国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/22

●小誌総発行部数325万部を突破! ●登録読者 6750名!
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月22日(土曜日)貳
    通巻第1265号  臨時増刊号
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<<今週の書棚>>

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小堀桂一郎・渡部昇一編『新世紀の靖国神社』(近代出版社)
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 大著である。しかも国民必読の書なのである。
 現代日本を代表する25人の論客が、靖国神社の正当性を検証し、これを中国と韓国と、それに媚びる大手マスコミと親中政治家、経済人と問いかける。マスコミの靖国誹謗も、左翼の残党が仕掛けている洗脳工作の一環だが、そうした本質を結果的に本書はえぐり出している。
 いま日本が展開している外交が、もし『外交』のいう名に値するなら「それはもはや痴人の振る舞い」(石原慎太郎)だ。
 通読しながら次第に憂鬱になって、深く考え込んでしまった。日本人の多くは、国の基本、民族の精神を忘れかけてしまった。防衛の意味もわからない政治家が増えて、靖国参拝に反対する妄言を吐く輩がでてきた現実は、どう解釈すべきだろうか? これぞ「かれら」の洗脳工作が“輝かしい”成果を挙げたということなのか。
繁栄のメタルの裏側は亡国の危機である。
 本書は全体が四章で構成され、第一章の「基礎的認識」として神社の戦後と現時点の論点」を大原康男、小田村四郎、中嶋嶺雄氏らが鋭角的な論理を展開され、
 第二章は「昭和殉難者合祀の経緯と合祀取り下げ論」を渡部昇一、小堀桂一郎、吉原恒雄の各氏が。
 第三章は「内政干渉の発生」について加地伸行、倉林和男、稲田朋美、黄文雄、相林、長谷川三千子、さかもと未明、西村真悟の各氏。
 第四章は「政教分離問題・訴訟と論戦」として百地章、佐藤和男氏らが。
 最後に「特別座談会」を稲田朋美、高森明勅、渡部昇一の三氏が小堀桂一郎氏の司会で論じておられる。全体の目次を俯瞰しただけでも、論客の正論体系といった性格があり、家庭常備薬ならぬ、書斎に必携の書物となっているのである。

 さて靖国問題が急に喧しくなったのは、中国の外交戦略が主であり、とりわけ天安門事件の虐殺を糊塗するために江沢民が始めた反日キャンペーンが、彼らの暴政維持に必要欠くべからざるほどの便利なものであることを、逆に中国共産党が知り得たのは、じつは中曽根元首相という『戦犯』的な政治家の狼狽が嚆矢となった。
中曽根元首相は突然、公式参拝を取りやめ、その理由に「胡耀邦の立場が悪くなるから」という、突拍子もないことを言い訳とした。
 法律的に言っても日本には「戦争犯罪者」はいないし、「戦犯」は、したがって存在しない。
パール博士は「日本は無罪である」と東京裁判で主張され、のちにマッカーサー自身が「日本は自衛のために(FOR SECURITY)闘ったのだ」と議会で証言している。
昭和27年の国会決議は「戦争受刑者の赦免」である。
 ところが中国に言いなりになって、裏で工作していた親中派の親分格は、誰あろう後藤田とかいうケイサツあがりの左翼官僚だった。後藤田は国家の基本方針をねじまげるべく獅子奮迅の活躍の場を、こともあろうに政権執権党の自民党を牛耳ることで実現し、このときから自民党は左翼政党に成り下がる。
 爾来、かれらが作り上げた、あるいは北京と合作した虚構は、「東条が戦犯であり、分祀するか、別の追悼施設をつくってお祭りすればアジアの日本への誤解はとける」という国家民族の基本をないがしろにしたフレームアップだったのだ。

 小堀氏ら本書の論客らは言う。
「戦犯と呼ぶことは国民としておかしい」。
「かれらは不当な東京裁判がでっちあげたのであり、「英霊は昭和殉難者」と呼ばなければならない」。
 しかも思い出していただきたい。
 「戦争犯罪裁判での受刑者達の国内における処理上、画期的な判断基準の定立となった昭和27年四月の第十六回特別国会における法改正決議は、自民党、改進党、右派・左派社会党と、与野党あげての全会一致の可決だった。この決議があったがゆえに、それを受けて昭和殉難者の靖国神社への合祀が実現した。東京裁判の被告だった十四柱の御祭神も、もちろんこの国会決議に支えられて合祀されるに至ったのだ」(小堀桂一郎氏所論、本書218ページ)。
 合祀は国民の合意であり、いまさら分祀などと妄言を吐くのは歴史の初歩的知識もない失態、政治家失格である。
 その重要な歴史的事実を知らないはずがない。しかも中曽根康弘なる「大勲位」は、そのとき既に国会議員だったはずであり、同罪は宮沢であり、二階堂も金丸もそうなるだろう。
ともかく「日中友好」なるものを急いだ輩たちは、国会決議を無視して、国の基本を危殆に瀕せさせる愚行に走った。近年は中国の女スパイと懇ろになった首相まででた。
だから、彼らこそが「戦犯」であり、所謂『A級戦犯』なる中国、韓国の政治用語を我が国のマスコミや国会議員が使用するのは、政治宣伝に踊らされることを意味する。
 かくいう正論をあらたまって読みながら、さて現実の日本はと言うと、日々これ精神が衰退しているのである。


