国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/27

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月28日(金曜日)
      通巻第1271号  
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台湾への偽平和攻勢が続いている
 なんで北京が光復節祝賀を言い出すのか
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 台湾は解放されなかった。日本が出ていくとき多くの台湾人は泣いた。日本が突如撤退して、GHQの占領名目で蒋介石軍が入ってきたが、べつに台湾を統治する合法性を持っていたわけでもなかった。

 だから台湾は解放されたわけでもなく、蒋介石の不法占領といったほうが、国際法上は正しいのだが、現実は既成事実としての「光復節」なる“記念日”がフレームアップされてしまった。

  その日、李登輝前総統はワシントンで大歓迎を受けた旅の最終地ロスアンジェルスでも、歓迎パーティに出席した。参加は海外台湾人を中心に2140名、会場は熱気で溢れた。
 李総統は「中華民国は台湾であり、台湾正名運動を展開するのは当然」と持論を述べた。

 台北では陳水扁総統が日本からの来賓を前に演説し、「台湾光復60周年」の日の意義に言及して、「台湾人が自分たちを主人公にできたことが光復の最大の意義だ」と強調、「台湾が中国に復帰したことでは絶対にない」として中国の「祝賀」の意図をやんわりと牽制した。 この解釈は中途半端だが、過去の国民党解釈よりは改善されている。

 野党・国民党は馬英九主席が「中国時報」に寄稿、「(日本植民地時代の)”抗日志士”と中国大陸で革命にかかわった先人との間に違いはない」と変なことを言いだした。
 
  直前に胡錦濤は「抗日戦争を闘った主体は国民党だった」と、その歴史をするっと修正している。
 そうだ。共産党は日本軍と戦ったわけでもなく、背後でゲリラをちょっとばかり展開し、三回だけだまし討ちで日本軍の輜重部隊をおそったことがあるが、それを抗日勝利って鼓吹しているだけだ。
 
 ところが馬の寄稿では、中国側の主張に添った基調になっており、「陳水編政権が公式行事で光復節を大々的におこなわないのは間違いだ」と民進党を露骨に批判した。
 次期台湾総統へ最右翼にいる馬が中華思想の持ち主であることは、こうした些細な文章からも伺えるだろう。

 北京でも、(およそどういう関係があるのか)「台湾が”解放”されて(誰が解放したの?)から60年を記念」して、「台湾光復60周年記念大会」なるものを唐突に人民大会堂で開いた。

 ところが胡錦涛主席は欠席、しかも28日には北朝鮮へ向かう。
  この式典に出席したのは共産党序列4位の賈慶林・全国政治協商会議主席で、日本による台湾統治を「台湾同胞に対して犯した罪は語り尽くせない」と総括した。

 この会が盛り上がらなかったのは小泉首相の靖国参拝に抗議するかたちをとると反日デモがまたも暴力化しかねないとする懸念から共産党が配慮したそうな。

 ただし賈常務委員は演説の中で突如として「カイロ宣言」に言及し、「英米中の参加国が署名したカイロ宣言で『日本は中国から奪った満州、台湾などの土地を中国に返さねばならない』と明確に宣言しており、45年のポツダム宣言でも「カイロ宣言に書かれた条件を日本が実施しなくてはならないことが第8条に盛り込まれた」などと脱線した。

 ちょっと待って下さい。
 カイロ宣言はプレスリリースに過ぎないものであり、外交条約でも何でもないことを賈は故意にネグレクトしてますね。

 ま、盗用の論理と間違った歴史を「正しい歴史の鏡」と協調してきた国ですから、驚きはしませんが。

 そして、この頃、連戦前国民党主席は貳度目の北京招待旅行を大連、青島とすごして四川省の成都にいた。成都? 熊猫の産地でもある。
 五月の訪中で約束されたパンダ二頭の贈呈式とやらに連戦夫妻が出席する為である。
この連戦といい、馬英九といい、自民党の親中派のごとき、北京の走狗に成り下がってしまったのか。
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(読者の声1)有識者会議が10月25日の第14回会合で「女性・女系天皇容認」を決定したことに関して、同日、直ちに、皇室典範問題研究会の小堀桂一郎代表が以下のコメントを発表しております。(皇室典範改正有志の会同人) 


「素人の集団にすぎない「有識者会議」がわづか一年足らずの勉強会の挙句に、早くも皇室典範改正の基本線についての結論を出さうとはあまりにも性急であり、文字通りの拙速といふ他はない。民間の学識者の意見を顧みる余裕もなく、現皇族の御意向を聴かうともせず、然るべき政治家の意見にも敢へて耳を藉さうともしない、その頑なな姿勢を見ては、この会議にはかかる重大問題を議する資格は無いと断ぜざるを得ない。」
 平成十七年十月二十五日  皇室典範問題研究会代表 小堀桂一郎
    

(宮崎正弘のコメント)はじめに結論ありき、の「有識者」って一体なんなのでしょうか?座長はロボット研究の権威? 皇室を議論するのに、なぜこの人が? 皇室とロボットを同一視。まさか?
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(同所パンフレットより)「宮崎正弘氏は豊富な現地調査と鋭い視点より冷徹な国際分析をされており、数々の著作を発表されています。『ザ・グレート・ゲーム―石油争奪戦の内幕 小学館文庫』では、イラク戦争の前には、開戦か否かで国際世論を二分した列強各国。そこには、イラクに埋蔵される石油採掘権を睨んでの熾烈な駆け引きがあった。地球上の石油はあと79年で枯渇するといわれている。イラクの石油を掌握し世界の覇王たらんとするアメリカ。エネルギー輸送の要衝として膨大な権益を握るロシア。世界有数の石油消費国として経済発展を続ける中国…。戦争に絡む各国の思惑、資源獲得工作を孕んだ外交の本当の狙いなど、権謀術数渦巻く各国のエネルギー戦略に迫った刮目の分析をされています」。
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会費   3000円 学生 2000円  
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定員   80名 申し込み先着順  info@hirakawa-i.org
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