国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/29

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月29日(土曜日)三
     通巻第1277号 臨時増刊号 
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中国が大学改革を標榜したが「学問の自由」はどうなるのか?
「十年以内に世界の一流大学に!」が合言葉
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 中国では今年新卒の大学生は約340万人とされるが、そのうち百万人が職にあぶれた。
  新卒者に職が無いという「高度成長」があり得るのか、どうか?

 なかには月給三千元(43000圓ていど)以下の条件に甘んじて、とりあえずの腰掛け組が目立つ。
 これまでは月給7000元(10万円弱)でも、エンジニア方面なら引く手あまただったのに。フリーター、ニートなど、おそらく日本の十倍はいるだろう。
 過去十年間で、中国における大学生の数は、じつに五倍! 大学院修士課程が四万八千人、博士課程卒業が8000人!(でも誰が審査するんですかね?)
 
 人口比で大学進学率は1978年が1・4%、それがいまや20%。
 さらに大学への補助予算は年間104億ドル(公式国防費の35%近い)。これは98年の江沢民の大学教育強化政策以来。(理由は施設、実験旨不足などにより40%が欧米の大学へ留学するしかなかったからだ)。

 今年の四年制大学への「新入学」は、470万人もいる。
これじゃ、何処かの国の「駅弁大学」と実態は変わらないんじゃないですか?

 ヤオ・チーチー(音訳不明)というコンピュータ分野では世界的なプリンストン大学教授がいるが、先頃、北京の清華大学に招かれ、高度最新鋭コンピュータプログラムの責任者に任ぜられた。
 ヤオ教授は、プリンストン大学教授を擲って「祖国の学問のために」、北京へ馳せ参じた。ヤオはシンガポール生まれ、台湾育ち、アメリカで学業をきわめ、アメリカが期待した人物。頭脳流出になる。

 中国は「大学改革」に乗りだしたのである。十年以内に世界の一流大学に伍せる人材を輩出させると豪語。
 その意気込みや、よし。
 とりわけ科学技術に特化し、学生を教える「頭脳」は世界中から掻き集める。

 「だが学問の世界で、一番重要なモノは自由であり、そうした自由な思索の雰囲気のない中国の大学環境が変わらない限り、学生の不満は高まるだろう」とNYタイムズが疑問視している(10月28日付け)

 台湾在住の作家、李傲は九月に北京大学で講演し、学問の独立と自由について喋ったところ、当局がクレームをつけた。李は爾後、飼い慣らされたようになってつまらない講演を続けた。李傲は小説家としてなかなかの作品群があるが、連戦や宋楚諭側にたつ中華思想の持ち主。学問の自由より中華文明のほうに価値観を見いだしたのであろう。
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(お知らせ1)11月25日は「憂国忌」です。
http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
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(読者の声1)平成17年(2005年)10月29日(土曜日)通巻第1275号の福田総理を訪ねた韓国人のお話.非常に興味深く拝読しました.
 実は,私はこの話を遠い昔にどこかで聞いたか,読んだ記憶があり,そのソースは忘却の彼方へ消えても,内容には非常に強烈な印象を抱きました。
それ以来,「フランスのベルサイユを見よ.シナの紫禁城を見よ.いずこも為政者は富をその手に集中する。対して日本の首相は質素である。例えば(.トこの話を紹介して)「...それが日本の国柄だ」と若いひとにも話しております。
 愚見によると宮崎先生が「発掘」されたこのお話は,もう日本の国柄に関する古典(定番の小話?)になっているのではないでしょうか?
   (YN生、八王子)


(宮崎正弘のコメント)もうひとりの主役、イ・ドヒュンは李度衛(この最後の字は「衛」に酷似文字で日本語になし)と書くはずです。
小生はイ氏から直接聞きましたが、かれは韓国の保守論壇の重鎮。韓国版の『諸君』に類する雑誌を主宰されて、いまの反日政権に正面から対立している人物です。いぶし銀のような面貌で、重厚な文章を日本語で綴ります。ただし親日派ではありませんが(苦笑)。
李さんには日本語でじかに書かれた著作が二、三冊あり、そのなかで。ただし李さんの本、日本でサッパリ売れず、どこか図書館にでも行かないとないかも知れませんが。
ともかく イ・ドヒュン氏自身が福田元首相の「しもたや事件」を書いています


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(読者の声2)先週、日本から岡崎久彦氏らが台湾を訪問してのセミナーが開催され、その席上、陳水扁総統が「日本と自由貿易協定をむすびたい」と呼びかけられた由。
http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/05/051026a.htm
台湾を孤立させないためにも前向きにいきたいところですが、いかがでしょう?
   (YT生、石川県)


(宮崎正弘のコメント)FTA締結は焦眉の急ですが、はたして日本の政府は北京の顔色をうかがうばかりで、「台湾関係法」ひとつ、制定できない。それが、その先のことを言っているわけですから。
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(お知らせ2)小誌は取材旅行、シンポジウムなどにより11月3日―4日が休刊の予定です。
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(訂正)昨日付け1276号記事中の「孫文革命をたすけた遠山満、内田良平のバックには九州の石炭王がいた」の箇所で、遠山満は「頭山」の間違いです。訂正します。
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創刊日:2001-08-18  
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