   ♪
黄文雄『驕れる中国の悪夢の履歴書』(福昌堂)
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 中国人が奴隷根性まるだし、奴隷が幸せと考えている種族であることは、小生も度々指摘してきたが、じつは魯迅が正鵠を得た指摘をしているのである。
 魯迅は言った(「灯火漫筆」)。
 「いわゆる中国文明というのは、じつは、ただ有閑階級の享楽のために用意された饗宴である。いわゆる中国文明というのは、じつはただこの人肉の饗宴のために用意されただ厨房にすぎない。知らずに賞賛するのは、まだ恕(ゆる)されるべきものであって、知って称賛するならば、このやから(輩)は永遠に呪われるべきものだ」。
 
 だから中国人は奴隷根性がすきなのだ、とずばり、本質を黄文雄さんは言う。
 「中国は詐欺が横行する人間不信の社会だから、中国人は若い頃からそういう社会で生き抜くための処世術を本能的に磨き上げてきている人種である。日本人と比較すれば、小さな子供でも百戦錬磨の戦士だ。日常生活で血肉となるように磨いてきているから、競争の激しい国際社会への適応能力も高い。そこに強みがあるのだ」と。

 賄賂が横行し、讒言が拡がり、自分さえ助かるのなら親兄弟を売る。
 「正しい歴史」なるものは、改竄して自分が正統だと訴える一方的な、デタラメな歴史で、これに従わなければ懲罰するという社会は、秦の始皇帝いらいの中国人のDNAだから、日本が善意をもって日中友好なんて寝言を言っている裡は付け入られるだけである。
 「中国人は徹底的に弾圧すれば従順になる」というのも、中国人の政治原則の一つであり、なにも共産党独裁の専売特許ではない。
四千年の間、この悪弊は廃れなかった。
 こういう内容の本書が、平和惚け日本人の、とくに若者に読まれることを深く望みたい。
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(再録)

 『中国の高度成長は終わった』
            宮崎正弘


 中国特需が終息し、過激な反日デモを目撃しての嫌気も手伝って、日本企業の中国進出ブームが下火になるや、「次はインド」という合唱が政財界に突然拡がっている。
  数年前までは「次はベトナム」と言っていたが、独裁政治の規制が多すぎるため同国への進出選定は難儀を極める。

 なかには「次は東欧」などと突拍子もない説を主張する粗忽な経営コンサルタントまででてきた。地理的に遠隔地であるうえ宗教文化、企業マネージメントの違いをそれほど簡単に乗り越えられるのだろうか?

 しかし「中国の次」を、いまから探すでは遅すぎる。「次のインドの次」を本格的に準備、模索する段階ではないのだろうか。
 げんに中国のアパレル産業そのものが人件費の高騰にネをあげて早くもカンボジア、ミャンマー、バングラデシュへと工場移転を始めているのだ。

  先月、筆者はバングラデシュへ取材に行ったが、ダッカでは500社の中国系ミシン工場に数十万の雇用があり、ちかく工場団地をダッカ郊外に造成して「チャイナ・タウン」にするという。「中国の次」の主導権も、こうなると中国自身が発揮している。
 こうした中国企業の驚くべき身軽さは、現地に根を張る華僑ネットワークに依存する部分も多いが、経営者の「決断」の早さが最大の要素である。稟議・審議に時間をかけた上、幹部の現地視察、コンサルタントや法律家との相談をおこなって進出をやおら決める日本企業の慎重さは、流動激しいこんにち、後手後手にまわりがちとなる。

 とはいえ労働賃金の安さを求めて川上から川下へと移動をくりかえす産業は、次から次へと工場を移し、労働力を確保し、訓練し終える頃には当該国の労賃が高騰しているという矛盾を内包している。
 筆者は個人的に中国全33省をつぶさに観察し終えた昨秋あたりから、取材先を変更した。ミャンマー、バングラデシュ、パキスタン、カンボジアなどといった中国の”外縁”の国々の実状を探る理由はすこぶる単純で、「次のインドの次」探しの旅でもある。

 以前、この欄でインドの経済発展のめざましさについては書いた。ヒンズーの規制をもろともしないで大都市ではディスコ、西側の音楽。「新人類」の大量の登場。
 ミャンマーでも西側の経済制裁をかいくぐって中国企業の進出が激しく、流通から道路建設にいたるまで中国が進出している。そのうえミャンマー沖合のガス田開発をインドと競っている。アンダマン海に浮かぶミャンマー領のふたつの島には軍事基地を建てた。

 ミャンマー、バングラデシュ、インドネシアなどで爆弾テロが頻発するのは、じつはこうした華僑の経済支配への反発がある。ターゲットの多くが華僑経営のビルなどである。
 スリランカへも中国系繊維産業が進出しているが、本格的な協調は軍事同盟でもあるパキスタンに顕著で、同国のイラン国境に近いグアダールという漁村に中国は巨大な軍港を建設している。

 外縁の国々は、米国の世界戦略から取り残され、日本の経済援助にも限界が見通せるようになったいま、反中国感情を押し殺して、中国の経済進出を歓迎といった風情なのである。

 (本稿は北国新聞 日曜コラム「北国抄」10月9日付けからの再録です)。
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(休刊のお知らせ)地方講演旅行のため10月24日付けは休刊です。
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<< 平河総合戦略研究所講演会 >>

日時   11月13日(日曜日) 午後12時半より3時まで
テーマ  石油戦争の舞台裏ー石油暴騰の元凶は中国のパラノイア的資源戦略―
場所   学士会館(神田錦町)
     http://www.gakushikaikan.co.jp/
会費   3000円 学生2000円 
講師   宮崎正弘 
定員   80名  申し込み 先着順(info@hirakawa-i.org 宛)
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