない」といわれましたが、面白い実話があります。
ある日、東京で中華料理屋で食事しながら『論語』を読んでいました。店の主人が私のテーブルの横を通った時、それをちらりと見ました。
帰りに勘定を払うと、「これは内緒」と言って約3割もどしてくれました。ただし中華料理屋の主人は台湾出身者でした。
鳥インフルエンザの件は米国も同様です。
日本では全頭検査をしているにもかかわらず、以前BSEが発生したからといって日本からの牛肉の輸入を禁止しています。そのくせ自国は全頭検査をおこなっていないにもかかわらず日本には輸入再開を要求してきます。
クリントン大統領は米国人以外の「AIDS患者」の米国への入国を禁止する大統領命令をだしました。自国が火元だというのに、さすがAIDS先進国です。
米国からの牛肉の輸入再開には、以下の条件をつけるべきです。
ニクソン大統領時代、米国議会は食糧危機が起きた場合は、大豆等主要食糧の輸出を大統領命令で禁止することができるという法律を作りました。日本をその法律の適用除外国とするのです。「これこそ同盟国の証しだ。ショー・ザ・フラグ」と言えばよいのです。
これは、日本の食糧安保にとって有力な対策の一つです。
      (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)台湾における本省人は、日本教育を受けているため、旺盛な儒教精神が残ります。まして在日台湾人なら尚更のこと、儒教精神の申し子でしょうね。かれらは大陸の「中国人」のことを「シナ人」と言って、区別しているくらいですから。
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(トピックス)李登輝前総統が日本の社会科地図を批判

 「李登輝前総統は11月3日、李登輝学校における日本李登輝友の会の第三回研修会終業式でのスピーチで、日本の社会科地図の問題は、両国間のいびつな関係の象徴だと指摘した。
李氏はそのうえで、日本政府は強盗の論理である「台湾を中国の一部」との中国の主張を「理解し、尊重する」と表明し、文部科学省に至ってはさらに踏み込んで台湾を中国領土とする地図帳を検定で合格させたことは、中国の台湾侵略の正当化、台湾人民の人権蹂躙に等しく、平和愛好国家の日本にとっては道徳的汚点だと述べた。
 また「日本民族は真実と誠実さを重んじる。台湾の親日感情の原点は、その民族性への憧れ。しかし台湾を中国領とする教科書には真実も誠実もない」と批判した。
 これらの発言は台湾人の心の声を代表するものと言っていいだろう。台湾人が日本政府に言いたいのは、中国にへりくだって台湾という島を売り飛ばして、日本はそれで本当にいいのか、ということだ。この問題では、日本を理解し、日本に期待する人であればあるほど失望や悲しみ、そして怒りが大きいのである。
       (「台湾の声」。11月4日号より)
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(サイト情報)米通商代表部(USTR)は11月2日、「日米規制改革および競争政策イニシアティブ(U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)に基づく年次報告書」を発表。ポートマン代表は「日本が進めている経済改革を、米国の輸出業者へ市場を開き、日本経済の成長を促進する」と評価した。
(1)USTRのプレスリリース USTR Portman Applauds Japan Regulatory Reforms
November 2, 2005.
http://www.ustr.gov/Document_Library/Press_Releases/2005/November/USTR_Portman_Applauds_Japan_Regulatory_Reforms.html
(2)報告書全文(PDFファイル)Fourth Report to the Leaders on the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative USTR, November 2, 2005.
http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/Reports_Publications/2005/asset_upload_file560_8292.pdf
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(お知らせ1)“ポーツマス・ネットワーク”発会記念のシンポジウム
11月19日(土曜)神田学士会館
パネラー 井尻千男、加瀬英明、藤岡信勝、宮崎正弘
http://www.nichiro-pn.com/(ホームページ更新、詳細と申し込み方法)
http://www.nichiro-pn.com/main_pre001.html

(お知らせ2)三島由紀夫初期の五短編みつかる。これまでにも切腹場面に酷似部分があり、総出はないかと言われていたが故中井英夫氏のノートなどから「愛の処刑」は三島作と断定された。
「日本経済新聞」11月4日付け夕刊。↓
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20051104STXKF002004112005.html

三島由紀夫氏没後35周年「憂国忌」
http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
11月25日(金曜日)午後6時(五時開場)
   ▲
(お知らせ3)来る15日、櫻チャンネルに宮崎が出演します。
「三島由紀夫特集番組」。
キャスターは西村幸祐氏。
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