国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/28

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月29日(土曜日)貳
     通巻第1276号 臨時増刊号 
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中国で土地を失った農民が4000万人もいる!
   驚くべき数字が北京の内部資料で行き交っている
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全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は、「全国で4000万人の農民が農地を失った状態」という驚くべき報告を密かに行った。10月26日のことだ。

過去15年間で工場道路などに転用された農地は2000万ヘクタール。
 「強制収容などで農地を失った農民の生活が立ちゆかなくなり、暴動をおこすのは、社会の安定を脅かす最大の要因」と警告したうえで、同常務委員会は、「農業への投資を増やす必要がある」としている。

また高度経済成長により、都市と農村部の貧富の差が巨大化している事実はあまねく世界に知られているが、教育、医療政策などでも、地元幹部が貧困層から搾取し、富裕層が節税減税になるという矛盾したシステムも顕著である事実が指摘されたという。
 
北京理工大学経済学部・胡星斗教授は「中国の都市と農村部の経済格差と東西部地域の経済格差とも世界最大である」として、続けた。「北京、上海などの大都市部の平均収入は、貴州などの貧困地域の12倍から16倍もある」。

また炭鉱労働者は劣悪な安全管理の炭坑で過酷な労働を強いられているが、炭鉱事故が後を絶たない。
毎年5000人から8000人が事故で死亡している。補償は殆どなされていない。
中国では、炭鉱の百万トンの生産量あたりの死亡者数は3人。ちなみに米国が0.03人、ポーランドや南アフリカは0.3人。中国の炭鉱労働者の死亡率は南アフリカの10倍、米国の100倍というおぞましき安全無視の実態も浮き彫りにされた。

「重慶朝刊」は「山西省は豊富な石炭資源地であり、富裕層が輩出、ちなみに資産が一千万人民元を軽く超える“炭鉱大富豪”が多い」(8月8日付け)と伝えた。
これらの石炭内勤が個人で所有するロールスロイスなど高級外車が急増しており、毎年の「北京モーターショー」で超高級展示車を購入しているのも炭坑成金がゾクゾクらしい。麻生多賀吉は石炭王だったが、福祉にカネをつかった。息子はポスト小泉の首相候補のひとり。

 孫文革命をたすけた遠山満、内田良平のバックには九州の石炭王がいた。
 日中の石炭王の価値観、人生観の差違は、こうした点をひとつとっても明らかである。
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(お知らせ1)11月25日は「憂国忌」です。
http://www.nippon-nn.net/mishima/index.html
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(読者の声1)福田元総理がなくなった後、The Economist Newspaper(これが正式な名前ですが、実は現在では実質的には週刊誌)に死亡記事が掲載され、その中でケチョンケチョンに書かれていました。
翌週の読者の投書欄に、西ドイツの元首相のシュミット氏が、福田氏がいかに素晴らしい人物か、サミットで会ったときの体験を交え長文の投書を書いていました。
ちなみに、The Economist Newspaperの死亡記事で度肝を抜かれたものがあります。
「橋のない川」の著者の住井すえ(本当はや行の「ye」だがカナ入力がうまくいかない)の死亡記事が黒枠つきで一ページぶち抜き、それも同紙の最後尾の非常によい場所にありました。内容は、同氏の業績を褒め称えたものでした。
  (ST生、神奈川1)


(宮崎正弘のコメント)エコノミストの対日報道の底意地の悪さ、品良いトーンに装って、じつは口を極めての悪罵より、効果を上げます。基本にあるのはジョンブル精神と、その英国版の華夷秩序(?)。アメリカを馬鹿にする優越感や、日本を第二次世界大戦で粉砕された逆恨みが、いまもかれらの体内のどこかで眠っているんでしょうね。


   ♪
(読者の声2)アンドリュー・カーネギーは死の直前、全財産を慈善事業に寄贈した。
またカーネギー・メロン大学、カーネギー・ホール等の文化事業にも多額の資金を提供した。
氏は、禿たかファンドの正反対の健全な実業家の代表格と見られている。しかし、カーネギーには暗い面もある。19世紀末の不況下、転職先のないのをよいことに従業員の給料を三分の一にした。ストライキにはギャングを雇って対応し、市当局、市議会を買収して市警からはお咎めなし。
むしろカーネギーがこういった暗い面をうまくマネージできたからこそ、USスチールは大をなしたといえるのであろう。墓に「自分より優秀な人間をうまく使った人間ここに眠る」と書かせたそうだが、「自分より優秀な人間」がどういう人間であったか、胸寒い思いがする。
彼の生き方・成功哲学をもとにナポレオン・ヒルの自己研鑽プログラムが作られているが、成功のための技術という面は別として、哲学という面では、うそっぽい皮相なものではないのであろうか。
  (ST生、神奈川2)


(宮崎正弘のコメント)JFKの親父もどことなく似てませんか?



