国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2005/10/11

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成17年(2005年)10月11日(火曜日) 
       通巻 第1252号 
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 欧米金融機関、中国梃子入れの真意はなにか?
   不良債権を一覧する帳簿が存在しない、その杜撰な管理体制
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 ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、USB(スイス・ユニオン銀行)、シティ、バンカメなどが、中国の国有銀行で不良債権の焦げ付きが噂されている工商銀行、中国銀行へ巨額を出資した。

 投資家の原理原則は地味で着実な収益回収にある。だから中国の不良債権を抱える銀行への出資はよほどの冒険に見られるのだが。

 さて通称「ダボス会議」は世界中から著名人が集まり様々な問題を討議する。ビル・ゲーツも石原慎太郎もやってくる。SONYの社長もトヨタの社長も、この会議には時折スピーカーで出掛ける。
 中国人民銀行総裁の周小川も一時はゲストスピーカーに選ばれ、中国のベンチャー企業のCEOの多くも、ダボス会議には出たくて仕方がないらしい。
 正式名称は「世界経済フォーラム」。この会議を組織したのはクラウス・シュワブ。かれが中国ビジネス・サミットを開催したところ、四半世紀前に世界の投資家は半信半疑だった。

 ところが今日では中国の殆どの都市から市長ら幹部が飛んできて投資家をもてなすまでに発展。九月開催の直近の会議には35ヶ国から600人が参加した(アジア・パルス、9月11日号)。
 
だがこの会議でも、深刻な問題とは「中国の経済発展にしか関心がない投資家」と「金集めにしか関心のない中国側」である。
 
最も心配されるのは中国の安定、民主化であり、その軍事力よりも「文化力」ではないのかという議題が次のダボス会議でも論議される予定という。
 創設者のシュワブ自身が、「繁栄が富の偏在と不平等を産んでいる。経済成長の持続がこれからは公平と社会安定、環境問題に向かうべきである」と中国の出席者に鋭く問いかけてゆく方針だという。


 ▲米国のバンカーが助っ人に参じて

 フランク・ニューマンという人物がいる。彼は80年代のバンク・オブ・アメリカとバンカーズ・トラスト銀行を見事に立て直し、ウォール街の有名人となってクリントン政権下で財務副長官をつとめた。

 そのニューマンが「助っ人」として深せん発展銀行の不良債権問題解決に乗り込んだ。この銀行は250億ドルの預金量を誇ると謂われ、ヘッジファンドの雄、ニューブリッジ・キャピタルが1億4500万ドルを出資したばかりである。

 このほかシティグループが上海浦東発展銀行の5%株式を保有し、スタンダード・チャータード(英国)は渤海銀行に一億2300万ドルを投資、同行の20%株式を取得した(九月初旬)。

 ニューマンが数ヶ月前に上海へ乗り込んで激しく驚いたのは「不動産貸し出し焦げ付き帳場が12年間ほったらかしにされ、ほかの帳面も不良債権を徹底的に隠していた」とい事実だった。
 「こんな銀行帳簿をみたのは初めて」とニューマンは正直に告白している)(ロスアンジェルスタイムズ、9月11日付け)。
 ニューマンの荒治療が始まった。
 
かれは無能なマネージャーを片っ端から首切り、さらに不良債権の取り立てプロチームを強化した。法律的に債務者を法廷に引っ張り出すのはお茶の子さいさい。アメリカ人ならではの芸当だろう。同行はニューマンが助っ人にやってきて半年で一億8500万ドルの債券を回収したが、それでも同額の焦げ付きが残る。
前途多難である。

 (この文章は「共同ウィークリー」先月号からの再録です)。
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(読者の声)北朝鮮の核問題で日本人の百人に百人は、中国が北朝鮮の核武装を望んでいないと信じています。北朝鮮の核武装は韓国にも中国にもそれほど脅威ではない。日本だけが最大の脅威を受けると03年のUSCC公聴会で証言があり、委員の一人が「そうすると我々は日本の為にこの公聴会を開いているのか」と反問したほどです。(そんな事日本では全く報道なし)。
米国の専門家の中にも結構多くの専門家が、中国の朝鮮半島政策はNo Nukes No War No Collapseであると主張しています。
しかしこれを原則とするのは危険です。外交政策は悪い事態、好ましくない事態を想定して立案すべきです。

昨年のUSCCの議会宛報告書では中国が北朝鮮のWMD・DM(多分ミサイル)の輸出に際して自国(即ち中国)の港湾、鉄道、空港を自由に使わせていたこと。北朝鮮の核開発に中国の加担の痕跡が窺えるとしていました。
中国―>パキスタンへの核技術が輸出され、一方、北朝鮮のミサイルを中国が自国の交通網を使わせてパキスタンに運ばせたことから、核技術が中国―>パキスタンー>北朝鮮のルートと、中国―>北朝鮮のルートの二つが公然とあったことは十分考えられます。
こういう客観的事実を積み上げれば、外交を預かる政治家、外交官は上記の中国がNo Nuke, No War, No Collapseを原則があるという楽観論を前提として外交政策を立てるべきではないと思います。
宮崎先生もそうでしょうが、私も個人的には大変世話になった中国人、親しい中国人もいます。彼等は総て愛国者です。私とて彼等との関係を考えれば、中国の本当のことを書くことのリスクは並みの日本人より高いと思います。
しかし私を含め日本人が日本の愛国者の立場を守らなければ日本は中国の奴隷にされてしまいます。それがわからない日本人が多すぎるのです。
  (MA生、トロント)


(宮崎正弘のコメント)外国におられると焦りのやり場がない、苛立ちと心理を理解できます。
 ご指摘の中国の危険性こそが、北の核より問題ですよ。
中国は北朝鮮の核を日本にむかって代理使用させるために黙認するというオプションもあります。
孫子の兵法を読んでも、機略、策略、だまし討ち、夜襲、奇襲、、なんでもありの国であり、どんな手を使っても勝利したた方が正しく、中国が言う「正義」とは、かれらが判断しての独断的一方的な正義であり、力は正義であり、欧米や日本の認識であるJUSTICEとは根本が異なりますからね。
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 (三島由紀夫氏没後35周年記念“憂国忌” 開催要項)

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当日のプログラム
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1805 神道儀式による鎮魂祭(発起人参加者全員で玉串奉奠)
1840 「薔薇刑」秘蔵スライド上映と解説(細江英公)
1905 (休憩)
1920 シンポジウム「三島事件から35年、現代日本はどうなったのか?」
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2050 追悼挨拶(発起人代表)および閉会の辞

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