(編集部より)まず下記の投稿がありました。
「去る10月26日付け通関第1269号に載った“しなの六文銭”さんの『読者の声2』にある下記の事項について質問があるのですが、ご本人にどう問い合わせをよいか分りませんので恐縮ながら先生経由で質問を差し上げる次第です。恐縮ながらよろしくお願い申し上げます。同氏の当日の『読者の声2』の(4)に人民元の札についてのコメントがあります。そこに【この中国人民銀行(中央銀行)は今年8月末に、人民元の国際化に対応するため、紙幣の裏面に元のローマ字表記である「YUAN」の文字を加えました。対外的な呼称もそれまでのRBM(レンミンビー)からYUENにするようです】と書かれていますがそれがどれを指しているのか分りません。
人民元札の裏には“十元”札であれば“SHI  YUAN”という形で『YUAN』は金額の単位として以前から表示されているのがありますが、この『YUAN』とは別に表示されているということなのでしょうか。人民元札をスキャンしても良いのですが、うまい具合に人民元の札とコインの裏表をウェブ上に表示したサイトがありましたのでこれでご覧になれます。
 http://www.chinatoday.com/fin/mon/
 『しなの六文銭』さんにお問い合わせいただければ幸いです。(HA生)」

 これに対して「しなの六文銭」氏より早速回答があり、つぎのようです。
「当該内容はエコノミスト某氏の或る財団での講演をもとに書き込んだものです。YUAN表記が中国紙幣に加えられたという部分はネットでチェックした日経の記事で確認し引用して書きました。しかし不正確な部分があれば当然のことですが文責は私にあります。小生駄文も熱心に読んでもらっているのが判りました(微笑)」。
 さて。
蛇足ながら宮崎は「しなの」氏へ次の私的コメントを添えました。
「YUEN表記は、新札から始まっており、すでに100圓札がそうです。八月以降は50,20,10圓札にもYUENを表記するということでしょうね。ところで圓は「円」から行ったらしいので、日本のほうが元祖という説がありますが、「圓」の簡体字が、中国では「元」、日本では戦後の略字化により「円」、したがって圓の御先祖は中国です。宮崎正弘」。
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(サイト情報)(1)米国財務省は、10月21日に「大量破壊兵器(WMD)の拡散に関与している」北朝鮮の8団体の資産を凍結すると発表。
http://usinfo.state.gov/eap/Archive/2005/Oct/21-632871.html
(2)テロリストの資金源に関する議会調査局(CRS)の報告書 Terrorist Financing: U.S. Agency Efforts and Inter-Agency Coordination.  By Martin A. Weiss CRS Report for Congress.  August 3, 2005.  56p.
http://www.fas.org/sgp/crs/terror/RL33020.pdf
(3)10月24日、東京の大使館で行われた記者会見で、バーンズ国務次官(政治問題担当)は記者の質問に応える形で北朝鮮について言及。State's Burns Gives Press Conference in Tokyo Undersecretary of State for Political Affairs R. Nicholas Burns Tokyo, Japan
October 24, 2005
http://japan.usembassy.gov/e/p/tp-20051024-71.html
(4)"Terrorist Financing"の関連サイト 国務省 国際情報プログラム局
Bureau of International Information Programs, U.S. Department of State
http://usinfo.state.gov/ei/economic_issues/terrorist_financing.html
(5)財務省 海外資産管理局(Office of Foreign Assets Control) Office of Foreign Assets Control, U.S. Department of the Treasury
http://www.treas.gov/offices/enforcement/ofac/
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 << ポーツマスネットワーク 発会記念シンポジウム >>
    「明治の気概 ―日本人の可能性―」

 九月三日、日露戦争勝利百周年を祝う青年の集いは、全国から1600名が参加、熱気に溢れた愛国者ヤングのあつまりとなり、それが切っ掛けとなって誕生したのが組織にとらわれないネットワーク!「ポーツマスネットワーク」です。
 次代を担う青年学生を中心に、今回は年齢制限もありません。先着順です。
         記
とき  11月19日(土)13:30‐16:30
ところ 学士会館 東京都千代田区神田錦町3‐28 
http://www.gakushikaikan.co.jp/info/access.html
(神保町、竹橋から便利な場所です)
定員  220名(入場無料)
パネリスト:井尻千男、加瀬英明、藤岡信勝、宮崎正弘(50音順、敬称略)
 詳しくは下記サイトで。
http://www.nichiro100.jp/index.html
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<< 宮崎正弘の最新刊 >>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/saisinkan/
      ☆ ☆
<< 宮崎正弘のロングセラーズ >>
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1400円+税)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1600円+税) 
http://deserveit.jp/am/asin/4484052083.html

『中国のいま、三年後、五年後、十年後(改訂版)』(並木書房、1575円)
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1600円プラス税)
『拉致』(徳間文庫、590円+税、以下同)
『ザ・グレート・ゲーム』(小学館文庫、476円)
           ☆ ☆ ☆ ☆
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◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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